西部劇と懐かしのカントリー&ウェスタン日記

現代とはかけ離れたOld Countryの世界ですがずっと続けていきます。興味のある方は時々のぞいてみて下さい。

西部劇 22 [ ロンサム・ダブ (1)]

2010年02月28日 | 西部劇映画
Lonesome Dove (1) ー Leaving(旅立ち) ー  
テレビ西部劇ドラマ 1988年アメリカ作品 ( 1989年度エミー賞7部門受賞!!)


今では年を重ねて渋い演技を見せている2人、ロバート・デュバルとトミー・リー・ジョーンズを主人公にした1989(平成1)年公開の長編テレビ西部劇ドラマ「ロンサム・ダブ」第1集を見た。以前・・・とはいってももう20年位前になるんですね 早いなあ・・・テレビで見て以来の再見で、ビデオ(VHS)で4巻の長編テレビドラマになっていました。10年近く前 博多駅前の Book Off が開店する時に記念セールがあり中古ビデオのバーゲンセールがあった中にレンタル専用に販売されているものがたくさん混じっていた。閉店したレンタル店流れのものなんでしょう・・・・(レンタル専用ビデオはまともに買おうとすると新品が1巻1万円以上の正価がついているものです )・・・・・・4巻で1200円と超格安だったので買ったのでした。 いずれ見ようと予定したものの1巻が90分を越える長編なので積んだままにしていた・・・・・実に丁寧に作られた作品で、アメリカ西部開拓時代の過酷な自然条件、カウボーイの実態、Cattle Drive がいかにハードなものだったか、その他色々な西部の気質や事象が実話的に盛り込まれていて 優れたドラマであることが判ります。
補足を加えながら解説を載せてみることにします・・・・・

<第1集 Leaving >1870年代、元テキサスレンジャーズ隊長ガス・マックレイ(ロバート・デュバル )と同僚のコール(トミー・リー・ジョーンズ )は引退して 今ではリオグランデ河沿い南テキサスの埃っぽい田舎町ロンサム・ダブで牧場(ハット・クリーク牧場)を経営していた。 ガス曰く・・・「お前(コール)が働きすぎる分 俺が怠けてバランスをとっているんだ」とか「お前(コール)はオシメをつけたままスコットランドから来たからアメリカ人じゃない」と云うと「それでも俺はアメリカ人だ」と応える堅物のコール・・・・等など悪態を突き合いながらも2人は何とか牧場を切り盛りしている・・・・がこの先何の希望も持てず貧しいままだ。

ある日、元同僚で放浪の旅に出ていたジェイク(ロバート・ユーリック)が10年ぶりに帰郷し、2人にモンタナ行きをもちかける。モンタナの素晴しさを語るジェイクの話に心動かされたコールはモンタナに行こう-とガスに話すのだった。 はじめは渋っていたガスだが かつての恋人クララがネブラスカ州オガラーラに住んでいる・・・・とジェイクから聞かされて 再会を夢見て出発を決意する。 
新天地を求めるコール、憧れのサンフランシスコ行きを信じて恋仲になったジェイクと旅立つ娼婦ロリーナ(ダイアン・レイン)。それぞれの思惑を胸に苦難の旅が始まるのだった」・・・・・となっています。

でも 実はもう一方の話が同時進行していきます・・・・・10年ぶりに帰って来たジェイク自身はアーカンソー州フォート・スミスの町で拳銃沙汰を起こし 放った弾丸がたまたま通りかかった市長に当たって落命させてしまった-という事件から逃れてきたという問題を抱えていた。死んだフォート・スミス市長の妻ピーチは 市長の弟で保安官のジュライ(クリス・クーパー)に犯人のジェイクを追って捕らえるように圧力をかけ追跡行に駆り立てます・・・・・・この保安官ジュライも身重の妻エルミラに逃げられるという悩みをかかえている・・・・・というわけで 以後物語は " ガス達モンタナへのキャトルドライブ一行 " と " ジェイクを追跡する保安官ジュライ " の2本立てで進んでゆくことになります・・・・・それぞれの行く手には過酷な運命が待ち受けています。多くの登場人物が自然の力の前に、不慮の事故あるいは 戦い、争いの前にいとも簡単に死んでいきます・・・・・それが厳しい開拓時代の西部だったといわんばかりに・・・・。

私の感想・・・・・Texas Rangers 時代からの付き合いであるコールとガスの丁々発止のやりとりが面白いし・・・・始めの場面では牧場での日常が描かれています(馬のひずめ削り、井戸掘り作業、荒馬ならし、カウボーイ達の食事風景・・・・飯が不味いとコックに悪態をついてコックにやりかえされるところなどは 西部劇ではいつもの情景(smile)。当時も多かったという黒人カウボーイ ディーツ(ダニー・クローバー)も存在感があって Good. 

モンタナへ旅立つ前にリオグランデ河を越えてメキシコに馬、牛を盗みに行くんですが、”元テキサス・レンジャーの俺もとうとう馬泥棒になったか・・・”と自嘲するところは笑えるところ・・・・・他にもインディアンへの恐怖、砂嵐や平原での落雷の恐怖、家畜暴走(スタンピード)の物凄さ、渡河の時マムシの大群に襲われる恐怖など--アメリカ西部で実際あったと思われるようなシーンが軒並み出てきてドラマに引き込まれていきます・・・・・・脇役陣も存在感があってGood。  
第1話で気に入ったシーンは・・・・・キャトルドライブの途中で ガスが牧場の看板を取りに帰り、町で酒場の店主リッピーと話すところ・・・・・店主が「この店はもうだめです、私はロレーナを愛していたんです・・・」というと「 あんただけじゃないみんなそうだ、ロレーナはあせって相手を間違えた・・・・達者でな 」と言って握手して別れてゆくところ・・・・・面白いことにかわいがっていた子豚2匹がガスの馬車の後を追っいていきます・・・・・(smile)・・・・続く。

それにしてもロバート・デュバルとトミー・リー・ジョーンズの2人が渋い演技でいいなあ・・・・・1980年代は西部劇映画がほとんど不毛といっていい状況だったので目立たなかったけれど このテレビ西部劇は超がつくほどの秀作でした・・・・・DVDで発売になって今の時代でも多くの人に見てほしい作品です・・・・レンタル店にビデオがあれば絶対のオススメ。写真はガス役のロバート・デュバルと娼婦ロレーナ役のダイアン・レイン
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懐かしのカントリー&ウェスタン 138 [ テキサス・ジム・ロバートソン(3)]

2010年02月21日 | つれづれに
Texas Jim Robertson (3)
米国盤 Design DLP-115 Texas Jim Robertson Sings Golden Hits Of Country And Western

(1)Slipping Around (2)Lonesome Whistle (3)Kentucky Waltz (4)You Are My Sunshine (5)I Love You So Much It Hurts (6)It Makes No Difference Now (7)If You've Got The Money (8)Till The End Of The World (9)Night Train To Memphis (10)Mockin' Bird Hill (11)The Almanac Song (12)Columbus Stockade Blues


珍しい歌手テキサス・ジム・ロバートソン(1909~1966年 テキサス州)について前回コメントを頂きましたので ついでですので今回も載せることにしました。
私の Country Music への興味の原点は西部劇映画、テレビ西部劇からくる ”アメリカ西部への憧れ ” だったので Traditional Cowboy Song を唄ってくれるようなカントリー歌手がスタートでした。 マーティ・ロビンス、テックス・リッターなどになります・・・・・そして色々な歌手たちを知ることに。  初めの頃は西部劇のテーマ曲、スクリーンミュージックと Country & Western との違いも判らない・・・・・なんてこともありました。 ポピュラー歌手の故フランキー・レインが歌うテレビ西部劇 「ローハイド」 のシングル盤を買った時、B面にマーティ・ロビンスが歌う 「エル・パソ」 が入っていました・・・・・それがまた素晴らしい雰囲気なのでマーティ・ロビンスに興味が広がる・・・・・といったように枝葉が広がるようにカントリー・ミュージックに興味を持っていったものです。 Country 好きの人で私と同世代の人達は似たり寄ったりの経緯をたどられたのではないかな-と思いますが・・・・田舎に住んでいると情報も少なくて大変、本場アメリカに直結してレコードを買ったほうが安上がり・・・・・と感じたのも早かったです。 
だから今でも一番の興味はやはりアメリカ西部の雰囲気を持っていることと、Cowboy Song を歌ってくれるような歌手かな・・・・・おしゃれではないですけどね アハッ!!
さて、このレコードの主人公 Texas Jim Robertson はやはりカウボーイ ソングを歌ってくれる歌手として後年知った人です・・・・・・Design Records という廉価専門のレーベルから出ていたもの。  このようなジャケットは今ではほとんど見られないです、とっても好きなタイプのジャケット。 
解説がありますので補足したりしながら訳して載せてみます(テキサス・ジムの活躍した時代は相当な昔なので アメリカ人でもかなりの年配の人達にしか判らないようなことがあったり 今の時代からすると飛躍するようなことや生年の間違い等も書いてありますがそのままにします)・・・・・・・・・

「 Country & Western Music は昔の田舎のバーンダンス(1930~40年代のアメリカの田舎で流行ったフォークダンス)などの集会から小さなラジオ局を通じて都会の人々の心に入っていきました。これは優れた歌とそれへの関心があったためというだけではなくてカントリー界のプレーヤーたちの演奏水準の高さがあったためでもあります。私達が high standards ということを話題にする時すぐに Texas Jim Robertson の名前を思い起こします。 身長6フィート3インチ(=190cm)のこのバリトンボイス歌手についてちょっと調べてみましょう。 1916(大正5)年テキサス州 Batesville の牧場に生まれ、本名 James Battle Robertson といいます。馬のサドルが baby bed 替わりだったそうで 歩くよりも馬乗りの方を早く覚えたもんさ・・・・なんて本人は言っています。年の割りに身体が大きかったので11才の頃には父親よりも大きかったそうです。ふつうその年頃の少年には乗馬や投げ縄はおっかなびっくりするようなものなのに、手足の長いジムにとってはお茶の子さいさいだったようです。 16歳の時、ノースカロライナ州 Bat Cave に住むおばの家に遊びに行った際、色々面白いことがあってテキサスに帰る旅費まで使い果たしてしまい、さて旅費を稼ぐのにどうしたものかと色々求人広告を見ては探し続けたのでした。 働こうにもカウボーイの仕事口は無いし、ロデオで稼ごうにもタバコ畑ばかりのその地方ではお呼びでないし・・・・・と。 ある日、ノースカロライナ州 Charlotte にあるラジオ局が 地元の新聞 Goldsboro 紙に次のような広告を出しているのが目に留まりました・・・・・” Wanted- guitar playing cowboy singer ”と あって、さらに西部の唄を正統的に歌える人であればラジオテクニックは問いません・・・・・とあったのです。 ジムはギター、バンジョー、マンドリンも手ほどきを受けていたし 父親からはカウボーイが知っておくべきありとあらゆる歌を習ってもいたので Charlotte のラジオ局の番組ディレクターを訪ねてOKをもらい、翌日からさっそく出演の仕事を得たのでした。

彼の歌はラジオを聴いている人達に好評でした。このことを聞きつけた大手ラジオ局N.B.C. がジムをニューヨークに招聘して全米ネットワークのショウに出るよう仕向けたのでした。そして彼はニューヨークをホームベースに活躍、やがて俳優としても・・・・・ご存知のようにその深い低音で ”Lone Journey ”、”Against The Storm ”、”Death Valley Days ”、”Dick Tracy” のようなラジオシリーズで活躍したのでした。 1937(昭和12)年という年は彼が人気を得、成功を勝ち取った年で Marianne という女性との恋も実って結婚もした年でした。 第二次世界大戦では海兵隊員として南太平洋に出征しています。 除隊後アメリカに戻ったのですが、国中の人たちはこの有能なタレント Texas Jim Robertson のことを忘れていませんでした。」・・・・・・・・と書いてあります。

収録の曲群はいづれも今では有名なカントリースタンダード曲ですが、フィドル(カントリースタイルのバイオリン)、ピアノ、ギター伴奏にのって語るような深いバリトンボイスで歌うジムのカントリーは素晴らしいものがあります。どのような音源なのかは判りませんし、恐らくCDにもなっていないでしょう・・・・・安価なレコードだったのに-時代も古いのに-とても優れたもので American Country Music の奥の深さを感じるものでした。 同じテキサス州出身でも アーネスト・タブやテックス・リッターのように有名にならなかったのはやはり都会ニューヨークを中心の活動だったからなんでしょうか・・・・・??私の好みは断然(6)It Makes No Difference Now です・・・何とかCD化が・・・・涙

解説を訳していると結構な頭の体操になりました・・・・・。
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カウボーイ ソング 28 [ テキサス・ジム・ロバートソン (2) ]

2010年02月14日 | カウボーイ・ソング
Texas Jim Robertson (2) 
米国盤  Camden Records CAE-114 Round The Campfire

(1)Home On The Range (峠の我が家) (2)The Cowboy's Dream (カウボーイの夢)(3)Red River Valley (赤い河の谷間)(4)Ridin' Old Paint


久し振りの Cowboy Song レコードですが 私の自慢話になってしまいます。先々週の日曜日に時々行く中古レコード屋さんに行ってみた、古本も一緒に置いてあるのでそちらの方が目的だった。LPレコードのところはカントリーのレコードはまったく期待できないのはいつもの通り・・・・・新入荷というコーナーがあって 普段は見ることもないシングルレコード(45回転盤)のところを覗いてみたところ あったのが Hank Snow と この Texas Jim Robertson でした。古くてジャケットが傷んでいたからか各々150円だった・・・・博多でもアメリカ盤のシングルレコードのこんなのがあるのにびっくりした (恐らく入荷品の中にたまたま混じっていたんでしょう) と同時にとても嬉しい気持ち。

私が今でも趣味として興味が続いているのは Cowboy Song や Song Of The West といったアメリカ西部に関するレコードと「~ハンク・ウィリアムズを歌う」 「~ジミー・ロジャースを歌う」といった Tribute Album のほか 何人かのカントリー歌手のこと・・・・等なんですが、今ではそうしたレコードには店頭では出逢うことはめったにありません・・・・・自分が考えてもやはり”特殊な領域”と思うので当たり前なんでしょうね、間違ってもオシャレとはいえないし。

この4曲はカウボーイ ソングの定番なので親しみやすいですが、それに輪をかけてテキサス・ジム・ロバートソン( 1909~1966年 テキサス州出身 )という歌手の歌声と曲の雰囲気が素晴らしくて、こんなのが今の時代にCDとして手には入って多くの人の耳に届くといいのにな・・・・・というくらいの深~いバリトンボイスでの名唱です、でも戦前からの人なので もう亡くなって長いんですね( 彼の姿は以前の記事「カウボーイソング 17 」を見てください )・・・・・ちっちゃなレコードで 古いものなのに割合音がきれいでよかった。
(1)(2)(3)の3曲はゆったりめのバラッドで バンジョー、アコーディオン、フィドル(=カントリースタイルのバイオリン)、クラリネットの伴奏にコーラスを加えて歌われます。 (1)Home On The Range ( 峠の我が家 )はオーソドックスに、(2)The Cowboy's Dream ( カウボーイの夢 )はふつうイギリスの ”My Bonnie Lies Over The Ocean ”と同じメロディで歌われることが多いですが、ジムは少し違ったバリエーションで歌っています・・・・・こちらの方が素敵な感じを受けます。
(3)Red River Valley ( 赤い河の谷間 )もなかなかの名唱。 (4)Ridin' Old Paint だけが軽快なアップテンポで伴奏形態も同じ。paint というのはよく西部劇映画などでインディアンがまだら状の毛並みをした馬に乗っていますが あれのことです。

ところで、今の時代に Texas Jim Robertson のCDが発売になっているのかどうか・・・判りませんが、もしカウボーイソングを歌っているようなものに出くわしたら文句なくお奨めと思います。
Cowboy Song は時々聴くとその素晴らしさにハッとすることがありますよ( smile )
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懐かしのカントリー & ウェスタン 137 [ コニー・フランシス (1) ]

2010年02月07日 | つれづれに
Connie Francis (1) 
米国盤 Metro M/MS-538 Connie Francis Sings Folk Favorites

(1)Oh Suzanna (2)Red River Valley (3)True Love True Love (4)Clementine (5)Aura Lee (6)Careless Love (7)Every Night (8)She'll Be Comin' 'Round The Mountain (9)Brown Eyes (10)On Top Of Old Smokey


カントリー歌手ではないけれどカントリーも好きで歌ってくれる女性ポップスシンガーはけっこういました(今でも?)。このレコードは私がアメリカの中古レコード屋さんから安い Country や Cowboy Song のレコードを直接注文して買っていた頃に その都度 「おまけだよ」 といって4~5枚のサービスレコードを添えてくれた中に入っていたものの1枚です。遠い日本からの注文が珍しかったのか 以前にも書いたのですが・・・・「 Thank you for your loving our type of music~ 」 といったコメントが添えられていて おまけレコードが入っていました。私が買うのがいつも安いものばかりで しかもオムニバス盤か男性歌手の old country がほとんどだったのに 気を利かせてなのか こんなのもあるよ・・・・とリストアップしたカタログを入れてくれたり、女性歌手を奨めてくれたりしたのでした。このコニー・フランシス(1938年~現在 ニュージャージー州出身)のおまけレコードも私の趣向に合わせてくれているところなんかが何だか嬉しい気がしたものです。

曲名を見れば判るようにコニーがアメリカ民謡ないし古謡を歌ってくれたものです・・・・・この手のレコードはありそうでなかなかないものだと思います( 案外子供向けのレコードに入っていたりします )。
小さな解説文が載っています・・・・・曰く 「 Webster英語辞典には ”versatile ” という語について ”あるひとつのことから別のものに楽に変わること ” と定義しています。この定義はご覧になっているアルバムジャケットの美人歌手コニー・フランシスのために作られてきたかのように思えます・・・・・その言葉はまぶしいばかりの若いスター コニーにぴったり。 多くのトップ歌手と呼ばれる人たちは一つの確固とした成功を収めるとその地位に甘んじてしまっています・・・・そういう人達は人気を確立すると 望むと望まぬとにかかわらず冒険をおかすよりも 同じようなパターンのパフォーマンスに固執する傾向にあります。コニー・フランシスはそうではありません・・・・ヒット映画にも出ますし、楽しいコメディアンヌでもあります。9ヶ国語もの言葉で歌うことができますし・・・・日本語でさえ歌います。甘い感じで歌い・・・・ロックンロールも歌えばブルースも歌うんですよ。そして、びっくりすることには ごく若い時代の彼女とは違ってしっかりと全てを実に見事にやってのけるのです。

1人のエンターテナーが大きく飛躍する時はいつも 人々は知りたがります・・・・彼女は変ったの?・・・・とね。 確かに、コニーは変わりました・・・・幅が出てきたといえます、より大きなスタイルになってきた-ともいえるでしょう。しかし、変わるたびにタレント性が増し、しかも素晴らしくなっていきますね。
コニー・フランシスの最も成功したアルバムの幾つかは生粋のイタリア娘やフランス娘あるいはイスラエル娘のような一連の外国のことを扱った音楽でした( 調べてみると コニーのLPには ”Sings Italian Favorites ”とか ”Sings Spanish and Latin American Favorites ”、”Sings Jewish Favorites ”といったものがあるようです・・・・因みにコニーはイタリア系アメリカ人 )。 このレコードでは自国の American folk song を歌ってくれます。彼女の開けっぴろげなチャーミングさがこれらの有名な愛唱歌に全くといっていいほど似合っています。皆さんは ”Oh Suzanna ”や ” Red River Valley ”、” Clementine (いとしのクレメンタイン)”、”On Top Of Old Smokey ”といった歌 は聴いたことがあるでしょう・・・・・さあコニーの歌で聴いてみましょう!」・・・・・・とあって、歌の内容よりはコニー・フランシス個人のことが中心に述べられています。

さて内容の方はというと、(1)Oh Suzanna: 軽快なバンジョーとコーラスで始まるフォスターの名曲で オーソドックスに歌います。(2)”赤い河の谷間”はハーモニカとコーラスをバックにムードいっぱいにスローテンポで歌っていて涙が出そうなくらい素敵な ”Red River Valley ”・・・・・もし酒場でこんな悩ましげな調子で歌われたら屈強なカウボーイだって魂を抜かれてウットリしてしまうことでしょう。
(3)True Love True Love はコーラスを伴ったマイナー調のスローな歌で、 ”River Of No Return (帰らざる河) ” を歌う時のマリリン・モンロー的な雰囲気を想像してもらえばよいと思います。(4)”いとしのクレメンタイン”は軽快なバンジョー、古いタイプのホンキートンクピアノ(チェンバロみたいな音色)とコーラスをバックに軽快に歌っていますが、色気があって素敵。(5)Aura Lee はプレスリー他で有名な ”Love Me Tender ”と同じメロディラインをもった佳曲で コニーはもう悩ましいくらいに丁寧に歌っています。
(6)Careless Love はバンジョー、ハーモニカにコーラスを加えて軽快だけども悩ましげに歌っているもの。(7)Every Night は単音のギターにコーラスを伴ってスローなジャズボーカルを聴いているようなムードいっぱいで、途中ため息を入れたりして これも悩ましげに歌うコニー・・・・・ワッ悩殺されそう!!(8)She'll Be Comin' 'Round The Mountain は軽快なバンジョーとコーラスで軽快にストレートに歌っているので好感が持てます、途中で入るハーモニカも雰囲気があってgood。
(9)Brown Eyes : ワァー これも悩殺されそうなムードいっぱいの歌い方・・・・・Beautiful Brown Eyes として知られている美しい曲で、屈強なカウボーイもイチコロで魂を抜かれてしまいそう~!(10)On Top Of Old Smokey はコニーみたいな歌手がこのような単純なメロディーの民謡調の曲をオーソドックスに歌ってくれるのが貴重です。

私が女性カントリー歌手に望みたいのは ジャズやポピュラー歌手が歌う時のムードとか悩ましいほどのお色気いっぱいの歌い方とかかなあ~カントリーの女性歌手は割とあっさりした歌い方が多くてこのような歌い方はなかなかみられないですね。
ちょっと例えが古いけど ”River Of No Return(帰らざる河)” のマリリン・モンロー、”ジャニー・ギター”を歌う時のペギー・リー、ローズマリー・クルーニーの ”Beautiful Brown Eyes ”のような-丁寧で色気のある歌い方-がカントリーにもあるといいなあと思います。
このレコード、調べてみると1961(昭和36)年に MGM Records 社から発売されたLPレコード「 Connie Francis Sings Folk Song Favorites (SE-3969)」を同社の廉価レーベル Metro Records から2曲くらい少なくして出されたもののようです・・・・・CDになっていれば欲しいなと思います。
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懐かしのカントリー & ウェスタン 136 [ アーネスト・タブ (3) ]

2010年02月01日 | ハンク・ウィリアムスを歌う
Ernest Tubb (3) 
日本盤 WMC 5-195 Ernest Tubb Sings Hank Williams ( 原盤LPレコードは Decca DL-74957 )

(1)Hey, Good Lookin' (2)I'm So Lonesome I Could Cry (泣きたいほどの淋しさだ) (3)Take These Chains From My Heart (心のきずなを解いてくれ) (4)I Can't Help It (どうにも出来ない) (5)A Mansion On The Hill  (6)Mind Your Own Business (ほっといておくれ) (7)Your Cheatin' Heart (8)Cold, Cold Heart (9)Window Shopping (10)Someday You'll Call My Name (恋人と呼ばれる日まで) (11)I Could Never Be Ashamed Of You (お前が誇りだ) (12)I'm A Long Gone Daddy (13)You Win Again (14)I Saw The Light (15)Lost Highway (16)With Tears In My Eyes (涙うかべて)  (17)There's No Room In My Heart (18)Let's Turn Back The Year (ふりかえれば)  (19)First Year Blues (20)Tennessee Border (21)Hank, It Will Never Be The Same Without You (22)Beyond The Sunset (夕陽の彼方に)


新たな年のハンク・ウィリアムス関連の第2弾はハンクよりも先輩歌手で今は亡きアーネスト・タブ( 1914~1984年 テキサス州出身 )が Hank Williams の唄を歌ったものです。  タブが1968(昭和43)年に11曲入りのLPレコードとしてアメリカの Decca Records から出したものを元に 11曲加えて1990(平成2)年に日本盤CDが発売されました。 Ernest Tubb のようなずっと先輩の歌手に Tribute Album のような形で採り上げられるのですから やはりハンク・ウィリアムスの影響というのはカントリーミュージック界にとっては大したものであった-という証左にもなるアルバムであると思います。

アーネスト・タブの時代のカントリーは複雑なコードを使わない分ほんとに simple で親しみやすい Country Song が多くて まさに”素朴な”という言葉がぴったりですね・・・・・タブの歌はどっちかといえばガラガラ声の地声で決して歌が上手いタイプの歌手とは云えないのに何故か魅力いっぱいのところがあります。それはひとつには彼の自慢のバンド The Texas Troubadours(テキサス トルバドーズ) の絶妙のバックアップがすばらしいからだと思います・・・・・タブは歌っていて間奏のところになると時々”Oh, Buddy Now ” とか ”Leon ! ”、”Ah~, Steve! ” とかメインで演奏するバンドメンバーの名前を入れて紹介するスタイルをレコードの中にも取り入れています・・・・・このことはバンドメンバーも心得ていたらしくて 自分の名前を呼ばれながら演奏するのって さぞかしくすぐったいような嬉しいような高揚する気持ちだったのではないでしょうかね。 キャリアが長いだけにタブのバンド Texas Troubadours からは優秀なプレイヤー、歌手が輩出していました。スティール・ギターの Jerry Byrd 、Buddy Emmonds、 Buddy Charlton、ギターの名手 Billy Byrd 、 歌手で独立した人には Billy Parker 、Cal Smith、 Jack Greene などがいます。

このアルバムの中では誰々がどの曲で演奏・・・・というのははっきりしませんが、ハンク・ウィリアムスが歌った曲群を全てアーネスト・タブのスタイルにしてしまっています。ハンクの数々の苦吟節もアーネスト・タブが歌うとまったくといっていいほどサラッとした感じに流して歌っています。(1)~(11)がLPレコードのままで ハンクの代表的曲が並んでいます、残りが新しく加えられたものですが 盲目の叙情カントリー歌手だったレオン・ペイン( 名曲 "I Love You Because" を作った人です)作の(15)Lost Highway と、これも往年のカントリー歌手ウェスリー・タトルが歌ったことで有名な叙情曲(16)With Tears In My Eyes が珍しいところです・・・・・・この曲ハンクが歌っていたのかなあ・・・・・と記憶になくて聴いてみたくなりました。
一番タブらしいサウンドの曲は(17)There's No Room In My Heart で何ともいえないよさが横溢しています(nice)。(20)Tennessee Border はレッド・フォーレーとのデュエットで楽しいやりとりをしているもの。 尚、(21)Hank, It Will Never Be The Same Without You だけは ハンクの死後に数多く作られた ”Hank Williams に捧げる歌 ” のうちのアーネスト・タブによる語りの入った歌ですが・・・・・これも素晴らしい!!。 アルバム全体を通していえることは スティールギターの演奏の素晴らしさです それに時折り入るピアノのよさです・・・・・セッションマンに頼らないタブ独自のスタイルが今の時代に聴いても新鮮に映ります。僕自身は特に(4)(5)(15)(16)(17)が気に入りました。   
CDの解説は大先輩の清水敏夫さんが担当されていて・・・・・「タブ自身がハンクの歌を楽しみながら歌っている~ハンクのあの苦悩に満ちたブルース色もなければ、ハンクの魅力である一種の毒気も見当たらない。あるのは、タブ・カントリーとも言うべき独特の節回しと渋みいっぱいの声で歌うカントリー・ソングの極みだけである。」・・・・・・と書かれていますがほんとにその通りです・・・・今でも手に入るならぜひ聴いてほしいCD アルバムです。

Ernest Tubb は1965(昭和40)年に Country Music Hall Of Fame (殿堂)に選ばれています。
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