「東郷ビール」というビールがある。鹿児島が生んだ偉人の一人で、日露戦争で連合艦隊司令長官として対馬沖でロシアのバルチック艦隊を壊滅させた日本海海戦の名将(海軍提督 )東郷平八郎(1847~1934年)にちなんだビール。なんでも、初めは北欧フィンランドのビールだったらしく、ビンのラベルにいろんな国の有名なAdmiral(海軍提督)を貼って販売されていたようで、その一人に選ばれていたもの。今はオランダのビール会社がそれを引き継いで出しているらしいのですが・・・・。どこでも売っている訳ではないようで、日本では日本海海戦の旗艦で東郷平八郎が乗っていた戦艦「三笠」を展示してある横須賀とか・・・・の一部日露戦争に関連のあるところで売っているらしいです。出身地である鹿児島でも・・・・というわけなんでしょうが、市内の「山形屋」デパート地下の酒屋さんで買って飲んでみました(ここにしか売っていないもよう)。人から教えてもらって15年くらい前にもそこで買って飲んだことがあるけれど、今度のはビンの形がスマートになっていました。それに、輸入品なのでちと高い。とりたてておいしいビール・・・・という訳ではないですが、それでも何かしら違ったビールを飲んだ・・・・という気分。 きっと貼ってある東郷さんのラベルのせいだと思う。(Smile)
Hank Locklin (1) 米国盤 Camden CAL-705 HANK LOCKLIN
(1)The First Time (2)You Can't Never Tell (3)A Good Woman's Love (4)Seven Or Eleven (5)The Same Sweet Girl (6) The Rich And The Poor (7)Fourteen Karat Gold (8)From Here To There To You (9)I'm A Fool (10)She's Better Than Most (11)Love Or Spite (12)TOUJOURS MOI
ハンク・ロックリン(1918年~現役 フロリダ州出身)もエディ・アーノルド同様とてもキャリアの長い人で、RCAビクター1960年代からのモダン・カントリーサウンド(ナッシュヴィル・サウンド)の担い手の一人でした。僕が初めて聴いたハンクの曲は「Send Me The Pillow That You Dream On(夢の枕を)」というものでした。他に「Please Help Me I'm Falling」という曲も有名です。 頭のてっぺんから出るような甲高い声で、曲によってはとても素敵だったり、逆にうるさく聴こえたり・・・・で不思議なカントリー歌手という印象です。LPレコードの数も多くて、他の歌手のヒット曲のカバーも多く歌っていたりで、ちゃんと自分の世界を持っている人ですね。
このレコードは例によって中古で買ったRCAビクター時代初期の廉価盤でジャケットもレトロなら、ハンクもまだぜんぜん垢抜けない昔スタイルの「ど」カントリー (ど演歌・・・という時のド・・・です) をやっている頃の音・・・・アルバム全体にピアノがメインになっていて、それにスティール ギターとフィドル(バイオリン)が伴奏をつける、そしてハンクの甲高い声・・・・なんです。曲のほうも「A Good Woman's Love」以外は知らないもので、スロー~ミディアム テンポの曲ばかりでしたが、なぜかピアノがこの人の歌にはとても似合うなあ・・・という印象を持ちました。甲高い声にはピアノが合うのかもしれない・・・・・と、意外な発見でした。ドイツのBEAR FAMILY RECORDSからCD-Box集が出されているようですが、1枚もののベスト盤CDでほぼハンクの世界を知り得るのでは・・・・と思います。
尚、ハンクは2008年の時点で90才でGrand Ole Opry(古くからテネシー州ナッシュヴィルで開催されているカントリー・ミュージック ショウ)に出演している最古参メンバーだそうです・・・・まさにLiving Legendですね
(1)The First Time (2)You Can't Never Tell (3)A Good Woman's Love (4)Seven Or Eleven (5)The Same Sweet Girl (6) The Rich And The Poor (7)Fourteen Karat Gold (8)From Here To There To You (9)I'm A Fool (10)She's Better Than Most (11)Love Or Spite (12)TOUJOURS MOI
ハンク・ロックリン(1918年~現役 フロリダ州出身)もエディ・アーノルド同様とてもキャリアの長い人で、RCAビクター1960年代からのモダン・カントリーサウンド(ナッシュヴィル・サウンド)の担い手の一人でした。僕が初めて聴いたハンクの曲は「Send Me The Pillow That You Dream On(夢の枕を)」というものでした。他に「Please Help Me I'm Falling」という曲も有名です。 頭のてっぺんから出るような甲高い声で、曲によってはとても素敵だったり、逆にうるさく聴こえたり・・・・で不思議なカントリー歌手という印象です。LPレコードの数も多くて、他の歌手のヒット曲のカバーも多く歌っていたりで、ちゃんと自分の世界を持っている人ですね。
このレコードは例によって中古で買ったRCAビクター時代初期の廉価盤でジャケットもレトロなら、ハンクもまだぜんぜん垢抜けない昔スタイルの「ど」カントリー (ど演歌・・・という時のド・・・です) をやっている頃の音・・・・アルバム全体にピアノがメインになっていて、それにスティール ギターとフィドル(バイオリン)が伴奏をつける、そしてハンクの甲高い声・・・・なんです。曲のほうも「A Good Woman's Love」以外は知らないもので、スロー~ミディアム テンポの曲ばかりでしたが、なぜかピアノがこの人の歌にはとても似合うなあ・・・という印象を持ちました。甲高い声にはピアノが合うのかもしれない・・・・・と、意外な発見でした。ドイツのBEAR FAMILY RECORDSからCD-Box集が出されているようですが、1枚もののベスト盤CDでほぼハンクの世界を知り得るのでは・・・・と思います。
尚、ハンクは2008年の時点で90才でGrand Ole Opry(古くからテネシー州ナッシュヴィルで開催されているカントリー・ミュージック ショウ)に出演している最古参メンバーだそうです・・・・まさにLiving Legendですね
Eddy Arnold (1) 米国盤 Camden CAL-741 COUNTRY SONGS I LOVE TO SING
(1)Cuddle Buggin' Baby (2)Chained To A Memory (3)Take Me In Your Arms And Hold Me (4)You Know How Talk Gets Around (5)The Echo Of Your Footsteps (6)There's Been A Change In Me (7)There's Not A Thing(I Would't Do For You) (8)Many Tears Ago (9)Easy Rockin' Chair (10)To My Sorrow
エディ・アーノルド(1918年~現役 テネシー州出身)といえば彼の初期時代の甘美なカントリーバラッド、ワルツなどを思い出してそれから抜け切らないイメージがあります。ピー・ウィー・キングのバンドの専属ボーカリストから独立してカントリー歌手としてひとり立ちしてからのエディの大活躍は数多くのヒット曲(1940年代、50年代)を見れば一目瞭然です。勿論、私にとっては自分の父親のような年代の人だから 彼の有名曲も後から追っかけで聴いたものばかりなんですが。
僕が初めて聴いたエディの曲はヨーデル入りの「Cattle Call」と日本人にはなじみ深い「Molly Darling(冬の星座)」でした。初めて買ったエディのアメリカ盤レコード(廉価盤)がこれで、ジャケットがとてもレトロですが、エディのLPの中では気に入っているほうです。 これといった名曲が入っているわけではなくて、エディのバンド専属の有名な”リトル”・ロイ・ウィギンスのスティール・ギターをメインにして時にフィドル(バイオリン)やピアノを伴奏に歌うゆったりとしたカントリーバラッド、ワルツばかりです。でも曲のクレジットを見ると当時の一流作曲家が名を連ねているようで、女流作曲家Cindy Walkerの(3)とか同じ女流のJenny Lou Carson作の(2)(5)(8)とかVic McAlpinの(10)とか・・・・・昔のカントリー&ウェスタンを聴くとよく出てくる名前の作曲家たちのようです。
現代のカントリー・サウンドからすると間延びして聴こえるものばかりなのでしょうが、喧騒なサウンドに疲れた時などに聴くとホッとする気分になれる清涼剤のような、砂漠でオアシスに出会うような・・・・そんな音なんだと思います(特にスティールギターのトレモロ奏法は今では懐かしく感じます)・・・・これはこれでいいんですよね。 キャリアが長い分エディの歌は時代によってはカントリーというよりはムードミュージックのような時代もあったりするので、カントリーとしてのレコード、CDの選択に注意が必要・・・・ベスト物が無難でしょうか。
エディ・アーノルドは1966年にCountry Music Hall Of Fameに選ばれています。
(1)Cuddle Buggin' Baby (2)Chained To A Memory (3)Take Me In Your Arms And Hold Me (4)You Know How Talk Gets Around (5)The Echo Of Your Footsteps (6)There's Been A Change In Me (7)There's Not A Thing(I Would't Do For You) (8)Many Tears Ago (9)Easy Rockin' Chair (10)To My Sorrow
エディ・アーノルド(1918年~現役 テネシー州出身)といえば彼の初期時代の甘美なカントリーバラッド、ワルツなどを思い出してそれから抜け切らないイメージがあります。ピー・ウィー・キングのバンドの専属ボーカリストから独立してカントリー歌手としてひとり立ちしてからのエディの大活躍は数多くのヒット曲(1940年代、50年代)を見れば一目瞭然です。勿論、私にとっては自分の父親のような年代の人だから 彼の有名曲も後から追っかけで聴いたものばかりなんですが。
僕が初めて聴いたエディの曲はヨーデル入りの「Cattle Call」と日本人にはなじみ深い「Molly Darling(冬の星座)」でした。初めて買ったエディのアメリカ盤レコード(廉価盤)がこれで、ジャケットがとてもレトロですが、エディのLPの中では気に入っているほうです。 これといった名曲が入っているわけではなくて、エディのバンド専属の有名な”リトル”・ロイ・ウィギンスのスティール・ギターをメインにして時にフィドル(バイオリン)やピアノを伴奏に歌うゆったりとしたカントリーバラッド、ワルツばかりです。でも曲のクレジットを見ると当時の一流作曲家が名を連ねているようで、女流作曲家Cindy Walkerの(3)とか同じ女流のJenny Lou Carson作の(2)(5)(8)とかVic McAlpinの(10)とか・・・・・昔のカントリー&ウェスタンを聴くとよく出てくる名前の作曲家たちのようです。
現代のカントリー・サウンドからすると間延びして聴こえるものばかりなのでしょうが、喧騒なサウンドに疲れた時などに聴くとホッとする気分になれる清涼剤のような、砂漠でオアシスに出会うような・・・・そんな音なんだと思います(特にスティールギターのトレモロ奏法は今では懐かしく感じます)・・・・これはこれでいいんですよね。 キャリアが長い分エディの歌は時代によってはカントリーというよりはムードミュージックのような時代もあったりするので、カントリーとしてのレコード、CDの選択に注意が必要・・・・ベスト物が無難でしょうか。
エディ・アーノルドは1966年にCountry Music Hall Of Fameに選ばれています。
西部劇 サイレントから70年代まで G.N.フェニン & W.K.エヴァソン著 高橋千尋 訳 1977(昭和52)年 研究社出版
索引まで入れて540ページ、ハードカバーの立派な本です。 1903(明治36)年のエドウィン.S.ポーターの無声映画 「 大列車強盗( The Great Train Robbery )」 の誕生以来 西部劇はアメリカ映画の一翼を担うジャンルとなった・・・・と書いてあるように 西部劇は映画の歴史そのものでもありました。
翻訳者の高橋千尋さんはそのあとがきで・・・・「 フロンティアの遺産である西部劇は、アメリカの史劇であり、風俗ドラマであり、宗教劇でもあり、単に大衆文化に限らず、アメリカ的なるものを理解する上に欠くことのできない重要な一素材である・・・・本書は西部劇の全体像およびディテイルを知るための手引きとして、もっとも信頼を寄せてよい労作である・・・・フロンティア、エジソンの昔を基点として、近年にいたる延々70有余年にわたるこのキャトル ドライヴの長旅・・・果たして、牛の群れ・・・数々の作品群、カウボーイ スターたち・・・は、やせ細りもせず、また一頭も欠けずにお手元に届いたであろうか? 」
・・・・・と述べておられますが、読んでいくと高橋千尋さんの翻訳自体も労作であることが判ります。西部劇映画好きにとってはまさにバイブルともいえる本で一度は読むべきと思います・・・・・以下に目次だけ挙げておきます
(01)西部の歴史とそのハリウッド的解釈
(02)西部劇の要素とその道徳的影響・・・・ヒーロー対悪人 悪漢 インディアン等
(03)揺籃期の二人・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・最初の西部劇スターなど
(04)D.W.グリフィスとT.H.インス
(05)ウィリアム.S.ハートとリアリズム
(06)トム.ミックスと芸人精神
(07)ダグラス.フェアバンクスとジョン.フォード
(08)「幌馬車」と「アイアン.ホース」・・・無声映画時代の2大西部劇傑作です
(09)1920年代の西部劇・・・・・・・・・・・・ハリー・ケリーとバック・ジョーンズ ケン・メイナード等
(10)西部劇のコスチューム
(11)1930年代の西部劇・・・・・・・・・・ジーン・オートリーとロイ・ロジャースなど
(12)連続もの西部劇・・・・・・・・・・・その発生と消滅
(13)1940年代の西部劇・・・・・社会派西部劇ー「オックス・ボウ事件」など
(14)戦後西部劇の傾向・・・・・・・・・セックス ノイローゼ 人種問題の良識
(15)スタントマンと第二班監督・・・クリフ・ライオンズ ヤキマ・カヌートなど
(16)B級西部劇の退場と、テレビへの登場・・・消えゆくスターたち等
(17)西部劇の国際的観客と、国際的な西部劇
(18)1960年代に入って
(19)スパゲティ・ウェスタンとメイド・イン・ジャパン西部劇
(20)成熟以後ー未来を目指して・・・アンチ・ヒーローとしてのカウボーイ等
各章に小さな文字で付いている「 訳注 」も詳細でこの本をとても読み応えのある本格的なものにしているので、西部劇を見て楽しむだけでなく、深く探求したいという人にはうってつけだと思います。
<平成26(2014)年10月時点での感想>
入院中に再読。
この本は1962(昭和37)年アメリカで出版され、1973(昭和48)年に増補版が出されています。日本発売はこの増補版で、第19章と20章が書き足されているもの。マカロニ ウェスタンもそこにある、内容はともかく日本のことが載っているのは嬉しいところです。
とにかくこの本は ”西部劇のバイブル本 ” といってよく、熟読してさらに映画を見れば西部劇通にでもなれる血肉になるだけの内容を持っている・・・・と確信できます。今は古本でしか手に入らないものになっていますが興味ある方は探してでも読まれることをお奨め
季刊 映画宝庫 No.7 「さらば西部劇」 1978(昭和53)年 芳賀書店
このところ昔の西部劇の本について紹介しているのですが、ほとんど1970年代末までに発刊されたものばかりです。1980年代はもう西部劇不毛の時代で、映画も見られない、本も出ない・・・という状況で、たま~に出る映画は名作というようなものとは程遠く、時代は進んでいるのに西部劇は退化していく一方という感じでした・・・・そこにこの「さらば西部劇」が出されたんですね。編集の増淵 健さん(故人)は巻頭に「フロンティアに見果てぬ夢を追う西部劇の時代は去った。あれほど若く、瞳に輝きをのぞかせていたウェインも”ラスト・シューテスト”で彼自身の終曲をうたった。さらば西部劇、去年(こぞ)の雪いまいずこ・・・・昔ながらの西部劇がよみがえることはない・・・といって、西部劇がみられない無念さはなにものにも変え難く・・・・この特集をお贈りする」と書いておられます。以下目次
(A)西部劇のある風景・・・・西部の風景と映画写真集
(B)西部劇のある風景
「なぜ、今、西部劇なのか」・・・・1950年代の西部劇スター ジョージ・モンゴメリーの話を例に、私達日本人がいかに西部劇を見せられていないかを増淵健さんが熱く述べたもの・・・日本で未公開の西部劇が多すぎた・・・と不満を言っておられますよ
「あのころだけの西部劇」・・・・石上三登志さんの少年時代(1950年代)西部劇鑑賞日記みたいな記事で、そんな時代から記録している人なんてめったにいないと思いますね・・・・当時の見た感想とかとても面白い
「~だから私は西部劇が嫌い」・・・・<西部劇の嫌いな部分>や、女性の側から<女、荒野に家なし> とか <西部劇のどこがどうお好き?> などの記事があって色んな見方があるもんだと面白く読みました
「座談会 幻のB級を追って <未知西部劇との遭遇>」・・・・増淵健さん等西部劇のうるさ型6人の男達による和気あいあいの談話で、互いの薀蓄(ウンチク)の深さに読んでいて思わず笑ってしまいそうなところがあって、面白く楽しくなる内容
(C)「荒野の決闘」クライマックス
(D)西部の超B級男・・・・B級西部劇に徹したウイリアム・エリオットのポスター、パンフレット、スチール写真集で,知らなくても見ているだけでもワクワク楽しい
(E)日本人の知らない西部劇B級スター・・・・映画スチール写真集
(F)日本人の知らないB級シリーズ・・・・ウイリアム・ボイド、チャールズ・スターレット、ロイ・ロジャースの映画スチール写真集
「スター名鑑に出ていない西部劇スターたちの名鑑」・・・・畑 暉男さんの大変な労作で、B級西部劇スターの略歴と出演西部劇を日本未公開作品まで全て載せたもので、こんなに詳細な記録の本は現代の本でもないでしょう。カウボーイ&カントリー歌手としても有名だったジーン・オートリー、レックス・アレン、ジミー・ウェイクリー、エディ・ディーンといった人達の作品は日本では全く公開なしなので”Singing Cowboy”といってもピンと来なかったはずですね・・・・今はわずかでもDVDで見ることが出来ますが。
他に 「”シェーン”からの手紙」 「娼婦と拳銃」 「なつかしい10本の戦前西部劇」 「こんにちは、西部コメディ」 「聞書きにっぽんのインディアン」 などの単発記事もあって楽しい。
この本についての私の印象は・・・・まあ書いている人達がそれぞれ西部劇をよく知っていることと、半端でない思い入れのある作品を持っていていつまでも愛着を持っている・・・という姿がありありとわかる、というところです。今の時代にこれ程の熱心さで西部劇に情熱を傾けている人(特に若い人に)はいるでしょうか・・・・私のような団塊の世代でもどんなに背伸びしてもリアルタイムで見たのは1960年代初めの作品群からなので、1950年代の西部劇全盛時代の作品群をリアルタイムで見た人達の熱心さには脱帽・・・・というところです(Smile)
このところ昔の西部劇の本について紹介しているのですが、ほとんど1970年代末までに発刊されたものばかりです。1980年代はもう西部劇不毛の時代で、映画も見られない、本も出ない・・・という状況で、たま~に出る映画は名作というようなものとは程遠く、時代は進んでいるのに西部劇は退化していく一方という感じでした・・・・そこにこの「さらば西部劇」が出されたんですね。編集の増淵 健さん(故人)は巻頭に「フロンティアに見果てぬ夢を追う西部劇の時代は去った。あれほど若く、瞳に輝きをのぞかせていたウェインも”ラスト・シューテスト”で彼自身の終曲をうたった。さらば西部劇、去年(こぞ)の雪いまいずこ・・・・昔ながらの西部劇がよみがえることはない・・・といって、西部劇がみられない無念さはなにものにも変え難く・・・・この特集をお贈りする」と書いておられます。以下目次
(A)西部劇のある風景・・・・西部の風景と映画写真集
(B)西部劇のある風景
「なぜ、今、西部劇なのか」・・・・1950年代の西部劇スター ジョージ・モンゴメリーの話を例に、私達日本人がいかに西部劇を見せられていないかを増淵健さんが熱く述べたもの・・・日本で未公開の西部劇が多すぎた・・・と不満を言っておられますよ
「あのころだけの西部劇」・・・・石上三登志さんの少年時代(1950年代)西部劇鑑賞日記みたいな記事で、そんな時代から記録している人なんてめったにいないと思いますね・・・・当時の見た感想とかとても面白い
「~だから私は西部劇が嫌い」・・・・<西部劇の嫌いな部分>や、女性の側から<女、荒野に家なし> とか <西部劇のどこがどうお好き?> などの記事があって色んな見方があるもんだと面白く読みました
「座談会 幻のB級を追って <未知西部劇との遭遇>」・・・・増淵健さん等西部劇のうるさ型6人の男達による和気あいあいの談話で、互いの薀蓄(ウンチク)の深さに読んでいて思わず笑ってしまいそうなところがあって、面白く楽しくなる内容
(C)「荒野の決闘」クライマックス
(D)西部の超B級男・・・・B級西部劇に徹したウイリアム・エリオットのポスター、パンフレット、スチール写真集で,知らなくても見ているだけでもワクワク楽しい
(E)日本人の知らない西部劇B級スター・・・・映画スチール写真集
(F)日本人の知らないB級シリーズ・・・・ウイリアム・ボイド、チャールズ・スターレット、ロイ・ロジャースの映画スチール写真集
「スター名鑑に出ていない西部劇スターたちの名鑑」・・・・畑 暉男さんの大変な労作で、B級西部劇スターの略歴と出演西部劇を日本未公開作品まで全て載せたもので、こんなに詳細な記録の本は現代の本でもないでしょう。カウボーイ&カントリー歌手としても有名だったジーン・オートリー、レックス・アレン、ジミー・ウェイクリー、エディ・ディーンといった人達の作品は日本では全く公開なしなので”Singing Cowboy”といってもピンと来なかったはずですね・・・・今はわずかでもDVDで見ることが出来ますが。
他に 「”シェーン”からの手紙」 「娼婦と拳銃」 「なつかしい10本の戦前西部劇」 「こんにちは、西部コメディ」 「聞書きにっぽんのインディアン」 などの単発記事もあって楽しい。
この本についての私の印象は・・・・まあ書いている人達がそれぞれ西部劇をよく知っていることと、半端でない思い入れのある作品を持っていていつまでも愛着を持っている・・・という姿がありありとわかる、というところです。今の時代にこれ程の熱心さで西部劇に情熱を傾けている人(特に若い人に)はいるでしょうか・・・・私のような団塊の世代でもどんなに背伸びしてもリアルタイムで見たのは1960年代初めの作品群からなので、1950年代の西部劇全盛時代の作品群をリアルタイムで見た人達の熱心さには脱帽・・・・というところです(Smile)
Pee Wee King (1) 米国盤 Nashville NLP-2042 TENNESSEE WALTZ And SLOWPOKE
(1)Tennessee Waltz (2)Waitin' (3)Twin Fiddle Polka (4)When The Lights Go Dim Downtown (5)Goodbye, New Orleans (6)Slowpoke (7)It Hurts A Lot (8)New Westphalia Waltz (9)Ten Thousand Crying Towels (10)Twenty Four Months For Each Single Year
これは「テネシー・ワルツ」を作詞作曲したことで有名なピーウィ-・キング(1914~2000年 ウィスコンシン州出身)とその相棒レッド・スチュワート(1923~2003年 テネシー出身)がヒット曲「Slowpoke」と「Tennessee Waltz」をメインにして1964年STARDAY RECORDSに新しく録音し直したLPレコードの廉価盤です。私にとっては「テネシー・ワルツ」に誘われて安くで買った中古盤でした。
1947年にRCAビクターで録音したオリジナルはややアップテンポだったのですが、パティ・ペイジが録音して1950年に大ヒットさせた「テネシー・ワルツ」を意識してかどうかわかりませんが、レッド・スチュワートの歌はピアノとキングの弾くアコーディオン、ピート・ドレイクのスティールギターを伴奏にスローなワルツ調になっています。一人三重唱のパティ・ペイジの優雅さには及びませんがまあまあの出来だと思います。
キングは1930年代からのキャリアで、彼のバンドはthe Golden West Cowboysといってポルカやウェスタン・スイング系の音を出していて名門バンドの一つに挙げられていたようです。このバンドからはカウボーイ・コーパスとエディ・アーノルドという1950年代のカントリー全盛時代をになう2人の大物歌手が輩出したことでも有名です。カウボーイ・コーパスは「Tennessee Waltz」をもっとも早い時期にヒットさせたカントリー歌手である・・・・ということで記憶に留めておいてよいと思います。
さて、このアルバムですが(2)(4)(7)(9)(10)はピアノ、スティールギター等を伴奏にレッド・スチュアートが歌うミィディアム テンポの昔スタイルのカントリー曲で、まあ可もなく不可もないという普通の曲。(3)は有名なフィドル(バイオリン)曲の演奏だけ、(8)もフィドル、スティールギターのワルツ演奏だけ・・・・といった具合です。まあじっくり聴くというよりは何か仕事でもしながらバックにさりげなく流して聴くといったほうがよい感じかな・・・・。キングの音楽はベスト集のCDが1枚あればいいかもしれません。
ジャケットでギターを持っているのがレッド・スチュアート(フィドルの名手でもあります)で、手を挙げているのがピー・ウイー・キング(持ち楽器はアコーディオンです)・・・・・・2人は「テネシー・ワルツ」のおかげで大きな財を成したんでしょうね。
ピー・ウィー・キングは1974年にCountry Music Hall Of Fameに選ばれています。
(1)Tennessee Waltz (2)Waitin' (3)Twin Fiddle Polka (4)When The Lights Go Dim Downtown (5)Goodbye, New Orleans (6)Slowpoke (7)It Hurts A Lot (8)New Westphalia Waltz (9)Ten Thousand Crying Towels (10)Twenty Four Months For Each Single Year
これは「テネシー・ワルツ」を作詞作曲したことで有名なピーウィ-・キング(1914~2000年 ウィスコンシン州出身)とその相棒レッド・スチュワート(1923~2003年 テネシー出身)がヒット曲「Slowpoke」と「Tennessee Waltz」をメインにして1964年STARDAY RECORDSに新しく録音し直したLPレコードの廉価盤です。私にとっては「テネシー・ワルツ」に誘われて安くで買った中古盤でした。
1947年にRCAビクターで録音したオリジナルはややアップテンポだったのですが、パティ・ペイジが録音して1950年に大ヒットさせた「テネシー・ワルツ」を意識してかどうかわかりませんが、レッド・スチュワートの歌はピアノとキングの弾くアコーディオン、ピート・ドレイクのスティールギターを伴奏にスローなワルツ調になっています。一人三重唱のパティ・ペイジの優雅さには及びませんがまあまあの出来だと思います。
キングは1930年代からのキャリアで、彼のバンドはthe Golden West Cowboysといってポルカやウェスタン・スイング系の音を出していて名門バンドの一つに挙げられていたようです。このバンドからはカウボーイ・コーパスとエディ・アーノルドという1950年代のカントリー全盛時代をになう2人の大物歌手が輩出したことでも有名です。カウボーイ・コーパスは「Tennessee Waltz」をもっとも早い時期にヒットさせたカントリー歌手である・・・・ということで記憶に留めておいてよいと思います。
さて、このアルバムですが(2)(4)(7)(9)(10)はピアノ、スティールギター等を伴奏にレッド・スチュアートが歌うミィディアム テンポの昔スタイルのカントリー曲で、まあ可もなく不可もないという普通の曲。(3)は有名なフィドル(バイオリン)曲の演奏だけ、(8)もフィドル、スティールギターのワルツ演奏だけ・・・・といった具合です。まあじっくり聴くというよりは何か仕事でもしながらバックにさりげなく流して聴くといったほうがよい感じかな・・・・。キングの音楽はベスト集のCDが1枚あればいいかもしれません。
ジャケットでギターを持っているのがレッド・スチュアート(フィドルの名手でもあります)で、手を挙げているのがピー・ウイー・キング(持ち楽器はアコーディオンです)・・・・・・2人は「テネシー・ワルツ」のおかげで大きな財を成したんでしょうね。
ピー・ウィー・キングは1974年にCountry Music Hall Of Fameに選ばれています。
STONEWALL JACKSON (1) 米国盤 Harmony HS-11256 THOUGHTS OF A LONELY MAN
(1)I've Got To Change (2)Thankful For Your Love (3)The Carpet On The Floor (4)A Man Without A Home (5)I Can't Go On Living This Way (6)Second Choice (7)Everybody But Me (8)One Look At Heaven (9)For The Last Time
今日の土曜日は1日博多での仕事だったので疲れてしまって、夜はバーボンを飲みながらストンウォール・ジャクソンのLPレコードを聴いた。2005(平成18)年秋に熊本阿蘇での「カントリー・ゴールド」に来てくれた超ベテラン カントリー歌手、しかも米コロムビア・カントリー全盛時代の生き残りの一人なんですね。あの時のメイン アーティストが誰だったかは忘れましたが、僕はS.ジャクソンを見るために阿蘇に行ったのでした。年はとっても元気いっぱいで、ちゃんと自分のバンドを連れてきていて ”Don't Be Angry”、”Waterloo” 等ヒット曲を歌ってくれました。僕の好きな”B.J. The D.J.(悲しきディスク ジョッキー)”は歌わなかったですがそれでも満足。写真を撮ったり、かつて僕が初めて買った彼の廉価盤LPと日本盤LPレコードにしっかりサインをもらったりしましたが・・・・・嬉しく楽しいひと時でした。
後で、友人の(鹿児島の「からいもカントリー」の)K君が彼にインタビューする・・・・というので一緒についていったのですが、僕達が往年のコロムビア・カントリーのCountry Singer達の名前を挙げて話をするととても話に乗ってくれて嬉しそうでした。正直言って、アメリカでは名の通った有名なカントリー歌手だったのですがインタビューは僕等以外に1件だけ・・・・というのはちょっと淋しい気がしました 。K君はジョニー・ホートンの熱烈なファン、コレクターなので(ホートンに関しては日本一では・・・と思います) 同じコロムビア・レコード専属の同僚だったジョニー・ホートン(1929~1960年)のことについてしきりに尋ねていました・・・それが何となくおかしくて写真を撮りながら笑ってしまったのでした・・・・S.ジャクソンが 「J.ホートンという人はちょっと変わった人でしたねェ」・・・と言っていたのが印象に残っています。
ところでこのアルバムの内容は特にどうってことないもので、スティール・ギター、ピアノなどを伴奏に垢抜けない(泥臭いともいえる)S.ジャクソンの歌のオンパレードなんですが・・・・気取らず、てらわず、どっちかといえば渋~い方なんですがまぎれもなく "カントリーを聴いている" という気分にさせてくれるものです(現代のカントリー歌手達のサウンドとは若干異なりますが)、それに僕自身はジャケットがとても気に入っています。元気で長く歌い続けて欲しいです・・・・ 1932年北カロライナ州出身~ 現役
(1)I've Got To Change (2)Thankful For Your Love (3)The Carpet On The Floor (4)A Man Without A Home (5)I Can't Go On Living This Way (6)Second Choice (7)Everybody But Me (8)One Look At Heaven (9)For The Last Time
今日の土曜日は1日博多での仕事だったので疲れてしまって、夜はバーボンを飲みながらストンウォール・ジャクソンのLPレコードを聴いた。2005(平成18)年秋に熊本阿蘇での「カントリー・ゴールド」に来てくれた超ベテラン カントリー歌手、しかも米コロムビア・カントリー全盛時代の生き残りの一人なんですね。あの時のメイン アーティストが誰だったかは忘れましたが、僕はS.ジャクソンを見るために阿蘇に行ったのでした。年はとっても元気いっぱいで、ちゃんと自分のバンドを連れてきていて ”Don't Be Angry”、”Waterloo” 等ヒット曲を歌ってくれました。僕の好きな”B.J. The D.J.(悲しきディスク ジョッキー)”は歌わなかったですがそれでも満足。写真を撮ったり、かつて僕が初めて買った彼の廉価盤LPと日本盤LPレコードにしっかりサインをもらったりしましたが・・・・・嬉しく楽しいひと時でした。
後で、友人の(鹿児島の「からいもカントリー」の)K君が彼にインタビューする・・・・というので一緒についていったのですが、僕達が往年のコロムビア・カントリーのCountry Singer達の名前を挙げて話をするととても話に乗ってくれて嬉しそうでした。正直言って、アメリカでは名の通った有名なカントリー歌手だったのですがインタビューは僕等以外に1件だけ・・・・というのはちょっと淋しい気がしました 。K君はジョニー・ホートンの熱烈なファン、コレクターなので(ホートンに関しては日本一では・・・と思います) 同じコロムビア・レコード専属の同僚だったジョニー・ホートン(1929~1960年)のことについてしきりに尋ねていました・・・それが何となくおかしくて写真を撮りながら笑ってしまったのでした・・・・S.ジャクソンが 「J.ホートンという人はちょっと変わった人でしたねェ」・・・と言っていたのが印象に残っています。
ところでこのアルバムの内容は特にどうってことないもので、スティール・ギター、ピアノなどを伴奏に垢抜けない(泥臭いともいえる)S.ジャクソンの歌のオンパレードなんですが・・・・気取らず、てらわず、どっちかといえば渋~い方なんですがまぎれもなく "カントリーを聴いている" という気分にさせてくれるものです(現代のカントリー歌手達のサウンドとは若干異なりますが)、それに僕自身はジャケットがとても気に入っています。元気で長く歌い続けて欲しいです・・・・ 1932年北カロライナ州出身~ 現役
ダンディ少佐 (MAJOR DUNDEE 1964=昭和39年) 監督 サム・ペキンパー
2008(平成20)年4月5日チャールトン・ヘストンが84歳で亡くなりました。彼の西部劇をリアルタイムで見たのは「ダンディ少佐」(1964年)と 「ウィル・ペニー」(1967年)で、チャールトン・ヘストンといえば僕にとってはすぐこの2作品が浮かびます。亡くなったと知って6日(日曜日)の夜にDVDで「ダンディ少佐」を見ました・・・・最後の西部劇監督といわれた故サム・ペキンパー(1925~1983年)の作品で、当時ワクワクして見たものですが・・・今見てもとても面白いものです。
<ストーリー>南北戦争末期(1864年)のニューメキシコ。チャリバ酋長率いるアパッチがある牧場を襲撃して住民、騎兵隊の偵察隊を皆殺しにし、子供を拉致するという事件が起こった。ダンディ少佐(C.ヘストン)は凄惨な現場を見て、軍規を侵して追討することにしたが、人数が足りず(士官学校で級友だった)元南軍大尉のタイリーン(リチャード・ハリス)率いる南軍捕虜の精鋭(ベン・ジョンソン、ウォーレン・オーツ等ひとくせある猛者が揃っている)や囚人からの志願者を任務が終わったら解放するという条件の下に加えることにした。
他に隻腕の斥候ポッツ(ジェームズ・コバーン)、インディアン斥候リアゴを加えた混成部隊でリオグランデ河を越えてメキシコ領まで追跡をはじめた。寄せ集め部隊でただでさえトラブルが絶えない中、アパッチの待ち伏せに遭い戦力、食料とも半減してしまう。補給のため立ち寄った村はフランス軍の支配下にあり窮乏の極みにあったため、一戦交えて制圧し逆にダンディ隊が救世主となる始末だった。ここでダンディと村の診療所の女テレサ(センタ・バーガー)とのロマンス、南軍脱走兵の処罰事件、ダンディ少佐の負傷救出などのエピソードがあって、やがてチャリバとの対決の時がやって来た・・・・。明け方にキャンプを襲ってくると判断したダンディの策は当たり、チャリバをはじめほとんどのアパッチを倒すことが出来た・・・・
目的を果たし、「国へ帰ろう!」という矢先、報復の為に来たフランス軍槍騎兵200がリオグランデ河に待ち受けていたのだった。河中での騎兵どうしの壮烈な白兵戦・・・次々に斃れてゆくダンディ隊。奪われた軍旗(=北軍の軍旗の星条旗)を奪い返してダンディに渡したタイリーンは撃たれて今はこれまで・・・と敵中に切り込み壮烈な最期を遂げるのだった。リオグランデ河を渡りテキサスへたどり着けたのはわずか10数人だった・・・・・余韻を残してここで映画は終わる。
最後のフランス軍との戦闘は迫力あるもので、タイリーンの南北の恩讐を越えたアメリカ軍旗奪還の場面は泣かせるシーンです。 ダンディ少佐とのとって付けたようなロマンス シーンで出てくるテレサ役のセンタ・バーガー(オーストリア出身)という女優さんは肉感的でとっても魅力的。 サム・ペキンパーは本物の雰囲気を出すためにロケをメキシコの地に選んだという・・・・チャールトン・ヘストンが最も脂の乗り切った頃で印象深い作品です。 なおDVD特典として出演者のサム・ペキンパーに対する思い出などが入っていてペキンパーを理解するのに役立つものとなっています。 C.へストンとは直接関係無いですが、この頃は「独立騎兵隊」(1961年) とか「栄光の野郎ども」(1965年)など騎兵隊 の対インディアン戦を描いた面白い西部劇があってアメリカ製西部劇の最後の華だったのかも知れないなあ・・・・という思いが強いです、DVDが出ないものかなあ・・・・
2008(平成20)年4月5日チャールトン・ヘストンが84歳で亡くなりました。彼の西部劇をリアルタイムで見たのは「ダンディ少佐」(1964年)と 「ウィル・ペニー」(1967年)で、チャールトン・ヘストンといえば僕にとってはすぐこの2作品が浮かびます。亡くなったと知って6日(日曜日)の夜にDVDで「ダンディ少佐」を見ました・・・・最後の西部劇監督といわれた故サム・ペキンパー(1925~1983年)の作品で、当時ワクワクして見たものですが・・・今見てもとても面白いものです。
<ストーリー>南北戦争末期(1864年)のニューメキシコ。チャリバ酋長率いるアパッチがある牧場を襲撃して住民、騎兵隊の偵察隊を皆殺しにし、子供を拉致するという事件が起こった。ダンディ少佐(C.ヘストン)は凄惨な現場を見て、軍規を侵して追討することにしたが、人数が足りず(士官学校で級友だった)元南軍大尉のタイリーン(リチャード・ハリス)率いる南軍捕虜の精鋭(ベン・ジョンソン、ウォーレン・オーツ等ひとくせある猛者が揃っている)や囚人からの志願者を任務が終わったら解放するという条件の下に加えることにした。
他に隻腕の斥候ポッツ(ジェームズ・コバーン)、インディアン斥候リアゴを加えた混成部隊でリオグランデ河を越えてメキシコ領まで追跡をはじめた。寄せ集め部隊でただでさえトラブルが絶えない中、アパッチの待ち伏せに遭い戦力、食料とも半減してしまう。補給のため立ち寄った村はフランス軍の支配下にあり窮乏の極みにあったため、一戦交えて制圧し逆にダンディ隊が救世主となる始末だった。ここでダンディと村の診療所の女テレサ(センタ・バーガー)とのロマンス、南軍脱走兵の処罰事件、ダンディ少佐の負傷救出などのエピソードがあって、やがてチャリバとの対決の時がやって来た・・・・。明け方にキャンプを襲ってくると判断したダンディの策は当たり、チャリバをはじめほとんどのアパッチを倒すことが出来た・・・・
目的を果たし、「国へ帰ろう!」という矢先、報復の為に来たフランス軍槍騎兵200がリオグランデ河に待ち受けていたのだった。河中での騎兵どうしの壮烈な白兵戦・・・次々に斃れてゆくダンディ隊。奪われた軍旗(=北軍の軍旗の星条旗)を奪い返してダンディに渡したタイリーンは撃たれて今はこれまで・・・と敵中に切り込み壮烈な最期を遂げるのだった。リオグランデ河を渡りテキサスへたどり着けたのはわずか10数人だった・・・・・余韻を残してここで映画は終わる。
最後のフランス軍との戦闘は迫力あるもので、タイリーンの南北の恩讐を越えたアメリカ軍旗奪還の場面は泣かせるシーンです。 ダンディ少佐とのとって付けたようなロマンス シーンで出てくるテレサ役のセンタ・バーガー(オーストリア出身)という女優さんは肉感的でとっても魅力的。 サム・ペキンパーは本物の雰囲気を出すためにロケをメキシコの地に選んだという・・・・チャールトン・ヘストンが最も脂の乗り切った頃で印象深い作品です。 なおDVD特典として出演者のサム・ペキンパーに対する思い出などが入っていてペキンパーを理解するのに役立つものとなっています。 C.へストンとは直接関係無いですが、この頃は「独立騎兵隊」(1961年) とか「栄光の野郎ども」(1965年)など騎兵隊 の対インディアン戦を描いた面白い西部劇があってアメリカ製西部劇の最後の華だったのかも知れないなあ・・・・という思いが強いです、DVDが出ないものかなあ・・・・
西部劇紳士録 児玉 数夫 著 明治書院 1975(昭和50)年
ハードカバー214ページの本です。この本も出来れば復刊を望みたいところですが・・・・以下目次
1.西部人名鑑(WHO'S WHO IN WILD WEST)
(A)西部群勇伝・・・・アメリカ西部開拓史上に有名な人物を挙げて、その簡単な紹介と、どんな西部劇があってその人物をどんな俳優が演ったのか、についてかなり古い時代(無声映画時代)から1970年代位まで詳しく述べられています。人物として「ダニエル・ブーン」 「ジム・ボウイ」 「キット・カースン」 「”バッファロー・ビル” コデイ」 「デイヴィ・クロケット」 「ジョージ・A・カスター」 「ワイアット・アープ」 「パット・ギャレット」 「ジェロニモ」 「”ワイルド・ビル” ヒコック」 「カラミティ・ジェーン」 「バット・マスターソン」 「アニー・オークレイ」 「シッティング・ブル」・・・・の14人が採りあげられていますがここらが西部劇有名人の基礎ということなんでしょうね。
(B)西部群盗伝・・・・こちらは”西部悪人伝”とでもいえる名うてのワル達篇。「サム・バス」 「ビリー・ザ・キッド」 「ダルトン兄弟」 「フォード兄弟」 「ドク・ホリデイ」 「フランク・ジェイムズ」 「ジェシー・ジェイムズ」 「クワントレル」 「リンゴー・キッド」 「ジャック・スレイド」 「ベル・スタア」 「ヤンガー兄弟」・・・・の12例の有名どころの業績(?)なんですが・・・まあ~悪いこと悪いこと、銀行強盗、駅馬車に列車強盗、殺人、牛泥棒など何でもござれの世界で大半が哀れな末路をたどっているようで、WILD WESTを地で行った人達なんでしょうがこれでも氷山の一角で、もっと沢山のワル達がいたようですよ。 後世の私達から見ると西部劇を面白くしてくれている人達でもありますので・・・変な意味での感謝ですかね(汗!)
2.これが”B”西部劇だ(THE "B" WESTERN)
これが"B"西部劇だ・・・・A級とかB、C級とかの作品による格付けとは違うようで、児玉さんによると「西部劇以外には出ない、もしくは西部劇以外では傍役だが独立プロでは主演西部劇スターとして通っている俳優達の西部劇」 を”B”西部劇という・・・・とのことです。さらに、あくまでも添え物映画であり、極端に言えば少年観客を最大の顧客として作られた西部劇ともいえる・・・従って日本で公開されている作品はごく少ない、と書いておられます。 「ジーン・オートリー」「ウィリアム・ボイド」「チャールス・スターレット」「ロイ・ロジャース」「ジョニー・マック・ブラウン」「テックス・リッター」「ケン・メイナード」、ごく初期の頃の「ジョン・ウエイン」等多数の名前を挙げてあり、その西部劇を沢山作った映画会社(Monogram社とかRepublic社、Allied Artists社、Eagle Lion社など)についても説明してある・・・・てな具合です。 「今は昔」の世界で、現代の日本の本ではちょっとお目にかからないくらい詳しく書いてありますので参考になります
3.ジョン・フォード一家・・・・ジョン・フォード監督の映画に出演したスター、脇役俳優の総ざらえで、古いところから1970年代頃まで写真入りでとても詳しく紹介されています
4.西部劇のジュニア・スター・・・・西部劇映画のスターや監督などの親子名鑑。例えば、「駅馬車」の賭博師に扮した俳優ジョン・キャラダインの3人の息子達デビッド、ロバート、キースについて・・・とか60例を挙げて説明してあります。詳しいったらありゃしない・・・参った!! というところです。
ところで、児玉さんはこの本の巻頭で「南北戦争についてはできるだけ知識を博くしておくとよい。ほとんどの西部劇はこの南北戦争に大なり小なり影響されているからである」・・・・・と書いておられます、沢山の作品を見ているとまさにそうだなあ・・・と感じます。それに、アメリカ西部や人物、風物、インディアン、銃など予備知識が豊富なほど何倍も西部劇が楽しめる・・・と実感できますね
ハードカバー214ページの本です。この本も出来れば復刊を望みたいところですが・・・・以下目次
1.西部人名鑑(WHO'S WHO IN WILD WEST)
(A)西部群勇伝・・・・アメリカ西部開拓史上に有名な人物を挙げて、その簡単な紹介と、どんな西部劇があってその人物をどんな俳優が演ったのか、についてかなり古い時代(無声映画時代)から1970年代位まで詳しく述べられています。人物として「ダニエル・ブーン」 「ジム・ボウイ」 「キット・カースン」 「”バッファロー・ビル” コデイ」 「デイヴィ・クロケット」 「ジョージ・A・カスター」 「ワイアット・アープ」 「パット・ギャレット」 「ジェロニモ」 「”ワイルド・ビル” ヒコック」 「カラミティ・ジェーン」 「バット・マスターソン」 「アニー・オークレイ」 「シッティング・ブル」・・・・の14人が採りあげられていますがここらが西部劇有名人の基礎ということなんでしょうね。
(B)西部群盗伝・・・・こちらは”西部悪人伝”とでもいえる名うてのワル達篇。「サム・バス」 「ビリー・ザ・キッド」 「ダルトン兄弟」 「フォード兄弟」 「ドク・ホリデイ」 「フランク・ジェイムズ」 「ジェシー・ジェイムズ」 「クワントレル」 「リンゴー・キッド」 「ジャック・スレイド」 「ベル・スタア」 「ヤンガー兄弟」・・・・の12例の有名どころの業績(?)なんですが・・・まあ~悪いこと悪いこと、銀行強盗、駅馬車に列車強盗、殺人、牛泥棒など何でもござれの世界で大半が哀れな末路をたどっているようで、WILD WESTを地で行った人達なんでしょうがこれでも氷山の一角で、もっと沢山のワル達がいたようですよ。 後世の私達から見ると西部劇を面白くしてくれている人達でもありますので・・・変な意味での感謝ですかね(汗!)
2.これが”B”西部劇だ(THE "B" WESTERN)
これが"B"西部劇だ・・・・A級とかB、C級とかの作品による格付けとは違うようで、児玉さんによると「西部劇以外には出ない、もしくは西部劇以外では傍役だが独立プロでは主演西部劇スターとして通っている俳優達の西部劇」 を”B”西部劇という・・・・とのことです。さらに、あくまでも添え物映画であり、極端に言えば少年観客を最大の顧客として作られた西部劇ともいえる・・・従って日本で公開されている作品はごく少ない、と書いておられます。 「ジーン・オートリー」「ウィリアム・ボイド」「チャールス・スターレット」「ロイ・ロジャース」「ジョニー・マック・ブラウン」「テックス・リッター」「ケン・メイナード」、ごく初期の頃の「ジョン・ウエイン」等多数の名前を挙げてあり、その西部劇を沢山作った映画会社(Monogram社とかRepublic社、Allied Artists社、Eagle Lion社など)についても説明してある・・・・てな具合です。 「今は昔」の世界で、現代の日本の本ではちょっとお目にかからないくらい詳しく書いてありますので参考になります
3.ジョン・フォード一家・・・・ジョン・フォード監督の映画に出演したスター、脇役俳優の総ざらえで、古いところから1970年代頃まで写真入りでとても詳しく紹介されています
4.西部劇のジュニア・スター・・・・西部劇映画のスターや監督などの親子名鑑。例えば、「駅馬車」の賭博師に扮した俳優ジョン・キャラダインの3人の息子達デビッド、ロバート、キースについて・・・とか60例を挙げて説明してあります。詳しいったらありゃしない・・・参った!! というところです。
ところで、児玉さんはこの本の巻頭で「南北戦争についてはできるだけ知識を博くしておくとよい。ほとんどの西部劇はこの南北戦争に大なり小なり影響されているからである」・・・・・と書いておられます、沢山の作品を見ているとまさにそうだなあ・・・と感じます。それに、アメリカ西部や人物、風物、インディアン、銃など予備知識が豊富なほど何倍も西部劇が楽しめる・・・と実感できますね
西部劇 その精神と魅力の解剖 増淵 健 著 三一書房 1972(昭和47)年
この本は西部劇映画に詳しい増淵 健さん(故人)が書かれたもので代表的な11本の西部劇を挙げてまさに「その精神と魅力の解剖」を述べたものです。 なるほどなぁ~と、僕は面白く読んだものです。 以下目次
(1)「駅馬車」とマンネリズムと時代劇と・・・・・「ヒーローはいつも左肩を負傷する」 「西部劇はマンネリだから面白い」 「西部劇は7年周期で流行する」 「駅馬車」 「駅馬車」贋作篇 「駅馬車」盗作篇 などの項目があって・・・・西部劇と時代劇は様式化され、いくつかのパターンをもち、かなりの数の”約束ごと”で縛られている点で似ている・・・など、かなり薀蓄のある意見が述べられています。特に”贋作”と”盗作”西部劇は面白い
(2)「荒野の決闘」の”史実ばなれ”・・・・・「実説”OK牧場”と映画”荒野の決闘”」 「フォードはアープに会っていた」
(3)「赤い河」と”父親失格”・・・・・牛の大群を運ぶ旅の途中、息子と部下から無能なリーダーとして疎外され置き去りにされる、つまり父親は頼りにならない無能な存在として描かれ・・・と書いてあるんですが、そうかなあ僕は家長ダンスン(ジョン・ウェイン)は立派に役目を果たしていると思うんだけどなあ。 それにアメリカ映画の女性観について、男を「指図」し「成功」させしかも「出しゃばらない」、それはそのままアメリカの母親像につながる・・・と増淵さんはおっしゃっているんですがかつては日本の女性もこうだったんだけどなあ(今は違う・・・なんて云うと総スカンを喰らうので云いませんが・・・汗!)。 でも中々面白い見かたです
(4)「死の谷」と”指図する女”たち・・・・「メロドラマ・ウェスタン」 「Good Bad Girlの魅力」ほか。 ジュネス企画というところからDVD発売され、見ることが出来るようになりましたがもっと安くならないものでしょうかね(苦)
(5)ホームドラマ「黄色いリボン」の結末・・・・「騎兵隊三部作」の描く老年など
(6)「真昼の決闘」に勝った男たち・・・・「真昼の決闘」の類似品 が面白い
(7)「シェーン」というアメリカ讃歌・・・・「シェーン以後の西部劇の性」 「シェーン」の模倣西部劇 など面白い見方が述べてあります
(8)「ヴェラクルス」と”ゲームの規則”・・・・いろいろ
(9) だれが「大いなる西部」を制したか?・・・・「大いなる西部」は大いなる西部劇か・・・疑問その1,その2,その3 等
(10)「昼下りの決闘」の”残忍な目”・・・・「アメリカでの好評と日本での虐待」 「老眼鏡」など
(11)「明日に向って撃て!」と捨てられた自転車・・・・「自転車の意味」 「遅れて来た者たちの”西部”」 「フロンティア消滅後のアメリカ人の性格」など。西部劇には珍しい場面で、バート・バカラックのモダンな「雨にぬれても」の曲をバックに無法者ブッチ・キャシディ(ポール・ニューマン)がエッタ・ブレース(キャサリン・ロス)と自転車乗りに興ずるシーンがあるんですがどんな意味があるのか・・・を探った話。
(結) 私小説的・西部劇三十年史・・・・「書き得る映画の最後のジャンル」など
この本は西部劇映画に詳しい増淵 健さん(故人)が書かれたもので代表的な11本の西部劇を挙げてまさに「その精神と魅力の解剖」を述べたものです。 なるほどなぁ~と、僕は面白く読んだものです。 以下目次
(1)「駅馬車」とマンネリズムと時代劇と・・・・・「ヒーローはいつも左肩を負傷する」 「西部劇はマンネリだから面白い」 「西部劇は7年周期で流行する」 「駅馬車」 「駅馬車」贋作篇 「駅馬車」盗作篇 などの項目があって・・・・西部劇と時代劇は様式化され、いくつかのパターンをもち、かなりの数の”約束ごと”で縛られている点で似ている・・・など、かなり薀蓄のある意見が述べられています。特に”贋作”と”盗作”西部劇は面白い
(2)「荒野の決闘」の”史実ばなれ”・・・・・「実説”OK牧場”と映画”荒野の決闘”」 「フォードはアープに会っていた」
(3)「赤い河」と”父親失格”・・・・・牛の大群を運ぶ旅の途中、息子と部下から無能なリーダーとして疎外され置き去りにされる、つまり父親は頼りにならない無能な存在として描かれ・・・と書いてあるんですが、そうかなあ僕は家長ダンスン(ジョン・ウェイン)は立派に役目を果たしていると思うんだけどなあ。 それにアメリカ映画の女性観について、男を「指図」し「成功」させしかも「出しゃばらない」、それはそのままアメリカの母親像につながる・・・と増淵さんはおっしゃっているんですがかつては日本の女性もこうだったんだけどなあ(今は違う・・・なんて云うと総スカンを喰らうので云いませんが・・・汗!)。 でも中々面白い見かたです
(4)「死の谷」と”指図する女”たち・・・・「メロドラマ・ウェスタン」 「Good Bad Girlの魅力」ほか。 ジュネス企画というところからDVD発売され、見ることが出来るようになりましたがもっと安くならないものでしょうかね(苦)
(5)ホームドラマ「黄色いリボン」の結末・・・・「騎兵隊三部作」の描く老年など
(6)「真昼の決闘」に勝った男たち・・・・「真昼の決闘」の類似品 が面白い
(7)「シェーン」というアメリカ讃歌・・・・「シェーン以後の西部劇の性」 「シェーン」の模倣西部劇 など面白い見方が述べてあります
(8)「ヴェラクルス」と”ゲームの規則”・・・・いろいろ
(9) だれが「大いなる西部」を制したか?・・・・「大いなる西部」は大いなる西部劇か・・・疑問その1,その2,その3 等
(10)「昼下りの決闘」の”残忍な目”・・・・「アメリカでの好評と日本での虐待」 「老眼鏡」など
(11)「明日に向って撃て!」と捨てられた自転車・・・・「自転車の意味」 「遅れて来た者たちの”西部”」 「フロンティア消滅後のアメリカ人の性格」など。西部劇には珍しい場面で、バート・バカラックのモダンな「雨にぬれても」の曲をバックに無法者ブッチ・キャシディ(ポール・ニューマン)がエッタ・ブレース(キャサリン・ロス)と自転車乗りに興ずるシーンがあるんですがどんな意味があるのか・・・を探った話。
(結) 私小説的・西部劇三十年史・・・・「書き得る映画の最後のジャンル」など