西部劇と懐かしのカントリー&ウェスタン日記

現代とはかけ離れたOld Countryの世界ですがずっと続けていきます。興味のある方は時々のぞいてみて下さい。

エルトン・ブリット ジミー・ロジャースを歌う (1)

2007年09月30日 | ジミー・ロジャースを歌う

Elton Britt (1)
米国盤 Camden-CAS2295   The Jimmie Rodgers Blues (日本盤RGP-1012)

(1)My Carolina Sunshine Girl (2)You And My Old Guitar (3)Roll Along Kentucky Moon (4)Waiting For A Train (5)My Little Lady (6)The Jimmie Rodgers Blues (7)Treasures Untold (8)Singing In The Pines (9)Peach Picking Time Down In Georgia

少年時代にジミー・ロジャースを聴いて後年カントリー歌手になった人は多数いて、そんな中から数人挙げてみたいと思います。このLPレコード の原盤は1968(昭和43)年にアメリカRCAレコードの子会社 Camden Records から出されたものです。カントリーヨーデル歌手として鳴らしたエルトン・ブリット(1913
~1972アーカンソー州出身)もこの頃はもう引退気味でした。彼の新譜LPレコードとしては最後のもので、それが若い頃のアイドルだったジミー・ロジャースに捧げるアルバムになっているのはやはり彼の中でどうしてもこれだけは残しておきたい・・・・という思いが強かったからなんでしょうね。

1972(昭和47)年に日本盤が廉価盤として出た時( 1100円だったかな? ) は僕はとても嬉しかったです・・・・なにしろレコードはまだまだ高価で22歳位でもレギュラー盤はそんなに買えませんでしたから。 ライナーノートは先年亡くなられた音楽評論家&DJの水野裕二さんが書いておられて、水野さんがカントリー・ミュージックを好きになるきっかけがエルトン・ブリットのレコードだったことを知ってとても親しみを感じたものでした。私が古いカントリー歌手であるエルトン・ブリットに興味を持ったのも水野さんがラジオの中でエルトンについて熱く語っておられたのを聴いて・・・・の影響だといっても過言ではありません。

ところでこのLPレコードは音的にはRCAビクターお得意の女性コーラス入りのモダンなナッシュヴィル・サウンド仕立てで生ギターにピアノが入ったり、ハーモニカが入ったりの伴奏です、エルトン・ブリットの有終の美を飾るにはふさわしい感じです。ここでの私の好みは(3)Roll Along Kentuky Moon でエルトンのバラッド歌手としてのよさが出ていると思う。圧巻は7分を越える(6)The Jimmie Rodgers Blues で、J・ロジャースの曲のタイトルを歌詞の中にちりばめて作られた( 約30曲くらい )曲です。 
全体的には何か仕事しながらバックでさらりと流して聴くのに適しているかな・・・・と思っています。CD化されているかどうかは判りませんが、して欲しいアルバムです。


<2014(平成26)年9月25日になっての新しい感想> 
エルトン・ブリットには古い録音にはギターだけの弾き語りがけっこうあって 私は ” Patent Leather Boots ” という曲を気に入って何度も聴いたことがあります。 とにかく戦前からの人なので膨大な数のレコードが残されているようなんですね・・・・たしか Country Music Hall Of Fame には未だに選出されていないのではないでしょうか・・・・不思議?

コメント (4)
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懐かしのカントリー&ウェスタン 2. ジミー・ロジャース②

2007年09月28日 | ジミー・ロジャースを歌う

 
Jimmie Rodgers ②
日本盤RA-5510 The Best Of The Legendary Jimmie Rodgers Vol.2
(1)Dear Sunny South Of The Sea (懐かしき南部の海辺) (2)Mother, The Queen Of My Heart (我が心の母上) (3)Blue Yodel No.1(T For Texas) (4)Sleep Baby Sleep (5)Hobo Bill's Last Ride (6)Blue Yodel No.9(Standin' On The Corner) (7)Lullaby Yodel (8)Mississippi Moon (9)Blue Yodel No.8(Mule Skinner Blues) (10)Any Old Time (11)The One Rose(That's Left In My Heart) (12)Never No Mo' Blues (13)Treasures Untold (14)Somewhere Down Below The Dixon Line (ディクソン・ラインを下れば)
ジミーは生涯110数曲録音を残していますが、1933(昭和8)年5月24日スタジオにベッドを持ち込んで1曲終わる毎に休みながら ” Old Love Letters ”、 ” Somewhere Down Below The Dixon Line( ディクソン ラインを下れば )” を、そして最後の曲 ” Years Ago ” を渾身の力をふり絞って録音し終えたあと力尽きて 1933(昭和8)年5月26日結核性肺炎で死んだ・・・・といわれています。

ジミー・ロジャースの歌は現代にも引き継がれて色々な歌手が色々なアレンジで聴かせてくれます・・・・カントリー・ミュージックはこんなにも素晴らしい原典を持っています・・・・停滞し伸び悩んでいる時は原典に立ち返ってみるのがいいかもしれません・・・・

ちなみに現代からすると第1次世界大戦後の大恐慌時代は全く想像すらできませんね。 私はいつも故ジョン・フォード監督の映画「 怒りの葡萄(ぶどう) 」を観てイメージを想像します・・・・1930年代の大干ばつの最中に故郷オクラホマを追い出されて夢を求めてカリフォルニアへ旅立つ農民ジョード一家の苦難の道を描いた作品( 亡き名優ヘンリー・フォンダの名演が光る )です。

いまは500円DVDが出ているから簡単に見ることができますね。僕はある場面で音を消してジミー・ロジャースのレコードを流しながら観てみたことがあります。この時代にオクラホマから西海岸に流れて行った人達のことを Okie(オーキー)と呼ぶようになった・・・・とか、その地にカントリー(ヒルビリー)ミュージックが広がってゆくきっかけにもなった・・・・なんてことを知るとますます興味深くなります。映画の中で難民キャンプのようなところで歌好きの青年がギターを弾きながら歌う場面があります( ウッディ・ガスリーなんかもこんな風だったのかな-と思わせるシーンです )。 今のカントリーに疲れた時、ジミー・ロジャースがギター1本でヨーデルを交えながら歌う素朴なカントリーを聴くとホッとする気分になれることがあります。

ジミーの曲にはギターの弾き語りにはとてもよい曲がたくさん有りますね。そんな曲を聴いてジミー・ロジャースのようになりたい-と雨後の竹の子のように出現した当時の歌好きの少年たちの中から後年のカントリーのスター歌手がたくさん生まれてくるんですね・・・・アーネスト・タブ、ハンク・スノウ、エルトン・ブリット、レフティ・フリッツェル、グランパ・ジョーンズ、ジミー・スキナー・・・・等など。 今後そうした人達がジミー・ロジャースの唄を歌ったレコード等もとりあげていこうと思っています。

ジミー・ロジャースについては今はCDもたくさん出ていますし、古いけれど名曲ぞろいですから時には聴いてみることをお勧めします・・・・・Country Music の原点!! 

<2014(平成26)年9月24日になっての新しい感想> 
ジミー・ロジャースの時代はまだ音楽としてのジャンル分けがはっきりしていない時代だったと思われます。だからジミーの歌にはハワイアン、ジャズ、ブルース、カントリー、カウボーイ・ソングなど色々な要素が混在しているように思います。 不思議なのは宗教的な歌がありません、これは小さい頃に母親が亡くなってしまったということが大きな原因なのかも知れません、想像ですがジミーは教会に通うなんてことはなかったのではないでしょうか?? 本日ののは私が初めて買ったジミー・ロジャースのLPレコード、今日久し振りに聴いてみたら初めて聴いたときと同じで(1)Dear Sunny South Of The Sea(懐かしき南の浜辺)、(2)Mother, The Queen Of My Heart(我が心の母上)、(5)Hobo Bill's Last Ride(風来坊ビルの最後)、(14)Somewhere Down Below The Dixon Line(ディクソン・ラインを下れば)がいい、好みって変わらないもんだなあ(smile)  隣の写真は20曲入り廉価盤CDで ” I'm Free From Chain Gang Now ” という囚人の歌が光る、” Dreamin' With Tears In My Eyes ” も好き、それにジミー最後の録音 ” Years Ago ”。

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懐かしのカントリー&ウェスタン 1. ジミー・ロジャース①

2007年09月24日 | ジミー・ロジャースを歌う

  
Jimmie Rodgers ①
日本盤 RCA ビクター RA-5501 Best Of The Legendary Jimmie Rodgers
(1)Peach Picking Time Down In Georgia(桃の実の熟する頃) (2)Frankie And Jonnie (3)Waiting For A Train (汽車を待って) (4)My Little Lady (5)In The Jail House No. 2 (6)Away Out On The Mountain (山の彼方の空遠く)(7)Roll Along Kentucky Moon (8)The Carter Family & Jimmie Rodgers In Texas (9)Why There's A Tear In My Eye(なぜに涙を)(10)The Wonderful City (11)Jimmie Rodgers Visits The Carter Family (12)Jimmie The Kid (13)Moonlight And Skies (14)Southern Cannonball

 
少し古い話になリますが、私は今年(2007=平成19年)のお正月にジミー・ロジャース(1897~1933年 ミシシッピ州 出身)のLPレコードを2枚聴きました、全部で28曲。

ジミー・ロジャースは ”
Mississippi Blue Yodeler " と呼ばれて、「 カントリー・ミュージックの父 」として知られています。歌手としての活動は1927(昭和2)年から亡くなる1933(昭和8)年までのわずか7年間で 歌手になる前は鉄道員でした。 あらゆる鉄道関係の仕事を経験したようで、機関車の制動手をしたことがあるためか ” Singing Brake Man ” ともいわれています。

ジミー・ロジャースの歌うヨーデルは Blue Yodel といって真似しようと思えば素人でも出来そうな簡単なものなんですが そこはやっぱりジミー、おいそれとは同じ雰囲気は出せません・・・・・歌は鼻にかかった非常に伸びのある歌い方でとても深みがあります。古いッというだけで敬遠してしまえばそれまでなんですが、歌の内容を知って、ジミーが歌う時代の背景( 大恐慌というアメリカ全体が生きるのに一番厳しかった時代 )を感じとって、ジミーの生き方を知って曲の数々を聴くと各曲が全く輝いてきこえてきます。

アメリカの音楽に造詣が深い評論家の三井 徹さんがかつて次のように述べておられました・・・・「 ジミー・ロジャースの音楽にはリアリティがある、歌そのものだけでなく、声にも、歌唱法にも、ギター伴奏にも生活が感じられる・・・・のどかで、素朴で、甘く、やさしく、ものうげで、淋しく、陽気で かつけだるい。ロジャースがたえず魅力を失わないのは本当に生きている という生活に根ざした実在感があるからなのだ・・・・だから僕はジミー・ロジャースを聴く 」 ですって、何ともいい話だなあ。

私自身はジミー・ロジャースのスタイルはカントリー・ミュージックの原点だと思っています・・・・ギター一本での弾き語りがカントリーの原点ということです。簡単なコードでメロディもきれいで、歌詞の表現もなかなか洒落ています、難しい単語なんかほとんど使っていないのにね・・・・ギターを手にとると誰れにでも歌えそうな親しみやすさをもった曲群が Jimmie Rodgers には何と多いことか!! 
このレコードと次回掲載の Vol.2に採りあげられた曲は本当にジミー・ロジャースの真髄に迫る曲ばかりです・・・・

私の好みは(1)” 桃の実の熟する頃 ”で、” When it's peach pickin' time in Georgia~Apple pickin' time in Tennessee~Cotton pickin' time in Mississippi~” とアメリカ南部諸州の名物を入れて歌われる御当地ソングみたいな曲ですが ちゃんと不況時代の放浪者の苦境と夢と希望をさりげなく織り込んであってジミー・ロジャース自身の生き方を表しているような歌・・・という感じがします。
簡単だけれど この曲( ジミー・ロジャースの歌全般に云えることですが )を人前で歌うにはかなり歌い込まないと情感は出せないと感じています。私自身 最も多く歌ってみた曲だと断定できます・・・・もちろん人前ではなくて秘かに自分なりにということですが・・・・。
それから、このアルバムにはジミー・ロジャースとカーター・ファミリーの共演という驚くに値するような録音が収録されています・・・・会話もあってよくこんな録音を残したなぁ-と感心してしまいます・・・・セイラ・カーターとのデュエットで歌われる ” Why There A Tear In My Eye ( なぜに涙を ) ” はなかなかいい雰囲気の曲だなぁ、ヨーデルもデュエット それに伴奏のギターをメイベル・カーターが弾いているとのこと・・・・

ジミー・ロジャースの歌に感化された当時の歌好きの少年達がジミーのようになりたい・・・・と、雨後の竹の子のように出現して後年 有名になるカントリー歌手が輩出した状況をみるとジミー・ロジャースが ” カントリー・ミュージックの父 ” と呼ばれるにふさわしいことが納得できます。 
Jimmie Rodgers の落とし児ともいえるそうした人達も今後とりあげていきたいと思います・・・・

私はこういうジミー・ロジャースみたいに古い人はレコードで聴きたい派です。
レコードジャケットに何となくレトロな雰囲気があってジャケットを見ながら聴くと愛着も湧いてきます( smile ) 
 
<2014(平成26)年9月23日になっての新しい感想・・・・・7年ぶり> 
実は最初に買ったのは次回採りあげるVol.2の方でした。今回のVol.1レコードはRCAビクター専属のカントリー歌手シリーズの中の1枚でしたが、とても全部は買えず他にも欲しいレコードがあったのでジミーの Vol.1 は後回しになってしまって結局買いそびれてずっと後年になって中古で買う羽目になったのでした。でもCDの時代になった今でもこのレコードは自分にとっては大事、きっと死ぬまで持っていると思う・・・・” Away Out On The Mountain ( 山の彼方の空遠く )” なんか大好きで 自分では出ないヨーデルを練習しながら今でも歌っています、歌う前にオレンジジュースを飲むとヨーデルが出るよ・・・なんて誰か言っていたので飲んでいるんですけどね、出ないなあ(smile)。今回再掲にあたってレコードを聴き直してみましたが佳曲揃いであることがよ~く判ります。  
今回新しく隣りに載せたCDはずっと後年になってから中古セールで300円くらいで買いましたが、カントリーファンでも知らないか古すぎて聴かないか・・・・で売れずにどんどん値段が下がっていったようで 値段表が数枚重ね貼りしてありました。今はそんなことが多いのかな? ジャケットがいいなあ。私としては Jimmie Rodgers のような超クラッシックな人がそんなところに置いてあることだけで嬉しいんですけどね 

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懐かしのカントリー&ウェスタン

2007年09月23日 | 懐かしのカントリースター

私のホームページを訪ねて下さって有難うございます。
大好きな懐かしのカントリー&ウェスタン音楽のレコード ( アナログと呼ばれて時代遅れになりましたが・・・)  と西部劇映画についてつづっています。
現代とはかけ離れたノスタルジックな自己満足の世界ですが、ずっと続けていきますので興味のある方はのぞいてみて下さい。 昔 懐かしいカントリー&ウェスタン、ブルーグラス、カウボーイ ソングの歌手を続々登場させたいと思っています・・・・・古きを訪ねて新しきを知るきっかけになればいいな・・・・・と思っています。
くれぐれも現在進行形のカントリーミュージックではないことだけは銘記しておいて下さい  -ハンク秋山-

(2007年=平成19年9月23日開設


ブログを開設して約7年(更新で14年)たちました。これを期に古い記事を最初から手直ししたり付け加えたりしながら追々と再掲していく予定です。古い記事で未掲載のものや未完成のものも多々あるし、更新が滞りがちではありますが新しい記事とない交ぜにしながら新しい気分で再スタートしていきます。ずっと見てくださっている方達へのお知らせでした
2014年=平成26年8月28日、2021年4月30日更新

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