西部劇と懐かしのカントリー&ウェスタン日記

現代とはかけ離れたOld Countryの世界ですがずっと続けていきます。興味のある方は時々のぞいてみて下さい。

レコード雑感・・・うれしかった廉価盤レコード

2007年11月28日 | つれづれに
昔の各レコード会社には廉価盤というのがありました。カントリー&ウェスタンでいえばRCAビクターの Camden(キャムデン)、Deccaの Vocalion(ボカリオン)と Coral(コーラル)、Columbia の Harmony(ハーモニー)、MGM の Metro(メトロ)、Starday の Nashville(ナッシュヴィル)などの子会社があって古い歌手やちょっと前のヒット曲をLPレコードとして発売してくれていました。これが結構楽しめる内容を持っていましたので若くてお金の無い時代はとても嬉しい存在でした。

今と違ってレコード各社にサウンドにしてもLPジャケットデザインにしてもそれぞれ特徴があって「 キャピトル・カントリー 」とか「 コロンビア・カントリー 」、「 マ-キュリー・カントリー 」 とか呼べるほどの特異性を持っていましたので好みに合わせて選ぶことが出来たのも安心感があったように思います。
それは各社に名物プロデューサーがいてその人達が歌手の個性を尊重した音作りをしていたからだと思っています。 例えば往年の Columbia レコードにはキラ星のごとくカントリー・スター歌手がいましたが( Marty Robbins、Ray Price、Lefty Frizzell、Stonewall Jackson、”Little”Jimmy Dickens、Billy Walker、George Morgan、Carl Smith、Claude King、Carl Butler、Johnny Horton、Jimmy Dean、Johnny Cash ほか )どれをとっても見事なほど一つとして同じサウンドは無くて、しかもこれがコロンビア・カントリーだ・・・・・という特徴を示しているんですからこれはもう Don Law という名プロデューサーの手腕の成せる業ではなかったか・・・・こんなことが他の各社にもいえたのではないか・・・・と思っています。こうした時代に僕が一番お世話になったのは「 Hilltop レコード 」というもので、不思議なことにレーベルを超えて色々な歌手を買うことが出来ました。九州の田舎に住んでいても何とかレコードを安く買えないか思案していた頃、当時購読していた日本の「 COUNTRY & WESTERN誌 」 にアメリカのレコード店の広告が載っていたので手紙を出したところカタログが送ってきて、その中の中古コーナーから1枚2~3ドルの Hilltop レコードLPを20~30枚まとめ買いしたことがあります。船便で3ヶ月位かかって送られてきたレコードの小包、嬉しかったです・・・・・封を切るとアメリカのにおいがしました。誇張でも何でもなくてホントにそうでした・・・・・「 Thank You For Your Loving Our Type Of Music 」とメモが入っていて5枚のLPをおまけにつけてくれたのも嬉しいものでした。 日本で買ったらおそらく3~4倍くらいの値段はしたと思います。その後も同じようなことを繰り返してもっと安くて怪しげなレーベルの「 Diplomat 」とか「 Guest Star」 とか「 Design 」などというカントリーLPレコードも買ってみたりしたのでした。そうしたレコードは材質も粗く、 中袋なんかなくてレコードが裸のままポンと入っているだけで解説もなし・・・・・・でもしっかりとアメリカの Country & Western の匂いがするんですね、ジャケットもそれらしくて( smile )。
日本はレコードは貴重品だけど、アメリカは消耗品と考えているんだな・・・・と感じたのもこの頃です。 いずれにしろどれも思い出の詰まったものなのでCDの時代になってもとても手放す気になれないでいます・・・・レコードが好きだからきっとこれからも
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懐かしのカントリー&ウェスタン 20 [ ムーン・マリカン(1) ]

2007年11月25日 | 懐かしのカントリースター

 Moon Mullican (1) 
米国盤 Hilltop Records JS-6033  Good Times Gonna Roll Again
(11)Good Times Gonna Roll Again (2)Louisian (3)Bottom Of The Glass (4)Maple Leaf Rag (5)Sweeter Than The Flowers (6)Jole Blon (7)Farewell (8)Ain't Nothin' Like Lovin' (9)Wabash Cannonball (10)I'll Sail My Ship Alone
    

" The King Of The Hillbilly Piano Players " として知られたムーン・マリカン(1909~1967年テキサス州出身 )をはじめて聴いたのは何かの深夜ラジオ番組で「 Wabash Cannonball 」という曲でした。鼻に抜けるようなややハスキーな声でピアノを弾きながら軽快に歌う心地よい曲は典型的な昔のカントリーです( ラジオの深夜放送をよく聴いていた1972=昭和47年頃にそう感じたので今では大昔ということになりそうですが・・・)。あまりクセのない耳に心地よく入ってくるムーンの唄はしっかりと記憶に残って後年アメリカ盤レコードを買うきっかけになったのでした。
これは Hilltop というレーベルの廉価盤で2ドルくらいで買った中古レコードですが、ムーンの特徴がよく出ているものです。補足を加えながら裏の解説を少し訳してみると・・・
「 ムーン・マリカンはテキサスに生まれ育ち、子供の頃に農場で働く黒人小作人たちがギターを爪弾きながら歌う Blues を聴きながら音楽に傾倒していった。8才の時に父親が買ってきたオルガンを習い覚えてムーン独自の two-finger right hand style と呼ばれる奏法に発展させていったのでした。初めの頃は小さな教会などで弾いていましたが、やがてブルースを弾いたりダンスの伴奏をつけたりするようになり、さらには音楽的に色々な試み( ウェスタン・スイングなど )をするように成長していったのでした。16才の時にテキサス州ヒューストンに出てオールナイトのピアノ奏者として経験を積んでいきましたが、すぐに独自のムーン・マリカン スタイルを確立していったのでした。

ここに聴かれるような ” Jole Blon ”、” I'll Sail My Ship Alone ”、” Sweeter Than The Flower ”等のヒットによって全国に知られるようになり、やがては Grand Ole Opry (テネシー州のナッシュヴィルで古くからある Country Music Show )のレギュラーにもなったのです。色々なカントリー歌手に望まれてピアノ演奏、レコーディングにも参加しています・・・・pumping and driving ragtime style of piano で弾き語りをするムーン・マリカンの興奮とショウマンシップをお楽しみください・・・・」 みたいなことが書いてあります。

(3)Bottom Of The Glass、(5)Sweeter Than The Flowers、(6)Jole Blon、(9)Wabash Cannonball、(10)I'll Sail My Ship Alone はピアノ、フィドル、スティールギター、エレキギターが入れ替わり立ち代り活躍する典型的な昔スタイルのカントリーでムーンの歌声が柔らかいので嫌味なく楽しめます。フィドルは切れ目なく弾くケイジャン・スタイルが多くてこれがとてもムーンの曲にマッチしているように思います。

(2)Louisian、(4)Maple Leaf Rag、(7)Farewell がピアノ演奏を中心にしたインスト曲でスローだったりピンピコはねるようなホンキートンクピアノであったりでバラエティーに富んでいます。(8)Ain't Nothin' Like Lovin' は軽快なロカビリー風リズムに乗って弾き歌うムーン・・・ジェリー・リー・ルイスもこうしたスタイルに影響されたのかも知れない・・・と思わせる曲。
まあ昔のカントリー歌手はほんとに自分のスタイルをしっかり持っていましたね・・・と感じます。ムーンのCDは Boogie に焦点を合わせたような何だかマニアックなものが出ているようですが・・・僕はホッとして聴けるようなカントリー曲( ここで聴かれるのは Starday Records 社時代の録音と思います )がいいなあと思います

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懐かしのカントリー&ウェスタン 19 [ ハンク・スノウ(1) ]

2007年11月24日 | ハンク・スノウ

Hank Snow (1)
米国盤 Camden Records CAL-836  The Old And Great Songs  HANK SNOW

(1)My Blue River Rose (2)Brand On My Heart (3)In Memory Of You Dear Old Pal (4)Within This Broken Heart Of Mine (5)Down Where The Dark Waters Flow (6)The Blue Velvet Band (7)My Sweet Texas Blue Bonnet Queen (8)You Broke The Chain That Held Our Hearts (9)The Texas Cowboy (10)Let's Pretend (11)Wanderin' On (12)We'll Never Say Goodbye, Just So Long
 

この1964( 昭和39 )年発売のRCA-Victorレコード傘下の Camden Records 廉価盤は1950( 昭和25 )年の大ヒット曲  ” I'm Movin' On ”  以降のハンク・スノウ(1914~1999年カナダのノヴァ・スコシア州出身 )しか知らなかった私に大変なショックというか 感激を与えてくれたレコードでした。というのはこのLP( 後年 中古で買いました )に入っている全ての曲が スノウがまだ下積みのカナダ時代に録音したもので、全てにスノウ自身が弾く生ギターが聴かれ、哀愁をおびたくすんだような音色のスティールギターがフィーチャーされてまさに ”哀愁のカントリー・ソング ” ともいうべきアルバムだったからです。

(1)My Blue River Rose、(2)Brand On My Heart、(4)With This Broken Heart Of Mine、(10)Let's Pretend、(12)We'll Never Say Goodbye, Just So Long のしっとりしたミディアムテンポの曲は本当にハンクの歌の上手さを思い知らされるような良さが横溢しています。 駆けてくる馬のひずめの音の効果音を入れ、短い語りのあとギターを弾きながら歌う(6)The Blue Velvet Band などは単純な曲なのにハンクの若々しい声と歌の上手さとヨーデルがとてもよい雰囲気を作り出していて魅力的でした。ハンク・スノウがヨーデルを歌うのを聴いたのもこれが初めてでびっくりしたものです。
 
でももっと驚いたのは(7)My Sweet Texas Blue Bonnet Queen でした。何と素晴らしいギターの弾き語りでしょう・・・僕がこれまで聴いた数多くのカントリー歌手の中でこのようなスタイルで間奏のギターブレイクを入れているのは僕が知っている限りはもうハンクひとりだけです。” When the western sun is sinking, and the moon creep through the sky~ ” と歌うこの唄の雰囲気にすっかり魅了されて僕はもう完全にハンク・スノウの熱烈なファンになったのでした(私のカントリーネームもハンクとしました)。
ジャケットの裏ライナーノートには、このLPレコードがハンクのアメリカでの成功の陰には100曲以上のカナダ時代の録音があることを知って、より古い時代のハンクを知りたくなった熱心なファンから突き上げられる形で出されたものだ・・・というようなことと、ハンクの苦しかった生い立ちについても少し述べられています。
ハンク・スノウのカナダ時代の曲を聴くことはその後のハンクのカントリーを知るには欠かせない気がいたします。
 
現在ドイツの Bear Family Records 社がその時代の集大成としての詳しいCDーBox とほかに1枚もののCDを出しているようです。 1999(平成11)年にハンク・スノウが亡くなった時、仕事中の私に鹿児島のカントリー好きの友人K君が「 ハンク・スノウが死んだよ 」と電話してきました・・・その夜に聴いたのが このアルバムにある「 My Sweet Texas Blue Bonnet Queen 」、そして他に「 My Nova Scotia Home 」「 Somewhere Along Life's Highway 」 そしてクリス・クリストファーソン作の「 Why Me 」という曲でした。 まるで昨日のことのように思えます。
Hank Snow は1979(昭和54)年に COUNTRY MUSIC HALL OF FAME に選ばれています。今でも私の一番好きなカントリー歌手です・・・・

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懐かしのカントリー&ウェスタン 18 [ カウボーイ・コーパス(1) ]

2007年11月19日 | 懐かしのカントリースター

Cowboy Copas(1) 
 米国盤 Starday Records SLP(9)-347  The Cowboy Copas Story
(2枚組)     
(1)Alabam (2)Cowboy's Deck Of Cards (3)A Thousand Miles Of Ocean (4)True Love (5)You Are The One (6)Goodbye Kisses (7)Signed, Sealed And Delivered (8)Cowboy's Meditation (9)Satisfied Mind (10)Sal (11)Seven Seas From You (12)Beyond The Sunset (13)Filipino Baby (14)Midnight In Heaven (15)Wings Of A Dove (16)Dreaming(with Cathy Copas) (17)Mom & Dad's Affair (18)God Put A Rainbow In The Clouds (19)Tragic Romance (20)Flat Top (21)There'll Come A Time(with Cathy Copas) (22)South Pacific Shore (23)Louisian  (24)I Dreamed Of A Hillbilly Heaven    

私がカウボーイ・コーパス(1913~1963年オハイオ州出身)に興味を持ったのはあの「テネシー・ワルツ」を作者のピー・ウィー・キングに次いで録音してヒットさせた(1947=昭和22年)人ということからでした。
彼は16才の頃からプロとして活動していて1930年代はほとんど定住することもなくてアメリカ各地をツアーする形で過ごしたようです。彼にチャンスが巡ってきたのは当時人気のあった Pee Wee King & The Golden West Cowboys のボーカリストだったエディ・アーノルドの代役としてフューチャーされる機会を得てからで、結局は King のバンドに入ることになったのでした。
やがて独立してオハイオ州シンシナチにあったKINGレコードと契約して「Filipino Baby」「Tragic Romance」や「Kentucky Waltz」 「Tennessee Waltz」「Tennessee Moon」「'Tis Sweet To Be Remembered」などのカウボーイ・コーパスとしての代表曲をこの時代に録音しています。KINGレコードには1956年まで在籍していますが折からのロカビリー時代の到来に次第に人気に陰りが見えて1957年にDotレコードに移籍して数枚のロカビリー曲を録音して出しましたがほとんど成功することなく間もなく新興の Starday レコードに移籍しています。

ところが、ここで1960年に出した「Alabam」という曲がカントリーで大ヒットしてNo.1に輝き奇跡のカムバックを果たしたのでした。StardayレコードのプロデューサーDon Pierceによるとカウボーイ・コーパスはもっと成功するだけの物を持っていると確信していた・・・・といっているようです。
このレコードはスターデイ時代の録音で昔のヒット曲を含むカウボーイ・コーパスの集大成とでもいえるものですが肝心の「テネシー・ワルツ」が入っていません・・・・それにどうも Starday レコード社では「テネシー・ワルツ」を録音した形跡もないようで(他のLPレコードにも見当たらない)・・・何か版権とかの事情があったのでしょうかね。「Waltz King Of The Grand Ole Opry」といわれ線の太い声でワルツ、バラッドに素晴らしさがあります。フィドル、スティールギターが多用されて古きよき時代のカントリーの魅力があふれるようです・・・見開きのアルバムには沢山の写真が載っています、なお Cathy Copas はコーパスの娘さんです。
カウボーイ・コーパスは1963(昭和38)年にホークショー・ホーキンス、パッツィ・クラインと共に飛行機事故で亡くなっています。COUNTRY MUSIC HALL OF FAME に選ばれてもよさそうなんですけどね・・・・。

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懐かしのカントリー&ウェスタン 17 [ ジミー・ウェイクリー(1) ]

2007年11月19日 | 懐かしのカントリースター

Jimmy Wakely(1) 
米国盤 Vocalion Records VL-73904  Big Country Songs ( 日本盤MCL-1043)

(1)Spring Time In Alaska(アラスカの春) (2)You Are My Sunshine (3)San Antonio Rose (4)I Love You So Much It Hurts (5)Tomorrow (6)Your Cheatin' Heart (7)Tennessee Waltz (8)Cry Fool Cry (9)Love Me Tender (10)I've Had My Share Of Trouble And Sorrows

このLPレコードはアメリカでは1970(昭和45)年に、日本でも1973(昭和48)年に発売になったものです。
ジミー・ウェイクリー(194~1982年アーカンソー州出身 )は戦前から西部劇映画やカントリー歌手として活躍していた人で、歌がとても上手くて特にワルツやバラッド、カウボーイソング、ウェスタンスイング等ではとても魅力的です。もちろんロカビリーやロックの影響を受ける以前のカントリーなので今の時代の好みに合わないかもしれないんですが・・・・・逆にいうとジミーみたいなタイプのカントリー歌手はいなくなったとも言えるかもしれません。
ジミーは「 シャスタ 」というレコード会社を持っていて1960~1970年代に多くのレコードを出していました。その特徴として、自分と同じ時代に活躍したカントリー歌手の思い出のメロディーを古いラジオ録音( 自分のジミー・ウェイクリーショウからのものが多い )や新録音でよみがえらせる役目をしているんです・・・テックス・リッターやテックス・ウィリアムス、ジョニー・ボンドなど・・・当然時代の志向からははずれていてそんなに売れそうもないと思われるものを出してくれているんですね・・・おそらく消え行く時代の、自分と同世代のカントリーへの哀惜の念があったのかも知れないです。でもおかげで幾つかのレコードがCDになって聴けるようになっていて嬉しいところです。  
このLPは軽快なバンジョーで始まる亡きジョニー・ホートンのヒット曲(1)”アラスカの春 ”、ジミー・デイヴィスの(2)You Are My Sunshine、それからボブ・ウィルスの(3)San Antonio Rose はウェスタンスイング調で、フロイド・ティルマン作の(4)I Love You So Much It Hurts、ハンク・ウィリアムスの(6)Your Cheatin' Heart はややジャジーに、そして何といっても最高なのが(7)”テネシー・ワルツ ”で 生ギターとフィドルだけの演奏でカントリーワルツらしさとジミーの歌の上手さが際立っており、僕は数ある「 テネシー・ワルツ 」の中でもベストの部類に入る出来栄えだと思っています。次の(9)Love Me Tender も上手いですよ、全体的に生ギターの美しさが光っており、それにピアノ、フィドル、スティールギターと時々入る女性コーラスが各曲を引き立てています・・・・・古いというだけでは捨てておけない魅力を持ったアルバムですのでCD化して欲しいなあ。

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懐かしのカントリー&ウェスタン 16 [ ハンク・トンプソン(2) ]

2007年11月11日 | 懐かしのカントリースター

Hank Thompson (2)  
米国盤 Hilltop Records JS-6057  Hank Thompson & The Brazos Valley Boys

(1)New Rovin' Gambler (2)Hang Over Heart (3)Squaws Along The Yukon (4)If I Cry (5)Too In Love (6)Blue Skirt Waltz (7)How Do You Feel (8)Oklahoma Hills (9)Love Thief (10)At The Rainbow's End
   
先日ハンク・トンプソンの 「 Salutes Oklahoma 」 というLPレコードを載せた際にハンクは肺がんで療養中で容態が思わしくないと書いたばっかりでしたが、とうとう11月6日に亡くなりましたね。ハンク・ウィリアムス、ハンク・スノウとハンク・トンプソンでスリーハンクと呼ばれて日本でもとても人気がありました。でも私の印象では前者2人に比べてなかなかレコードが手に入りにくくて( 自分が九州の田舎に住んでいたからかもしれませんが・・・ )ハンクのレコードはほとんど中古で買った覚えしかありません。
僕が始めてハンクの曲を聴いたのはラジオでの " Wild Side Of Life " か " Oklahoma Hills " のどっちかだったと思いますが やはりアップテンポのウェスタン・スィングスタイルの方がハンクには合っている・・・と思いました。

今回揚げたは僕が初めて買ったハンクの中古LPレコードなんですが、キャピトル時代の音源を使って出された廉価盤ヒルトップ・レコードというものでした。もう30数年前なんですが僕と一緒に年を重ねてきているので今でも大事にしています。 ハンクの代表曲(3)Squaws Along The Yukon 、(8)Oklahoma Hills が入っているのが嬉しいところなんですが、ブルーグラス畑の歌手が採り上げることが多い(1) New Rovin'Gambler が珍しくてハンクのスタイルも素敵です。(6)Blue Skirt Waltz はワルツ調の演奏だけの曲ですが今の時代にはこうしたスタイルは誰れもやってくれなくなりましたので珍しいです。その他はすべてスロー~ミディアムテンポの曲ですが、歌の上手さが光っているものばかり・・・・ハンクの歌は聴けば聴くほどに味がある まるでスルメの味(?)みたいです。
音的には全てスティールギター、フィドル、時にホンキートンク ピアノとハンク自身のギターでスイングしていて素晴らしいと思います。今はCDでほとんど聴けるようになっていると思うんですが・・・・・私は Hank Thompson のようなキャリアのある人はレコードで聴きたい派です。 

1989( 平成元 )年に熊本県阿蘇での第1回カントリーゴールドに招かれて来た時 僕は全くその情報を知らなくて、イベント前日に知ったため仕事で行けなくてこの思い出の LPレコードを知人に託して ハンクのサインをもらってきてもらったのでした。 その知人の話ではサインの時LPジャケットを差し出したらちょっとびっくりした表情を浮かべたそうです、とても若い頃のジャケット写真だからでしょうか?? サインが丁寧で几帳面な気がします・・・・それにしてもあの時無理してでも行っておけばよかったなぁ、アメリカに行く思いをすればずっと安上がりだったのになぁ・・・・・と今でも悔やまれます。

ハンク・トンプソンは1989(平成元)年に Country Music Hall Of Fame に選ばれています。ハンク・トンプソンを偲んで・・・

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懐かしのカントリー&ウェスタン 15 [ マーティ・ロビンス (1) ]

2007年11月06日 | 懐かしのカントリースター

Marty Robbins (1) 
米国盤 Columbia CS-9020  R.F.D  ( 日本盤YS-450-C)

(1)Melba From Melbourne (2)Change That Dial (3)Only A Picture Stops Time (4)Southern Dixie Flyer (5)Everybody's Darlin' Plus Mine (6)She Means Nothing To Me Now (7)Making Excuses (8)Rainbow (9)I Lived A Lifetime In A Day (10)You Won't Have Her Long (11)The Things That I Don't Know (12)Urgently Needed
  

 私の子供時代にはテレビ西部劇が花盛りで、中でも「ローハイド」は大のお気に入りで先年亡くなったフランキー・レインが歌う主題歌が欲しくてせっせとこづかいを貯めてシングル盤を買いました。ところが、何とムチの音が入っていません・・・友人にきくとムチ入りのものもあるという。ガッカリしてまたこづかいを貯めてやっとムチ入りの「ローハイド」を買ったのでした。そのB面がマーティ・ロビンス(1925~1982年アリゾナ州出身)の " エ ル・パソ  "で 、軽快なレキントギター演奏で ” Out In The West Texas~ ” と歌い始める泣かせるカウボーイの恋物語でした。レキントギターが良く雰囲気を出していてカントリーギターの名手グラディ・マーティンが弾いていると知ったのはずっと後になってからでした。その頃は西部劇「アラモ」「縛り首の木」に関連してマーティ・ロビンスも「アラモの唄」「ハンギング ツリー」を歌ったり、ガンファイター・バラッドと題したLPを2枚出していた・・・といったくらいがM・ロビンスへの知識でした。

ある日露天の古物商の箱にシングルレコードの束があって何気なく覗いた中にジャケット無しの「RFD」( 8曲入りアメリカEP盤)があったのです。歌手名を見るとMarty Robbins とある・・・R.F.Dて何だろうと意味不明でも50円という安さとマーティ・ロビンスの名前に惹かれて買ったのでした。盤はかなり傷んでいましたが聴いてみるとこれが何とも優れもので全くの正調カントリーでとても嬉しかったものです。発売になっていたという日本盤は今でも手に入らずじまいで、後年アメリカ盤LPを買って何度も聴きました。     マーティ・ロビンスは才能豊かなのでハワイアン、ロカビリー、ジャズと手広く歌っており、カントリーファンとしてはなかなか純カントリーのLPを出してくれなくてヤキモキしたものですがこのレコードだけは宝物みたいでした。内容はどうってことない小品集なんですがきれいなスティール・ギターをバックに朗々と歌うマーティの正調カントリー・・・夜バーボンでも飲みながら聴くとほんとにホッとしてしまいます。

1982年にCOUNTRY MUSIC HALL OF FAME に選ばれた時「私はいつかは選ばれるかもしれないと思っていました。でも、私より前に”リトル”ジミー・ディケンズが選ばれるとよかった・・・」と言って若い頃に自分を引き立ててくれた先輩歌手のジミー・ディケンズを立てているんですね。こんな謙虚なところがあったマーティの人柄が偲ばれる話です。晩年の彼のバンドにはボビー・サイクス、ドン・ウィンターズ(ヨーデルが得意)の両ベテランサイドシンガーの他、スティールギターには日本人のキャッツ小林さんがいました。

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懐かしのカントリー&ウェスタン 14 [ ハンク・トンプソン(1) ]

2007年11月04日 | 懐かしのカントリースター

Hank Thompson (1)  
米国盤 Dot Records DLP-25971 HANK THOMPSON Salutes OKLAHOMA

(1)Oklahoma Hills (2)Dusty Skies (3)Dear Okie (4)Oklahoma Home Brew (5)The Everlasting Hills Of Oklahoma (6)Take Me Back To Tulsa (7)Guthrie (8)Happy, Oklahoma (9)O-K-L-A-H-O-M-A (10)Homesick, Lonesome, Hillbilly Okie (11)Big Boat Across Oklahoma (12Oklahoma Stomp
 

ひんやりとする秋の夜長には音楽が似合います。 今日は懐かしのハンク・トンプソン(1925年~テキサス州出身)を聴きました。ハンクの全盛時代は1950年代から1960年代の Capitol~Warner Brothers ~Dot の各レコード会社くらいまでだと思いますが、とにかく息の長い歌手で元気に私達を楽しませてくれる・・・・と喜んでいました。でも情報によるとポーター・ワゴナー同様に肺ガンで療養中らしいのです。

彼のLPレコードはキャピトル時代が充実しているんですが、僕は後のドット時代に発表した「 オクラホマを歌う 」 とでもいえるこのレコードが一番好きです。 ハンクのバンド The Brazos Valley Boys との録音ではないかもしれないのですが、ハンクの歌とウェスタン・スイング サウンドの良さが横溢した好アルバムになっています。古典的名曲 " Oklahoma Hills "で軽快にスタートして、" Dusty Skies "( オクラホマは砂嵐でも有名で往年の女流カントリー作曲家&歌手 Cindy Walker の作品 ) ほかのミディアムテンポの曲ではハンクの渋いバリトンヴォイスが素晴らしく・・・・もうもう何といっていいのかスケールの大きさを感じます。サンズ・オブ・ザ・パイオニアズの Tim Spencer 作の " The Everlasting Hills Of ~ " の良さは格別でハンク最高の歌と個人的には思っているんですが・・・。ボブ・ウィルスで有名な " Take Me Back To Tulsa " と演奏だけの " Oklahoma Stomp " はスイングして、まあ~元気が出てくるようなウキウキした気分にしてくれます。 ジャケット解説によると OKLAHOMA というのはチョクトー・インディアンの言葉 " Okla(=People) " と " humma(=Red) " を組み合わせた語で ”赤い人々" つまりインディアンの国という意味だそうです。 " Okie " はオクラホマ出身者のこと。
アップテンポの " Guthrie "という曲はインディアン娘を妻にしたカウボーイの悲劇を歌った物語風の歌でハンクの唄の上手さが光っています。
このLPは1969(昭和44)年作で、僕は後年中古で買いましたが、たしか日本盤は出ていなかったと思います(?)。 音的にはスティ-ルギターとフィドル、時にピアノを伴奏にした典型的なウェスタン・スィングとカントリーです・・・・是非CD化して欲しい作品です。

<平成26年11月27日 久し振りの視聴> 
イヤーこのアルバムはいい、ホントにいつ聴いてもハンク・トンプソンの魅力100% と感じる。この記事はまだハンクが生きていた時代に書いたものです、こういうタイプの歌手は2度と出ることはないでしょうね。 
アルバムの裏面いっぱいに書いてある解説を訳して載せてみたい気がします、そのうちに何とか載せよう! 因みに日本盤も発売されたことがあるようです。 
それにしても Book Off などの中古CD店でも Hank Thompson の単独のCDが売っていたりすることはありませんので残念な気がします。

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懐かしのカントリー&ウェスタン 13 [ ポーター・ワゴナー(2) ]

2007年11月03日 | 懐かしのカントリースター

 Porter Wagoner (2) 
米国盤 Camden Records CAS-2191  Green, Green Grass Of Home
      
(1)Green, Green Grass Of Home(想い出のグリーングラス) (2)Ole Slew-Foot (3)Eat, Drink And Be Merry(Tomorrow You Cry) (4)Stranger's Story (5)False True Lover (6)You Can't Make a Heel Toe The Mark (7)The Man In The Little White Suit (8)The Keeper Of The Key (9)They Listened While You Said Goodbye (10)I Dreamed I Saw America On Her Knees 


初めて買ったポーター・ワゴナーのレコードで廉価盤の中古でした。” 想い出のグリーングラス ” を知っているだけでしたが絵のジャケットが気に入ったのでジャケットを眺めながら聴いたのがほんの昨日のことのように思えます。まだバリバリ元気だった頃のポーター・ワゴナーの寄せ集め曲集で アップテンポ、ミディアムテンポ、スローバラッドと多彩で音的にはきれいなスティールギター、フィドル(カントリースタイルのバイオリン)と女性コーラスをバックにしたポーター流の正調カントリーなんですが全て3分以内の曲で、じっくり聴かせるには何か物足りなさがあって 仕事でもしながら流しているのがいいかなぁ・・・・・という感じでした。 

RCA ビクター時代のポーター・ワゴナーの曲はプロデューサーが Chet Atkins の場合と Bob Ferguson という人の場合とで微妙に違うようで、チェットの時は女性コーラスを多用してカントリー色を少し薄めているように感じますが それがかえって中途半端な感じでどうも感心しません( 個人的な意見ですが・・・ )。ポーターはRCA レコード社のモダンなナッシュヴィル・サウンドの方針にもかかわらず スティールギターとフィドルを頑固に使ったので女性コーラスが無い方がずっとポーター自身の歌の良さが引き立つように思うのですが。 彼のバンド The Wagon Masters にはエレキバンジョーの名手バック・トレントとかフィドルのマック・マガハなどがいてブルーグラス調のにぎやか仕立ての曲も得意としていました。2002(平成14)年に COUNTRY MUSIC HALL OF Fame に選ばれています。ポーター・ワゴナーを偲んで・・・・

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懐かしのカントリー&ウェスタン 12 [ ポーター・ワゴナー(1) ]

2007年11月03日 | 懐かしのカントリースター

Porter Wagoner (1) 
米国盤 RCA Victor  LSP-2706  Y'all Come

(1)Y'all Come(You All Come) (2)I Wanna Go Home (3)Crying My Heart Out Over You (4)Company's Comin' (5)Don't Let Me Cross Over (6)Angel Band (7)Come On It (8)

Pick Me Up On Your Way Down (9)Shutters And Boards  (10)Bad News Travels Fast  (11)There's a Rainbow In Ev'ry Teardrop  (12)Be Careful Of Stones That You Throw  

先日(10/28)ポーター・ワゴナー(1927~2007年ミズリー州出身)が Hillbilly Heaven へと旅立ちました。どちらかといえば地味で流行におもねることもなくカントリーの正道を真っ直ぐ進んでいる・・・という印象が強くて正調カントリーで通した人でしたので日本でもファンが多くて日本盤レコードも結構出されていました。彼の全盛時代は1960年代にあると思いますが、女性カントリー歌手のノーマ・ジーンの他スキーター・デイヴィスとの " Have I Told You Lately That I Love You " やドリー・パートンとの " The Last Thing On My Mind " 等なかなか素敵なデュエット曲も数多くありました。

若い頃のアイドルの一人がビル・モンローだったこともあってブルーグラスにも理解があって自分なりのスタイルでブルーグラスLPを出してもいました。カントリー歌手でブルーグラス畑の曲を採りあげてLPレコードまで出した人はそうはいなくて" Uncle Pen " 、" Blue Moon Of Kentucky(ケンタッキーの青い月)"、" Little Cabin Home On The Hill "、" Banks Of The Ohio ( オハイオの岸辺で ) "、" Rocky Top " など初めて聴いた時はその雰囲気の良さにとても嬉しかったものです。

亡くなったことを知って仕事から帰った夜2枚のLPを聴いた中の1枚です。1963年発売のLPと書いてあって、その頃はやった曲をポーターが歌ったものが幾つか入っています・・・カール・バトラーの" Don't Let Me~"、チャーリー・ウォーカーの " Pick Me Up On~"、スリム・ホイットマンの " Ther's a Rainbow~(涙に虹がうつってた)" など。

音的にはスティールギター、フィドルの伴奏ですが Producer がチェット・アトキンスなのでナシュヴィル・サウンド風女性コーラスが入っています。僕が買ったのは1972年頃、その頃からポーター・ワゴナーのカントリーには女性コーラスが無い方がずっといいと思っていました・・・ロイ・エイカフなき後を引き継ぐ形でグランド・オール・オープリーの番頭格におさまっていたポーターでしたがもう少し長く歌い続けてほしかったです・・・。時代の趨勢とはいえ古い世代のカントリー歌手がポツポツと欠けていくのはとても淋しい気持ちがします。

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