西部劇と懐かしのカントリー&ウェスタン日記

現代とはかけ離れたOld Countryの世界ですがずっと続けていきます。興味のある方は時々のぞいてみて下さい。

兄と弟のブルーグラス  ( Bray Brothers & Red Cravens )

2016年01月02日 | ブルーグラス音楽
    
兄と弟のブルーグラス (3)
日本盤 東芝EMI The Blue Grass Gentlemen
(1)Shanghied (2)Tabacco Road (3)Alibi (4)Long Black Veil (5)Banks Of The Ohio (6)Malaguena(演奏のみ) (7)Sawmill (8)Poor Little Ellen (9)Pathway Of Teardrops (10)Little Maggie (11)Little Grass Of Wine (12)Lover 
 419 W. MAIN / Red Cravens & The Bray Brothers
(1)Hazel Dell(演奏のみ) (2)Our Darlings Gone (3)East Virginia Blues (4)Bluegrass Breakdown(演奏のみ) (5)Angel With The Golden Hair (6)Jingle Bell Breakdown(演奏のみ) (7)Cora Is Gone (8)Pass Me By (9)Cumberland Gap(演奏のみ) (10)Rawhide(演奏のみ) (11)Lost Love (12)Little Darling Pal Of Mine (13)Glory In The Meeting House(演奏のみ) (14)This Train (15)Buckin Mule(演奏のみ) (16)I Never Shall Marry (17)Gentle Blues(演奏のみ) (18)Blue Eyed Darling (19)Sally Goodin(演奏のみ) 
 
今日1月2日は弟の命日だったので弟が好きだったブルーグラスを聴いた。 自分が持っている Bluegrass Gentlemen と弟が残した Red Cravens & The Bray Brothers のLPレコードの聴き比べ・・・・・私の Bluegrass Gentlemen も実際はレッド・クレイヴンス&ブレイ・ブラザーズの唄・演奏なんですね。二人で会った時にこのレコード(1枚目の写真)はいいよ-と聴かせると 彼はそれが Bary Brothers であることを知っていました、日本のトリオレコードから発売になっていたもの( 2枚目の写真 )を持っていたんですね。意気投合してさすが~と頷き合ったのが昨日のことのよう・・・・・弟はブルーグラスについてはかなり深い愛好家で、残されたものを見るとけっこう渋いレコードまで持っていたようです。私がたまに聴くブルーグラスでこれはいい-というのは彼もまたいいよ-と言ってくれたものでした。 私はブルーグラスは楽器テクニックよりも歌の上手いグループが好きだったのでここでの Red Cravens & The Bray Brothers はまさにピッタリ。 

現代のブルーグラス事情をほとんど知らないので比較することができません・・・・・自分なりには彼等の Bluegrass Music はとっても理解できてスムーズに耳に入ってくるオーソドックスなスタイルです。 現代からすると楽器のテクニックはそんなにすごいとは云えないかも知れないですが何といってもそのボーカル&コーラスの雰囲気がいい、実際に演奏現場を見たことがあるわけではないのに 共鳴できる雰囲気・・・・・ビル・モンローを目指しながらもモダンなカラーを出して独自のスタイルを目指したブルーグラス第2世代の当時(1960年代)の若者たちの意気込み・・・・・みたいなものが感じられるし、自分が持っているブルーグラスへのイメージにピッタリです。 

構成はギター&リード・ボーカル Red Cravens 、フラット・マンドリンの Nate Bray、5弦バンジョーの Harley Bray、ウッドベースの Francis Bray の4人です。1枚目のアルバムで私的に最高と思うのは(5)Banks Of The Ohio ( オハイオの岸辺で ) かなあ、印象に残る快唱と思います。どちらかといえばミディアムテンポの曲でコーラスを生かしたような曲にえもいわれない良さがあってこのグループの特長といっていいかと思いますが当時としては新しい感覚に挑戦していたのではないんでしょうか、随所にそんなところが聴かれます・・・・・ブルーグラスでよくあるやかましさとか喧(かまびす)しさがなくて聴きやすいです。ブルーグラスで聴くラテンの ”マラゲーニア ” も面白い。 

1枚目のLPレコードの解説を訳して載せておくこととします・・・・・・

「アップルパイがアメリカ人と同一視されるように、ブルーグラスミュージックは真にアメリカ的音楽として音楽の世界に貢献している嚆矢(こうし=)といえるものです。Bluegrass Music はケンタッキー、ヴァージニア、テネシーといった起伏の多い丘陵地帯をもつ地方で発祥しました。西に移動していく開拓者たちは楽器も携えており、テレビもラジオもなかった時代には自分たちの娯楽は必要な時には自分達で作り出したのでした。 

1日のつらい仕事が終わって日が暮れると、みんなが焚き火の周りに集まってその日に見聞きしたり経験したことを語り合ったのです。そうすると すぐにむせび泣くようなフィドル( カントリースタイルのバイオリン )やバンジョーのポコポコ音が谷間に響き渡ってその日にあった出来事が唄に歌いこまれたりするのでした。その唄というのは 自分達の住んでいる地域のヒーローのことだったり 悲劇的な死の物語だったり 若者達の恋の顛末物語だったりといった内容でした。 Bluegrass Music は私たちの民間伝承の中でもとても確固としたものになりました。そこから ”hillbilly ”とか ”Country music ” へと発展していき、今日アメリカはおろか世界中の音楽的愛好者を取り込んだ大きな分野になっていったのでした。 
 今日、ブルーグラスは以前にも増して大きくなっています! 国中のどの大学キャンパスにも Folk music や Bluegrass music のクラブがあって、ギターやバンジョーがかつてないほどよく売れていますし ラジオ、テレビ、いたるところの学校の講堂でこの手の音楽が鳴り響いているのです。 
 
The Bluegrass Gentlemen の4人はブルーグラスミュージックの世界でも最高のプレイヤーです。3人は兄弟でマンドリンの Nate Bray、5弦バンジョーの Harley Bray、ベースの Francis Brayです、それにギターの Robert ”Red ”Cravens です。Bray Brothers は音楽好きの大家族の家に生まれ育ちましたが、1930年代に Old time fiddler(カントリースタイルのバイオリン奏者) かつバンジョー奏者だった父親の Montie Monroe Bray に大きく感化されています。 ”Red ”Cravens の方は子供の頃に自分の住んでいる町のあたりでスクエアダンスバンドの演奏家達と知り合いになってからというもの すぐにギターを覚えなきゃーと決断したのでした。 

The Bluegrss Gentlemen は典型的なブルーグラスミュージックだけではなくて全く新しい巧みな適用の仕方で スムーズなハーモニーとユニークな楽器演奏スタイルを完成・発展させてきました。彼等は ごく初期のブルーグラスグループと同様に レコーディングやステージ演奏の時に電気楽器を使いません。彼らの多様性は ”Banks Of The Ohio ” 、 ”Lover ” から ”Malaguenia ” のインストルメンタル曲に至るまでの選曲にそれが表わされています。このアルバムで皆さんが楽しんでくださっている音楽こそ 古いタイプの音楽の至高の好演、エキサイティングな演奏すなわち Bluegrass なのです。 」・・・・・以上解説。 
  

2枚目のアルバムには4人のほかに John Hartford が弾くフィドル( カントリースタイルのバイオリン )が入っておりなかなか素敵な演奏で盛り上げてくれています。楽器演奏には自信を持っていたのでしょう・・・演奏だけの曲が半分も入っています。 それ以外では(12)Little Darling Pal Of Mine のような唄入りのアップテンポの曲もそれなりの良さがありますが、私的にはやはり Red Cravens のリードボーカルに Bray Brothers のコーラスがからむ(7)Cora Is Gone や(8)Pass Me By、(17)Blue Eyed Darling 等が光っていると思っています。クリスマス時期には映えそうな(6)Jingle Bell Breakdown も楽しい演奏。このレコード表裏にびっしりと解説(会話)が書いてあります 面白そうなんですが全て大文字表記の英文で句読点もなくて読みずらいものです。ゆっくり訳してそのうちに・・・・というところ

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2 コメント

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Bluegrass この1枚 (Deb-Nyan)
2024-06-12 18:27:59
初めまして。''note'' で、好きな Bluegrass のアルバムを勝手に書き綴ってる Deb-Nyan と申します。40枚目のアルバムで The Bluegrass Gentlemen [1962]をとりあげました。アルバム紹介にハンク秋山さんのこちらの記事にリンクを貼らせて頂きましたことをお許しください。
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Unknown (Deb-Nyanさんへ)
2024-06-12 21:26:34
私の古い記事にコメントを有難う御座いました。 リンクの件大歓迎です……私のブログはカントリークラッシク、カウボーイソング、西部劇映画と古色蒼然としているんですがなんとか若い世代に少しでも繋いでいけるといいなと思って継続は力なりだけで続けています。ブルーグラスも大好きで古いものばかりですが時々載せます。Red Cravens & Bray Brothers めったに注目されませんが興味がある方がおられて嬉しいです。書きかけのブルーグラスの未発表記事も沢山あるのでこれを機会にのせるようにしようかな🤣
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