リチャード・ディックス西部劇「硝煙のカンサス」を見た
かつてPDクラシックというところから超安いDVD(380円)が沢山出されていました……昔の西部劇も含まれていましたが最近は Book Off なんかでもほとんど見かけなくなりました。この作品もそのひとつです。因みに、PDというのはPublic Domainで製作から年数が経って版権が切れたので安く販売ができるようになった・・・という意味らしいです。見る側にすれば有難いです。

1943(昭和18)年製作 硝煙のカンサス(The Kansan) 監督:ジョージ:アーチェンボー

情報が少ないのでDVDの解説を参考にして補足しながらみていくと下記のような具合
<ストーリー> オレゴンに行く目的でカンサスの町ブロークン・ランスを訪れたジョン(リチャード・ディックス)は偶然にジェシー・ジェームズ一味の銀行強盗の現場に出くわした。持ち前の拳銃の腕でそれを未然に防いだが、ジョン自身も負傷して病院で手当てを受けた。回復すると町の名士達に見込まれて保安官となる。推挙したのはその町の銀行頭取スティーブ(アルバート・デッカー)だった。しかし、この頭取には裏の顔があった。不当に橋の通行料をとるなど悪辣なやり方で私腹を肥やしていたのだ。やがて保安官ジョンはスティーブの前科を暴き、更に町の治安のために悪と戦うのだった。
アハハ・・・白黒映像で画面は雨が降っているような粗い像で昔の西部劇を見ているんだ~という感じがあってニンマリ。馬での追っかけあり、酒場での大勢での派手な殴り合いあり、酒場の喧騒の中での踊り子たちのステージあり、牛の群れの暴走 ( スタンピードという ) あり・・・で昔の西部劇ではよく見られるシーンだ。大の大人たちが子供みたいな殴り合いを演じているので今の時代からすればどことなくユーモラスで可愛い感じがするけれど、この映画の時代当時はお決まりのシーンだったんでしょう。 音楽面では酒場の踊り子達によって ” ジョニーが凱旋する時(When Jhonny Comes Marching Home) ” が歌われますし、夜間に牛の群れを落ち着かせるために( night herding song という ) カウボーイ達が唄を歌うシーンも出てきます……カウボーイ・ソングの一種でもあります。

パソコンで検索するとアメリカでのポスター日本でのパンフレット、プレスシートが載っていましたのでスクリーンショットして載せてみました。
主人公のリチャード・ディックス(1893〜1949年 ミネソタ州出身)という俳優さんは戦前からの人で決して美男でもなくどっちかというとずんぐりむっくりで西部劇スターといった感じの人ではないですが西部劇として却ってわざとらしさがなくて楽しめるなあ・・・と思いました。私は自称 西部劇研究家を名乗っているからにはこの人も研究の対象になりそう(smile)

ヒロインのジェーン・ワイアットは現代にもってきても通用するような清楚な美人女優さんという雰囲気です。バラット兄弟(銀行家のスティーブと賭博師のジェフ)に扮するアルバート・デッカー、ヴィクター・ジョリーは昔の西部劇にはよく悪役として出ててきます。若き日のロッド・キャメロンが端役で出て来たのにもニンマリでした。
この「硝煙のカンサス」のような西部劇定番てんこ盛りのB級西部劇を沢山見ないと西部劇の良さは解らない・・・と感じます。 他の人はわかりませんが私にとっては元気の源(smile)
2024年6月9日の未発表記事なのでしばらくしたらまた元に戻す予定です