西部劇と懐かしのカントリー&ウェスタン日記

現代とはかけ離れたOld Countryの世界ですがずっと続けていきます。興味のある方は時々のぞいてみて下さい。

ジョン・フォード監督とパイオニアズ(2)

2021年10月22日 | サンズ・オブ・ザ・パイオニアズ

ジョン・フォード監督と The Sons Of The Pioneers (2)

ジョージ・オブライエンはスタン・ジョーンズをフォード監督に引き合わせて彼の western song の素晴らしさを認識させたのでした。フォード監督が自分の作る映画に相応しい buck sound を欲しがっていることを察したスタン・ジョーンズは、西部の音楽を専門に歌う The Sons of The Pioneers を推薦したのでした……それがフォード監督とパイオニアズの出逢いでした😁 

フォードは次の作品 騎兵隊映画「リオ・グランデの砦」でサンズ・オブ・ザ・パイオニアズのコーラスをたくさん背景音楽に使っています。詳しくは熱心な西部劇映画&ジョン・フォード映画愛好家である原川順男さんが書かれた「モニュメント・ヴァーレーの消灯ラッパ/ ジョン・フォード西部劇を追って」という本に詳しく述べられていて、引用させていただくことに致します。下記のような具合です。 

(下記の右写真は The Sons Of The Pioneers の昔のラジオ放送録音のレコード。)

  

・My Mother(アイルランド民謡) ・Footstore Cavalry(S.ジョーンズ作) ・Yellow Stripes(S.ジョーンズ作) ・I'll Take You Home, Kathleen ・Cattle Call(テックス・オウエンス) ・Aha, San Antone(デイル・エヴァンス) ・Eriel Canal(アメリカ民謡) ・The Irish Washwoman(アイルランド民謡) ・My Gal Is Purple(S.ジョーンズ作) ・Down By The Glen Side(アイルランド歌) ・The Girl I Left Behind Me ・Dixie・・・とのこと。これらの曲が映画のどのシーンで流れたかということまで記されています。  

ワーッすごい!著者の原川さんはどこで調べられたんでしょうか・・・こんなことは映画のパンフレットにも載っていないことではと思います。全てがパイオニアズの唄ではないんでしょうが、こうしたことを知ると改めて「リオ・グランデの砦」を見て確認したくなりますし、パイオニアズのレコードも聴いてみたくなります。主演がジョン・ウェインとモーリン・オハラ(女優)だった騎兵隊映画です。

西部劇映画もテレビ西部劇もない現代に、こういう世界がある(あった…と過去形かな?)ということを知ってひとりでも興味を持ってくれる若い人がいたらいいな……と思います。たとえ一人でも……です🤣  次回に続く

しばらくしたら7/30のところに戻す予定です

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ジョン・フォード監督とパイオニアズ(1)

2021年10月21日 | サンズ・オブ・ザ・パイオニアズ

ジョン・フォード監督と The Sons Of The Pioneers (1)

  

前回"ブルーグラスとザ・サンズ・オブ・ザ・パイオニアズ"と題して載せたので、もう少しパイオニアズのことを書きたくて・・・のことです。 The Sons Of The Pioneers はグループとしても各個人としても西部劇映画にたくさん出演しています。調べたことはないですがちょくちょく見かけます。西部劇映画が廃れてしまった現代ではこうしたことは忘れ去られています・・・西部劇の神様的存在だったジョン・フォード監督の作品にも出てきます。そこで、今回はジョン・フォード監督とパイオニアズの出逢うきっかけは何だったのか・・・といったテーマ。 

フォード監督にはジョン・フォード一家ともいわれる出演映画に気心が知れた俳優さんを使う傾向があったことが知られています。それについてはまた別途採りあげるとして、今回そのフォード一家の一員だったハリー・ケリー・ジュニア(上記右の写真)の回想録に出てくるエピソードからフォードとザ・サンズ・オブ・ザ・パイオニアズの出逢いを知ることができます。私も知らなかったので思わず目が点になりました(smile)  

ハリー・ケリーjr. は父親のハリー・ケリーが大昔のフォード西部劇の主演に多く起用された縁で、フォードはその息子に目をかけてジュニアを引き立てて自分の映画に多用したんですね。Jr.の方は大スターとは言えず、どっちかといえば地味な脇役俳優。 

  

さて、この本には映画「幌馬車」制作の項で西部に関する歌を多く作って有名だったスタン・ジョーンという人が出てきます。 

いきさつ・・・1949(昭和24)年製作の「幌馬車」はモルモン教徒の幌馬車隊が極悪非道な悪漢一家に牛耳られるところをカウボーイの二人(ベン・ジョンソンとハリーケリージュニア)が立ち上がって救う・・・みたいなストーリーの西部劇小品。 

この映画の撮影中にハリー・ケリーJr.はずっと年上の友人ジョージ・オブライエン(John Ford制作のサイレント映画「アイアン・ホース」で主演を務めた)から 重要な人物が訪ねてきているから会いに来い・・・との電話をもらいます。ハリー・ケリーJr.がジョージの家を訪ねると、その重要な人物というのがスタン・ジョーンズ・・・あの有名な西部調の唄 ” Ghost Riders In The Sky ”  を作った人でした。 スタンはアメリカ西部中を限りなく渡り歩きながら開拓者、ガンファイター、アメリカのカウボーイのことを歌った歌を数多く書いてきた人物だと説明されています。 

ジョージ・オブライエンはきっとフォードはスタン・ジョーンズの Western song が気に入るだろうと思って紹介します。スタンはフォードの前で  " Gohst Riders In The Sky ” をギター弾き語りして聴かせます。フォードはすっかり気に入り、映画のバックに使いたいので何曲か書いてくれ・・・とスタン・ジョーンズに依頼します。

因みに、この本の中で ” Ghost Riders In The Sky ”  を最初にレコーディングしたのはバール・アイヴスだったが、大当たりしたレコードはバンドリーダー兼歌手のヴォーン・モンローのものだった・・・と書いてあります。この曲 今でも色々な歌手に歌われる名曲なので調べてみる価値あり・・・かなあ。 

 

トップの集合写真は The Sons of The Pioneers のメンバーに囲まれて中心にいるのがスタン・ジョーンズ、右はハリー・ケリーJr.。 中の二枚はハリー・ケリーJr.の回想録そして「幌馬車」のDVDです。

次回に続く

 しばらくしたら7/29のところに戻す予定です

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カウボーイ・ソング(The Sons of The Pioneers)

2018年10月20日 | サンズ・オブ・ザ・パイオニアズ


The Sons of The Pioneers & Rex Allen
米国盤 Texas Moon Records BCG-1005 Cowboy Jubilee

久しぶりにThe Sons of The Pioneers を聴いた......しかも今まで聴いたことがなかった音源である。私は大昔のパイオニアズの大ファンでレコードはたくさん持っているけれど、これはBook Offで見つけて買ったもの。しかも往年のカウボーイ&カントリー歌手レックス・アレン(中央の無帽の人)がフィーチャーされている珍しいもの。最近はBook Offに行っても買いたい...と思うCDに巡り合えない...これ見つけた時はメクラ買いした。こんな時もあるんだなぁ(^^) ラジオ放送用のスタジオ音源なのか皆んなリラックスしているように聴こえるし、合間にお客さんの拍手や歓声が入っていて小さなライブハウスでの演奏的な雰囲気がある😊
(1)Open Range Ahead (2)Blue Prairie (3)Money, Marbles and Chalk (4)Along The Navajo Trail (5) Cimarron (6) He's Ridin' Home (7) All Cried Out (8)Chant Of The Plains (9)A Cowboy Has To Sing (10)Song Of The Trail (11)Blue Dream (12)Everlasting Hills Of Oklahoma (13)Cowboy Jubilee (14)Wind (15)There's a Blue Sky Way Out Yonder (16)Chant Of The Wanderer
パイオニアズの全盛期がいつなのかは簡単にはきめつけることはできませんが 写真のメンバーもすごいです......
左からシャグ・フィッシャー、ヒュー・ファー(フィドル=バイオリンの名手)、白シャツがケン・カーチス(俳優としても活躍、ジョン・フォードの映画に時々出てきます).トップにいるのがトミー・ドス(しびれるようなバリトン)、隣にミスターパイオニアズともいえるロイド・ペリマンで長年Pioneersを支え続けた人、そして黒シャツでギターの名手カール・ファー。
(1)Blue Prairie はマイナー調の曲でヒュー・ファーのフィドル伴奏が独特な雰囲気でコーラスを引き立てている...全く素晴らしい。(3)Money, Marbles and Chalk はレックス・アレンの名唱で彼のバリトンボイスは素晴らしい(^^) 。
(15)There's a Blue Sky Way Out Yoder はパイオニアズのswingする伴奏に快調に歌い飛ばすR.アレン、まったく魅力的だ。ウッドベースに生ギター、フィドルだけと思うけど凄い雰囲気を醸し出している。今の時代に出しても侮れないと思う(^^) (12)Everlasting Hills Of O Klahomaも曲調がよくてパイオニアズの名唱

全体的な印象としてWestern swing 的な歯切れの良いサウンドで音質も良い......ヒュー&カール・ファー兄弟の伴奏が超魅力的。
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The Sons Of The Pioneers シングル

2018年02月11日 | サンズ・オブ・ザ・パイオニアズ

私の大好きな往年のカウボーイ・コーラスグループThe Sons Of The Pioneers のシングルレコードというのを聴いた。博多に出てきた頃、珍しくてよく市内の中古レコード屋さんや古本屋さん巡りをしたもの。もう随分昔になってしまったけど珍しいものにたくさん出会えたものです。いまはなくなってしまいましたが大濠公園近くの大名にあった「 田口商店 」、Country & Western のレコードも沢山置いてありました。Country & Westernのレコードがある店ってそんなにないのは今も昔も変わらない中で稀有な中古レコード屋さんでした......博多には昔アメリカ軍の板付基地があったからアメリカ盤レコードが流れてきていたこともあるんでしょう。今でも地元の放送局からの払い下げみたいなレコードもよく見かけます(局のラベルが貼ってある)。
米国盤 RCA- Victor Records Cowboy Classics(3枚組シングル) / The Sons Of The Pioneers
(1)The Everlasting HIls Of Oklahoma (2)Chant Of The Wanderer (3)Tumbling Tumbleweeds (4)The Timber Trail (5)Cool Water (6)Trees
小さな箱に3枚のシングルレコードの6曲。今となっては珍しいものになったのでは、500円だったからほとんど捨て値かな。この中ではやはり(1)"オクラホマの丘は永遠に " が白眉で(3)"さまよう枯れ葉"と(5)Cool Water がパイオニアズらしい。普通にテレビや映画で西部劇を見ることができた時代の経験がないとパイオニアズみたいなグループに興味を持つことは少ないかも知れないのですが(音楽と西部劇は関係ないですが雰囲気として)、一人でも関心をもつ人ができるといいな...それだけ🎼😊
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草創期のThe Sons Of The Pioneers (3)

2015年12月09日 | サンズ・オブ・ザ・パイオニアズ
  
The Sons Of The Pioneers の草創期(3) 
米国盤 American Folk Music  AFM-721 Sons Of The Pioneers : Coral & Decca 
(1)Way Out There (2)Tumbling Tumbleweeds (3)Kilocycle Stomp (4)A Melody From The Sky (5)Blue Bonnet Girl (6)So Long To The Red River Valley (7)Plain Old Plains (8)Kelly Waltz (9)If You Would Only Be Mine (10)Sierra Nevada (11)The River Of No Return (12)The Lilies Grow High (13)Lonely Little Room (14)Montana (15)Somebody Bigger Than You And I (16)Mystery Of His Way 
前回の続き・・・・ 
このアルバム(1回目に載せたLPレコードのことです)に収録されている曲群はリパブリック社のスタジオに収蔵されていた最初のリハーサル段階のものや、後年ロイ・ロジャースをフューチャーしてオーバーダビングした最終テイクの歌が含まれています。ある曲ではロイのソロ、別な曲では The Sons Of The Pioneers にロイ・ロジャースをフューチャーしたものになっていたりします。中にはわずかですがデイル・エヴァンスが含まれたカットもあります。スタジオ内のコメントがそのまま残されている録音盤があったり、失敗テイク(途中でやり直すシーンがそのままの形で収録されている)をそのまま収録したりしてライブの雰囲気があるものになっていたり・・・・・です。 
 
ティム・スペンサーのベスト作と言われている特別な曲 ”The Everlasting Hills Of Oklahoma ” が含まれていますし、コール・ポーター作の ”Don't Fence Me In ”、それに ”Tumbling Tumbleweeds ” も収録されています。”Cowboy Country ” と ”Ride 'Em Cowboy ” は牧場出の仕事やロデオを見たりしたりした経験がある者ならだれにでもアピールする曲です。 Johnny Mercer の非常に優れたヴァージョンで知られる ”I'm An Old Cowhand From The Rio Grande ” もまた A面に収録されています。 
”The Everlasting Hills Of Oklahoma ” は1946( 昭和21 )年11月8日公開のリパブリック社の西部劇 ”Home In Oklahoma ”のためにレコーディングされたもので、非常に美しいバラードで Tim Spencer のとても素晴らしい作曲能力を示す見本であるばかりか、それを表現するサンズ・オブ・ザ・パイオニアズの手腕と資質を感じさせるものになっています。 

”Don't Fence Me In ” は1930年代の映画 ”Adios Argentina ” のために Cole Porter が作曲したのですが 公開はされませんでした。1944(昭和19)年のワーナー映画 ”Hollywood Canteen ” の中でロイ・ロジャースの歌で紹介され、1945(昭和20)年のリパブリック社の映画 ”Don't Fence Me In ” の中で再度ロイ・ロジャースによって歌われました。そして1944(昭和19)年のヒットパレードでナンバーワンに輝き、以来カウボーイバンドが採りあげるスタンダード曲になっています。最近では(3人組の)カウボーイコーラスグループ Riders In The Sky のファーストアルバムの中のバージョンがあります。

ボブ・ノーランの秀作のひとつである ”Tumbling Tumbleweeds ”はロサンゼルスの荒涼とした吹きっさらしの日の午後に作曲されたものでした。はじめは ”Tumbling Leaves ” というタイトルでしたが、後年 The Sons Of The Pioneers によりマッチするように作り替えられて ”Tumbling Tumbleweeds ” となりました。 

”Cowboy Country ”と ”Ride 'Em Cowboy ” は共に Tim Spencer 作の曲です。2曲とも楽天的な風味をもっており、singing cowboy 時代の軽快な心温まる姿勢があって The Sons Of The Pioneers のベストの趣きがあります。 
Johnny Mercer 作の ”I'm An Old Cowhand From The Rio Grande ” は1936(昭和11)年にビング・クロスビーの歌で人気を博し、後に1943(昭和18)年公開のリパブリック社 西部劇 ”King Of The Cowboy ” の中でロイ・ロジャースによって披露されました。ここでのロイの素晴らしい歌が目立っており、同時にちょっとコミック風な雰囲気を持っているものです・・・・・・以上 Richard Hocuff という人が書いた解説の完訳です 
(H27.12/31記載)

<私のひとこと>
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草創期のThe Sons Of The Pioneers (2)

2015年12月08日 | サンズ・オブ・ザ・パイオニアズ
 
The Sons Of The Pioneers の草創期(2) 
米国盤 MCA Records MCA-1563 Empty Saddles / The Sons Of The Pioneers
(1)I'm An Old Cowhand ( From The Rio Grande ) (2)Tumbling Tumbleweeds (3)A Melody From The Sky (4)One More Ride (5)Over The Santa Fe Trail (6)Westward Ho (7)Cajon Stomp (8)Empty Saddles (9)When I Leave This World Behind (10)Blue Prairie (11)Roving Cowboy (12)Blue Bonnet Girl (13)Kilocycle Stomp (14)Echoes From The Hills  

前回の続き・・・・・ 
カントリーミュージックがアメリカ中へ広がってゆく役割を果たしたのはラジオ放送局でした。地方ラジオ局がひしめき合って競合している地域をたくさん抱えているロサンゼルスも例外ではありませんでした。南カリフォルニアのミュージシャンの数はすごいといえるほどではなく、その技量・質も一部例外を除けばそれほどではありませんでした。ただ、十分な意欲と洗練さをもったバンドであれば確実に成功を収めることが出来たし、実際 Roy Rogers、Tim Spencer、Bob Nolan のトリオも確実に成果を収めつつあるのでした。 
 
Bob Nolan の卓越した Song writing によってトリオはほとんど他の競争相手を凌駕しつつありましたし、最終的にはロサンゼルス地区での成功を達成したのでした。The Trio はハードワークと一生懸命さだけが成功への鍵であることを悟って、1週間に7日、1日に8~12時間も活動することにしたのでした。トリオが自分達のトレードマークである Harmony yodeling を形作ったのもこの時期でした・・・・・それ自体は素晴らしいヨーデルを歌うロイ・ロジャースの創意テーマに基づいているものだったのです。 
 
1933(昭和8)年12月初めにグループは活動を始める決断をし、ロイのロサンゼルス地区でのコネを利用して 当時 KFWB 放送局と契約を結んでいた The Texas Outlaws と称する有名バンドの一翼を担うことになったのでした・・・・・。しかしながら、3人はすぐにそのバンドの中では自分達の独創的なカラーを発揮できないことに失望感を感じはじめたのですが、幸いなことにトリオの優れたアレンジメントを気に入ってくれる人達がいて その危機的状況をとりなしてくれて KFWB局の経営者側に注意を促してくれた結果 グループは自分達のショウを持つことができるようになったのでした。 
 
1934(昭和9)年3月にロイ・ロジャース、テイム・スペンサー、ボブ・ノーランそれに新しく加入したフィドラーのヒュー・ファーからなるラインナップが揃ったのです。ヒュー・ファーの華麗なフィドル演奏テクニックがトリオの素晴らしいボーカルに添えられてグループは今や目標近くまでに達していました。1935(昭和10)年の中頃には音楽的にさらなる熟練度をめざしてヒューの弟 Karl Farr を加入させます。カール・ファーはヒルビリー、ジャズ、クラッシク等(幅広く)に基礎をもつスタイルの優れたギター奏者でした。 
 
Singing Cowboy の時代に The Sons Of The Pioneers が映画界に進出するのは驚くにあたらない当然の成り行きのことでした。正確にはグループは1935(昭和10)年10月に Liberty 映画社の ”The Old Homestead ” という映画に初めて出演しています。その後すぐにコロンビア映画のチャールス・スターレット主演の2本の映画 ”Gallant Defender ”と ” Mysterious Avenger ”に出演。ノーランとスペンサー作曲の曲が色々な B-Western 映画に散見されるようになり、グループのあまたの映画出演に抱き合わされる形で The Sons Of The Pioneers はアメリカ国内に名声を轟かしていったのでした。 

ジーン・オートリーのリパブリック映画社との軋轢(あつれき)問題があって、その後にロイ・ロジャースが同社に雇われたことはよく知られており周知のことです。ロイ・ロジャースがパイオニアズを去ると Bob Nolan、Farr 兄弟、Lloyd Perryman、Pat Brady というラインアップになりました。ロイド・ペリマンは Tim Spencer が1937(昭和12)年に長い休止期があった時にその代役として加入した人で、Pat Brady はロイ・ロジャースの代わりに入団した人です。 Pat Brady の声がトリオのボーカルに合わなかったことで Tim Spencer に復帰するよう求められて Tim が再加入したのでした。ロイ・ロジャースのリパブリック映画社時代の多くの作品で歌ったのは基本的にこのメンバーでありました。

The Sons Of The Pioneers の成功は大部分はロイ・ロジャースの夢と Bob Nolan と Tim Spencer の卓越した作曲能力とアレンジメントに依っています。Bob Nolan はしばしばバンドを牽引する立役者として Tim Spencer のことを立てていました。しかし、Bob Nolan と Tim Spencer が共作者として揚げられる曲がごくわずかしかないーというのは驚くべきことです。実際は多くの曲を共作しているのに 二人は作品の大半を担ったと感じる方に全ての権利を譲っていたからということなのです・・・・・・(H27.12/30記載)次回へ続く 

<私のひとこと> 今日のレコードジャケットのメンバーは前から順にTim Spencer、Bob Nolan、Roy Rogers、 Hugh Farr で、極く初期の The Sons Of The Pioneers です。下に掲げた写真はもっと後年のメンバーになりますが前方の白いハットが Ken Curtis、その上から時計回りに Karl Farr、Hugh Farr、黒いシャツの Tommy Doss、Lloyd Perryman、右側に座っているのが Shug Fisher です。日本にも彼らの名前がスイスイと出てくるくらいに好きな人が出てくるといいなあ
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草創期のThe Sons Of The Pioneers (1)

2015年12月07日 | サンズ・オブ・ザ・パイオニアズ
  
The Sons Of The Pioneers  の草創期 (1) 
米国盤 Varese Records 81212 Roy Rogers & The Sons Of The Pioneers / The Republic Years 
(1)My Saddle Pals And I (2)Silver Stars, Purple Sage, Eyes Of Blue (3)The Everlasting Hills Of Oklahoma (4)Rainbow Over Texas(5)My Adobe Hacienda (6)Cowboy Country (7)I'm An Old Cowhand (8)Medley・・・Springtime In The Rockies~Tumbling Tumbleweeds~Highways Are Happy Ways (9)Mexicali Rose (10)Git Along Little Dogies (11)Don't Fence Me In (12)Utah Trail (13)The Cowboy Jubilee (14)Ride 'Em Cowboy (15)Lights Of Old Santa Fe (16)It's An Old Custom (17)Ride Ranger Ride (18)The Lonesome Cowboy Blues (19)Red River Valley (20)On The Old Spanish Trail  
 
年の瀬も押し迫ってきて今年の最後を何で飾ろうかな・・・と考えていました。1年すぎるのて早いなあ、あれも載せたいこれも載せたいと希望は限りなくあっても仕事の忙しさに時間ばかりが流れ去っていく感覚が強いです。年の瀬は ” 懐かしの~ ”ではハンク・ウィリアムスかなぁ・・・・・と思ったけれど秋から冬にかけてのカウボーイ・ソング(特に秋)は自分的には合っているように思っているので大好きなサンズ・オブ・ザ・パイオニアズにしました。 遠い昔の話です・・・・・ 
往年のアメリカのカウボーイ コーラス グループ 「 ザ・サンズ・オブ・ザ・パイオニアズ 」 については今はドイツの Bear Family Records 社から大部の CD-Box 集が数巻出されているのでその詳しい解説書をみると歴史がわかります。今回のレコードにはちょっとした小伝が載っていますので今年の締めとして省略せずに3回に分けて訳して載せることにしました。 私が思い入れの深い大好きな The Sons Of The Pioneers についてですのでいろいろ自分なりの補足や写真を入れました、これからの若い世代の人たちに The Sons Of The Pioneers のことを少しでも興味を持ってもらえればなあと思っています・・・・・・以下解説訳 
 
1934(昭和9) 年に 南カリフォルニアでは有名な The Pioneer Trio という名前のバンドがロサンゼルスにあるKFWBラジオ放送局の番組に出演準備をしてひかえていました。The Pioneer Trio はこれまでも時々KFWB局で演奏したり、局のスタジオミュージシャンをつとめたりしていたのでしたが、今回のショウは彼等にとって特別な出来事となったのでした。トリオの素晴らしいボーカルとヨーデルのハーモニーに補う形で素晴らしいフィドル(カントリースタイルのバイオリン)伴奏をつけてくれるフィドラー(= Fugh Farr )が加わることで 自分たちの努力を発展させたいという長年の希望がとうとう実を結んできたのでした。The Pioneer Trio はこれまでにも確固とした人気を得てきておりましたので、KFWB局のアナウンサー Harry Hall が自分達のことを The Pioneer Trio ではなくて The Sons Of The Pioneers と紹介したのを聴いた時には驚きを( 原文では shock と表現 )隠せませんでした。 The Pioneer Trio の4人( ボブ・ノーラン、ティム・スペンサー、レナード・スライそれに新加入のヒュー・ファー )の怪訝そうな表情が想像できますね、ショウが終わってから Harry Hall へ激しく抗議したのです。なぜ The Pioneer Trio ではなくて The Sons Of The Pioneers と紹介したのかについて Harry Hall の失言ではないか-と問い正して説明を求めたのでした。すると Harry Hall は、君達トリオは厳密には開拓者ではなくてその次の世代 つまり ” 開拓者の息子達(the sons of the pioneers)” だから The Pioneer Trio は明らかにふさわしくない名前だと感じたからそう紹介した-と説明したのでした。  Hall の説明をじっくり聴いてみると なるほどもっともなことでそちらの名前の方がふさわしいと感じて、The Pioneer Trio から The Sons Of The Pioneers という名前にすることに決めたのでした。

グループは主に Leonard Slye ( またの名を有名な Roy Rogers という)の独創性にありました。ロイ・ロジャースは1930年代初期にオハイオ州からやってきて以来 急成長する南カリフォルニア カントリーミュージック界の一分子であり続けました。彼はロサンゼルスを本拠とする The Rockiy Mountaineers というバンドのギタリストとしてキャリアをスタートさせています。ロイは競争の激しい地方のカントリー&ウェスタン界で張り合っていくためには一流ボーカリストのトリオを結成することだ-と心に決めていました。 当時は、ほとんどのカントリー( 時としてヒルビリーとも呼ばれた )のバンドが実際は楽器演奏(=instrumental)だけのものでしたし、The Rocky Mountaineers もそうしたバンドでした。ロジャースは説得に説得をかさねた末に自分以外のバンドメンバーを言い含めたり説得したりしてひとりの歌手のオーディションにこぎつけることが出来たのです、その人こそ類いまれな歌手ボブ・ノーランだったのです。こうして 後年成長してくる The Sons Of The Pioneers への萌芽の種が撒かれました。 
 
The Rocky Mountaineers 内の意見の食い違いからすぐにボブ・ノーランはバンドを去ることになり、ボーカルトリオをそのままの形で維持したかったロイ・ロジャースはノーランの後釜にティム・スペンサーを雇い入れました。ロイ・ロジャースとティム・スペンサーそれにロイ・ニコルス(=この人は Bob Nolan の友人で、トリオのオリジナルメンバーの一人です。ただ後年の The Sons Of The Pioneers のメンバーにはなっていません )もまた The Rocky Mountaineers を辞めてしまって それほど有名ではない Bennie Nawahi's International Cowboys に入団して演奏活動を続けたのですが、この試みは短期間しか続かず、Roy Rogers、Tim Spencer 、Roy Nichols の3人は新たな活動のために The O-Bar -O Cowboys というバンドを結成しました。そのバンドが行なったテキサスでの演奏ツアーは全て失敗に終わり、バンドとしての創造性・経済性の両面で破綻してしまい、ロサンゼルスに帰ってくるなり3人は分裂してしまってそれぞれの道を歩んでいくことになったのでした。 
 

The O-Bar-O Cowboys の分裂から1ヶ月もしないうちにロイ・ロジャースは新たな singing cowboy trio 結成を試みます。控えめな振る舞いの割りに事業家としてやり手のロイ・ロジャースはさっそく Tim Spencer を探し出してきて 二人で Bob Nolan を上手く説得してもう一度ボーカルトリオに挑戦していったのでした・・・・・・・(H27.12/26記載)
次回に続く

<私のひとこと>・・・
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懐かしの The Sons Of The Pioneers・・・

2015年07月20日 | サンズ・オブ・ザ・パイオニアズ
 
The Sons Of The Pioneers (7) 
米国盤 RCA-Victor Country Fare / Sons Of The Pioneers
(1)Cold, Cold Heart (2)Ramona (3)Crazy Arms (4)Listen To The Mocking Bird (5)I Stll Do (6)Almost (7)Cattle Call Rondolet (8)Have I Told You Lately That I Love You (9)Son Of The Bandit (10)I'll Hold You In My Heart (11)My Heart Cries For You (12)Green Fields

久し振りに大好きなパイオニアズのレコードを聴いた・・・・・用件で2日滞在した東京で帰りの飛行機まで時間があったので散々歩き回ったせいで足が棒のように硬くなって筋肉痛が激しい。うだるような暑さの炎天下に江戸城(皇居)を時間と体力の許す限り歩いてみたので疲れもピークで帰福岡の朝、なぜか The Sons Of The Pioneers の歌を聴きたくなった・・・・・東京はとにかく人が多くて疲れる、人のいないアメリカ西部ののんびりした雰囲気を何だか求めたいような感覚に陥って取り出したのが今日のレコード。 

数あるパイオニアズのレコードの中でも私は格別に気に入っているジャケット写真のアルバムです・・・・・いつもはアメリカ西部やカウボーイのこと等を中心に歌っている彼らが、カントリー曲に焦点を絞って出したアルバムです。1964(昭和39)年発売のアルバムだから もう51年も前のレコードです。僕は1970年代中頃になって中古で買いましたが ジャケットの素晴らしさに惚れ込んで買ったのは間違いなしです。 調べてみると The Sons Of The Pioneers もこの頃は低迷期( 創設は1934年 )のようで、かつては6人いたメンバーも3人になってしまい、パッとしない時期が続いた頃に当たります。でも自分的にはこのアルバムは気に入っていて どちらかというと秋から冬にかけての夜に聴くとその素晴らしさが際立つものです、でも今回はそんなこと言っていられないほどの口渇感みたいな気分があって猛烈に聴きたくなった。  
ちょっと解説を訳して載せてみます、解かりやすくするために自分なりの注釈・補足をつけました・・・・・曰く 
 
「 ザ・サンズ・オブ・ザ・パイオニアズが Country Fare というアルバムを作るという時にはちょっとした意図があります、それは faithful houses and empty saddle ( 忠実な愛馬だったり使わなくなったサドルなど西部的な事柄)つまり Western song を歌うのをやめて unfaithful girl and broken heart ( 惚れた、振られた、捨てられた的な内容が多い unfaithful girl=不実な女、失恋 などをテーマにした )の内容が多い普通のカントリーの歌を歌いはじめるんだ-ということです。 実際にはこのアルバムには Glenn Spencer 作の ”Cattle Call Rondolet ” と Bob Nolan 作の ”Song Of The Bandit ” という Western の古い名作が混じってはいますが、ナッシュビル(テネシー州にあるカントリーミュージックのメッカ都市)が採りあげる題材の仕方におもねって ”Crazy Arms(レイ・プライスで有名) ” とか ”Have I Told You Lately That I Love You(ジム・リーヴスで有名) ”、ハンク・ウィリアムスの ”Cold, Cold Heart ” といったカントリーソングの旨味の上澄みをすくい取っています。 
ほとんどの曲で、Lloyd Perryman、Tommy Doss、Dale Warren の三人がまるで兄弟として生まれたんじゃないかと思うくらいに声がブレンドされて聴こえ、しかも 時々各自がソロを歌うところではそれぞれ本領を発揮しているのですから。 
Dale Warren が ”Crazy Arms ”と ” My Heart Cries For You ”を歌い、Tommy Doss が ”Cold, Cold Heart ” と ” Song Of The Bandit ”を歌い 、そして Lloyd Perryman は ”Almost(ジョージ・モーガンで有名) ” を歌っています。 
しかし、誰れが中心になって歌っても全体として類いまれなくらいの心地よさがあふれています。パイオニアズの Western-style の歌い方と融合したこれらの Country-style song には新鮮さが加わり、なおかつ親しみやすいサウンドになっています・・・・まさに楽しい Country Fare(出し物) が山盛りに盛られた The Sons Of The Pioneers のサウンド 」・・・・・以上。 

*Glenn Spencer・・・パイオニアズのオリジナルメンバーだった Tim Spencer の兄で作曲家として Pioneers に優れた曲を提供した人
*Bob Nolan・・・・・・・パイオニアズのオリジナルメンバーの一人。作曲家としても歌手としても優秀だった、今回のアルバムの Tommy Doss の歌声は Bob Nolan の声質と区別が出来ないくらいにそっくり 

さて、このアルバムは音的にはマンドリン、ピアノ、12弦ギター、5弦バンジョー、アコーディオンなど(時にストリングス)を伴奏に3人の男性コーラスで歌われますが、ソロパートは各曲で違っています。有難いのは各自の歌声をソロで聴くことが出来ることです。フォークのブラザーズ・フォーの名唱で有名な(12)Green Fields ですがパイオニアズも負けてはいません、素晴らしい。”Cattle Call Rondolet ” という曲は有名な ”Cattle Call ” とは別物です。 なお、Sons Of The Pioneers の作品集は初期の頃からのものが全てドイツの Bear Family レコード社から大部のCD-Box 集として何巻も出されているのでLPレコード時代のものが単品でCD発売されることはないのでは・・・・と思っています。個人的にはこのように古いグループはレコードで聴きたいしその方が雰囲気が生きてくるように思います。 
ジャケット写真の3人の名前が言えるくらいにパイオニアズが好きという今の若い人(ファン)が出てくるといいのになあ・・・・・左からデイル・ウォーレン、ロイド・ペリマン、トミー・ドスで みんな故人です
 
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懐かしの The Sons Of The Pioneers・・・Tommy Doss

2011年11月16日 | サンズ・オブ・ザ・パイオニアズ
 
Tommy Doss
 ( The Sons Of The Pioneers の元メンバー )

1920~2011年 アイダホ州出身


往年のカウボーイコーラスグループ「 The Sons Of The Pioneers 」 の重要メンバーの一人だったトミー・ドスが2011(平成23)年10月25日に91才で亡くなったそうです。
パイオニアズの音楽に興味をもっていないと見逃されてしまいそうですが、長い歴史をもっている The Sons Of The Pioneers にあっては1950年代~1960年代前半を中心に支えた人で 大変魅力的なバリトン ボイスでボブ・ノーラン(1908~1980年 カナダのマニトバ州出身)が去った後のパイオニアズを背負って立つ存在だった人です。パイオニアズはコーラスなのですがメインボーカルでソロを歌う時には Bob Nolan とかこの Tommy Doss という人の歌声は際立って特徴のある声で素晴しいように思います(この二人は聴き分けが出来ないほど声質が似ています)。僕は ” Heart Break Hill ”、”Montana ”、” River Of No Return (帰らざる河)”、バンジョーをバックに歌う ” Strawberry Roan ” 等の曲にトミー・ドスの素晴しいソロボーカルを聴いていいなと思いました。
写真は彼らのLPレコード「 Lure Of The West 」 ( RCA Victor LSP-2356 ) の裏ジャケットに載っているもので、トミー・ドスは左下の人、すぐ上は2008(平成20)年に亡くなったデイル・ウォーレン、ギターを持っているのがロイド・ペリマン、右端はギターの名手カール・ファーです・・・・・今ではみんな故人になってしまいました。

パイオニアズの詳細を記したアメリカの本に 「 Hear My Song / The Story Of The Celebrated Sons Of The Pioneers 」 があります(版を重ねているので amazon あたりで検索されたら入手可能かもしれません)。 それには各メンバーの経歴が載っています 興味がある人は少ないかも知れませんが、当時の人がカントリーの世界に身を投じるようになったのにも運命的とも言えるチャンスがあるんだ-などのことが判るので Tommy Doss の項から概略を載せてみたいと思います、チョコッと私なりの補足も入れて・・・・・

(1)1920年アイダホ州 Weiser に生まれ、1922年家族とともに移住したオレゴン州 La Grande で成長、音楽は両親からと Carson Robison 、Vernon Dalhart、 Jimmie Rodgers のレコードから感化されてギターとハーモニカをマスターした。11才でアマチュアコンテストで優勝
(2)19才の時兄と友人の3人で Sons Of The Grande Ronde なるバンド結成して地元のラジオ局に出演。The Sons Of The Pioneers のことはレコードを聴いたり映画で見たりして知っていて強烈な印象を受けていたのでパイオニアズの歌もレパートリーに入れて歌ったとのこと
(3)戦争で兵役、除隊後1945年故郷 に帰りバンド活動を再開
(4)1947年 Bob Wills & His Texas Playboys が La Grande で公演したのを聴いて大いに感化される・・・・・幸運なことに自分達が演奏している場所にボブ・ウィルスが聴きにきてくれて Texas Playboys を辞めたばかりのリードボーカル Tommy Duncan の後釜にバンドに入らないかと誘ってくれたのでした ・・・・・未完成につき続く(5)(6)
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懐かしのカントリー&ウェスタン 1  [ サンズ・オブ・ザ・パイオニズ(1) ]

2011年10月12日 | サンズ・オブ・ザ・パイオニアズ

   The Sons Of The Pioneers (1)
米国盤 LPM-1130  25 Favorite Cowboy Songs (日本盤RA-5503 カウボーイ名歌辞典)

(1)Tumbling Tumbleweeds (2)Press Along To The Big Corral (3)Wind (4)Bunkhouse Bugle Boy (5)Home Onthe Range (6)La Borachita (7)Timber Trail (8)Happy Cowboy (9)Cowboy Lament (10)Pajarillo Barrenquero (11)So Long To The Red River Valley (12)Come And Get It (13)Cool Water (14)Curly Joe From Idaho (15)Cowboy's Dream (16)Along The Santa Fe Trail (17)The Last Round-up (18)Farr Away Stomp (19)Red River Valley (20)Carry Me Back To The Lone Prairie (21)Sweet Betsy From Pike (22)Slow Moving Cattle (23)Texas Stomp (24)Yellow Rose Of Texas (25)The Everlasting Hills Of Oklahoma


私の大好きな往年のカウボーイコーラスグループ The Sons Of The Pioneers から始めたいと思います。
今の時代にパイオニアズが残した音源をどれくらいの人達が聴いているのか判りませんが、僕自身はかなり熱心に聴いてきました。ここにある 「 カウボーイ名歌辞典 」 と銘うったLPレコードは総合的に見てパイオニアズの魅力を余すところなく知ることの出来るもので 私のパイオニアズへの入門もこのレコード(日本盤)でした。 収められているのは正規のレコード用録音ではなくてラジオ放送用の録音を集めたものからの25曲となっています・・・・・日本でもジャケットを違えたりして何回も発売になったものです(その中の一枚の写真)。アメリカ盤の裏には各曲について簡単な説明が載っています・・・・・多分にロマンチックなイメージとしての Cowboy Song ですが それでもパイオニアズを聴かずしてカウボーイソングを語るなかれ-といってもいいくらいの重みを持っているグループですし、現代の Riders In The Sky や Sons Of The San Joaquin もきっとお手本にしているはずのグループですので時には聴いてみることをお勧めします。もうひとつ云えることは 大きな音量で聴いた方がよいということです、コーラスですので小さい音量ではそのよさが殺されてしまうといってもいいかも知れません。   さて、内容の方は 

彼等のテーマソングであった (1)Tumbling Tumbleweeds( さまよう枯葉 )から始まって、カウボーイソングの古典である (5)Home On The Range ( 峠の我が家 )、(9)Cowboy Lament( カウボーイの哀歌 )、(15)Cowboy's Dream ( カウボーイの夢 )、(19)Red River Valley ( 赤い河の谷間 )、(20)Carry Me Back To The Lone Prairie ( 淋しい草原に戻しておくれ )、それに アメリカ古謡ともいえる(21)Sweet Betsy From Pike ( パイクから来たお嬢さん ) と (24)Yellow Rose Of Texas( テキサスの黄色いバラ )などが中心になっています。

そしてオリジナルメンバーだったボブ・ノーラン作の(8)Happy Cowboy と(3)Cool Water・・・・・”Happy Cowboy ”は楽しい曲で Hank Williams も気に入っていたんでしょうか自分のショウのオープニングテーマにしていた時期があってライブで聴かれます・・・・・ハンクは Cowboy Style に憧れていたようで きっとこの Sons Of The Pioneers を聴いていたんだろうな-と想像すると嬉しくなってしまいます。 (13)Cool Water はハンク・ウィリアムスもギターの弾き語りで歌っています。
同じくオリジナルメンバーのティム・スペンサーの名曲 (25)The Everlasting Hills Of Oklahoma は曲調もいいし パイオニアズのコーラスの魅力全開・・・・・いい曲だなあ( Hank Thompson の名唱もあります)。

そしてパイオニアズのコーラスにウェスタン・スイング調の伴奏を付けていた Farr Brothers ( 兄ヒュー・ファー=フィドル)、弟カール・ファー=生ギター )のインストが2曲 (18)Farr Away Stomp と (23)Texas Stomp で、超アップテンポのスイング感が素晴らしくてちょっと今の時代でも聴かれないのでは・・・・・と思います(ファー兄弟は次回に掲載予定です)。 カウボーイ・ソングにはメキシコ調の言葉も時々出てきますが しっかりと(6)La Borachita と(10)Pajarillo Barrenquero が入っています。
陽気で楽しい(2)Press Along To The Big Corral と叙情的な(11)So Long To The Red River Valley も素敵ですし、コメディ要素としての(14) Curly Joe From Idaho も何だか楽しそう、(12)Come And Get It は ”飯ができたぜ ” という訳になっていますが テレビ西部劇「ローハイド」で料理人のウィッシュボン爺さんもトライアングルを打ち鳴らしながら ”Come and get it ! ” と怒鳴ったのかなぁ・・・・・というわけで The Sons Of The Pioneers の魅力全開というアルバムなのでお奨めなんですが単品のCDとして出されているのか・・・・・??ぜひ出て欲しいものです。

The Sons Of The Pioneers は1934(昭和9)年にレナード・スライ( 後年 Singing Cowboy として有名になったロイ・ロジャースです )、ボブ・ノーラン、ティム・スペンサー、ヒュー・ファーの4人でレコーディングを始めて以来今日まで( 目立たないけれど現在も存続しているんですよ ) 時代とともにメンバーの変遷はあったものの 流行におもねることも無くアメリカの原点ともいえる西部調の歌やカウボーイソング( 多分にロマンチックなイメージの )を歌い続ける伝統をしっかりと受け継いできているのは稀有のことではないでしょうか。 写真はパイオニアズの全てを知ることのできる本 「 Hear My Song / The Story Of The Celebrated Sons Of The Pioneers 」( JEMF=John Edwards Memorial Foundation 出版 ) に載っていたものからです・・・・・左から Hugh Farr(黒いシャツの人)、Pat Brady、 Karl Farr(ギター)、 Tim Spencer、 Bob Nolan、 Lloyd Perryman(ギター) 。

全盛時代のサンズ・オブ・ザ・パイオニアズの音楽を聴くと 当時のアメリカの人達にとってはまさに開拓者の子孫だという魂をくすぐられるような快感を覚えたのではないか・・・・・と想像します。それは彼等が残したレコードの枚数の多さからも、いかに人気が高かったかを如実に物語っているからです。        
 
<ひと言>2011(平成23)年の秋はいつになく寒さが早いような気がする。
個人的には Cowboy Song は秋から初冬にかけて聴くには '最適なと音楽' だと思っています・・・・・そんな訳で2007(平成19)年9月23日にブログを始めて最初に採りあげた The Sons Of The Pioneers のページにすこし手を加えてまた再現してみました。10/10夜に久し振りに聴いてみたけれど-よかった・・・・・ パイオニアズについては熱く語りたいけれど 好きという人に出逢ったことがないので私はせめてレコードだけでも熱心に聴いていきたい・・・・・多分に前時代的だけれど Cowboy Song はそれでよいと思う(平成23年10月10日)
コメント (2)
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