西部劇と懐かしのカントリー&ウェスタン日記

現代とはかけ離れたOld Countryの世界ですがずっと続けていきます。興味のある方は時々のぞいてみて下さい。

本 -15- (アメリカ西部)

2008年05月27日 | つれづれに
カスター将軍 最期の日 (原題 WITH CUSTER ON THE LITTLE BIGHORN )  ウィリアム・O・テイラー 著 (栗山洋児 訳)  青山出版社  1999年
アメリカ西部史上最も大きな事件と思われるカスター将軍(実際は中佐)率いるアメリカ陸軍第7騎兵連隊が1876(明治9)年6月25日モンタナ州リトル・ビッグ・ホーン河近郊の平原において大酋長シッティング・ブル、クレイジー・ホース率いるインディアン連合軍によって全滅させられた事件を扱った本(317頁)です。
著者のWilliam O. Taylorは実際にこのインディアン討伐戦に従軍し、カスターが攻撃前に連隊を3分割した(カスター将軍の本隊、リーノウ少佐の別働隊、ベンティーン大尉の別働隊)うちのリーノウ少佐隊に所属してリトル・ビツグホーン河で戦った一等兵でした。生き残った彼が自身のつらい体験を通じて自分がアメリカの歴史で重大な事件の一つに関わっていたことを悟るようになり、その戦いに従軍した人達からの情報や他の多くの資料をもとに数年かけてこれまで判らなかった事実や意見を盛り込んだ戦いの完全な記録として1917(大正6)年原題の原稿を書き上げたものだそうです。しかし、原稿は未発表のまま70年近く時を経て, 原稿の重要性に気付いたグレッグ・マーチン(この本の編者)が1995(平成7)年に買い取り、本として出版されるに到ったというわけです。以下目次

(第1章) その発端 (第2章) 出動 (第3章) 手がかり発見 (第4章) リーノウの攻撃 (第5章) 断崖に孤立して (第6章) テリー、包囲を解く (第7章)カスターの進撃 (第8章) カスターの埋葬 (第9章) 戦いの経過 (第10章) モンタナ部隊 (第11章) クロウ族の斥候の物語 (第12章)後日談

ある将軍が語った「死んだインディアンだけがよいインディアンだ」といった当時の白人側から見た傲慢な考え方に対して、著者はインディアンに対しても公平な理解を示しており、その勇気、叡智に敬意を払っているようなところが本の中に何箇所もみられます。追い詰められたインディアン側から見ればこの戦いが家族を守るためのそれこそ死に物狂いの戦いであった・・・・ことに理解を示しているのです。
戦いの前からカスターをはじめ士官、兵士の好戦的な自信過剰に加え カスターがインデアンの人数を過小評価していたことが敗北の2大要因になった・・・・と言い切っています(実際に戦闘に参加した者の生の声といっていいんでしょう)。
後年語ったインディアン達からの対カスター戦についての証言や酋長達のその後の運命も載っており興味深いものです。当時23才だったある若い戦士は 「兵隊達が我々を殺そうとし、子供達や妻をひどい目にあわせようとしたので戦うしかなかった・・・・だから私はあの日その者達のために戦って死ぬことに何のためらいも無かった」 と語ったとのこと。
詳細な記録に基づく内容なのでこの方面に興味のある人にはオススメなんですが地図が載せてないので状況が文章だけでは理解できないのが難点。写真も豊富です。ちなみに、表紙の写真はカスター将軍、酋長シッティング・ブル、矢は著者がカスター隊の兵隊達の埋葬の時にある兵士に刺さっていた3本のうち2本を持ち帰ったうちの1本だそうです。

さて、この事件を扱った西部劇は沢山あるんですが、いまのところ見れるのは500円DVDの「壮烈第七騎兵隊」だけかな・・・・と思います
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懐かしのカントリー&ウェスタン 40 [ チャーリー・ウォーカー(1) ]

2008年05月26日 | つれづれに
Charlie Walker (1) 
 米国盤 EPIC RECORDS BN-26343  Charlie Walker's Greatest Hits

(1)Pick Me Up On Your Way Down (2)Close All The Honky Tonk (3)Little Old Wine Drinker ,Me (4)Wild As A Wildcat (5)Truck Driving Man (6)Don't Squeeze My Sharmon (7)I Wouldn't Take Her To A Dogfight (8)Out Of A Honky Tonk (9)He's A Jolly Good Fellow (10)The Town That Never Sleeps

チャーリー・ウォーカー(1926年~テキサス州出身)は日本ではあまり知られていないようですが、正調カントリーの好きな人達にとってはこたえられない魅力を持った歌手といえると思います。キャリアは古いのですが地味なので目立たないですがフィドル(バイオリン)、スティールギターを多用した本格的なホンキートンクスタイルで通したカントリー歌手です。
1940年代の若い頃はBill Boyd and the Cowboy Ramblersにvocal & guitarで参加したり、かの”Blue Yodeller”ジミー・ロジャース夫人に目をかけられてDeccaレコードからカントリー界にデビュウーしたりしたのですがしばらく芽が出ずにリタイアしてDJの仕事をしていました。その後Columbiaレコードと契約して1958年に「Pick Me Up On Your Way Down」(名作曲家ハーラン・ハワード作の)が大ヒットしてから有名になり、1967年Grand Ole Opry (テネシー州ナッシュヴィルにある有名なCountry Music Show)のレギュラーメンバーになっています。
このレコードはColumbiaを去って1965~1971年の間在籍したEpicレコード時代のベスト集で彼のヒット曲「Pick Me Up On Your Way Down」「Don't Squeeze My Sharmon」を柱に「Close All The Honky Tonk」「Track Driving Man」「Little Old Wine Drinker, Me」など有名曲が入っています。でも、コロムビア時代に多用したSteel Guitar と Twin Fiddle(2本のバイオリン)のホンキートンクスタイルは影をひそめて、フィドルをはずしてややモダンなサウンドになっています(Epicサウンドとでもいうんでしょうか)。女性コーラスの他ホンキートンクピアノやスティールギターが入っていてもリズムを刻むドラムが耳障りでカントリーとしてはどうも中途半端な音という印象があって、プロデューサーBilly Sherrillによる音作りはなんだかCharlie Walkerには合っていない・・・・・と僕は感じてしまいました。(1)(6)がいいですが、個人的には曲調のよい(3)が好き。  
このアルバムはいざ知らず Charlie Walker は正調カントリーの旗頭の一人だったので特にコロムビアや晩年のPlantationレコードのLPはお奨めです。単品のCDは少ないと思いますが例によってドイツのBear FamilyレコードがCD-Box集を出しているようです(苦)
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懐かしのカントリー&ウェスタン 39 [ レイ・プライス(1) ]

2008年05月26日 | ボブ・ウィルスを歌う
Ray Price (1)米国盤 COLUMBIA LE-10021 RAY PRICE Sings A Tribute To The Great BOB WILLS  SAN ANTONIO ROSE  (オリジナルは CS-8556)
(1)San Antonio Rose (2)A Maiden's Prayer (乙女の祈り) (3)My Confession (4)Whose Heart Are You Breaking Now (5)Roly Poly (6)Bubbles In My Beer (7)Home In San Antone (8)You Don't Love Me (But I'll Always Care) (9)You Don't Care What Happens To Me (10)Time Changes Everything(時ふれば) (11)The Kind Of Love I Can't Forget (12)Hang Your Head In Shame


レイ・プライス(1926年~現在 テキサス州出身)が WESTERN SWING の王者ボブ・ウィルスに捧げた1962年のアルバムです。レイ・プライスのCherokee Cowboys Style のカントリーとボブ・ウィルスのTexas Playboys Style のウェスタン・スイングをミックスさせたようなサウンドになっていて、両者の特徴を楽しむことが出来る実に嬉しい内容になっています。全曲に歯切れのよいベースとドラムのもとフィドル(バイオリン)とスティールギターが大活躍する純カントリーで、レイ・プライスのボーカルも一段と乗っているように聴こえます。「カントリーはこうでなくちゃね!!」・・・と思わず叫んでしまいそう・・・・。

「Faded Love(色あせし恋)」のフィドル演奏に乗って "Hi neighbour,this is new album ,we chose the great songs of Bob Wills・・・・・lonesome fiddle, white hat, high heel boots, cigar smoke・・・・" とボブ・ウィルスのことを紹介するレイ・プライス自身の語りから入る粋なスタイルでスタート。
(1)San Antonio Rose は軽快なトミー・ジャクソン(?)のフィドルとジミー・デイのスティールギターがよくてレイも途中で「アッハー!」とか「Yes,Yes,Ye-s」とか「トミー、ジミー」等の掛け声を入れて乗りに乗って歌っています・・・一種のテキサス賛歌。(2)Maiden's Prayer はフィドル演奏だけでのことが多いですが、ここではレイが歌っています。僕はこの曲が好きで、比較的簡単なのでバンドの一員になったつもりでバイオリンでいつも同時に演奏して楽しんでいます。
(3)~(6)の中では(5)Roly Polyが一番ボブのウェスタン・スイングらしくやっていて掛け声も入れています。

(7)Home In San Antoneは”サン・アントニオは先祖代々住んでいる所。金は無いけどここに住んでりゃ百万長者の気分さ・・・おいらもアラモあたりでかわい娘ちゃん見つけて結婚して小さな家に住むんだ・・・そのうち子供もできるしなぁ(We'll get a high chair in a year or so と面白い表現をしています。high chairは子供用高椅子のこと)・・・・メイン州もカリフォルニア州も素晴しいけどテキサスが一番さ~” という能天気なテキサス賛歌ですが調子よくて楽しい曲。(8)(9)はレイの歌が冴えるミィディアムテンポの曲。
(10)はかつて愛し合った2人の別れの歌で Western Swing の名曲・・・・最後の歌詞が泣かせます・・・ ”Good luck to you may God bless you, I can't say I won't fall in love again, but you've gone your way and now I'll go mine, 'Cause time changes everything” 。  (12)も曲調の良い佳曲。
レイ・プライスは駆け出しの頃はハンク・ウィリアムスに目をかけられてハンクの後継者みたいに思われていたようですが・・・・レイ自身はボブ・ウィルスのようなウェスタン・ スイング スタイルのバンドを持って活動するのが夢だったようです。夢は叶いませんでしたが、そうした夢があったからこそ「Tribute To Bob Wills」のようなレコードを発表したんでしょうね・・・・僕は再発LPの時買いましたがまさに名盤と思いました。 CDも出ていましたが今は廃盤のようで是非再発売して欲しいな
 
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つれづれに

2008年05月25日 | つれづれに
5月24(土)、25(日)病気療養中の6つ上の姉のお見舞いに神奈川県の鎌倉まで行く。福岡空港発朝7:10で東京に9:40には着く・・・・早いなあ。今にも雨が降りそうな日、鎌倉は観光客でいっぱいで姉の住む鶴ヶ岡八幡宮の近くはいつ行っても混雑している。東京から来てくれた弟と3人でひとしきり話をしてから弟と2人で鎌倉の町をそぞろ散歩。姉がこの地に嫁入りしてから度々訪ねているけれど、いつも思うのは新しい店が出来たりして賑やかではあるが古都の風情といったものが少なくなっていくこと・・・かなあ(悲)。
古本屋さんを2軒訪ねて互いに数冊買う。弟は能と謡曲の古~い本を2冊(各200円)買っていた、初版が明治26年と書いてある・・・・・「またジイさんくさい本を買うなあ、興味があるのか?」というと「自宅の近くでいつも謡曲が聞こえてくるんだ、毎日聴いているとどんなものかな・・・・とちょっと興味が湧いてね」と云う。ブルーグラス大好き人間だった弟が 能や狂言、謡曲に興味・・・・人って解らないものだなあ。自分はどうかというと、買ったのが200円の小さなアメリカ版英語小説「Two Rode Together(馬上の二人)」ての、ジョン・フォード監督で映画になった西部劇・・・・古都に来ても頭は古い西部劇(一句 smile)
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懐かしのカントリー&ウェスタン 37 [ エディ・アーノルド(3) ]

2008年05月10日 | つれづれに
Eddy Arnold (3)  米国盤 RCA Victor LPM-1111 Wanderin' With Eddy Arnold
(1)Wanderin' (2)The Rovin' Gambler (3)The Lonesome Road (4)Down In The Valley (5)Barbara Allen(バーバラ・アレン) (6)On Top Of Old Smoky (7)I Gave My Love A Cherry (8)The Wayfaring Stranger(さすらいの旅人) (9)Across The Wide Missouri (10)Careless Love(よこしまな恋) (11)Red River Valley(赤い河の谷間) (12)Sometimes I Feel Like A Motherless Child (13)Sweet Betsy From Pike (14)Home On The Range(峠の我が家)    

2枚目はエディのごく初期(1955年)のLP(半世紀も前です)。カウボーイ ソングの「Red River Valley」 と「Home On The Range」 が入っているのを知って、ずっと後年になって中古で買ったもの。 ジャケットはかなり傷んでいましたが「エディ・アーノルド アメリカ民謡を歌う」・・・・とでもいえる素晴しいもので 音もまあまあきれいでした。ジャケットがギターを担いで線路を歩くエディ・・・とタイトルの「Wanderin'」が示しているように「(人生の)さすらい」をテーマにしているような内容の曲が並んでいます。各曲の解説があってそれには各曲の核心を突くようなPhraseをわざわざ載せてあります

(1)はWanderin'・・・wanderin'・・・I guess I'm never gonna cease my wanderin'    (3) この歌はとてもシンプルですが詞と曲は人の心に訴えかけるものです・・・・なぜなら誰でも一人淋しい道を歩いた思い出みたいなものを持っているはずだからです・・・そんな歌なんですよ、と書いてあります。  (4)・・・late in the evening・・・hear that train blow  (5)も(6)も有名なフォークソング。 (8)とてもきれいなマイナー調の曲でエディの上手さが光ります・・・・僕はかつてフォーク歌手のジョーン・バエズの歌で聴いたのが初めてでした (9)For seven years I've been a-wanderin' far across the wide Missouri・・・と歌われる「Shenandoah(シェナンドー河)」と同じマイナー調のきれいなメロディの曲。このような曲にはアメリカの大きさを感じます  (10)きれいなスティールギターとピアノを伴奏に軽快に歌う古謡  (11)スティールギターと女性コーラスをバックに素朴に歌うエディのカウボーイソングが素敵だ  (12)「時には母のない子のように・・・a long, long way from home・・・・」マイナー調でしんみりとした曲  (13)一転してバンジョーとコーラスを伴っての賑やか仕立てで軽快にうたわれます  (14)コーラスと単音のエレキギターを伴奏に素朴なエディの「峠の我が家」

全体にエディ・アーノルドの歌の上手さが際立っていて、サウンド的には純カントリーというよりはホームソング仕立てです。 エディ・アーノルドはどうしてもワルツやバラッドといったゆったり目の曲が多いので途中で眠くなりそうなこともあります・・・・でもスケールの大きさ、懐の深さはさすがにすごいなと感じます。現代のカントリー界にはエディみたいなタイプの歌手は見られないように思いますね・・・・・・・Thank You Mr. EDDY ARNORD
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懐かしのカントリー&ウェスタン 36 [ エディ・アーノルド(2)]

2008年05月10日 | つれづれに
Eddy Arnold (2) 米国盤 Camden CAS-798 EDDY'S SONGS
(1)Eddy's Song (2)Roll Along Kentucky Moon (3)There's No Wings On My Angel (4)When My Blue Moon Turns To Gold Again (5)Condemned Without Trail (6)Why Should I Cry? (7)Chip Off The Old Block (8)The Day You Left Me (9)I'm A Good Boy (10)The Worst Night Of My Life (11)One Kiss Too Many (12)Kentucky Waltz


エディ・アーノルドが亡くなりました(1918~2008年5月8日 テネシー州出身)。 つい先日エディのレコードを採りあげたばっかりでしたが・・・・89歳だったそうです。1918(大正7)年ですから私の亡くなった両親とほぼ同じ世代、残念だけど仕方ないかな・・・・とも思います。「懐かしのカントリー&ウェスタン」 で現存の人達の場合いつかは来ることです(P.ワゴナー も H.トンプソンもでしたから)。 今日はエディを偲んで2枚のLPレコードを聴く・・・・・
1枚目。若い頃に(今でも若い気でいるんですが・・・汗!) レコードが十分買えなかった頃にあるデパートのレコードセールスで見つけて買った廉価盤・・・・CDの時代になってもとても捨てることは出来ない(自分にとっては) 宝物。
解説を概訳してみると・・・・「Hits Mark The Trail From Tennessee To The World   エディ・アーノルドの成功はまさにアメリカンドリームの典型です。テネシーの農夫だった男がはるか遠く世界中にまでCOUNTRY MUSICの心を伝えるスター歌手にまでなったのですから・・・・彼は農民だった両親のもと、テネシー州Henderson近郊の小さな田舎町に4人兄弟の末っ子として生まれ育ちました。250エーカーの土地にトウモロコシや野菜を作る農家だったのですが、中心は綿花だったようで、小さいエディもつらい仕事に従事したそうです・・・・10歳のとき父親が亡くなり、家を助けるため18歳まで畑仕事、作物販売の仕事をしていました。ギターは母親の個人指導と旅の芸人から75セントlessonを4回受けて習得したそうです。やがてJacksonの街で小さなバンドに加入、さらにSt.ルイスに出てHoward McNattというフィドラー(バイオリン弾き)と知り合い、”Mac And Edd”としてKWK局で演奏活動を始めました。その後Pee Wee KingのGolden West Cowboysにギター兼 歌手として加入、その時代にGrand Ole Opryにも出演しています。やがて独立、”Eddy Arnold Sings”や”Eddy Arnold Time”などの自分のテレビ番組で歌うようになり、今日(このLP発売の時点での話)多くのカントリーショウでエディの歌を聴くことが出来ます・・・・」        さて、内容ですが
(1)はエディの初期ヒット曲の名前を連ねて歌われる きれいなスティールギターのトレモロで始まる軽快な曲・・・(2)はジミー・ロジャースで有名な曲で、エディ自身もとても好きな曲だと公言しており、きれいなスティールギター伴奏でゆったりと歌っていて何とも素敵な雰囲気。(3)(4)はフィドルとスティールギターで軽くスイングした歌・・・・・などなど最後の(12)「ケンタッキー・ワルツ」までほぼ純カントリー時代のエディが楽しめるものとなっています・・・・・・CDでも全て出ているんでしょうが昔の歌手はジャケットを眺めながらレコードで聴きたくなります
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本 -13- (大いなる西部劇)

2008年05月05日 | 西部劇の本
大いなる西部劇   逢坂 剛 / 川本三郎 著    新書館  2001(平成13)年
約20年近く全く西部劇に関する単行本が出なくて、もう西部劇映画は見られないは 本は出ないは・・・・で不毛の時代が続いていたので、この本が出た時は目からウロコという感じで嬉しかったです。昔あれだけ西部劇全盛時代があったのですからファンが消えてしまったなんてはずはなく (ただ高齢化して目立たなくなっただけ・・・?涙)、根強いファンはただ時代の流れ、趨勢に涙を呑んでいただけなんですよね。  この本は2人の西部劇への薀蓄(ウンチク)が溢れるようです・・・・対談形式はあと1~2人加わってのものだったらもっと面白かったと思いますが・・・・まあ出ただけで有難いというべきで文句は言えませんね。話に出てくる昔の西部劇は見たくても見ることの出来ないものが沢山あって、ぜひDVDで出して欲しいなあ・・・・・・さて以下は目次なんですが、現役の本なので詳しく載せました。

はじめにー西部劇、それは永遠のジャンル!   逢坂剛

(1)誇り高き男たち   逢坂剛・・・各項目についてのべたもの 
西部劇に最も多く出た俳優・・・ 西部劇を最も多く撮った監督・・・西部の匂いを伝える男、ランドルフ・スコット・・・ 西部劇隆盛の貢献者、ジョン・ウェイン・・・ ヒーロー像をくつがえしたゲイリー・クーパー・・・ 誠実素朴な西部男、ジョエル・マクリー・・・ グレン・フォードとデルマー・デイヴィス監督・・・ 最初にして最後の早射ち西部劇・・・ アラン・ラッドと西部劇のスターたち
 

(2)西部劇こそ我らの原点    逢坂剛 X 川本三郎  対談(以下のテーマなどでそれぞれ話が進んでいくので楽しく読んでいくことができます・・・・smile)
 瀬戸川さんに捧げる対談・・・ 西部劇といえば拳銃・・・ ジョン・ウェイン嫌い・・・ 我ら「荒野の決闘」を愛す・・・ アダルト・ウェスタン・・・ 日本人に愛された西部劇・・・ 悪役と農夫・・・ 南軍くずれのヒーロー・・・ わざと外したのか?・・・ 納得のいかない負け・・・ 大監督の西部劇・・・ アンソニー・マンは残酷?・・・ 老人ウェスタン・・・ 善玉か悪玉か・・・ アクロバットのようなガンプレイ・・・ 早射ちに命を懸けた男の物語・・・ プログラム偏愛・・・ ヴァン・へフリンの持ち味・・・ マカロニ・ウェスタンの走り・・・ 川では裸・・・ 一対一の美学・・・ ランドルフ・スコットをめぐって・・・ ジョン・スタージェスの決闘映画・・・ ミステリー仕立ての西部劇・・・ 西部の女の二つのタイプ・・・ やむにやまれず、戦う男・・・ 西部劇が似合う役者
  
(3)わが想い出の早射ち   川本三郎 X 逢坂剛  対談 (上と同様です)
 西部劇の拳銃・・・ プログラムを見ながら・・・ もっと脇役を!・・・ 悪役の顔・・・ スターの汚れ役・・・ 西部劇の女たち・・・ 「シェーン」の家が残ってる?・・・ 一対一の決闘・・・ 事実か神話か・・・ 西部劇の同時代に起こったこと・・・ マカロニ以後の西部劇・・・ 西部劇の名監督とは・・・ 名作以外の映画も・・・ テレビ西部劇・・・ B級西部劇・・・ ケヴィン・コスナーとトム・べレンジャー

(4)ひとりぽっちのヒーロー   川本三郎 
 ひとりぽっちのヒーロー・・・ 南軍くずれ・・・ インディアンに同情的な西部劇・・・ 大人の男と若者の物語・・・ 女性たち、銃を取る

(5)おわりに    川本三郎
(6)西部劇映画 戦後日本公開作品リスト・・・・ほぼ完璧と思います。ビデオ、レーザーディスク、DVDで発売されたことのある作品には印がしてあります

これから西部劇に興味を持って見てみたい人達(特に西部劇をあまり見たことがなかった若い人達)にはとても参考になるのではないでしょうか・・・・オススメです
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西部劇 -10- (ラスト・シューティスト)

2008年05月02日 | 西部劇映画

ラスト・シューティスト(THE SHOOTIST 1976=昭和51年) 監督 ドン・シーゲル
<ストーリー> 20世紀が明けたばかりの1901年ネバダ州カーソンシティ。町には鉄道馬車や自動車が走り、水道も電話もある時代になってきていた。そこに馬に乗ったJ.B.ブックス(ジョン・ウェイン)が体調の異常を訴えて 旧知のホステトラー医師(ジェームズ・スチュアート)を訪ねる。昔話をし、診てもらったあと「君は癌だ、しかも末期癌だ」・・・と宣告されるところから始まり、余命いくばくもないと悟った老ガンマン J.B.ブックスがロジャース未亡人(ローレン・バコール)とその息子ギロム(ロン・ハワード)が経営する下宿屋に身を寄せ、最後のガンファイトで死ぬまでの8日間(1月22日から1月29日まで)を描いた映画です。

「名前はウィリアム・ヒコック、カンサス州のアビリーンで保安官をしていました」・・・・と偽って下宿した彼が昔30人も射ち殺して西部中に名を馳せた早射ちのガンマンだったことが町中に知れ渡ったことから ブックスを殺して名を挙げようとする悪党が彼の命を狙い始めるのだった。ロジャース夫人からも厄介者の目で見られ、下宿を立ち退くよう迫られるが・・・・「自分には行く所が無い、それに自分は癌であと少しの命しかないから置いて欲しい」と告げるブックス・・・・以来 孤独な老ガンマンと未亡人との束の間の ほのかな愛情、触れあいが生まれるのだった。4日目にブックスはロジャース夫人を誘い湖畔を馬車で巡るハイキングに出かけた、「もう一度木や湖や空を見ておきたい」という・・・・互いの人生を語り合うしみじみとしたいい場面。

その夜2人の悪党に寝込みを襲われ撃ち殺したことがきっかけでブックス以外の下宿人が出て行ってしまい、ロジャース夫人は生活に窮するようになった・・・・
名うての生き残りガンマンをめがけてその武勇談を記事にしようと取り入る新聞記者、かっての恋人セレプタ(シェリー・ノース)も本を出して一儲けしようと訪ねてくる・・・・など好奇の目は絶えない。    責任を感じ、自分の生きる時代は終わった・・・・・とも感じていたブックスは7日目の1月28日、ロジャース夫人に「明日は私の誕生日です、きちんとした身なりで出かけますが気にしないで欲しい」と告げる。
そして1月29日所持金と記念の品、手紙を残し「さよならロジャース夫人」と告げて出てゆく・・・・ロジャース夫人も彼の行動が何を意味しているのかうすうすと感じながら「さよならブックスさん」と答える・・・・・2人の表情、会話から何ともいえない哀愁を感じる場面で涙。

自分をつけ狙う3人の無法者、町のダニ(ヒュー・オブライエン、リチャード・ブーン等)がたむろする酒場に赴くブックス。射たれながらも3人を倒すが、後ろからバーテンが放った散弾銃を受けて倒れる・・・・老ガンマンの死と、西部劇の雄ジョン・ウェイン自身の死とがまるで重なってしまうようなしみじみとしたラストシーンでした・・・・ジョン・ウェインの遺作となった西部劇。     
派手な射ち合いがあるわけでもなく西部劇としてはどちらかといえば地味な作りですが監督のドン・シーゲルは哀愁のある味わい深い作品にしてくれました。若い時に映画館で見たとき(実のところはっきりと見たのか記憶にないのです)よりも今日ビデオで見直した時のほうがより感情移入が出来たように思います・・・・・年とってきたせいかなあ・・・・でも好きな作品。DVDも出ていました。

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西部劇 -9- (追跡者)

2008年05月02日 | 西部劇映画
追跡者(LAWMAN 1970=昭和45年) 監督 マイケル・ウィナー
マカロニ ウェスタンにすっかりお株を奪われて精彩のなかった本場アメリカの西部劇の中にもキラリと光る作品もあったのですね。これはイギリスの映画監督マイケル・ウィナーが作った西部劇です。僕自身は映画館では見逃していた(というより地方での公開がなかったと思う・・・?)作品で・・・・後年ビデオで見てびっくりして、なかなかの秀作だと思って 大きな画面で見ることの出来なかったことを非常に残念に思った作品です・・・・

<ストーリー> 異常なまでに法に忠実で,非情とまでいえる法執行官(USマーシャル)ジュレド・マドックス(バート・ランカスター)。 牧場主ブロンソン(リー・J・コッブ)率いるカウボーイ達が牛追いの帰りに立ち寄ったニューメキシコ州バノックの町で酒を飲み はめをはずして発砲し、一人の老人が流れ弾にあたって死ぬという事件があった。町の保安官マドックスは下手人を捕らえて裁くために隣町サバスまで追跡を始める・・・・牧場主は「あれは偶然の事故だった」と部下の非を認めて穏便に済まそうと買収を図るが、サバスの保安官コットン・ライアン(ロバート・ライアン)に「買収の効かない手強い相手だ」・・・・と忠告されるのだった。血の気の多い牧童頭のハーブはマドックスに決闘を挑み射たれて死ぬ。町の人達からは「後家作り」と嫌われ、カウボーイ達からは命を狙われるが、腕も度胸も人一倍で妥協を許さぬマドックスの正義感の前に何人もの男が法の名の下にマドックスの手にかかって死んでゆく。

ある日、下手人のひとりのカウボーイの妻となっていたかつての恋人ローラ(シェリー・ノース)がマドックスを訪ねてきて「夫を見逃して欲しい」と懇願するのだった。ローラの優しさにさしものマドックスの心は揺れる、それに かつては名うての腕利き保安官だったが今では争い事を好まない保安官ライアンの人間味のある忠告にも心動かされ、全てを許して立ち去ろうと決心するマドックスだった。・・・・・しかし遅かった・・・・牧場主ブロンソンが息子、手下を連れてマドックスを倒しに町に現れたのだ・・・・もう引くことはできない。マドックスの「追求をやめる」という説得にもかかわらず従わない2人のカウボーイを射ち そしてブロンソンの息子の挑戦も受けて射ち殺してしまうのだった・・・・息子を失ったブロンソンは絶望して拳銃を自らの喉にあて引き金を引く・・・・・USマーシャル ジュレド・マドックスは馬にまたがり町の人達の冷たい視線を背に受けながら感情を押し殺して悠然として町を去ってゆく・・・・・・・・・・何ともやりきれなさだけが残る、救われない気分の余韻が残るラストなんですが、逆にこうした厳しさに徹した保安官のストイックさがこの西部劇を引き締めているんだと思います、まさに秀作。
マイケル・ウィナーはイギリス人ながらよほどの西部劇通なんでしょうか、西部劇のツボをよく捉えていて、十分に研究(当時のカウボーイの気風など) していないと出来ない作品だと思います。
保安官としては厳格だが時には横笛(フルート)を嗜むという意外な面も覘かせるマドックス役のバート・ランカスター、今では平和な暮らしを望んでいる初老の保安官役のロバート・ライアン、厳しい西部を生き抜いてきたことを随所に思わせる人格者の牧場主役のリー・J・コッブともども陰影のある渋い演技で光っているし、若き日のロバート・デュバル(最近の西部劇「ワイルド レンジ」で初老のカウボーイ役で出ていた) もカウボーイのひとりとして顔を見せています。紅一点のシェリー・ノースもOLD WEST時代のややくたびれた女性の雰囲気をよく出していました。   現在DVDが出ていてます・・・写真はビデオのジャケットを使いました
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