カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

うるさい過疎の私

2012-02-29 | culture
 僕は生まれてこのかたずっと田舎育ちだし、職場も日本の過疎の代表のようなところにあるし、そういう境遇は本当に空気のようにしみついていて、好きも嫌いも特に感じないほどに、田舎になじんだ人間だと思う。都会的センスは微塵も無く、人ごみや並ぶのが何より苦痛だ。東京のような都市に行っていいなと思うのは、ラッシュで無い時間の電車くらいのものだ(酒飲んでも乗れるので便利だ)。
 しかしながら田舎に住んでいて嫌だなあと思うことはそれなりにあるにはある。その代表的なものは、田舎は音がやかましいことだ。いや、普段は車もめったに通らないし、鳥のさえずりの響き以外に聞こえる音なんてほとんど無いのだけれど、時々轟音のようなものが暴力的に響くことが多いのである。
 代表的なのは昼時のサイレン。お昼になったことをお知らせしたいのは分かるが、まるで戦時中の敵機来襲のようである(知らんけど)。サイレンは野山に響き渡り、カラスがカーと鳴く。時々気が狂いそうになるくらい喧しい。
 朝や夕方に音楽が流れることもある。夕方の場合子供たちに早く帰れと言いたいらしい。野山で遊ぶ子供など見たことがない。いらんお世話である。
 夜になると「火の用心、カンカン」と消防車が走る。お世話様だとは思うものの、暗闇から赤い光線とともに現れるのはかなり不気味である。
 昼間でもラジオやテレビを大音量で外に向けて流している家は多い。外で作業しながら聞いておられるらしいが、何百メートルも聞かせる必要があるんだろうか。
 僕は犬好きを自負しているが、田舎の御宅の犬は、どうしてこう激しく吠えるのかと疑問に感じることも多い。僕が歩く散歩コースについては、恐らく多くの人が犬の声で確認できるに違いない。
 何キロも離れた工業団地の電話のアナウンスもよく聞こえてくる。よっぽど離れた場所の人に知らせる必要があるんだろう。作業の音はほとんど気にならないが、構内放送は構外にもれないようにしてほしいものだ。
 自衛隊の演習もすさまじいものである。音ともに振動も激しく、時々古くなった壁が剥離して落ちてくることがある。箪笥の上のものが落ちるなどはよくあることで、ちょっとした地震レベルではなかろうか。窓ガラスも激しく揺れるが、今のところ割れるということはないようだ。演習をするのは仕方がないので、いざという時は負けずに頑張ってほしいものだ。
 農作業などをしていると、一日誰とも会わないということもあるにはあるが、人の姿を確認できなくても、そのような轟音が野山に響き渡らない日は無いようだ。そういう喧しい中で生活していると、身も心も荒んでくるようで、子供を育てる環境じゃないな、とは思うものだ。
 そういう訳で過疎化している訳では無かろうが、田舎暮らしは騒音に耐え忍ぶ生活なのである。
コメント
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