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拳銃王(The Gunfighter)
監督:ヘンリー・キング 1950(昭和25)年 20世紀FOX制作 昭和26年公開 モノクロ
(平成22年)10月27日夜、「拳銃王」を見た。1951(昭和26)年日本公開だからこの映画をリアルタイムで見た人達というのは当時20才だったとしても現在は80才くらいになっておられるはずで・・・・・実に半世紀以上前の映画だけれど 見ていてとても優れた西部劇であることがわかるものだった。 無駄がなくてスピーディな展開の中に緊迫感があって ヘンリー・キング()という監督の手腕が垣間見れる作品である。
「拳銃王」は以前ビデオ、DVDと発売になっているので2回見ているけれど 先日古本屋さんにレンタル落ちのビデオが500円で売っているのを見つけて ジャケット違いだったので思わず買ってしまった( トップの写真、レンタル用なのでもともとの値段は14000円となっています!! )・・・・・昨今の西部劇の人気のなさからかあまり貸し出されていなかったとみえて とてもきれいな画像だったのでDVDにも録画した。2枚目の写真はDVD発売の正規盤です。
解説をもとにストーリーを追うと・・・・・・・
<ストーリー> 名うてのガンマンとして西部に名を轟かせていたジミー・リンゴーはどこの町に行っても早撃ちを競うために喧嘩を売ってくる者達との戦いに疲れ、そんな生活から足を洗うため8年ぶりにカイエンの町に住む妻子を訪ねる。 が、そこにも功名心にはやる若者の銃が待っているのだった。名を挙げる、早さを競うために挑み、あたら無意味に命を捨てる若きガンマンたちとそこから抜け出そうした実在の無法者リンゴーの生きざまを鮮烈に描いている・・・・・とあります。
映画の冒頭 立ち寄ったある町の酒場でジミー・リンゴー(グレゴリー・ぺック)に因縁をふっかけて射たれる若者エディは脇役俳優リチャード・ジェッケル(写真)が危険な雰囲気をもつ若者を好演。
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” 驚いたな、お前は保安官になったのか! 俺は追われている・・・・妻子に会えるようにして欲しい、急ぐ必要がある・・・・・35才にもなって時計のひとつも持っていないんだ。 何の楽しみも無くただ生き残るために生きているような生活から足を洗いたい・・・・” と旧知のマークに話すジミー。マークのとりなしにもかかわらず今は学校の先生をしている妻のペギー(ヘレン・ウェスコット)は会うことを拒否するが、かつての酒場の歌姫モリー(ジーン・パーカー)のはからいでやっと妻子に会うことができたのだった。 ジミーが云う、 ” 誰れも知らない土地で3人で暮らせるように1年後に迎えに来る・・・・ ” と告げて町を去ろうという時・・・・・追ってきた3人に見つかってしまう。保安官達の計らいで3人から逃れることができたが、馬に飛び乗って町を去ろうとした瞬間に功名心にはやる町のやくざな若者ハント・ブロムリー(スキップ・ホメイアー)に射たれて倒れる。
死の間際に衆人が見守る中でハントに対して云う・・・・ ” タフなガンマンがどんなものかいまにわかる、次はお前の番だ ( リンゴーを射った男に挑戦してくる奴等に追われ続けることになるぞ-という意味 ) ”・・・・・と。 最後のシーンに一人の男がたそがれの中 馬を走らせて去っていく場面がありますが、それはリンゴーを撃った若者ハントの姿でしょう、今やかつてのリンゴーにかわって追われる立場になった若者の行く末を暗示しているシーンです。
町の保安官(=Marshall)マーク役を演じているミラード・ミッチェル(写真)が渋い西部男ぶりを発揮していてなんとも魅力的だ・・・・・こういう脇役はなかなか今の映画には見られないです。
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昔の西部劇では馬について配慮したセリフがよく出てきますが、ここでもリンゴーを追う3人が ”こんなに走らせたら馬が参るな、半日でお陀仏だ ”と言ったり 町に着いたリンゴーが ”馬の世話を頼む、疲れているから乗るなよ ”-とか・・・・・ちょっとしたことですが こういうセリフが本物の味を出すんですね ( マカロニ・ウェスタンなんかではきかれないセリフです )。
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古い作品で、場面がほとんど酒場だけに限定された低コストの作品だと思いますが 約90分間にだらだらとした冗長さがなくて、無駄のない緊迫感があって良質の西部劇という感じです。 最後の写真は Sell 用に発売されたビデオです、いまはDVDが出ています。
西部劇ファンなら 「 拳銃王 」のような作品をたくさん見なくては-と感じます。