西部劇と懐かしのカントリー&ウェスタン日記

現代とはかけ離れたOld Countryの世界ですがずっと続けていきます。興味のある方は時々のぞいてみて下さい。

バディ・エモンズが亡くなった

2015年08月02日 | ボブ・ウィルスを歌う
 
Buddy Emonns ボブ・ウィルスを歌う 
日本盤 トリオレコード PA-3136   Buddy Emmons Sings Bob Wills 
(1)Deep In The Heart Of Texas (2)Bottle Baby Boogie (3)Boot Heel Rag (4)Deep Water (5)I Needed You (6)New Road Under My Wheels (7)Roly Poley (8)If No News Is Good News (9)Four, Five Times (10)Twinkle, Twinkle Little Star (11)Time Changes Everything (12)End Of The Line

スティールギターの名手バディ・エモンズがH27.7/28日に亡くなった(1937年インディアナ州出身 )という情報に接しました、78歳だったそうです。バディ・エモンズといえばアーネスト・タブのバンド The Texas Troubadours に在籍したことがあって 素晴らしいバッキングでタブの歌を盛り立てた ( 写真2、若いですね ) ということ、そのほかにも Little Jimmy Dickens や Ray Price のバンドでも活躍~また、ソロとしてスティールギターでジャズにも挑戦したりで柔軟な音楽志向を持った人として知られていました。 
私が初めて Buddy Emmons のスチールギター演奏を聴いたのはアメリカの Starday レコード社がスチールギターやギター奏者を集めて作ったアルバム( 3枚目の写真、日本盤 ) が初めてで、その中に ”Sunday In Dixie ( デキシーの日曜日 )” というスローな美しい曲を繊細なタッチで弾いているものでした( ショット・ジャクソンが弾くドーブローギターとの共演 )・・・・・この演奏は素晴らしかった。

 
 
今回は Buddy Emmons を偲んで 彼が出した ”ウェスタン・スイングの王者 Bob Wills を歌う ” という珍しいアルバム(写真1)を載せたいと思います。 
アメリカのマイナーレーベル Flying Fish 社から1976(昭和51)年に発売されて 日本盤もトリオレコードから発売されました。 スチールギター奏者として時代時代の Boss の歌を盛り上げる役割が多かったと思うんですが ここではバディ・エモンズ自身の音楽的嗜好を覗くことが出来るという意味でとてもいいアルバムだと思っています。このアルバムを聴くとバディ・エモンズは案外 Swing とか Jazzy な音楽が好きだったのかも知れないなぁという感想を持ちます。 

(1)Deep In The Heart Of Texas で軽快にスタート、(2)Bottle Baby Boogie はボブ・ウィルスではあまり聴かれないと思いますがスイング感いっぱいでバディ・エモンズも楽しそうに歌っています。 
(3)Boot Heel Rag はインストルメンタル曲でスチールギター、エレキギター、ピアノ、フィドル( カントリースタイルのバイオリン ) など替わりばんこに出てきてます・・・・みんな上手いこと上手いこと。(4)Deep Water は軽快なフィドル、ピンピコはねるようなピアノに自身のスチールを伴ってこれも曲調がよいのでウェスタン・スイングのよさが横溢しているもので他の歌手も採りあげられることが多い曲です。 
(5)I Needed You もおしゃれな軽快なスイング感満点の曲で、数本のフィドルとはねるようなピアノ、(6)New Road Under My Wheels はスイングするフィドル、玉を転がすようなエレキギター、スチールギター、(7)Roly Poly はコミックな歌で かのハンク・ウィリアムスも歌ったことのある曲なんですが、ここではアップテンポの Western Swing スタイルなので随分印象が違って聴こえます。 
(8)If No News Is Good News はミディアムテンポで歌われる、Bob Wills の曲の中でも珍しい方だと思いますが・・・・
(10)Twinkle, Twinkle Little Star は演奏だけの曲で それぞれの持ち楽器の腕のみせどころ-とばかりに楽しそうに演奏されます。
(11)Time Changes Everything( 時ふれば )は男女の出逢いから悲しい別れまでの内容を歌いこんだ曲ですが軽快に歌われるもので、アルバム中では一番有名な曲かなあ・・・・最期の歌詞 ”Now You Gone Your Way, I'll Go Mine~”が泣かせます。私もこの歌が一番好き。 
(12)End Of The Line は超アップテンポで歌われるし、バディ・エモンズがアーネスト・タブばりに ” Pig ”とか ”Mr.ギンブル”、”オー!レオン now ”、”You Too バディ( 自分のこと ) ” など楽器演奏者の名前 ( ピアノの Pig Robbins、フィドルの Johnny Gimble、エレキギターの Leon Rhodes 、スチールギターの Buddy Emmons )を叫んで盛り上げています。 
バディ・エモンズの歌は決して上手いとはいえないのですが こうして聴いてくるとボブ・ウィルスをはじめとする Western Swing 系の音楽というのはナッシュヴィルを中心にしたカントリー・ミュージックとは随分趣きが異なる音楽であることがよくわかります。 

ジャケット裏にバディ・エモンズ自身がコメントを書いています・・・・・・曰く「ボブ・ウィルスは 」後日続く
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Hot Club Of Cowtown ボブ・ウィルスを歌う

2011年04月12日 | ボブ・ウィルスを歌う
 米国盤 Proper PRPACD-014 Hot Club Of Cowtown / What Makes Bob Holler
(1)She's Killing Me (2)It's All Your Fault (3)Time Changes Everything (時ふれば) (4)Maiden's Prayer (乙女の祈り) (5)Oklahoma Hills (6)Big Ball In Cowtown (7)Keeper Of My Heart (8)Smith's Reel (9)The Devil Ain't Lazy (10)Along The Navajo Trail (11)Faded Love (12)What's The Matter With The Mill (13)Osage Stomp (14)Stay A Little Longer   

Elana James: Fiddle & Vocals
Whit Smith: Guitar & Vocals
Jake Erwin: Bass & Background Vocals


先日西部劇「トゥルー・グリット」を見た帰りに買った今年初めてのCDです。 Country Hit Chart は必ずしも自分にとっての ” 気に入り ” にはならず躊躇ばっかりの連続だった中 久し振りに行ったタワーレコードに置いてあったものです。 自分が最後に追っかけたグループ Hot Club Of Cowtown が往年のウェスタン・スイングの王者ボブ・ウィルスに捧げたアルバム-ときてははずせないと思って 全くの衝動買い。てっきり解散したと思っていたホット・クラブの3人組の新アルバムにびっくりするやら嬉しいやらでした。
紅一点エレナ・フレマーマンの弾くフィドル( カントリースタイルのバイオリン ) は Western Swing を十分わかっている弾き方でとても気に入っているもの・・・・それに加えて彼女のハスキーな歌も大人の女性の色気を感じさせて大好きだ、名前がエレナ・ジェイムズとなっているので結婚して名前がかわったのかな?

これは録音がほぼ3人でやっているようなのでボブ・ウィルスの厚みのある賑やか仕立ての Western Swing Sound の雰囲気は出せなくてこじんまりとした歌と演奏になっていますが、それでも楽器のテクニックがしっかりしているので小編成でのウェスタン・スイングの好サンプルになっていて楽しいものです。1曲目の She's Killing Me からものすごくスイングした軽快な曲で Whit Smith のボーカルを中心に3人で楽しそうにスタート。  エレナの歌は(2)It's All Your Fault(ソロで)、(3)Time Changes Everything (デュエットで)、(5)Oklahoma Hills (ソロ&デュエットで)、(7)Keeper Of My Heart (悩ましげにソロで)、(12)What's The Matter With The Mill(ソロで)という具合にほぼ全曲で聴かれますが、ギターの Whit Smith も歌が上手くてなかなか洒落た歌い方をする人なのでエレナとのデュエットでも3人で歌う場合でも楽しそうです。
演奏だけの曲は(4)Maiden's Prayer と(8)Smith's Reel、(11)Osage Stomp の3曲でやはりフィドルとギターが大活躍。

このアルバム、通しで聴くと軽くあっさりし過ぎるきらいがありますが もともと Bob Wills のウェスタン・スイング自体が能天気な感じなのでこれはこれでいいのかも知れない・・・・というところ(smile)  





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懐かしのカントリー & ウェスタン 146  [ ボブ・ウィルス (3)]

2010年07月31日 | ボブ・ウィルスを歌う
Bob Wills (3)
米国盤 MCA Records MCAD-5917  The Best Of Bob Wills

(1)San Antonio Rose (2)Eight'r From Decature (3)Deep In The Heart Of Texas (4)Silver Bells ( That Ring In The Night ) (5)Across The Alley From The Alamo (6)Cimarron (7)South Of The Border ( Down Mexico Way ) (8)Milk Cow Blues (9)My Adobe Hacienda (10)Southwestern Waltz (11)A Big Ball In Cowtown ( We'll Dance Around ) (12)Pan Handle Rag


このCDはボブ・ウィルス(1903~1975年テキサス州出身)の晩年にあたる Kapp レコード時代に出されたLPをCD化したものです。今ではボブの色々な時代のレコードも沢山のCDとなって出されていますし比較的安価で多くの曲を聴くことが出来ます。 Rich Kienzleという人が割りと詳しく解説していますので補足を加えながら訳してみます・・・・・

「 ボブ・ウィルスが1965(昭和40)年に Kapp Records と専属契約を結んだ時には既に自分のバンド Texas Playboys は持っていませんでした。ソロとして活動するために1年前にバンドを解散していたのです。Kapp レコード社での15セッションで録音した全66曲はボブにとって Nashville (テネシー州の州都でカントリーミュージックのメッカでもある) での唯一のレコーディングでした。他の Western Artists と同じように ボブ・ウィルスはナッシュヴィルの音楽的な保守性に対してあまりいい感情を持っていませんでした。 さかのぼること1944(昭和19)年に Grand Ole Opry (テネシー州 のナシュヴィルで古くから開催されて今でもある Country Music Show ) に出演した時にドラム使用を拒否された・・・・といういきさつがあったからです。
Kapp レコードのプロデューサー Paul Cohen はレコーディングにナッシュビルの一流セッションマンである(当時の) A-team を投入したのでした、すなわちギターに Harold Bradley と Ray Edenton 、ピアノに Hargus " Pig" Robbins 、ドラムに Buddy Harman 、スティールギターに Pete Drake と Lloyd Green、 ベースに Bob Moore を使ってボブ・ウィルスの Texas Playboys Sound を再現したのです。ボブはそれに加えてボーカルに Tag Lambert と Leon Rausch 、フィドルの Jimmy Belken と Gene Gassaway といったテキサスのミュージシャンを呼び寄せたのでした。
このCDには最も初期の1966(昭和41)年7月19~20日のセッションからテキサスとアメリカ南西部をテーマにした歌を中心にしています。

1966(昭和41)年
7月19日:テキサススイングフィドラー Hoyle Nix 作の " A Big Ball In Cowtown " を録音。
7月20日: ” Deep In The Heart Of Texas ” とスタンダードポップス曲 ”My Adobe Hacienda ”を Leon Rausch のボーカルをフューチャーして録音。

1967(昭和42)年
3月21日:” San Antonio Rose ”、”Eight'r From Decatur ”をブラスセクションを入れたビッグバンドで録音。
9月26日 : ジョニー・ボンド(1915~1978年 オクラホマ州出身のカントリー歌手)作の western classics 曲 ” Cimarron ”を17人編成のバンドで録音。この時はフィドルには御大ボブ・ウィルスの他にボブを崇拝する3人の Nashville fiddler -Tommy Jackson と Buddy Spicher、 Shorty Laevender が含まれていました。

1968(昭和43)年
4月16日:スタンダードポップス曲 ”Across The Alley From The Alamo ”を19人編成のバンドで録音、歌は Tag Lambert.
4月17日 :Vaughn Horton() 作の ” Southwestern Waltz ”を録音。
4月18日 :ボブのお気に入りのフィドル曲 ” Silver Bells ”と Tag Lambert の歌で ”国境の南 ”を録音。
Kappレコードでの最後のセッションは1969年2月19~21日でした、その5ヶ月前には Country Music Hall Of Fame に選ばれています。

1969(昭和44)年
2月19日:Walter Haynes プロデュースのもと Leon McAuliffe(1917~1988年テキサス州出身 Western swing steel guitar 奏者の草分けの一人) で有名な ” Pan Handle Rag ” を録音。ここでは元テキサスプレイボーイズのスティールギター奏者だったGene Crownover とナッシュビルのフィドル奏者 Tommy Jackson のソロ演奏が聴かれます。
2月20日:” Milk Cow Blues ”を録音。これは元テキサスプレイボーイズ出身でナッシュビルのセッションマンになった Johnny Gimble のフィドルをフューチャーしたナンバーで Scat-singing が入るボブのお気に入り曲。

このKapp レコードでのセッションがボブ・ウィルスの最後の Rrecording career となりました。1969(昭和44)年5月31日心臓発作を起こして演奏活動からリタイア。その後一旦は回復して Western Swing のリバイバル(一時的なブーム?)を見届ける恩恵に浴するも 再び致命的な心臓発作にみまわれて昏睡状態となり1975(昭和50)年5月13日亡くなったのでした。
Western Swing の人気はその発祥地であるテキサスとオクラホマを除けば1960年代までには衰退してしまいましたが、同じ音楽仲間のスタイルや音楽を一瞬にして変えさせてしまうほどのボブ・ウィルスの快活さとカリスマ性は絶大な尊敬に値するものでしたし、一流アーチストであり続けた所以でもありました。ここでの12曲はその脚光を浴びた時代のドキュメントといえるものです。」・・・・・・以上解説。

一番最後の文章に It was a huge tribute to Bob Wills' resiliency and charisma that at a time when many of his peers were forced to alter their styles or even leave music・・・・・とありますが、思うに ボブ・ウィルスの ”Charisma(カリスマ)性がある ” というところが大事で、その人のスケールの大きさや素晴らしい作曲能力の他に、その人にある程度ベールに包まれた部分がないとカリスマ性というのは発揮されないと思いますし それを持った人物が現れない限りはこれからも Western Swing という音楽は第一線で脚光を浴びるということはないだろう-と思います。  メディアが極限状態といっていいほどに発達して何でもかんでも一瞬にして判ってしまう現代社会では Bob Wills のような人物はもう出現し得ないだろうとも思います。
Kapp レコード時代のボブは健康状態もそれ程よくなかったはずですが ここに聴かれるサウンドは元気いっぱいで はしゃいでいるようにも見えて、特徴になっている「アッハー」「O~pen Now!」「Ye~s,Ye~s Tommy Jackson !」「Beau~tiful steel guitar, right!」など演奏途中の掛け声もたくさん聴かれます。よくボブ・ウィルスは Tommy Duncan(1911~1967年テキサス州出身)がメインボーカルだった時代が一番よかった-と言われますがここでの Tag Lambert と Leon Rausch もなかなかいい感じなので 一概に誰それのボーカル時代がよかったとは言えないのかもしれません。ただ、全盛時代のリアルタイムでのライブで Tommy Duncan という人の存在感、魅力は群を抜いていた-というべきなんでしょう。 Western Swing はいいな、好きだなぁ。
ちなみにこのCD、 Book Off で250円で買いましたが音もきれい・・・・聴く人って少ないのかなあ??(涙)  2010年7月13日記事
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懐かしのカントリー&ウェスタン 92 [ マール・ハガード (1) ]

2009年05月25日 | ボブ・ウィルスを歌う
Merle Haggard (1) 
米国盤 Capitol Records SN-16279 A Tribute To The Best Damn Fiddle Player In The World

(1)Brown Skinned Gal (2)Right Or Wrong (3)Brain Cloudy Blues (4)Stay All Night (Stay A Little Longer) (5)Misery (6)Time Changes Everything (7)San Antonio Rose (8)I Knew The Moment I Lost You (9)Roly Poly (10)Old Fashioned Love (11)Corrine Corrina (12)Take Me Back To Tulsa


マール・ハガードが偉大な ”Western Swingの王者” ボブ・ウィルス(1905~1975年テキサス州出身)に捧げたレコードです(私のは再発盤)。
タイトルにある The Best Damn Fiddle Player の”Damn”という表現は調べてみると「チクショウとか忌まわしいとかの怒り、いらだち、軽蔑、落胆などの意を表すが 非常に乱暴な表現なので避けるほうがよい」・・・・・となっていました。でもここではBest の後に使っているのできっと ”こいつはまた凄い fiddle player (Bob Willsのこと)だなぁ、まいった!驚いた!!”とかの強調する意味で使っているんでしょうね。

1937(昭和12)年生まれのマールと1905(明治38)年生まれのボブでは親子ほどの開きがあって音楽的な接点は全く無いのでは・・・・・と私は思っているのですが、このアルバムといい彼の「ジミー・ロジャースを歌う」アルバムといい 時代は異なっても一流カントリー歌手として一種の矜持(きょうじ:自分の能力を信じて抱く誇りとかプライド)を保ちたいという気持ちと伝統への敬意を表わしたいという意味があったのではないかと想像します。 演奏にはマールのバンド THE STRANGERS とボブのTEXAS PLAYBOYS のOB達数人が参加していてマールもフィドル(バイオリン)を弾いたりしてはしゃいでいる感じで楽しみながら作ったようなアルバムになっています。
以下は彼自身が書いている長い解説の概略です
・・・・・・「ボブ・ウィルスは Western Swing という音楽の型を作った一人で、稀代のエンターテイナーでした。Wesern Swing はDixieland blues や1930~40年代の modern dance fiddle style sound や ジミー・ロジャースような vocal mannerism の複合したものと考えてよいでしょう。ボブは50年以上にわたって国中を演奏旅行し、ラジオ、映画、レコード等で活躍しましたが、私は疑いなくmost well-known and creative fiddle player でもあると思っています。
ボブのキャリアは1920年代に始まっていますが、本領を発揮し始めたのは1934年にオクラホマ州タルサで The Texas Playboys を結成してからです・・・・(略)・・・・私は12才の息子に”Bob Wills て誰なの?”と尋ねられた時一言では答えられなくて、ボブ・ウィルスの音楽について全く知らない今の若い人達に説明できない私自身が申し訳ないような気持ちを持ったのです・・・・・私はかってジミー・ロジャースを歌うアルバムを出しましたが、ボブ・ウィルスのアルバムも”Once a good sound, always a good sound; or once a hit, always a hit”という同じ理由からです。
このレコードを作る際には多くの難題がありました、Bob Wills のユニークなサウンドをどうしたらリアルに再現できるだろうか・・・・ということでした。Roy Nichols(The Strangers のリードギター奏者)や Norman Hamlet(同じくスティールギター奏者)や他のメンバーと何ヶ月も話し合った結果、何人かのTexas PlayboysのOBに参加してもらわないと再現できない-という結論に達したのでした。そうすることはもう鳥肌が立つ思いでしたが 何人かの元テキサス・プレイボーイズのメンバーが快く参加を引き受けてくれたのです。1970年4月6日( くしくも私=Merlの誕生日でした )に The Texas Playboys が再結成されたという訳なんですね。
Johnny Gimble (フィドル)、Tiny Moore(マンドリン)、 Eldon Shamblin (ギター)、Johnnie Lee Wills(ボブ・ウィルスの弟)、 Gordon Terry(フィドル)らOBと私のバンドThe Srangers のメンバーがほとんどリハーサルも無しに3日間のレコーディング セッションに臨んだのです。この3日間はもう人生最大の楽しい時間でした、最後の曲”Misery”を録音し終えた時、私をはじめ皆の目に涙が溢れていました・・・・・・このアルバムが新しい世代にはBob Wills & The Texas Playboys の偉大な音楽を知るきっかけになること、昔を知る人達には想い出を甦えらしてしてくれるものになればと願っています。」・・・・・・・と。

音的にはアップテンポの典型的 Western Swing のウキウキサウンドは(2)Right Or Wrong、(4)Stay All Night、(6)Time Changes Everything、(7)San Antonio Rose、(9)Roly Poly、(10)Old Fashioned Love、(11)Corrine Corrine、(12)Take Me Back To Tulsa で全般に 調子の良いフィドルやピアノ、スティールギター,時折り管楽器をフューチャーしたもので楽しく、マールも掛け声を入れたり合間に奏者を紹介したりしています。(3)Brain Cloudy Blues はブルース調のスローテンポ曲でJ.ギンブルのフィドルにのってマールのブルース調の歌もなかなかのもの。(5)Misery はスローなムードいっぱいの曲でボブ・ウィルスの隠れた名曲かな・・・・・マールもフィドルを弾いているようですが・・・。    どの曲も素晴らしいですが、僕自身は(5)Misery と(6)Time Changes Everything(時ふれば)、(10)Old Fashioned Love がよかったと思っています。尚、マールはもっとボブの名曲を採り上げたかったらしく、その旨を追記として書いています。
ジミー・ロジャースよりもこのボブ・ウィルスを歌うアルバムこそ2枚組だったらよかったのにと思います(私感)・・・・・ともあれ、こうした伝説のカントリー歌手についての Tribute Album を出せるような人はマール・ハガードが最後のような気がしています。
CDとして出ているかも知れませんが・・・・??
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懐かしのカントリー&ウェスタン 39 [ レイ・プライス(1) ]

2008年05月26日 | ボブ・ウィルスを歌う
Ray Price (1)米国盤 COLUMBIA LE-10021 RAY PRICE Sings A Tribute To The Great BOB WILLS  SAN ANTONIO ROSE  (オリジナルは CS-8556)
(1)San Antonio Rose (2)A Maiden's Prayer (乙女の祈り) (3)My Confession (4)Whose Heart Are You Breaking Now (5)Roly Poly (6)Bubbles In My Beer (7)Home In San Antone (8)You Don't Love Me (But I'll Always Care) (9)You Don't Care What Happens To Me (10)Time Changes Everything(時ふれば) (11)The Kind Of Love I Can't Forget (12)Hang Your Head In Shame


レイ・プライス(1926年~現在 テキサス州出身)が WESTERN SWING の王者ボブ・ウィルスに捧げた1962年のアルバムです。レイ・プライスのCherokee Cowboys Style のカントリーとボブ・ウィルスのTexas Playboys Style のウェスタン・スイングをミックスさせたようなサウンドになっていて、両者の特徴を楽しむことが出来る実に嬉しい内容になっています。全曲に歯切れのよいベースとドラムのもとフィドル(バイオリン)とスティールギターが大活躍する純カントリーで、レイ・プライスのボーカルも一段と乗っているように聴こえます。「カントリーはこうでなくちゃね!!」・・・と思わず叫んでしまいそう・・・・。

「Faded Love(色あせし恋)」のフィドル演奏に乗って "Hi neighbour,this is new album ,we chose the great songs of Bob Wills・・・・・lonesome fiddle, white hat, high heel boots, cigar smoke・・・・" とボブ・ウィルスのことを紹介するレイ・プライス自身の語りから入る粋なスタイルでスタート。
(1)San Antonio Rose は軽快なトミー・ジャクソン(?)のフィドルとジミー・デイのスティールギターがよくてレイも途中で「アッハー!」とか「Yes,Yes,Ye-s」とか「トミー、ジミー」等の掛け声を入れて乗りに乗って歌っています・・・一種のテキサス賛歌。(2)Maiden's Prayer はフィドル演奏だけでのことが多いですが、ここではレイが歌っています。僕はこの曲が好きで、比較的簡単なのでバンドの一員になったつもりでバイオリンでいつも同時に演奏して楽しんでいます。
(3)~(6)の中では(5)Roly Polyが一番ボブのウェスタン・スイングらしくやっていて掛け声も入れています。

(7)Home In San Antoneは”サン・アントニオは先祖代々住んでいる所。金は無いけどここに住んでりゃ百万長者の気分さ・・・おいらもアラモあたりでかわい娘ちゃん見つけて結婚して小さな家に住むんだ・・・そのうち子供もできるしなぁ(We'll get a high chair in a year or so と面白い表現をしています。high chairは子供用高椅子のこと)・・・・メイン州もカリフォルニア州も素晴しいけどテキサスが一番さ~” という能天気なテキサス賛歌ですが調子よくて楽しい曲。(8)(9)はレイの歌が冴えるミィディアムテンポの曲。
(10)はかつて愛し合った2人の別れの歌で Western Swing の名曲・・・・最後の歌詞が泣かせます・・・ ”Good luck to you may God bless you, I can't say I won't fall in love again, but you've gone your way and now I'll go mine, 'Cause time changes everything” 。  (12)も曲調の良い佳曲。
レイ・プライスは駆け出しの頃はハンク・ウィリアムスに目をかけられてハンクの後継者みたいに思われていたようですが・・・・レイ自身はボブ・ウィルスのようなウェスタン・ スイング スタイルのバンドを持って活動するのが夢だったようです。夢は叶いませんでしたが、そうした夢があったからこそ「Tribute To Bob Wills」のようなレコードを発表したんでしょうね・・・・僕は再発LPの時買いましたがまさに名盤と思いました。 CDも出ていましたが今は廃盤のようで是非再発売して欲しいな
 
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懐かしのカントリー&ウェスタン 9 [ ボブ・ウィルス(2) ]

2007年10月28日 | ボブ・ウィルスを歌う
Bob Wills (2)
米国盤 Kapp KC-3587 The Living Legend  Bob Wills 

(1)Deep In The Heart Of Texas (2)Born To Love You (3)Big Beaver (4)You're The Only Star In My Blue Heaven (5)Cimarron (6)South Of The Border(Down Mexico Way) (7)San Antonio Rose (8)Time Changes Everything (9)Comanchi Hit And Run (10)Lily Dale (11)Eight'r From Decatur   

「 King Of Western Swing 」といわれるボブ・ウィルスはキャリアが長いだけに多くのレコード会社に録音を残しています。LPレコードはコロンビア、MGM、Decca、Liberty、Longhorn、Kapp などから出されていました。このLPは1965~1969年に在籍したキャップレコード時代のものでボブの晩年の頃にあたります。この頃にはもうボブは自分のバンド The Texas Playboys を解散しており、キャップレコード時代の録音は全てナッシュヴィルの一流スタジオミュージシャンを使って臨時のテキサス・プレイボーイズを編成してのレコーディングになっていたようです。
でもそこは当時の一流どころ( スティール・ギターにピート・ドレイク、ピアノにハーガス・ロビンス、フィドルにトミー・ジャクソン・・・といった具合です )なのでうまく Texas Playboys のウェスタン・スイングを再現しています。ボーカルは Leon Rausch とか Tag Lambert とか Jonny Preston という歌手が入れ替わり立ち代り歌っており、ボブは歌もフィドルもやっていないようで、歌の合間に掛け合いの言葉を入れるだけのように思えます。それでもボブ・ウィルス サウンドは十分に堪能できるようになっています。

(1)Deep In The Heart Of Texas・・・ボーカル : レオン・ローシュ 、(2)Born To Love You・・・ボーカル:タグ・ランバート 、(4)You're The Only Star In My Blue Heaven・・・ボーカル : レオン・ローシュ 、(6)South Of The Border・・・ボーカル : タグ・ランバート 、(8)Time Changes Everything・・・ボーカル:ジョニー・プレストン 、(10)Lily Dale・・・ボーカル:タグ・ランバート がボーカル入りでいずれもトランペットやサキソフォンなどの管楽器、ピアノ、スティ-ル・ギター、フィドル等の伴奏でスローな曲もミディアムテンポの曲もよくスイングしており聴いていてなんとなくウキウキしてくるような素敵な雰囲気をもっています。私自身は(10)Lily Dale という曲が一番気に入ったというところ。

(3)Big Beaver (5)Cimarron (7)San Antonio Rose (9)Comanchi Hit And Run (11)Eight'r From Decatur はインスト曲でちょっとビッグバンド風なところもありますがこれ等もなかなかいい感じです、スイング感があるからでしょう。San Anonio Rose は珍しくボーカルを入れないインスト物として採りあげられています。レコードジャケットもなかなか良くて壁にでも架けながら曲を聴きたくなる趣きです。このLPがそのままCD化されているかどうかは判りませんが各々の曲は結構CDになっていて聴くことが出来るようです。
テキサス州やオクラホマ州を中心に発展してきたウェスタン・スイングというのはカントリー・ミュージックのメッカであるテネシー州のナッシュヴィルの音楽とはほとんど影響受けずに発展してきたようなので因襲にとらわれないどこか開放的なところがあるな・・・・・と感じます。(9)Comanchi Hit And Run でのフィドル(カントリースタイルのバイオリン)演奏はブルーグラスミュージックでなどでは全く聴かれない Western Swing Fiddle という感じ
 
ボブ・ウィルスは1968(昭和43)年に COUNTRY MUSIC HALL OF FAME に選ばれています。 

<2014=平成26年11月16日改めて聴いての感想>  
Western Swing というのは何か気分が高揚しているような時かあるいは逆に気分が全く落ち着いている時に聴くのがいいかなぁ・・・・と感じる。時期を間違えると落ち着かなくてうるさいとまで感じる場合があるので難しいな・・・・・これもひとりの人を通しで聴くよりか複数の Western Swing をオムニバス形式で聴く方が飽きがこなくていいかなと思う。でもやはりボブ・ウィルスはいいなあ 
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懐かしのカントリー&ウェスタン 8 [ ボブ・ウィルス(1) ]

2007年10月27日 | ボブ・ウィルスを歌う
Bob Wills (1)
米国盤 Harmony HL-7036  Bob Wills Special

(1)San Antonio Rose (2)Trouble In Mind (3)Take Me Back To Tulsa (4)Big Beaver (5)Roly Poly (6)I Can't Go On This Way (7)Time Changes Everything (8)Miss Molly (9)The Convict And The Rose (10)New San Antonio Rose


カントリー・ミュージックの分野でウェスタン・スイングほどウキウキするような音楽はないなぁ~と個人的には思っていますが・・・・僕は下手の横好きでフィドル(カントリーやブルーグラスの世界ではヴァイオリンのことをこう呼びます)が好きでチョコチョコ練習しているんですが、ブルーグラスよりもウェスタン・スイングスタイルのフィドルの方がずっと好きです。自分の性格がおとなし目のためかスイング感とおしゃれな感じの方に魅かれます。
 ところでWestern Swingは何もボブ・ウィルス(1905~1975年テキサス州出身)に始まった訳ではなくて1930年代頃以来アメリカ南西部(テキサス、オクラホマ、アーカンソーの各州あたり)を中心に人気のあった音楽で、ボブ・ウィルス以外にも多くの名手が輩出していてその歴史は部厚い一冊の本が出来るくらい深い歴史を持っています。しかし、Western Swingを一般に広めたのはボブ・ウィルスの功績だといっても過言ではなさそうです。
1934年に自分のバンドThe Texas Playboysを結成してから1975年に亡くなるまでWestern Swing一筋でした。白いテンガロンハットにカウボーイブーツ、葉巻のくわえタバコに自慢のフィドル・・・・のトレードマークで「San Antonio Rose」「Time Changes Everything」「Take Me Back To Tulsa」等の名曲限りなしというところです。
音的にはSwing JazzやBlues 、Countryの入り混じったようなメインボーカルとスイングする演奏( 時にトランペットやサキソフォンが入ったりする )、そしてボブ自身のフィドル演奏で「Silver Bells(ボブのお気に入り)」「Maiden's Prayer(乙女の祈り)」等をやってくれます。  長年の相棒だったトミー・ダンカンがメインボーカルだった頃が一番ボブが活き活きしていた時代だった・・・・・と言われていますが、歌の合間に”アッハー!サン・アントニオ ロ~ズ” とか ”Take It Away Le~on!( バンドのスチールギター奏者だったレオン・マコーリフに一丁いこうぜ、レオン! )” とか ”O~pen Now!"、”Thomas(トミー・ダンカンのこと)Comin'!” などタイミングのよい掛け声を入れて雰囲気を盛り上げているのも特徴になっています。
このレコードでは歌無しと歌入りの「San Antonio Rose」が入っていますが、この名曲は全てがここから始まったのでした。ウェスタン・スィングの全盛時代の雰囲気が詰まったLPレコードです。なお、今はボブについてのCDは沢山出ていますので色々な時代のボブ・ウィルスの音に接することが出来ます・・・ほんとにいい時代だなあ。 つづく
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