西部劇と懐かしのカントリー&ウェスタン日記

現代とはかけ離れたOld Countryの世界ですがずっと続けていきます。興味のある方は時々のぞいてみて下さい。

懐かしのカントリー&ウェスタンー182ー ( ジェンクス・テックス・カーマン )

2011年08月19日 | 懐かしのカントリースター
 
Jenks Tex Carman (1)

米国盤 Crown Records CST-324   ” Tex ” Carman 

(1)Beverly Ann (2)Wreck Of Old # 9 (3)Wild And Wooly West (4)Pal Of My Heart (5)Wondering・・・・ウェブ・ピアスの曲とは異なります (6)Wildwood Flower (7)Wolf Creek (8)Get Along Pony (9)My Baby I'll Be There (10)Border Town (11)My Hawaii Calls


米国盤 Modern Records MST-837 ” Tex ” Carmen / Country Caravan

収録曲はまったく同じ


今回はとっても珍しくてマニアックといえるかもしれない往年のカントリー歌手です。
私がこのテックス・カーマン( 1903~1968年 ケンタッキー州出身 )という歌手の名前を初めて知ったのは高山宏之さんの「 ウェスタン音楽入門 」( 1963=昭和38年 音楽之友社 出版 )という本でした。テックス・カーマンの歌に接する前に名前だけ知っていたということで、実際に 彼の写真を見たり歌を聴いたりしたのは1971(昭和46)年に東芝レコードから発売された「 Wanted 」(CR-9311B)というタイトルの2枚組LP (下の写真・・・以前ブログに載せています) にあった ” Dixie Cannonball ” という曲が初めてでした。往年の Capitol Records 社専属のカントリー歌手を集めたもので 今では珍しいものになっているかな・・・・・テックスはジャケットの右上に載っていて拡大してみました
 

高山さんの本には以前オムニバスレコードで ”逢いたかったぜ ”という曲が紹介された・・・・・となっていましたが 買えない時代のものなので Jenks Tex Carman という歌手は自分にとっては全く未知の人だったのです。 ” Dixie Cannonball ” を初めて聴いた時はもう驚きでした・・・・・この曲はハンク・ウィリアムスも歌っている Train Song ですが ハンクとはイメージがずいぶん違っていたのです・・・・・テックス・カーマンのものがはるかに躍動的で(豪快ともいえる) Train Song らしかった。 好奇心いっぱいの私にはこの1曲でテックス・カーマンに興味を覚えるだけの十分なインパクトがありました、でも情報は全くないまま過ぎて・・・・・ところがある時アメリカから買っていた中古レコードのリストに2枚のレコードが載っていたのです、興味津々で買ってみたのが見出し写真の2枚のLPレコードです、ともに5ドルだったかな・・・・・廉価レーベルらしく、盤質も粗悪なうえに古くてジャケットも痛んでいました。

びっくりしたのはこの2枚、ジャケットは違っても中身の曲が全く同じだったことです、それに青空のジャケットの方は1曲目に針を落とすと 針がズーッと滑っていって終わりの曲になってしまうくらいに盤面がすれていて 針圧を重くしてやっと聴けるといった代物でした。それとクレジットされている(6)Wildwood Flower (カーターファミリーの有名な曲)が入っていなかったこと・・・・・もう唖然とすることばっかりで 初めてのことだったので ” なんということだ !!” でした・・・・アメリカの大雑把なところかなあ。 というわけで 2枚目のブルーのレコードはジャケットだけ眺めて楽しむものになったのでした(内容が1枚目と同じだからいいけれど)・・・・・ジャケットは昔のカントリーらしくて気に入っています( smile )。

さてこのテックス・カーマンのカントリー、一言でいうと まあとてもひとには聴かせられないようなヒルビリー臭プンプンの垢抜けないものです、でも後年ドイツの Bear Family Records 社から3枚のCDとステージ模様を収めたDVDが1枚出されているところをみると 非常にユニークな特徴のある歌手だったことがわかります。 私は興味があったのでベアファミリーのCDまで買って聴いてみましたが その解説なんかにも彼のことは unique なんていう単純な表現ではなくて too raw(粗野な), too reckless(向こう見ずな), too outside for Music City USA(とてもナッシュビル向きじゃない)、 hybrid hillbilly、odd and unusual(風変わりな) なんて言葉が踊っています。 おまけに「 Tex Carman は音楽はどんな風に演奏されるべきかという自分流の rulebook を持っていた 」とか 「 彼にはリズム感が欠けていた 」-なんて書いてあるんですね。 

要するにテックス・カーマンの歌や演奏は一般的な音楽規範から全く逸脱した規格外音楽だったということなんですね。 テックスは普通のマーチンギターの弦高を高くして横にして肩から吊り、左手で金属バーをスライドさせながら右指でピッキングするスタイルで 形式はスティールギターやドーブローギターと同じなんですが同時に歌も歌うんですね・・・・・それもずいぶんアクの強い歌い方です(なかなかよい雰囲気の唄もあります)。 こんなに風変わりで型破りのスタイルであれば普通ならLPレコード(CDも)が出たりはしないと思うのですが よっぽど1950~60年代当時の聴衆に強力なインパクトがあったのでしょう(ヴォードビリアン出身でお客を楽しませる術に長けていたというべきか)・・・・・・アメリカ人はユニークで特徴のある人は大好きなんですね、けっこうレコードが出されていたようです。
ドイツの Bear Family Records 社が3枚もCDを出しているのなんかも結局私が彼のユニークさに目をしばだたせたのと気持ち的には何ら変わらないんじゃないでしょうか(興味津々ということ)・・・・・今の時代からするとなんだか漫画チックですがどことなくユーモラスで憎めない気がするんですね。 とてもビル・モンローやマール・トラヴィスと同じケンタッキー州出身とは思えないんですね(smile)・・・面白い存在なのでまたCDについても後日載せてみようと思っています

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