米国盤 Nashville Records NLP-2028 Country Music's Greatest Stars
(1)That's The Way I Feel (George Jones) (2)I'd Be Lying(Dottie West) (3)Where Do I Go From Here(Dave Dudley) (4)Let It Be Me(Johnny Bond) (5)Mumblin' To Myself(Roy Drusky) (6)Color Of The Blues(Pete Drake & His Talking Steel Guitar) (7)When I Come Driving Through(Willis Brothers) (8)Down On The Corner Of Love(Buck Owens) (9)I'm Not Mixed Up Anymore(Charlie Walker) (10)My Pillow(Roger Miller) (11)Country Comedy(Archie Campbell) (12)Look On The Good Side(Jimmy Dean)
僕がカントリー・ミュージックを熱心に聴き始めた頃はまさにバック・オウエンスの全盛時代にほぼ一致する頃なんですが、カントリーが好きでもお金が無くてなかなかレコードが買えない時代でもあって、日本盤は高くて手が出ないので買うのはいつもアメリカのレコード各社が出している廉価盤( budget records というそうです)やオムニバス盤( omnibus=乗り合いバス、つまり1枚のレコードに多数の歌手が入っているという訳です )それも中古レコードばっかりでした。季節ごとにあるようなデパートや色々なイベントなどでレコードセールがあるとどこへで行って主にオムニバスレコードで安いものばっかりを目標にやっと2~3枚くらい買ったものです、そのおかげで多くのカントリー歌手を覚えられたし、興味が広がっていくきっかけにもなったのでした。
このLPレコードなんかは典型的で、ジャケットを見ただけで 「 なんか面白そうだな・・・ 」 というわけで買ったものです。だからとても愛着があります・・・・・裏に次のように書いてあります、
「 Country Music is music of the people, by the people, and for the people of America and all the world.This is true because it tells a story of human experience and emotions with words and melody that are understood by all.Country Music artists,musicians,and songwriters create from the heart with deep sincerity.After many years of being misunderstood,Country Music has achieved recognition as the true native music of America 」。
まさにカントリー・ミュージックの意義と歴史を簡潔に表わした文章で至言ですね。
デビュー間もない頃の荒削りなジョージ・ジョーンズは過激なフィドル、スティール・ギターで歌い飛ばし、熊本のカントリーゴールドにも来たロジャー・ミラーも同様で 初期の頃で垢抜けしないし、かのバック・オウエンズにいたってはキャピトル・レコード以前の時代ということもあって、もう全くの3流歌手という趣きですが (8)Down On The Corner Of Love はバックのお気に入りらしくてスティール・ギター~ホンキートンク・ピアノ~フィドルを多用してなんだか可愛いというか、ほほえましくなります。
後年トラック・ドライバーソングで名を成すデイヴ・ダドレーとかバラッドの得意なロイ・ドラスキー、正調カントリーに徹したチャーリー・ウォーカーそして紅一点のドティ・ウェストもなるほど大成するはずだ・・・・と納得の歌唱力。ピート・ドレイクの Talking Steel Guitar( 自分の声を steel gitarに乗せて喋るような音を出す ) もこの1曲でどんなものかわかる・・・・てな具合でまあ今となっては古いけれどカントリーの発展過程を知ることが出来る面白いものになっています。ジョージ・ジョーンズとチャーリー・ウォーカー以外は皆 Hillbilly Heaven に行ってしまいましたが僕は今でもこの手のレコードに出会うとついつい買ってしまいます・・・・
なお、Nashville Records というのはアメリカ南部を中心に本来のルーラルアメリカらしいカントリーのレコードを出し続けた Starday Rerords 社の
廉価レーベルです。 今の日本ではなかなかお目にかからなくなりました