カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

人生相談に答えがあるのだろうか

2019-10-29 | 掲示板

 雑誌などに人生相談のようなコーナーがある。多くの雑誌にこれはあって、不思議なことに、それなりに人気もあるのではないかと思われる。何しろ名物のようなことになっている場合がある。
 しかし、この欄は、ほとんど読んだことが無かったように思う。多少活字中毒のようなところがあるので、まったく読んだことが無いわけではない。いつの間にか読まなくなっただけだろう。理由もよく覚えていないが、要するにあまり気に入らないからだろう。新聞の読者の投稿欄などと同じで、妙にくだらない気もする。相談するなら友達がいいんじゃないか。
 そうなんだけど、誰かが面白いとある人の相談の欄をほめている。そうするとちょっと読んでみるかと覗いてみる。
 それがやっぱり感心しないのである。俳優になろうとしていたが、時もたち、勉強もいろいろしたが目が出ない。年齢もあるので潮時かもしれず、諦めるべきだろうか? という。答えはおおむね夢を見る能力が落ちたのであればやめたらいい、というものだった。実は回答者は鴻上尚史さんで、僕は普通にファンというか、テレビでの印象は悪くない人である。でもこの答えはどうなんだろうか。まあ、分かるように詳しく書いているが、僕にはあまりよくわからない。演出家なので、このような相談が来たのだろうが、だいたいこんな質問よこすような神経が分からないのかもしれない。才能あるかないか、一度見てくれないか、というのならわかるのだけど。まあ基本的には自分で決めなさいと言っているわけである。答えとしてはそれでいい気もするし、実際それしかないとは思うが、だとしたら、演出家の僕であっても分からない、というべきではないのか。
 などと考えてしまうので、僕はこのような欄を読まなかったのではなかろうか。
 以前何かのエッセイで村上春樹が、相談事を受けてもアドバイスや忠告などはしないし出来ない、と書いていた。ただ、うーんとか、そりゃ大変だ、とかいつまでも相槌うって聞いているだけであるという。それは立派なカウンセリングの傾聴という手法だが、そういうことは書かずに、自分にはアドバイスする能力なんてないというような書き方だったように思う。恐らく知っててそうしているとは考えられるが、基本的には正解であろう。しかし村上はやはり、それとは別に紙面などでは、相談事に冗談で返して答えることをよくしている。もちろん、軽く楽しいことを言っているだけのことだが、忠告やアドバイスに変わりないし、それにその答えのセンスもいい。むいているのである。
 少し長くなりだしたのでやめるが、実はこの機会に、他の相談欄を読んでみたりして比較している。上手いといえば上手い回答をひねり出しているケースがそれなりにあるし、精神的に楽になるような根拠を引っ張ってきて、為になる回答をしている人などもいる(すごい)。個性があるから妙な回答をしてそれらしい人もいる。なるほど、だんだんわかってきたが、そのように読むコーナーだったのだな。要するに当たり前だが質問は選ばれていて、回答が楽しければいいようである。まあ、それしかないわけだが、ラジオのようなものなのかもしれない。それを紙面で読みたいというのがあるんでしょうね。これは、もう少し続けて解析してみようかと思い始めている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする