西部劇と懐かしのカントリー&ウェスタン日記

現代とはかけ離れたOld Countryの世界ですがずっと続けていきます。興味のある方は時々のぞいてみて下さい。

懐かしのカントリー&ウェスタン 134 「カール・スミス (2)」

2010年01月25日 | つれづれに
カール・スミスを偲んで・・・・
Carl Smith (2) 
米国盤 Harmony Records HS-11218 Satisfaction Guaranteed

(1)Satisfaction Guaranteed (2)Doggone It Baby I'm In Love (3)Sing Her A Love Song (4)If Teardrops Were Pennies (5)Buk Up Buddy (6)Trademark (7)Darlin' Am I The One (8)This Side Of Heaven (9)Who'll Buy My Heartache (10)This Orchid Means Goodbye
仕事で出先にある時にカール・スミス(1927年テネシー州出身)が亡くなったことを知りました・・・・・彼の歌を聴こうにも出来ない状況にイライラしていましたが、やっと家に帰りついてスミスのレコードを探して聴いてみました・・・・・彼のCDは1枚も持っていないので全部レコードです。
カントリーがまだ素朴な音楽だった時代なのでほんとにホッとするサウンドです・・・・・カール・スミスの全盛時代は1960年代まで-といっていいかと思います。 私がカントリーミュージックに目覚めて聴き始めた1963~4年頃はレコードは高価で LPレコードなんてとんでもなくて45回転のシングル盤を買うのがやっとでしたから(しかもおこずかいを貯めてです)・・・・それこそほとんど見るだけの時代でしたので私の世代よりも上の人達で Country & Western が好きだった人達には懐かしい歌手だと思いますね。 実際アメリカでは1960年代にたくさんのLPレコードが出されています・・・・総数でも30枚以上ですからもう大スターです。  

高山宏之さんの 「 ウェスタン音楽入門 」(音楽の友社 刊)で知ってはいましたが、自分にとってのカール・スミスはカントリーが好きになってから後からさかのぼって聴くようになった人でした・・・・・それでも1970年代以降はカール・スミスのことは日本のカントリー関係の本や雑誌でも全くといっていいほど採りあげられたことはなかったですよ・・・・・人名事典にも載っていないこともあったくらいです。本人が Country Music 界から身を引いてしまったことも影響しているんでしょうし 日本盤レコードも1971(昭和46)年にCBSソニーから出されたカントリーシリーズ中の 「 Gratest Hits 」(SOPC-57121)が最後で あとは忘れられた存在でした。  日本ではジャズやロックの本はもう無数にあるのに カントリー関係の本は皆無状態というのが当たり前でしたので 好きな人は自分で努力しないと何んにも得られない・・・・ずっとそういう状況でした(今でもそうですが)。

さて、このレコードは僕が初めて買ったカール・スミスの米国 Columbia Records 社の廉価盤 Harmony Records 3枚の中の1枚 (全て中古で1枚2ドルでした) です。 船便で3ヶ月近くかかって送られてきた小包を開けて初めてジャケットを見たときは聴いてもいないのに何だかとっても嬉しかったものです・・・・・その感覚は今でも自分の中に残っているほど。 以前紹介したLP( 懐かしのカントリー&ウェスタンー28-を見て下さい )と次回予定しているLP 「Knee Deep In The Blues」 はきっとずっと忘れないと思います。

このレコードは 内容的にはほぼ全曲にわたって歯切れのよいリズムを刻むスネアドラム( ロック的なうるさいものではありません )にスティールギターと単音のエレキギターが主体の非常にシンプルな音作りで演っていますが、カール・スミスの声が飾らないストレートな Country Voice であるため ”カントリーを聴いている~”という気分にさせてくれます。

スローな曲ではスティールギターのトレモロ(トリル)奏法を多用してなかなかよい雰囲気を出しています。 私の感想では カール・スミスは決して特徴のある声ではないし 歌が上手い方だとも思いません、どっちかというと 喉からしぼりだしたような地声で歌い 声量がある方ではないので一本調子だ-という印象もあります。だからバックの演奏陣のサポートがとても大事だなあという感じで、彼のバンドが The Tunesmith というカントリー界の名門のひとつであったことはよかったと思います・・・・・カール・スミスの自慢でもあったようです。 カール・スミスの個々のアルバム群がCDになっているのか判りませんが例によってドイツの Bear Family Records が大部のCD-Box セットを出しているようです・・・・私は20~30曲くらいのベスト盤でよいと思いますが、ただLPレコードを聴いているとヒット曲でなくても日本人受けする曲があったりします・・・・・今の若いカントリーファンにも忘れられたスター歌手を一度は耳を傾けて欲しいと思います。
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つれづれに ( カール・スミスの死 )

2010年01月20日 | つれづれに
今日(1月19日)アメリカのある Hillbilly Site を見ていたら往年のコロンビアカントリー歌手の一人 Carl Smith が1月18日に亡くなったと出ていました・・・・82歳だったそうです。カール・スミスといえば私の世代では 「 Hey Joe 」、「I Overlooked An Orchid 」、「You Are The One」 などを時代をさかのぼって聴く形で接したといっていいと思います。 聴きたいと思ってもなかなかレコードが手に入らなくて オムニバスレコードで1~2曲聴けるのがせいいっぱいで 僕はアメリカの中古レコード店から直接買っていた頃に廉価盤 Harmony Records盤を3枚買ったのがLPレコードとしては初めてでした。 今は出先で借りたパソコンで書いていますが、帰ったらカール・スミスのそれらを聴いてからまたコメントしようと思います・・・・・ハンク・ウィリアムスとほぼ同世代の歌手でした。
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懐かしのカントリー&ウェスタン 131[ライダース・イン・ザ・スカイ]

2010年01月16日 | カウボーイ・ソング
Riders In The Sky (1) 
米国盤 Rounder Records 0147 Cowboy Jubilee

(1)Cowboy Jubilee (2)Ol' Cowpoke (3)Compadres In The Old Sierra Madre (4)Back In The Saddle Again (5)Desperado Trail (6)Red River Valley (7)Ride With The Wind (8)Soon As The Roundup's Through (9)On The Rhythm Range (10)Riding Alone (11)Ojo Caliente (12)At The End Of The Rainbow Trail


現代の人気カウボーイコーラスグループといえばこの Riders In The Skyです。現役バリバリなので「懐かしの~」には当たりませんが、グループのリーダー ”Ranger Doug ”ことダグ・グリーンが ”アメリカの遺産”ともいえる数々の素晴しい Cowboy Song( 前回のジーン・オートリーのような有名な人から多くの無名のカウボーイ歌手に到るまで )の音源に出逢って このグループを立ち上げるようになった・・・・・といったいきさつから採りあげてみました。
彼等は( Doug Green 、Too Slim、Woody Paul の3人組 )1979(昭和54)年頃(?)にデビューしてラウンダーレコードからレコードを出し始めています。メジャーレコード会社からのデビューじゃなくて独立レーベルの雄 Rounder Records から・・・・・というのが現代を象徴しています。 売り込みに行ったものの 「いまどきカウボーイソングなんて・・・・」 とメジャーレコード会社に一蹴されて自主制作のような形で Cowboy Song や Rodeo Song のレコードを出し続けた故 Chris LeDoux (クリス・ルドウ)の例がありますし・・・・・クリスにしろこの Riders In The Sky にしろファンに支持されて人気が出てくるようになってメジャーレコード会社でレコードやCDを出せるようになった訳ですから 逆に言うと大衆の望んでいるものをつかみ切れないメジャーレコード会社の硬直してしまった体質(?)を垣間見るような思いもします。   

さてこのアルバムは1981(昭和56)年に Rounder Records から発売の彼等2枚目のLPで、 ジョン・フォード監督の西部劇「駅馬車」で有名になったアリゾナ州モニュメント ヴァレーの風景をバックにテンガロンハット姿の3人をあしらったジャケットはこれだけでカウボーイソングかな・・・・・と思わせる嬉しいジャケットです。

いきなり歯切れのよいベースリズムと swinging fiddle (カントリースタイルのバイオリン)でアップテンポの(1)Cowboy Jubilee で始まります。swing するフィドルが素晴らしい
(2)Ol' Cowpoke もスイングして3人のヨーデルコーラスが聴かれる軽快な曲( Cowpoke は Cowboy の別な呼び方 )。(3)Compadres In~はマイナー調のこれも軽快にスイングする曲で・・・・・数年前に解散してしまった3人組の素晴らしい Swing グループ Hot Club Of Cowtown の音に似ています。
ジーン・オートリーの代表曲(4)Back In The Saddle Again (鞍に戻ろう)はゆっくりめに始まって徐々にアップテンポにしてゆくヨーデルが素晴らしい。
(5)Desperado Trail はマイナー調の曲で・・・・・ちょっとマーティ・ロビンスの Gunfighter Ballad Song のひとつだった ”Five Brothers ”という曲に似ている佳曲、時々このようなマイナー調の曲が西部調の曲にはあって味のある雰囲気を添えてくれます・・・・そうした曲は僕はとても好きです。
カウボーイソングの定番(6)Red River Valley (赤い河の谷間)は誰でも知っている民謡なのでかえって表現が難しそうですが 彼等は生ギターとシンプルなフィドルを伴ってゆったりしたコーラスでやってくれます。(7)Ride With The Wind は2つの名曲 ”Ghost Riders In The Sky” と ”Tumbling Tumbleweeds” をミックスさせたような曲で、レキントギターをフューチャーしたアップテンポのもの。(8)Soon As The~は生ギターで歌われるミディアムテンポのフォークソング的な趣き。(9)On The Rhythm Range はまったくアップテンポにスイングした Jazzy な雰囲気の曲でギター、トランペット、ウッドベースの演奏がなんとも素晴らしい。
(10)Riding Alone はどこか昔のサンズ・オブ・ザ・パイオニアズを彷彿させてくれるスローなコーラス・・・・・ウーンなかなかよい。
(11)Ojo Caliente はカウボーイソングでは時々出てくるメキシカン調の曲。
(12)At The End Of~もパイオニアズを思わせる曲ですがコーラスが3人なので少し軽い感じ。

というわけで、アルバム全体にいえることは ドラムなしでギターとベースだけでこれだけ歯切れのよいスイング感を出せるんですから素晴らしいです。 余談ですが往年のカウボーイコーラスグループ The Sons Of The Pioneers には フィドルの名手 Hugh Farr (ヒュー・ファー)という人がいてボーカルではとても深~いバスを歌っていてコーラスに重厚な響きを添えていましたが、この Riders In The Sky にもそうしたバス音が加わるともっと素晴らしいコーラスになるように思います・・・・・でも ずっと思っていることですが、時代の最先端をゆくアメリカのような国に今でもこのような古い西部にこだわりをもつような (アナクロニズムと云ってもよいような) グループがいて 歌ってくれるのを見ると何だかホッとして嬉しい気がします。 時代は進んでもいつまでもカウボーイは牛を追い、駅馬車が走り、無法者が拳銃を振り回す・・・・・そんなことを歌っているんですから(smile)。Riders In The Sky のようなコマーシャルベースで活躍するグループがないとカウボーイソングは埋もれてしまいますね・・・・・だから貴重な存在です。

僕は2003(平成15)年に熊本 阿蘇のカントリーゴールドに3人が来た時にレコードにサインしてもらいました・・・・・写真の真ん中が Ranger Doug (guitar、バリトン),眼鏡をかけているのが Too Slim (wood bass、テナーボーカル)、左が Woody Paul (fiddle、テナーボーカル)ですが この時はもう1人アコーディオン奏者の Joey, the Cowpolka King が一緒でした(今は正式メンバーのようです)。
出番の後アンコールに応えて名曲「 There's A Blue Sky Way Out Yonder 」を、そしてヒソヒソ相談した後 往年のテレビ西部劇主題歌「ローハイド」を歌ってくれたのが印象に残っています。
なお、このレコードには元サンズ・オブ・ザ・パイオニアズのメンバーだった Ken Curtis がコメントを寄せています。
今ではたくさんのCDが出ていますし有名なカウボーイソングや西部調のほとんどの曲を歌ってくれていますので American Cowboy Song に愛情を持っている人(大袈裟かな?)にはお奨めのグループです。  
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懐かしのカントリー&ウェスタン 128 [ ハンク・ウィリアムス (2)]

2010年01月01日 | ハンク・ウィリアムスを歌う
謹賀新年
Hank Williams (2) 米国盤 Country Music Foundation CMF-006 Hank Williams / Just Me And My Guitar 
(表ジャケットに次のような副題が書いてあります・・・・This collection conveys the conviction, emotional intensity, and vocal technique which earned Hank his legendary place in country music.)

(1)Jambalaya (2)Heaven Holds All My Treasures (3)You Better Keep It On Your Mind (4)Lost On The River (5)Your Cheatin' Heart (6)A House Of Gold (7)Honky Tonk Blues (8)Help Me Understand (9)'Neath A Cold Gray Tomb Of Stone (10)There's Nothing As Sweet As My Baby (11)Fool About You (12)The Log Train


今年もハンク・ウィリアムスからスタートします・・・・・ハンクが亡くなったのが1951(昭和26)年1月1日未明ですから59年たっています。今日のレコードは1985(昭和60)年にアメリカの Country Music Foundation というところから出されたもので全く commercial recording とは関係のない生のハンクの歌を聴くことが出来る内容になっています。 自身のギター1本で歌うハンク・・・・自宅で自分のためだけに歌っているような雰囲気は ギター好きの人なら誰でもがするであろうもので ハンクの姿が目に見えるようです。 そのわけは ジャケットに書いてある解説を2回に分けて載せてみますので知ることができます。 少し補足もしましたが、私自身の感想は2回目の最後に載せたいと思います。

「 カントリーミュージックはふつうは洗練された形で聴かれます。手の込んだレコーディングセッションと きめ細かなプロデュースによってほとんど完璧な作品に仕上がるのです。しかし、数々の country song は始めは大抵よりシンプルな形でレコーディングされます・・・作者が自身のやり方で演奏した demo record とか demo tape とかいわれるものがそれです。 このアルバムにはカントリーミュージック界で最も有名なシンガーソングライターだった Hank Williams の珍しい12曲のデモ録音が収められています。 
デモ( demonstrations recording からきている語 )というのは曲の作者が新しい作品を出版社や歌手に提供する前のオーディションの道具といってもよいと思います。 今日ではデモ作品は録音されてテープに採られて廻され、それも簡単なギターやピアノの伴奏での録音のものから豪華な楽器群とバックアップコーラス付きの録音のものまで及んでいます。しかし、 Hank Williams の時代はデモ作品は直接アセテート盤に録音されたのです。追加コピーが必要になるとオリジナルのアセテート盤から複製されるか 作者が演奏を繰り返し行なって追加の盤を作る・・・・といった具合でした。このように1940年代後期のデモ作品はひとつの楽器伴奏にボーカルという簡単なものがほとんどでした。

ハンク・ウィリアムスはほとんど自作の作品を自らレコーディングするという優れた歌手でしたし、ハンクの曲の出版者であった Fred Rose がレコードプロデューサーでもあったことから デモ作品を大量に作る必要がほとんどありませんでした。実際にほとんどのハンクの作品にはデモテープというものが存在していないように思われるのです。多分ハンクの多くの作品にはデモ盤は作られなかったのでしょう。 Acuff-Rose 社の Dean May によって発掘されたこのアルバムに収録された十数曲だけではないでしょうか。ハンクのデモ録音曲とコマーシャルベースで出された曲を比べると幾つかの面白い variation があることが判ります。 例えばハンクが MGM レコード社で録音して1952~53年にかけて28週間チャート入りした cajun novelty song の(1) ”ジャンバラヤ”の歌詞についていいますと ハンクのデモ盤や他の歌手が歌ったものには入っている歌詞の last verse がコマーシャルベースで発売されたハンクのレコードでは歌われていないのです。似たようなことが(8) ” Help Me Understand ” と(7) ”Honky Tonk Blues ” にも当てはまります。

さらに、MGM 社に妻の Audrey Williams と一緒にレコーディングした(4) ”Lost On The River” もこのデモ盤ではソロで歌っていますし、歌い始めのところで間違ってやり直してもいます。デモ盤の(5) ”Your Cheatin' Heart ” は MGM の正規盤のよりも時々メロデイックな傾向がみられます。このレコーディングは original acetate デモ盤からのダビングのためか音質に不備なところがみられますし、Original acetate 盤の所在も判っていません。

このアルバムにある残りの7曲はハンクがコマーシャルベースのレコーディングをしなかったものです(つまりデモしかない)。そのうちの3曲はハンクの死後 曲に伴奏をオーバーダビングしたものが MGM社 から発売されました。その3曲のうちの2曲はここにオリジナルの形で入れてあります。
(11) ”Fool About You ”は1950年代末にロカビリースタイルにオーバーダビングしたものが1961(昭和36)年のアルバムに収録されて発売されています。(3) ”You Better Keep It on Your Mind ”には Fred Rose が1953(昭和28)年にプロデュースしたハンクのバンド The Drifting Cowboys の伴奏がオーバーダビングされて1954(昭和29)年にシングル盤として発売されています。ここでのデモ盤には他の人の声がいっており、Hank Snow かあるいはこの曲を共作したVic McAlpin かも知れません( 私にはどう聴いてもハンク・スノウに思えます )。」・・・・・・・次回に続く
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