Buddy Emonns ボブ・ウィルスを歌う
日本盤 トリオレコード PA-3136 Buddy Emmons Sings Bob Wills
(1)Deep In The Heart Of Texas (2)Bottle Baby Boogie (3)Boot Heel Rag (4)Deep Water (5)I Needed You (6)New Road Under My Wheels (7)Roly Poley (8)If No News Is Good News (9)Four, Five Times (10)Twinkle, Twinkle Little Star (11)Time Changes Everything (12)End Of The Line
スティールギターの名手バディ・エモンズがH27.7/28日に亡くなった(1937年インディアナ州出身 )という情報に接しました、78歳だったそうです。バディ・エモンズといえばアーネスト・タブのバンド The Texas Troubadours に在籍したことがあって 素晴らしいバッキングでタブの歌を盛り立てた ( 写真2、若いですね ) ということ、そのほかにも Little Jimmy Dickens や Ray Price のバンドでも活躍~また、ソロとしてスティールギターでジャズにも挑戦したりで柔軟な音楽志向を持った人として知られていました。
私が初めて Buddy Emmons のスチールギター演奏を聴いたのはアメリカの Starday レコード社がスチールギターやギター奏者を集めて作ったアルバム( 3枚目の写真、日本盤 ) が初めてで、その中に ”Sunday In Dixie ( デキシーの日曜日 )” というスローな美しい曲を繊細なタッチで弾いているものでした( ショット・ジャクソンが弾くドーブローギターとの共演 )・・・・・この演奏は素晴らしかった。
今回は Buddy Emmons を偲んで 彼が出した ”ウェスタン・スイングの王者 Bob Wills を歌う ” という珍しいアルバム(写真1)を載せたいと思います。
アメリカのマイナーレーベル Flying Fish 社から1976(昭和51)年に発売されて 日本盤もトリオレコードから発売されました。 スチールギター奏者として時代時代の Boss の歌を盛り上げる役割が多かったと思うんですが ここではバディ・エモンズ自身の音楽的嗜好を覗くことが出来るという意味でとてもいいアルバムだと思っています。このアルバムを聴くとバディ・エモンズは案外 Swing とか Jazzy な音楽が好きだったのかも知れないなぁという感想を持ちます。
(1)Deep In The Heart Of Texas で軽快にスタート、(2)Bottle Baby Boogie はボブ・ウィルスではあまり聴かれないと思いますがスイング感いっぱいでバディ・エモンズも楽しそうに歌っています。
(3)Boot Heel Rag はインストルメンタル曲でスチールギター、エレキギター、ピアノ、フィドル( カントリースタイルのバイオリン ) など替わりばんこに出てきてます・・・・みんな上手いこと上手いこと。(4)Deep Water は軽快なフィドル、ピンピコはねるようなピアノに自身のスチールを伴ってこれも曲調がよいのでウェスタン・スイングのよさが横溢しているもので他の歌手も採りあげられることが多い曲です。
(5)I Needed You もおしゃれな軽快なスイング感満点の曲で、数本のフィドルとはねるようなピアノ、(6)New Road Under My Wheels はスイングするフィドル、玉を転がすようなエレキギター、スチールギター、(7)Roly Poly はコミックな歌で かのハンク・ウィリアムスも歌ったことのある曲なんですが、ここではアップテンポの Western Swing スタイルなので随分印象が違って聴こえます。
(8)If No News Is Good News はミディアムテンポで歌われる、Bob Wills の曲の中でも珍しい方だと思いますが・・・・
(10)Twinkle, Twinkle Little Star は演奏だけの曲で それぞれの持ち楽器の腕のみせどころ-とばかりに楽しそうに演奏されます。
(11)Time Changes Everything( 時ふれば )は男女の出逢いから悲しい別れまでの内容を歌いこんだ曲ですが軽快に歌われるもので、アルバム中では一番有名な曲かなあ・・・・最期の歌詞 ”Now You Gone Your Way, I'll Go Mine~”が泣かせます。私もこの歌が一番好き。
(12)End Of The Line は超アップテンポで歌われるし、バディ・エモンズがアーネスト・タブばりに ” Pig ”とか ”Mr.ギンブル”、”オー!レオン now ”、”You Too バディ( 自分のこと ) ” など楽器演奏者の名前 ( ピアノの Pig Robbins、フィドルの Johnny Gimble、エレキギターの Leon Rhodes 、スチールギターの Buddy Emmons )を叫んで盛り上げています。
バディ・エモンズの歌は決して上手いとはいえないのですが こうして聴いてくるとボブ・ウィルスをはじめとする Western Swing 系の音楽というのはナッシュヴィルを中心にしたカントリー・ミュージックとは随分趣きが異なる音楽であることがよくわかります。
ジャケット裏にバディ・エモンズ自身がコメントを書いています・・・・・・曰く「ボブ・ウィルスは 」後日続く