人間失格
2008-12-26 | 散歩
朝上手いこと早起きすることができたら、本当に歩きたい定番コースというのがあって、その道筋を杏月ちゃんと一緒に歩くと、だいたい45分から50分といったところ。よく晴れていたり他のわんちゃんの尿の痕跡が多い時は、杏月ちゃんの匂いを嗅ぐ時間が長くなって5分程度の誤差が出る。雨だと匂いが消えるらしくフンフンする時間が短くなるのだが、糞の処理に時間がかかることがあって(軟便だと雨に濡れて取りにくいのだ)そういう時はかえって時間がかかってしまうこともある。
これだけの距離を歩くと、僕の持っている万歩計で4000の後半か5000歩弱という表示になる。15分以上連続して歩くとしっかり歩行というものが別の表示でカウントされるのだが、多い時はもちろん40分程度表示され、同じく4000歩程度のカウントが出る。しかし不思議なことに同じように歩いているつもりでも、15分と出る日も少なくない。犬に付き合って歩くことは、しっかり歩行につながらないのかもしれない。
僕の持っている万歩計はネットでカウント記録を残す機能が付いており、同じように登録している散歩仲間が全国にいて、それなりに競い合うというようなことになっている。また同時に日本一周といって距離の表示で疑似移動するというような遊びなどがある。僕は二年ほど前から日本一周にチャレンジしていて、沖縄を出発してかれこれやっとのことで現在山口県から島根県へ向かっている途中である。距離にして約1900キロ程度は歩いてきた計算になっているようだ。
ところがこの間一時間にどのぐらいの距離を歩くのかと人に問われ、ゆっくり目で4キロ半、少し早足で5キロ越えぐらいじゃないかという話になった。その人の話だと、だいたい測ってみると十分で一キロ程度は行けるようですよ(つまり一時間6キロではないかということらしい)という話だった。そういわれてみると池田の堤の公園一周が約1キロ(弱なのかも)と聞いたことがあって、僕もそこを一周するのにちょうど十分だったような記憶がある。なるほどそうだとすると、日々万歩計で記録されている距離数にはかなりの開きがあるような気がする。だいたい一万歩程度歩く日で3キロ程度の表示になっているようだ。日によってかなり内容程度は違うにしろ、70分以上歩かないことには、普通一万歩には達しない。単純計算で7キロのはずが、なんで半分以下の距離しか測定してくれないのだろうか。
そこで思い当たるのは歩幅についてだが、だいぶ以前になんとなく測ってみた時は僕の歩幅は55センチ前後だったような記憶があるけれど、ある時90分も散歩したのに2000歩以下のカウントしかされなかったことがあり、機械が信用できなくなって40センチ程度の歩幅設定にして調整するとほぼ歩数どおりのカウントをするらしいことが分かって、そのように設定したような記憶がある。しかしそれでも距離が二倍以上の誤差が出るほどの差ではないような気がする。
やっぱり釈然としないので、普段歩いている散歩コースの実際の距離を測ってみることにした。車の距離計でおおよそをつかむことは可能だろう。本当のコースは車で通れない道もあるのだけれど、車の通る道とそれほどそれるわけではない。まあ、あくまで概算さえつかめればいいということで、車で測ってみたのである。
そうして結果的に先に紹介したいつものフルコースは、3.5キロあることが分かった。歩きだから百メートルほどの誤差があるかもしれないとするとしよう。ちなみの朝歩いた時の万歩計の表示も記録しておいたら、1.52キロだった。やはり二倍以上の誤差である。なんだかひどいじゃないか。
仮に日本一周の距離表示に従えば、倍の3800キロ地点まで行けた可能性があるかもしれない。ちなみに福島県ということらしく、やはりえらく遠いところではないか。考えるだけでものすごく損した気分になってきた。俺の青春を返せという感じだ。誰が責任者か知らないが、一発殴らせてくれという怒りさえ湧いてくるのだった。
しかしながら何時まで嘆いていても仕方がない。歩幅をもう一度測ってみると、やはり普通にゆっくり歩くと50センチ強という感じではあるようだ。万歩計の設定を50ということにして、巻き返しだとばかり朝から張り切ってフルコース50分に挑戦して帰ってくると、万歩計の電池が切れていた。うう、青春どころか俺の朝を返せ、である。
そういう風にさらに意気消沈してしまう散歩ではあるが、これからも少しずつ刻んで前に進むよりない。こういう嫌がらせのような妨害に会おうとも、今日も杏月ちゃんは僕に期待している。そういうことを裏切るようでは、人間としても失格なのである。