中学生の頃に何故かユダヤの格言集が流行っていて、僕もご多分にもれず手の取った覚えがある。そのほとんどは残念ながら忘れてしまったのだけど、記憶力の悪い僕が何故かいまだに覚えているのがある。それは「ビンタは消える。言葉は残る」である。なんで覚えているのかを忘れてしまっているのだが、その頃は毎日のように先生にビンタされていたので、感慨深かったのかもしれない。僕はすぐに鼻血が出る体質らしくて、ビンタされた後に流血することも度々あった。そうすると叱っている先生も多少怯むらしく、大丈夫か、などと後から言われたりする。叱られているときはそれなりにフムフムと話を聞いていたようだが、そんな時は急に先生に対して軽蔑の念が沸き上がったものである。気遣うくらいなら最初から叩かなければいいのだ。しかしながら血のついたカッターシャツを洗ってくれるのは母であって、なんで叩かれたのか聞かれた覚えは無いのだが、シャツを汚してしまったことは何となく申し訳ないような気がしたものである。ところでビンタされて説教を受けたことは覚えているけど、何を言われたのかはほぼ完全に忘れてしまっている。これって言葉は残らない、ってことでは無いのですよね。
中学生の頃に何故かユダヤの格言集が流行っていて、僕もご多分にもれず手の取った覚えがある。そのほとんどは残念ながら忘れてしまったのだけど、記憶力の悪い僕が何故かいまだに覚えているのがある。それは「ビンタは消える。言葉は残る」である。なんで覚えているのかを忘れてしまっているのだが、その頃は毎日のように先生にビンタされていたので、感慨深かったのかもしれない。僕はすぐに鼻血が出る体質らしくて、ビンタされた後に流血することも度々あった。そうすると叱っている先生も多少怯むらしく、大丈夫か、などと後から言われたりする。叱られているときはそれなりにフムフムと話を聞いていたようだが、そんな時は急に先生に対して軽蔑の念が沸き上がったものである。気遣うくらいなら最初から叩かなければいいのだ。しかしながら血のついたカッターシャツを洗ってくれるのは母であって、なんで叩かれたのか聞かれた覚えは無いのだが、シャツを汚してしまったことは何となく申し訳ないような気がしたものである。ところでビンタされて説教を受けたことは覚えているけど、何を言われたのかはほぼ完全に忘れてしまっている。これって言葉は残らない、ってことでは無いのですよね。