リミット/ロドリゴ・コルテス監督
男が棺桶のような箱に閉じ込められた状態でどこかに埋められている。多分中東のイラクかもしれない。箱の中には携帯電話とライター。男は外部とこの電話で助けを求めるよりない。だんだん状況は分かってくるが、何か運送の仕事のためにやってきたが、テロで拉致されて埋められたようだ。電話で米国のエージェントを通して救出を依頼していくわけだが、同時にこの電話にテロリストから身代金要求の条件も出されるのだった。真っ暗な棺桶の中で、必死の交渉をやりながら、救出へ望みをつないでいく男の物語である。
究極の一人芝居(電話の相手はいるが)で90分引っ張る演出である。正直言って、そういう映画だから人を選ぶはずである。観て後悔する人もあろうし、感動する人もあろう。確かにそれはそれですごいけれど、映画としてはどうなんだ? という思いもあろう。若く体力のある人なら、観ていて感心するかもしれない。
そういう演出なんだから、そういうことに終始して観るよりないが、とにかく僕はイライラしたかもしれない。いつかは違う場面もあるかもしれないと勝手に思っていて(情報がなかったか、忘れていたか)、それがないことに不満があったかもしれない。結局終わってしまって、もっと早くあきらめて観なければよかったと思った。観てしまったものは仕方ないけれど…。