西部劇と懐かしのカントリー&ウェスタン日記

現代とはかけ離れたOld Countryの世界ですがずっと続けていきます。興味のある方は時々のぞいてみて下さい。

懐かしのカントリー & ウェスタン 78 [ マーティ・ロビンス(5)]

2008年12月23日 | クリスマス アルバム
マーティ・ロビンス (5)  クリスマス アルバム 
米国盤 Columbia CS-9535 Christmas With Marty Robbins

(1)O Little Town Of Bethlehem (2)Christmas Is For Kids (3)Christmas Time Is Here Again (4)Many Christmases Ago (5)The Joy Of Christmas (6)Little Stranger ( In A Manger) (7)Hark ! The Herald Angels Sing (8)One Of You (9)Christmas Kisses (10)Merry Christmas To You From Me (11)A Christmas Prayer


福岡では2週間くらい前にとても寒い日があって雪が積もった、その時は全国的にも雪が積もったくらいの寒さだった。九州では山間部を除いて12月に雪が降ることは珍しくなったし、まして積もるなんていうことはめったになくなった。どうせ雪ならクリスマスの頃に降って欲しいもの・・・・・暖冬の中のクリスマスはちょっと雰囲気をそがれてしまいますしね。
クリスマス アルバムはこの時期だけに限られますが、いかにも賑やか仕立てのX'mas songではない どちらかといえばセイクレッド ソング、ゴスペル的なクリスマス アルバムというのがあって、こうしたレコードはクリスマスを過ぎても大晦日にかけて聴くととてもしんみりとした味わい深いものが多いものです。

私のブログテーマ「懐かしのカントリー~」でいうとJim Reeves、 Red Foley 、Eddy Arnold、 Kitty Wells 等が当てはまるんですが、個人的にはスリム・ホイットマンのものが好きでこの時期には必ずといっていいほどに聴きます。
ここにあげたマーティ・ロビンス(1926~1982年アリゾナ州出身)もなかなか素晴らしいX'mas アルバムだと思っています。カントリー・バラッドが得意な歌手だけにやはりスロー~ミディアム・テンポの Traditional Christmas song といえる(1)O Little Town Of Bethlehem と(7)Hark! The Herald Angels Sing が素晴らしい出来だと思います。  (2)Christmas Is For Kids や(6)Little Stranger 、(9)Christmas Kisses 、(10)Merry Christmas To You From Me などは”Christmas”という語が出てこなければマーティの普通のカントリーソングを聴いている錯覚に陥るほどです(彼の純カントリーアルバム「RFD」にある曲群のような)。 ジャケットの裏には Wishing You the Merriest Christmas and the Happiest New Year ever! Marty Robbins  と大書してあるだけなんですが、歌に心を込めているよ・・・・・・ということなんでしょうね きっと。
マーティ・ロビンスが亡くなってもう26年も経つんですね
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懐かしのカントリー & ウェスタン 74 [ ハンク・スノウ (2)]

2008年12月14日 | ハンク・スノウ
Hank Snow (2) 
米国盤 Camden CXS-9009 (e)  The Wreck Of The Old 97 (2枚組)

Side 1・・・・(1)The Wreck Of The Old 97 (2)The Southern Cannonball (3)Lonesome Whistle (4)Waiting For A Train (5)Travelin' Blues
Side 2・・・・(6)El Paso (7)Spanish Fire Ball (8)Sunny Side Of The Mountain (9) Roll Along Kentucky Moon
Side 3 ・・・・(10)The Last Ride (11)Somewhere Along Life's Highway (12)Poison Love (13)The Highest Bidder (14)I Went To Your Wedding
Side 4・・・・(15)Memories Are Made Of This (16)My Nova Scotia Home (17)The Blue Velvet Band (18)The Galveston Rose


僕は新旧を問わず今でもハンク・スノウ(1914~1999年カナダのノヴァ・スコシア州出身)を一番好きなカントリー歌手に挙げます。
彼のレコードはRCAビクター傘下の廉価レーベルCamden のものばかりで聴き始めたためにスノウの初期カナダでの下積み時代の曲がけっこう入っていて、つまりアメリカでの成功を確立した1950年のヒット曲 「I'm Movin' On」 以前のHank Snowを知ることができたのでした。カナダ時代のスノウの曲を聴いていなかったら恐らくここまで彼を好きになっていなかったかも知れないなと思っています

このレコードはもう30数年前の3月の寒い頃熊本に行った時にデパートの入り口でやっていた輸入盤セールでたった1枚買ったもの、2枚組で800円でその時の色々な状況も覚えているくらいに愛着のあるレコードになったのでした。
1曲目の”97年型の大破”などの爽快感は今の時代のカントリーでもめったに得られないものです。      
さて、解説を概訳してみると・・・・・・・・「少年時代から音楽好きだったとはいえハンク・スノウの若い頃は困難に満ちたものでした。家庭的に不幸で、12才で家を出て船員になり甲板で仲間のクルーを前に歌っていたのでした。その後も歌で生計を立てられるようになるまでにはさまざまな仕事(variety of odd jobs)を経験しなくてはならなかったのでした。こうした辛酸を経験した(hardships and frustrations)ことは彼が作るuniquely soulful qualityをもった詞、曲に部分的に表れています。
当時のClarence Eugene Snow(彼の実名)少年は2人の先達のレコードを聴いて音楽に興味を持ったのでした。ひとりは”The Wreck Of The Old 97(97年型の大破)”」を歌うVernon Dalhartで、彼のレコードを聴いて自分もギターを弾いて歌いたいと思ったそうですし、もうひとりはJimmie Rodgersで 彼のスタイルを聴いて歌手になる夢がゆるぎないものになったのでした(Rodgers was the greatest single influense on the young Snow と表現)。 今日においてさえ彼は必ずといっていいほどジミーの曲をショウで歌いますし、一人息子にもJimmie Rodgers Snow と名前を付けているくらい影響を受けているのです。

さて、このアルバムにはハンクの代表的なレパートリーが含まれています。「I'm Movin' On」以来のTrain song(汽車物)はスノウのトレードマークのひとつで、ここでもジミー・ロジャースの「The Southern Cannonball」、「汽車を待って」、「Travellin' Blues」の他 Hank Williams の「Lonesome Whistle(淋しき汽笛)」、スノウ自身の「The Last Ride」、ヴァーノン・ダルハートの「97年型の大破」を歌っています。
作詞作曲家としてのハンクの才能の豊かさも「The Highest Bidder」のほか カナダ時代の「My Nova Scotia Home」「Somewhere Along Life's Highway」「The Galveston Rose」「The Blue Velvet Band」等に現れています、カナダ時代の曲は今日あまり採り上げられませんが だからといってその価値は大きいものに違いないものです。
それから、ハンクのレパートリーにはheartfelt tales of unrequited love (報いられない恋)を歌ったものがあって(5)や(11)の他「Roll Along Kentucky Moon」 「I Went To Your Wedding」「 Poison Love」もそうした曲です。
歌以上にハンクのギターワークも見逃せないものです。彼の歌には自身で弾くギター(some of his fancy picking)が真に迫って聴かれますが、「Memories Are Made Of This」や「 Sunny Side Of The Mountain 」にその片鱗をうかがうことが出来ます。
さらにもうひとつのトレードマークにラテン調の曲があります、ここでは「Spanish Fire Ball」が代表に挙げてあります。 それにマーティ・ロビンスの「El Paso」などを加えてここに採り上げた18曲は super selections fashoning the musical personality of Hank Snow といえるものです。」・・・・・・・・といったことが述べられています。

僕は初期のカナダ時代の歌を聴いて ”なるほどなあ”・・・・ と納得のゆく歌の上手さと他のカントリー歌手には感じたことがない何ともいえない "ある雰囲気" を感じます(カナダのカントリー歌手に共通する何かと言うべきか?)。
カナダ時代の曲の大半は" Melancholy" という言葉で表現してもいいかも知れませんがその曲群がなかなかの魅力を持っているのがわかりますし、ひいてはアメリカでの成功につながっていると確信できるものを持っています 。
ヨーデルを歌っていた若い頃からアメリカでの活躍までをトータルに収めたこのアルバムは自分にとってはどのアルバムよりもVery Bestと呼べるものになっています。「懐かしのカントリー&ウェスタン(19)」も参照して下さい。
もし僕がレコード会社のプロデューサーだったとしたらこのレコードをそのままCD化するけどなあ・・・・・いつも出ているようなハンクのBest集よりもずっと魅力的と思うけどなあ・・・・・・・
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懐かしのカントリー & ウェスタン 70 [ ジョニー・キャッシュ(1)]

2008年12月06日 | つれづれに
Johnny Cash (1) 
米国盤 SUN-122 The Rough Cut King Of Country Music

(1)Cold, Cold Heart (2)Goodnight Irene (3)Straight A's In Love (4)You're My Baby (5)My Trasure (6)I Forgot To Remember To Forget (7)Born To Lose (8)You Tell Me (9)Fools Hall Of Fame (10)I Just Thought You'd Like To Know (11)Story Of A Broken Heart


ジョニー・キャッシュ(1932~2003年アーカンソー州出身)はもうカントリー・ミュージック界の大御所でしたから言うべき事はないくらいなんですが、僕自身は時期によってはあまり好きになれない頃もありました(やっていることに何となくわざとらしさが目立って、もう少し肩の力を抜いて自然体で行ったらどうかな・・・・・カントリー歌手なんだから・・・・と感じる時期があったのです)。 
 でも2年前の映画で、ジョニー・キャッシュの伝記映画ともいえる「Walk The Line(君に続く道)」を見たことで色々な疑問が氷解したこともあってキャッシュのカントリースタイルが理解できるようになりました、例えば彼の生い立ち、彼の代表的な曲がどういうきっかけで生まれたのか、Sunレコードからデビューしようという時ゴスペル曲を歌うんですね、 するとプロデューサーのSam Phillips から”そんな歌じゃだめだ、そんなのを歌う奴はゴマンといる”といってたしなめられるような場面を見たりして色々と知ることが出来たのです・・・・・その点であの映画は良かったなと思います。   
残念だったのは、土曜日の夜ゴールデンタイムに見に行ったにもかかわらず映画館はガラガラでした・・・・・カントリーだけでなくてロックや広くアメリカン・ミュージックに関心のある人達は見るべき映画だったと思いますが、実際は音楽をやっている人でもジョニー・キャッシュという名前を知らない、「Johhny Cash て誰れ?」・・・・・というのが現実だったのではないでしょうか? 後日DVDでも見てみましたが断然映画のほうが迫力があって音楽的にも10:1くらいの感動の差があると思いました。

ずいぶん昔ですが鹿児島にエルビス・プレスリーの熱狂的なファンのYさんという方がおられて話をする機会があった時、「00君、ジョニー・キャッシュは先づSUNレコード時代をきかなきゃだめだよ!」と言われたことが今でも耳に残っていますが・・・・・今思うと本当だったな~と思います。
さてこのアルバム、サン・レコード時代の曲を集めて後年発売されたもの。
でもキャッシュのカントリーとして初めて聴くには不適当なアルバムだと思います・・・・・なぜって、ハンク・ウィリアムスの(1)Cold Cold Heart や 民謡といってもよい(2)Goodnight Irene、カントリーの名曲(7)Born To Lose(空しき人生)などが入っているのに まぁ~重苦しいサウンドのオンパレードで、正式にレコード用に録音したのではなくて自宅でくつろいでギターでも弾きながらちょっと1曲歌ったようなものを寄せ集めて後から伴奏やコーラスを重ねて作ったのではないかなあ~といった感じがします・・・・・各曲が全て2分以内かちょっと過ぎる位の短さなんですね。
この時代のJ・キャッシュのバンドはルーサー・パーキンス(ギター)とマーシャル・グラント(ベース)の2人だけのThe Tennessee Twoとジョニーの生ギターだけのラフサウンドということなので、ピアノとコーラスはあとで付けたんでしょうね。  Columbiaレコードに移ってから後も基本的にはこのスタイルは変わらなかったからJohnny Cashの原点を知るという意味ではいいかも知れません・・・・・・・ジャケットが気に入って昔バーゲンで見かけて超安値で買ったものの1~2回聴いただけで棚の奥にお蔵入りしていました・・・・が、先の映画を見て(私の中では)復活してきたレコードでした。
SUNレコード時代の多くの代表曲は比較的安いCDが沢山出ているので求めやすいと思います。  ジョニー・キャッシュは1980(昭和55)年にCountry Music Hall Of Fame に選ばれています。

なお、ジョニー・キャッシュの数あるアルバムの中でもこのLPジャケットが最高と私自身は思っています。
コメント (3)
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