西部劇と懐かしのカントリー&ウェスタン日記

現代とはかけ離れたOld Countryの世界ですがずっと続けていきます。興味のある方は時々のぞいてみて下さい。

西部劇 -7-(太陽の中の対決)

2008年03月31日 | 西部劇映画
太陽の中の対決( HOMBRE ) 
 監督マーティン・リット 1967=昭和42年 公開
この西部劇はリアルタイムに映画館で見た作品で、当時けっこう感銘を受けた西部劇でした。ポール・ニューマンの映画としては地味な方に入るんでしょうし、「 太陽の中の対決 」という邦題がいまひとつインパクトに乏しくてあまり話題にもなりませんでしたが見ごたえのあるもので僕は好きな西部劇です。

<ストーリー>
1880年代のアリゾナ、子供の頃にインディアンにさらわれてインディアンとして育ったジョン・ラッセル( P.ニューマン ) は白人の養父ラッセル氏に救い出されて多少は白人世界も知っている。しかし、後に脱走してインディアン居留地にもどり ”Hombre( 男らしい男 )” と呼ばれる大人に成長したのだった。
居留地で育ち、インディアン達の窮状を知るジョンには白人達の持つ傲慢さ、身勝手さに対して表には出さない怒りを秘めているところがある。駅馬車経営のメンデス( マーチン・バルサム ) から養父の死を知らされ、遺産を継ぐことになったジョンは全てを売って馬を買うつもりで駅馬車に乗る・・・・乗り合わせた男女7人との旅。
客の一人フェイバーはインディアン居留地の顧問だった男で居留民の金をくすねている。それを狙って途中5人組の駅馬車強盗団( リチャード・ブーン、キャメロン・ミッチェル他 )に襲われる・・・・ジョンの機知で2人を倒して金を奪い返したものの、フェィバーの妻を人質に取られ荒野に取り残されてしつこく追われることとなった。馬を奪われ、荒野で生き延びる術を心得ているのはインディアンとして育ったジョンだけで、皆はジョンに従うほか無いのだった・・・・・
ある廃坑の小屋で強盗団に追いつかれて人質を楯に金を渡すよう迫られる一行。言葉だけは達者だが無力な他の乗客達との確執のすえ、金をインディアン居留地に返す約束を条件にドル札を紙くずにすり換えたサドルバッグを手に名うての悪漢二人に一人対決におもむくジョン・・・「 人はいつかは死ぬ 」 と言葉を残して相討ちで果てる・・・・そこにインディアンの少年達と一緒に写った幼いジョンの古い写真がオーバーラップして映り映画は終わる・・・・とてもしんみりさせられるラストだ。
 映画の中でもインディアンに対する白人達の心無い言動にジョンが怒りを込めて対抗する場面が随所に見られます・・・・それに極悪の悪漢達もこの作品を引き締めていますし、年増だが美人のジェス役のダイアン・シレントという女優さんもなかなか魅力的。  だんだん優れた西部劇が少なくなっていく時代の秀作の一つだと思っています、ビデオにもDVDにもなっていたので今でも見ることができます・・・・・ポール・ニューマンはこの作品を好きだといっていたとか・・・・・ポール・ニューマンファンだけではなくて西部劇としてぜひお勧めしたい作品です。
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カウボーイ ソング 17 [ テキサス・ジム・ロバートソン(1) ]

2008年03月30日 | カウボーイ・ソング
Texas Jim Robertson (1) 
米国盤 Strand Records SL-1016 Tales and Songs of The Old West
 
(1)Little Old Sod Shanty ( = Little Joe The Wrangler と同じメロディ ) (2)Home On The Range ( 峠の我が家 ) (3)The Girl I Left Behind Me (4)Billy The Kid ( ビリー・ザ・キッド ) (5)Great Grandad And Me (6)Crawdad Song (7)Goin' Down The Road (8)Bury Me Not On The Lone Prairie ( 寂しい草原に埋めないでおくれ ) (9)Last Great Roundup (10)The Old Rugged Cross (11)Little Old Bible Of Mine(12)Don't Just Pray

興味があってカウボーイ ソングを歌った色々な歌手のレコードを見つけたり、聴いたりしていると思いがけない歌手に出くわすことがあります。このテキサス・ジム・ロバートソン(1909~1966年テキサス州出身)もそのような一人でした。生年からも判るようにかなり旧世代に属するカントリー&カウボーイ歌手で、日本ではレコードは出たことはないのでは・・・・と思われます。もう25、6年前になりますがアメリカの Old Homestead Records が出していた(今でも出ています)中古のレコード通信販売リストに載っていたのを見て ”Texas Jim Robertson ”という名前とタイトルの”Old West” という語、それに10ドルという安さに誘われて買ってみたLPレコードでした。「何となく良さそうだ」という僕の予想は的中して、送られてきた小包を開けてジャケットを見た時それだけでアメリカ西部の香りがするような感じを受けたものでした。
A面はジムが相方(アーキーという名?)に西部のことやその歌にまつわる話をしながら生ギターとスティール・ギターを伴奏に歌ってくれるもので、雰囲気抜群でジムのまろやかで深いバリトン・ヴォイスがカウボーイ ソングによくあって何とも素敵です。(8)Bury Me Not On The Lone Prairie からのB面はすこし Cowboy Hymn のような静かな感じの曲群になっていますが どの曲もジムの歌の上手さにウットリさせられてしまいます。
 そうですね、ジムの声はレフティ・フリッツェルとテックス・リッターを足して2で割ったような声・・・・・という感じでしょうか?? 解説によるとジムは1930年代から歌っていてアメリカでは結構名前の通ったカントリー歌手だったようで、日本の敗戦後に海兵隊として大村(長崎県)で KYUSYU NETWORK のDJ、アナウンサーを勤めたことがあるそうで、歌手としては1960年代初期まで歌っていた・・・・ようです。うらに解説記事がありますが後日に

古いですがカウボーイソングに興味がある人達にはきっと気に入られるもの・・・・と自信を持って言えるのですが、なにせ名も無いマイナー レコードで録音年も判らない・・・など不明づくしですので・・・・どこかのレコード会社がCDにしてくれないものかな、と切に願うしかないところです(涙)
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西部劇 -6-(ガンファイターの最後)

2008年03月29日 | 西部劇映画
ガンファイターの最後(Death of a Gunfighter 1969年=昭和44年)  監督:ロバート・トッテン、ドン・シーゲル
2008年(平成20年)3月24日アメリカの映画俳優リチャード・ウィドマークが93歳で亡くなった・・・・と新聞で知りました。
僕のような団塊の世代にとってリアルタイムでの彼の映画はジム・ボウイー役で出た「 アラモ 」(1960=昭和35年 )、「 馬上の二人 」(1961=昭和36年 )、「 西部開拓史 」( 1962=昭和37年 )、「シャイアン」(1964=昭和39年 ) なんかの西部劇が中心でした。ニヒルな感じが強かったのでかつては冷酷なギャングなんかの役が多かったようです。

今日はリチャード・ウィドマークを偲んで「 ガンファイターの最後 」 を見ました・・・・昭和44年日本公開ですが劇場で見たことのない作品で、数年前テレビでやっていましたが見逃していたものです。去年DVDで出たので一度見ています。

<ストーリー>
自動車も電気も出現し始め、新しい時代を迎えようとし始めたテキサスのある町の保安官フランク・パッチ( R.ウィドマーク ) は昔気質の頑固な保安官。この町の全てを知り尽くしているといってもよい保安官として20年のキャリアの持ち主だった。あるトラブルで住民の一人を射殺してしまったことから町の住民、名士達の反感を買ってしまう・・・・それでなくとも日頃から荒っぽい諸事の解決法が多かったフランクのやり口が 新しい時代にふさわしくない・・・・と住民から次第に厄介者扱いの目で見られるようになっているのだった。
 
時代に取り残されていく自分を感じ、孤独感を強めていくフランクは安らぎを求めて昔馴染みの女クレア( レナ・ホーン ) に求婚し結婚する・・・・しかし同じ日に、かって保安官に殴られ衆人の前で恥をかかされて雪辱しようとライフルを向けたが果たせずに自殺した名士A・・・・の息子 B に狙われる・・・・またしても射殺してしまったフランク・・・・もはや保安官フランクは町にとって完全に無用の者とみなされるようになったのだった。そして住民、名士達のライフル群の前に無残に射ち殺されてゆくフランク・・・・

私の感想では・・・・先ず、なぜ昔気質の保安官が町の人達にとって疎ましく思えるようになったか、殺してでも排除したい・・・・と思うようになったか、という理由付けが弱いのがとても気になります。次に、町の人達にあまり人間的な感情が感じられないのも気になります・・・・保安官に同情、理解を寄せる人がいてもいいのに、それにもう少し明るいキャラクターの人物もいるとよかったのに・・・・とも思います。 何だか人物設定がマカロニ ウェスタン的でもあるせいか画面からも重苦しくスカッとしない所ばかりが目立つので、従って殺された保安官フランクの哀れさにいまひとつ感情移入出来ないところが欠点かなあ・・・・と思います。 この2つがしっかりしていれば,つまり脚本がしっかりしていれば 「 真昼の決闘 」 のようなかなりの名作になったかも知れないと思いますが、残念・・・・それに R.ウィドマークは保安官には不似合いかなぁ??どうも保安官というタイプではないと思うんですよね。 
 
この映画、主演の R.ウィドマークとしっくりいかなくて監督が途中で変わってしまった~というのも影響しているのかも知れません。私的にはリチャード・ウィドマークにとって名作になり得たのになれなかった西部劇作品と思っています。 
でも彼が亡くなったと知ってもう一度見たくなった作品でした
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カウボーイソング 16 [ オクラホマ・ラングラーズ ]

2008年03月28日 | カウボーイ・ソング
Oklahoma Wranglers  
米国盤 Cumberland MGC-29504  SONGS OF THE OLD WEST

(1)Happy Cowboy (2)When My Blue Moon Turns To Gold Again (3)Sioux City Sue (4)Down In The Valley (5)Cimarron (6)Take Me Back To Tulsa (7)Chant Of The Plains (8)On The Old Chisholm Trail (9)Tumbling Tumbleweeds(さまよう枯れ葉) (10)Home On The Range(峠の我が家)

オクラホマ ラングラーズの西部に関する歌を集めたLPレコードです。
オクラホマ・ラングラーズといえば The Willis Brothers のことで、かのハンク・ウィリアムスの初期( Sterling Records 時代 )のレコーディングで伴奏をつとめたグループとして有名です。
Guy Willis( 1915~81年 Guitar & vocal )、 Skeeter Willis ( 1917~76年 Fiddle & vocal )、 Vic Willis(1922~95年 Accordion,Piano & vocal ) のオクラホマ出身の3兄弟で、1930年代からウェスタン・スイングやカウボーイ・ソングを歌ってカントリーミュージックのメッカ Grand Ole Opry( テネシー州ナッシュヴィルにある )でも活躍したグループでした。 スターデイ レコード時代に10枚以上のLPレコードを出していて、Truck driver song や Novelty song で名を成していました。

ここではまったく軽快で調子よくスイングする(1)Happy Cowboy でスタート。 スイングする(3)”スー・シティ・スー”、ボブ・ウィルスの名曲(6)”タルサへ戻ろう”、そしてミデアムテンポの(2)”ブルームーンがまた輝けば ”、(4)Down In The Valley 、カウボーイソングの古典(8)”チザム トレイル”、(10)”峠のわが家 ”と続き、往年のカウボーイ・コーラス グループだった The Sons Of The Pioneers のテーマソング(9)Tumbling Tunbleweeds ( さまよう枯れ葉 )・・・・・と名曲が揃っていて 伴奏楽器もフィドル( バイオリン )、ギター、アコーディオンと西部調の雰囲気にピッタリでウィリス・ブラザーズも乗りに乗っています。
 
日本での知名度からして彼らのカウボーイ ソングは単独のCDとしての発売は難しいかな・・・・・というところで残念ですがレコードで聴くしかないかも知れません。  
尚、Cumberland Records というのはかつての大手 MERCURY RECORDS の廉価盤のよう、ジャケット裏に沢山の写真が載っていてけっこう面白いレコードが出されていたようです
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カントリー ギター 2 [ マール・トラヴィス(1) ]

2008年03月23日 | カントリーギター列伝
Merle Travis (1) 
 米国盤 Capitol SM-650  The Merle Travis Guitar(オリジナルは T-650)     
(1)Blue Smoke (2)Black Diamond Blues (3)On a Bicycle Built For Two (4)Saturday Night Shuffle (5)Bugle Call Rag (6)Tuck Me To Sleep In My Old 'Tucky Home (7)Walkin' The Strings (8)The Memphis Blues (9)The Sheik Of Araby (10)Blue Bell (11)The Waltz You Saved For Me (12)Rockabye Rag

カントリーギターの名手として超有名な人で、もう語り尽くされていると思いますのでここでは彼のguitar playerとしての初めてのLPレコードの解説をそのまま訳して載せてみたいと思います・・・・・・以下訳・・・・・・ カントリー界の人達は彼の演奏を「Travis Style」と呼びますが、ジャズ・ミュージシャン達はあれは「Country Guitar」だと言います。呼び方はどうであれマール・トラヴィスのギタープレーは特別なもので、まさに素晴らしいの一言です。先づ、マール自身のオリジナルサウンドを持っているということです。とても表現力豊かで、あらゆる先輩ギタープレイヤーの音楽に対して敬意を払っていると同時にギターという楽器に対しても一種敬意を持っているのでは・・・とさえ思われます。
M.トラヴィスは若い頃にケンタッキー州のBoone Countyでtent showやmedicine showで演奏した経験があり、いわゆる生粋の、土着のミュージシャン達(その人達自身もまた・・・まだギターが珍しく、高価でもあった時代から演奏していた先達の演奏スタイルを受け継いできている人達です)から深く影響を受けたといいます。ごく初期の時代には知っている簡単な曲がくり返しくり返し演奏されたものでした。ミュージシャン達は曲が洗練されたものに聞えるように、ギターで独創的な音が出せるように工夫努力を惜しまなかったのです。このレコードでマールが実証しているように、素朴なハーモニーや単純なメロデイに力強い音やシャープな音が加わっています。
M・トラヴィスはカントリー歌手として、あるいは「Smoke,Smoke,Smoke」「No Vacancy」「Cincinatti Lou 」等の作曲家として有名でしたが、ギタリストとしてはそれほどには知られていませんでした(注:これはあくまでも当時のことです)。実際、アメリカのギタリストの間では彼のテクニックだけが先走りし目立っていたのです。マールの演奏はどのフレーズもスムーズで一音一音がとてもクリアーです。アルバム中の曲群があたかも複数のギターで演奏されているかのように聴こえるかもしれませんが、彼が弾くギター一本だけの演奏でありレコーディング上何のトリックも使ってはいません。
「Travis Style」はジャズとは言われませんが、ジャズの影響を受けているのは明白です。一つには、”Blues Playing”と呼ばれるものを取り込んでおり、映画「ここより永遠に」(1953年バート・ランカスター主演、マールも兵隊の一人として出演している)で歌い演奏した「Re-enlistment Blues」という曲にそれがうかがえます。彼の演奏は歯切れよさ、そして時に複雑で込み入った音で成り立っていますが、決して不協和音という訳ではありません。時として泣き咽ぶような音があったりしますが、決してめそめそしたものでもありません。彼が作り出す音、テクニック、音楽的なアイデアなど全てをひっくるめて「Travis Style」と言うべきでしょう。感受性豊かで表現力に富む偉大なギターサウンドを叶えてくれる確固たるミュージック・・・・それこそ「Travis Style」であり「Country Guitar」と呼ぶべきものでしょう・・・・以上訳・・・
(1917~1983年ケンタッキー州出身)1977年にCountry Music Hall Of Fameに選ばれています。
このレコードがCDで出ているのか僕はわかりませんがカントリー ギターの古典として一度は聴いておいたほうがいいのかな・・・と思います。
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カントリー ギター 1 [ サムズ・カーライル(1) ]

2008年03月22日 | カントリーギター列伝
Thumbs Carllile (1)  
  米国盤 Smash Records SRS-67085 all thumbs 
(1)On The Street Where You Live From "My Fair Lady" (2)Strangers In The Night(夜のストレンジャー、フランク・シナトラの歌で有名) (3)Autumn Leaves(枯葉) (4)A Good Time (5)Greensleeves(グリーンスリーヴス) (6)Let It Be Me (7)Harmony Grits (8)Gravy Waltz (9)Old Cape Cod (10)Bill Bailey (11)Morning Star (12)Just Blues 
 
カントリー ギターも好きで時々聴きますが( 特に夜酒を飲みながら )、僕が今までで一番驚いたカントリー ギタリストはこのサムズ・カーライル( 1931~87年ミズーリ州出身 )という人です。 Starday Records というカントリーやブルーグラスというアメリカ南部音楽に焦点をあわせたレコード会社があって、その中にカントリー ギターのオムニバスLPレコードがあってこのサムの曲が1曲入っていました。「 Springfield Guitar Special 」 というアップテンポの曲で、面白いことに彼がしゃべりながら多くの有名なカントリー ギタリストの奏法をすこしずつ弾くという「 ギターものまね 」版でした・・・グラディ・マーティン、ジミー・ブライアント、レス・ポール、チェット・アトキンス、ビリー・バードなど出るわ出るわで唖然としていると、途中でいきなりスピーディー・ウェストのスティール ギターの物まねが出てきました・・・・ここでエエッ??と驚いた・・・どのように弾いているんだろう・・・と。
謎が解けたのはず~っと後になってからです。LPジャケットで彼はギターを横たえています・・・・そう、サムの弾き方は全くユニークなスタイルで横にしたギターのフレットを左指で1音1音ピアノの鍵盤を押すように使って、しかも右手は親指につけたサムピックだけで弾いていたんです( 彼の名前の由来にもなった )・・・・なるほどこれなら途中でスティールギターの音を出せるかも( 途中で金属バーを持ってスティールギターのように弦上をすべらせて音を出す )・・・・・と納得した次第。 アメリカには色んな人がいますね・・・・・解説によるとサムは11才の頃からこのスタイルで弾いているそうで、名カントリー歌手レッド・フォーレーの Ozak Jubilee Show や ”リトル ”ジミー・ディケンズのバンド、ロジャー・ミラーのバンドメンバーとして活躍、アメリカのカントリー界ではよく知られたギタリストだそうです。

このレコードの解説者も最大級の賛辞を送っています・・・・音的な内容はカントリーではなくてギタリストとしての腕の見せどころとして昔のカントリーギタリストがよく採りあげるようなジャズ、映画音楽、スイング、ムードミュージック等になっています・・・・素晴らしいムードを持ったアルバム。
You may find it hard to believe that he's playing " thumbs only " when you hear his strumming in this album on tunes like " A Good Time "・・・・とあります、親指だけで弾いているんだよというのがミソで、ホントに信じられないですよ・・・・・CDになって欲しい

サムズ・カーライル・・・・・この人のギター弾き方が独特で、誰れでも真似できるスタイルではなかったので、”ユニーク”ということで済まされて却って一般的な名声を得なかった-といえるかもしれません。でも明らかにカントリーギター巨人の一人です
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西部劇の本 -3- (アメリカ西部)

2008年03月22日 | 西部劇の本
ワイアット・アープ伝  津神 久三 著  リブロポート(1988年出版)
この本はアメリカ西部史上有名なワイアット・アープについて書いた本です。この本の特徴として著者の津神 久三さんはアープに関するあらゆるアメリカの文献(親アープ派と反アープ派のそれぞれの文献)、当時の新聞記事、アープの周辺の関係者の証言などを渉猟して自身の見解を展開されており、全く尊敬に値する労作だと思います。写真も豊富に載っています。以下に目次だけ載せてみますがこれだけでいかに詳しく述べた本であるか判ると思います。
第1部
 サンペドロ谷の銀発見   定説「アープ悪党説」への疑問   エルズワースとウィチタ1873-76年   ダッジ・シティ1876-77年   クレイ・アリスンとの一騎討   ダッジ・シティ1978-79年
第2部
 アープ一家の到着   騒憂の銀山町   トゥムストン戦争の発端   リンチ暴徒撃退事件   「カウボーイ」たち
第3部
 ベンスン行駅馬車強盗事件   ”OKコラル”への道 1   ”OKコラル”への道 2   決闘ーその日、朝から夜中まで   ”OKコラル”裁判
第4部
 アープは強盗であったか 1   アープは強盗であったか 2   アープは強盗であったか 3
第5部
 バージル・アープの負傷退場   策師ワイアットの暗躍   チャールストン事件   血の報復   アイアン・スプリングスの決闘   トゥムストンの終曲   あとがき      

”「トゥムストン(墓石)」とは変わった地名だ。しかも、その隣りの町が「コンテンション(争い)」である。闘争ー墓石と続いては、この組み合わせだけで、すでに暴力まかり通った西部開拓時代を思わせるに十分なイメージが生まれる”・・・・・との書き出しで始まる517ページのボリューム満点の本です。W.アープの軌跡を丁寧に追っかけたもので、日本で此処まで詳しい本が出るとは思ってなかったので買ったときはびっくりしました・・・・でももう20年もたつんですね。その間映画でケビン・コスナー主演の「ワイアット・アープ」(1994年=平成6年)とか同じ年にカート・ラッセル主演の「トゥームストン」が上映されて面白く見たものでした。この本今でも現役なのか不明ですがアメリカ西部や西部劇に興味を持っている人達にはとてもよい本だと思います。
この本に載っている面白い話・・・・アリゾナで銀の試掘に没頭していたエド・シーフェリンという男の回想録「トゥムストン発見史」に、近くの騎兵隊砦に食料や日用品を買い込みにいく度に兵隊達が「何か”石”が見つかったかよ?」と・・・「いいや、でもいつかはここでひと山当てて見せるぜ」というと決まって「そうだろうよ、おめぇさんの墓石(tombstone)を見つけるくらいだろうよ」と言われたそうで、後年ついに銀の大鉱脈を掘り当てた時、「自分の墓石」の言葉が耳について離れなかった彼はそこをTombstone(墓石)と名付けた・・・・のだそうです。
鉱山町としてトゥームストンがいちやくブームタウンになって人口が増えると新聞社を起こす人も出てくる・・・・その際「墓石(tombstone)にゃ墓碑銘(epitaph)が必要だ。」・・・てな訳で新聞社名が「エピタフ(Epitaph=墓碑銘)」社になったとか、対抗するもうひとつの新聞社が「ナゲット(Nugget=金塊)」社になった・・・・などと知ると、まあ~アメリカ人のユーモアセンスというか西部人のおおらかさを見る思いで楽しい一面でもありますね(smile)

ところで、Town too tough to die(タフすぎて死なない町)がキャッチフレーズのアリゾナ州の小さな田舎町TOMBSTONEは、今はフロンティア時代の盛時をしのぶ観光地とし命脈を保っているそうです・・・・まさに「つわものどもが夢の跡」って感じなんでしょうね。 西部劇ファンとしては一度訪れてみたいもの・・・・
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カウボーイ ソング -15-(レックス・アレン)

2008年03月17日 | カウボーイ・ソング
REX ALLEN (3)  
ドイツ盤 Bear Family Records BCD-15284  VOICE OF THE WEST       (1)Moonshine Steer (2)Tyin' Knots In The Devil's Tail (3)Windy Bill (4)Little Joe The Wrangler (5)When The Work's All Done This Fall(秋の終わりに) (6)Droop Ears (7)Streets Of Laredo (ラレドの通り)(8)The Fireman Cowboy (9)Braggin' Drunk From Wilcok (10)Fiddle Medley (11)Gone Girl (12)Catfish John (13)You Never Did Give Up On Me (14)Just Call Me Lonesome (15)Today I Started Loving You Again (16)Reflex Reaction                

前回紹介のLPレコードのCD盤です。曲順も入れ替わっていて(11)~(16)には普通のカントリー曲が追加されていますのでより広くレックス・アレンの魅力を楽しめるようになっています。さてCOWBOY SONGでよく歌われる「Little Joe The Wrangler」の内容について(ちょっと長いですが)以前紹介したシスコ・ヒューストン盤の歌詞で見てみることにします。

Little Joe ,the wrangler,he'll wrangle never more  ちびのカウボーイJoeは二度と牛追いをすることはない
His days with the remuda they are o'er        奴のカウボーイ時代は終わってしまったんだ
It was a year ago last April that he rode into our camp  奴が来たのは1年前の4月だった
Just a little Texas stray and all alone        テキサスから来た一人ぼっちの迷子だったな

His saddle was a Texas "kack" made many years ago   奴の鞍はテキサス製の年代物で
With an O.K spur on the foot lightly slung          足には軽く音のするオクラホマ製の拍車
His bedroll in the cotton sack was loosely tied behind  鞍の後ろにゃ丸め込んだ綿製の寝具を付けて
And his canteen o'er his saddle-horn was hung      携帯用の食器類を鞍の取っ手に引っ掛けていたな

He said if we would give him work, he'd do the best he could   仕事をくれたらベストを尽くしますと言っていた    
Though he didn't know straight up about a cow       牛追いのことなんか何にも知っちゃいなかったがな
So the boss he cut him out a mount and he kindly put him on ボスは奴を馬から降ろしてまた優しく乗っけてやったんだ
'Cause he sorta liked this little kid somehow         ボスは奴を気に入ったようだったな

He learned to wrangle horses and know 'em all by name   奴は馬の扱いを覚えて一頭一頭をみんな名前で呼んでいたよ
And get them in by daybreak if he could    そして夕暮れまでには馬達を集め入れたもんさ
To follow the chuck-wagon and always hitch the team   炊事馬車についてってはいつも便乗させてもらって
And help the cocinero rustle wood    炊事用の薪集めを手伝っていたよ

We had driven down to Pecos, the weather being fine   俺達が牛を追ってペコス河まで来た、上天気の日
We camped on the south side in a bend    曲がった地形の南面にキャンプした
When a norther started blowin' and we called out every man   北風が吹き始めたので皆を(カウボーイ達)を呼び集めたんだ
For it taken all us hands to hold 'em in    牛の群れを掌握するのに総がかりってわけさ

Little Joe,the wrangler,was called out with the rest   ちびのジョーは寝てるところを呼ばれた
Although the kid had scarecely reached the herd    奴はほとんど牛には触れさせてもらえないでいたけど
When the cattle they stampeded ,like a hailstorm long they fled   牛達がまるであられの大降りのように暴走し始めた時
And we was all a-ridin' for the lead    みんな馬に飛び乗って群れの先頭めがけて突っ走ったんだ(暴走を食い止めるため?)

Midst the streaks of lightnin' a rider we could see   暴走集団の中に馬に乗った一人の小さな男を見とめたよ
It was little Joe,the wrangler,in the lead    それがちびのジョーだった、群れの先頭にいたんだ
He was riding old blue rocket with a slicker o'er his head   雨よけのレインコートを頭からかぶって老いぼれ馬にまたがっていた
A-tryin' to check the cattle in their speed    牛の暴走を阻止しようとしたんだな

At last we got them illing and kind-a quieted down   やっと暴走を食い止めることが出来て
And the extra guard back to the wagon went    みんなワゴンに帰ってきた         But there was one a-missin' and we knew it at a glance  見回すと一人だけ見当たらない
'Twas our little Texas stray,poor wrangling Joe    それがちびのテキサスから来た孤児(みなしご)ジョーだった、可哀想なカウボーイJOE

Next morning just at daybreak we found where rocket fell   あくる朝老馬が倒れているのを見つけた
In a washout twenty feet below    20フィートほど下ったところに
And beneath his horse,mash to a pulp,his spur had rung the knell  ぐちゃぐちゃになった奴の馬の下に死を告げるかのように拍車があった
Was our little Texas stray,poor wrangling Joe    それがテキサスから来た小さなみなし児、カウボーイ ジョーの最期だったんだ

こんなことは実際にあったんでしょう・・・・キャトル・ドライヴを扱った西部劇「赤い河」(1948年ハワード・ホークス監督)でも 牛追いが終わったら女房に赤い靴を買ってやるんだ・・・といっていたカウボーイが牛の暴走(スタンピード)で命を落とすというエピソードがありましたが・・・・。ペーソスがあってカウボーイソングとして好まれる所以かもしれません。歌詞にはいくつかヴァージョンがあって多くの歌手に歌われています。尚、カウボーイの専門用語らしい語があってわかりずらく(スペイン語もある)意訳したところもあります・・・・・頭の体操になりました(smile)
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お気に入り (1)

2008年03月16日 | つれづれに
今日の日曜日は朝から確定申告の作成に追われて終わってしまった・・・・自分でやろうとするとけっこう手間のかかる作業で、必要な添付書類から探しださないといけない始末で全く疲れてしまった。何でもギリギリにならないとやらないのは悪い癖だから直しなさい・・・・と亡くなった母によく言われたもの・・・。  夜になってやっと終わってクリス・ルドウの「COWBOY CLASSICS」を聴きながらDrinking。 普段の仕事帰りには焼酎「三岳」(鹿児島の屋久島産のもの)が気に入りで単身赴任の仕事先 鹿児島でもよく飲む銘柄。 でも家にいる時はバーボンの「EARLY TIMES」を飲むことが多い・・・初めて飲んだバーボンで匂いとまろやかさがとても気に入っていた、はじめの頃は丸ビンで値段も手ごろ、いつの頃からか角ビンになった。その後から色々と高いバーボンが出てきたけれど今でも「EARLY TIMES」がいちばん好き・・・カントリー・ミュージックに似合っていると思う
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カウボーイ ソング 14 [ レックス・アレン(2) ]

2008年03月10日 | カウボーイ・ソング
Rex Allen (2) 
米国盤 JMI-4003 REX ALLEN Sings Boney Kneed Hairy Legged COWBOY SONGS      
(1)Little Joe The Wrangler (2)The Moonshine Steer (3)The Fireman Cowboy (4)Braggin' Drunk From Wilcox (5)Fiddle Medley (6)Tyin' Knots In The (7)Droop Ears (8)Windy Bill (9)When The Work's All Done This Fall (秋の終わりに)(10)Streets Of Laredo(ラレドの通り)                                             
レックス・アレン(1924~1999年アリゾナ州出身)が1972年にマイナーのJMIレコードに残したカウボーイソング集LPレコードです。
ジャケットがいかにも風雪に耐えたカウボーイといった風情で、レックス・アレン自身のこうした姿はかって見られなかっただけに個人的にはとても気に入ったものになりました。 
彼自身が書いた解説で・・・・「このアルバムに私が好きな American Cowboy Song を集めました。曲によっては悲しく痛ましいものだったり、楽しく能天気なものだったり、あるいは途方もなく乱暴なものだったりするのですが、歌われているストーリーの多くは口伝えに後世に伝えられたものです。私は誰かがこうした曲を記録して伝えていかなければ永遠に失なわれてしまうのではないかと危惧していました。古き良きアメリカ西部の誇りとか雄大さといったものをこれらの歌から自由に楽しむことが出来る・・・と私は思っています。」・・・・と述べています。

全体にアコースティックな音作りで生ギターとフィドル(ジョニー・ギンブル)が素晴らしく、レックスのよく通る渋~いバリトンボイスとマッチしておりカウボーイソングの雰囲気が出ています。  中でも(1)Little Joe The Wrangler が白眉で、通しで流れるフィドル(バイオリン)とレックスの歌声に圧倒されて4分を超える曲なのに飽きないですよ・・・・・前回のクリス・ルドウと比べても甲乙つけ難くウ~ン軍配は引き分け!  (8)Windy Bill (9)When The Work's All Done This Fall は単調ですがそこはレックスの歌声に酔い、(4)Braggin' Drunk From Wilcox はスローな生ギター、ピアノ、マンドリンをバックに酔っ払い調の語り物、(7)Droop Ears は全篇にきれいな生ギターに乗っての語り物、そして(10)「ラレドの通り」は生ギターの弾き語りで高音から低音まで使って劇的なカウボーイソングに仕上げています、(5)Fiddle Medley はジョニー・ギンブルとレックスのフィドル競演でレックスも負けてはいません、スローな曲からだんだんアップテンポになっていき最後に2人で笑い合って和やかな雰囲気で終わりってな具合・・・・・以上の各曲いくら文章で述べてもその良さは伝えられませんのでひたすら聴くしかないかな・・・・と思います。
これはドイツの Bear Family Records からCD(BCD-15284)としても出されています。    
次回はいつも出てくる 「Little Joe The Wrangler」 という曲がどんな内容なのか見てみる予定です
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