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西部劇と懐かしのカントリー&ウェスタン日記

現代とはかけ離れたOld Countryの世界ですがずっと続けていきます。興味のある方は時々のぞいてみて下さい。

懐かしのカントリー&ウェスタンー183ー ( アーネスト・タブ )

2011年09月06日 | 懐かしのカントリースター
 Ernest Tubb (3)
日本盤 ビクターレコード MCL-1061 Midnight Jamboree (原盤はアメリカ Decca Records)

(1)テーマ: Walking The Floor Over You (2)The Same Thing As Me (3)I Only Meant To Borrow (Not To Steal) (4)Boy With A Future
(5)I Hate To See You Go (6)The Hands, You're Holding Now (7)Rose City Chimes (8)I'm Sorry Now (9)Pass Me By (10)Sweet Lips (11)I Want You To Know I Love You (12)Shoes (13)It Is No Secret ( What God Can Do ) (14)テーマ: Walking The Floor Over You


アーネスト・タブ ( 1914~1984年 テキサス州出身 ) の1962(昭和37)年発売の擬似ライブレコードです・・・・・これは日本で1975(昭和50)年に廉価盤として出されたものですがもっと以前にも出ていて2回目の発売と思います・・・・・廉価盤が出た時はとてもうれしかったものです。 ”擬似ライブ ”というのは歌の合間に司会者のおしゃべりや歌手の紹介コメント、聴衆の拍手を入れて本物のライブみたいに編集したレコードのことです。このレコードでは往年のグランド・オール・オープリーの名物司会者だった Grant Turner という人がホスト役を務めているのですが、タブ自身も準ホスト役みたいな形でよくしゃべっているのでライブの楽しい雰囲気が十分出ていて古き良き時代のカントリー&ウェスタン時代を堪能することができます( CDにもなっていればいいんでしょうがその辺のところは不明 )。 ジャケット写真も見ただけで Country & Western と判るナイスジャケットで 壁にでも掛けて飾るのにもいいかなぁ・・・・・前でスティールギターを弾いているのは若き日のバディ・エモンズです なかなかのハンサムガイですね。

さて内容ですが、司会のグラント・ターナーの紹介でタブのテーマ曲 ” Walking The Floor Over You ” に乗ってアーネスト・タブが登場して(2)The Same Thing As Me を歌います。息子の Justin Tubb (1935~1998年 テキサス州出身、カントリー歌手としても有名でした)が作った唄ですといって歌うんですが、単純な曲ながらバディ・エモンズのスティール・ギターがきれいでカントリーフレイバー満点で しょっぱなから盛り上げていきます・・・・そしてタブ自身がウィルバーン・ブラザーズ( Teddy & Doyle Wilburn )を紹介して兄弟が(3)I Only Meant To Borrow を歌い、次に登場するのが当時のデッカレコードのニューフェースだった(?)と思われる Jerry Hanlon という歌手で(4)Boy With A Future(未来のある少年)を歌う、やや鼻にかかった声ですがなかなか上手です。その後にまたタブの歌で(5)I Hate To See You Go を披露して、次に登場するのがなんと 当時のカントリーの女王キティ・ウェルズ ( 1919年~現在 テネシー州出身 )で マーティ・ロビンス作の(6)The Hands, You're Holding Now を歌う・・・・・そして圧巻はバディ・エモンズのスティールギターをフューチャーした演奏だけの曲(7)Rose City Chimes です、 ウーンさすがに上手い!!惚れ惚れとしてしまいます。 バディ・エモンズはスティールギターでジャズを弾くくらいの人ですから相当の腕前なんですけど アーネスト・タブのバンドではタブの歌を引き立たせるための黒子に徹しているんですね、こんなところがやはりプロ中のプロと云えるんだと思います。B・エモンズの演奏で前半が終わります。 
擬似ライブとはいえ編集が上手いので聴衆の拍手なんかも的を得ているのでほとんど違和感がなくて楽しい感じです。

さてB面の後半ですが、古いヒルビリーソング(8)I'm Sorry Now という曲でタブの登場のあと これも当時のデッカレコードの新進だったと思われる女性歌手 Linda Flanagan が(9)Pass Me By を披露、なかなか上手いです。 先の Jerry Hanlon にしろこの Linda Flanagan にしろ後世に名を残すほどのカントリー歌手にはならなかったようですが、今から思えばアーネスト・タブのレコードに採りあげられて名前を残しただけでも十分幸せだったといえるかも知れません。 Ernest Tubb 自身も歌手として若い頃に苦労しているようなので若手の歌手や、自分のバンドメンバーにチャンスを与えるなどの配慮をした人といえます・・・・・だから ” Daddy 'Em All ” と呼ばれてみんなから慕われたのでしょう。

さて次に登場するのがウェッブ・ピアス( 1921~1991年 ルイジアナ州出身 )で(10)Sweet Lips という曲を歌い、再びタブが出てきて(11)I Want You To Know I Love You を歌います。後半のハイライトはパッツィ・クライン( 1932~1963年 バージニア州出身 )でしょうか・・・(12)Shoes という曲を歌います。 そしていよいよフィナーレに近くなってタブが 有名なカントリー歌手だったStuart Hamblen 作のセイクレッド・ソング(13)It Is No Secret を歌い終わると、またテーマ曲と共にショウが終わります。 

今は亡きカントリー歌手がほとんどですが、こうした人達の歌をライブ感覚で聴くことの出来る音源はこれはこれで楽しいものです、バック演奏は全てアーネスト・タブの The Texas Troubadours がつとめているのでスティールギター、ピアノ、時にフィドル(カントリースタイルのバイオリン)ありの 純カントリースタイルですから安心して聴けます・・・・・・9/4日曜日の朝にコーヒーを飲みながら久し振りに聴いてみたレコードでした・・・・・とってもよかった。  
擬似ライブ盤なんていう作り方はもう恐らく作られることはないかな・・・・・
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懐かしのカントリー&ウェスタンー182ー ( ジェンクス・テックス・カーマン )

2011年08月19日 | 懐かしのカントリースター
 
Jenks Tex Carman (1)

米国盤 Crown Records CST-324   ” Tex ” Carman 

(1)Beverly Ann (2)Wreck Of Old # 9 (3)Wild And Wooly West (4)Pal Of My Heart (5)Wondering・・・・ウェブ・ピアスの曲とは異なります (6)Wildwood Flower (7)Wolf Creek (8)Get Along Pony (9)My Baby I'll Be There (10)Border Town (11)My Hawaii Calls


米国盤 Modern Records MST-837 ” Tex ” Carmen / Country Caravan

収録曲はまったく同じ


今回はとっても珍しくてマニアックといえるかもしれない往年のカントリー歌手です。
私がこのテックス・カーマン( 1903~1968年 ケンタッキー州出身 )という歌手の名前を初めて知ったのは高山宏之さんの「 ウェスタン音楽入門 」( 1963=昭和38年 音楽之友社 出版 )という本でした。テックス・カーマンの歌に接する前に名前だけ知っていたということで、実際に 彼の写真を見たり歌を聴いたりしたのは1971(昭和46)年に東芝レコードから発売された「 Wanted 」(CR-9311B)というタイトルの2枚組LP (下の写真・・・以前ブログに載せています) にあった ” Dixie Cannonball ” という曲が初めてでした。往年の Capitol Records 社専属のカントリー歌手を集めたもので 今では珍しいものになっているかな・・・・・テックスはジャケットの右上に載っていて拡大してみました
 

高山さんの本には以前オムニバスレコードで ”逢いたかったぜ ”という曲が紹介された・・・・・となっていましたが 買えない時代のものなので Jenks Tex Carman という歌手は自分にとっては全く未知の人だったのです。 ” Dixie Cannonball ” を初めて聴いた時はもう驚きでした・・・・・この曲はハンク・ウィリアムスも歌っている Train Song ですが ハンクとはイメージがずいぶん違っていたのです・・・・・テックス・カーマンのものがはるかに躍動的で(豪快ともいえる) Train Song らしかった。 好奇心いっぱいの私にはこの1曲でテックス・カーマンに興味を覚えるだけの十分なインパクトがありました、でも情報は全くないまま過ぎて・・・・・ところがある時アメリカから買っていた中古レコードのリストに2枚のレコードが載っていたのです、興味津々で買ってみたのが見出し写真の2枚のLPレコードです、ともに5ドルだったかな・・・・・廉価レーベルらしく、盤質も粗悪なうえに古くてジャケットも痛んでいました。

びっくりしたのはこの2枚、ジャケットは違っても中身の曲が全く同じだったことです、それに青空のジャケットの方は1曲目に針を落とすと 針がズーッと滑っていって終わりの曲になってしまうくらいに盤面がすれていて 針圧を重くしてやっと聴けるといった代物でした。それとクレジットされている(6)Wildwood Flower (カーターファミリーの有名な曲)が入っていなかったこと・・・・・もう唖然とすることばっかりで 初めてのことだったので ” なんということだ !!” でした・・・・アメリカの大雑把なところかなあ。 というわけで 2枚目のブルーのレコードはジャケットだけ眺めて楽しむものになったのでした(内容が1枚目と同じだからいいけれど)・・・・・ジャケットは昔のカントリーらしくて気に入っています( smile )。

さてこのテックス・カーマンのカントリー、一言でいうと まあとてもひとには聴かせられないようなヒルビリー臭プンプンの垢抜けないものです、でも後年ドイツの Bear Family Records 社から3枚のCDとステージ模様を収めたDVDが1枚出されているところをみると 非常にユニークな特徴のある歌手だったことがわかります。 私は興味があったのでベアファミリーのCDまで買って聴いてみましたが その解説なんかにも彼のことは unique なんていう単純な表現ではなくて too raw(粗野な), too reckless(向こう見ずな), too outside for Music City USA(とてもナッシュビル向きじゃない)、 hybrid hillbilly、odd and unusual(風変わりな) なんて言葉が踊っています。 おまけに「 Tex Carman は音楽はどんな風に演奏されるべきかという自分流の rulebook を持っていた 」とか 「 彼にはリズム感が欠けていた 」-なんて書いてあるんですね。 

要するにテックス・カーマンの歌や演奏は一般的な音楽規範から全く逸脱した規格外音楽だったということなんですね。 テックスは普通のマーチンギターの弦高を高くして横にして肩から吊り、左手で金属バーをスライドさせながら右指でピッキングするスタイルで 形式はスティールギターやドーブローギターと同じなんですが同時に歌も歌うんですね・・・・・それもずいぶんアクの強い歌い方です(なかなかよい雰囲気の唄もあります)。 こんなに風変わりで型破りのスタイルであれば普通ならLPレコード(CDも)が出たりはしないと思うのですが よっぽど1950~60年代当時の聴衆に強力なインパクトがあったのでしょう(ヴォードビリアン出身でお客を楽しませる術に長けていたというべきか)・・・・・・アメリカ人はユニークで特徴のある人は大好きなんですね、けっこうレコードが出されていたようです。
ドイツの Bear Family Records 社が3枚もCDを出しているのなんかも結局私が彼のユニークさに目をしばだたせたのと気持ち的には何ら変わらないんじゃないでしょうか(興味津々ということ)・・・・・今の時代からするとなんだか漫画チックですがどことなくユーモラスで憎めない気がするんですね。 とてもビル・モンローやマール・トラヴィスと同じケンタッキー州出身とは思えないんですね(smile)・・・面白い存在なのでまたCDについても後日載せてみようと思っています
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懐かしのカントリー&ウェスタンー181ー ( ウィリス・ブラザーズ )

2011年08月01日 | 懐かしのカントリースター

The Willis Brothers (1)

米国盤 Hilltop Records JS-6035 The Sensational Willis Brothers


(1)Footprints In The Snow (2)Axe Cabin (3)Billy The Kid (4)Patonio ( Pride Of The Plains ) (5)Morning Glory (6)Pretty Diamonds (7)Blood On The Saddle (8)Sally's Bangs (9)Black Jack David (10)Tattooed Lady


私がアメリカのカウボーイソングに興味を持って色々なレコードを集め始めていた1970年代中頃に この Willis Brothers にアメリカの Starday Records 社から出ている「 Code Of The West 」( SLP-229 )というLPレコードがあるのを知りました・・・・・長い間欲しいなぁと思っていて そのうちどこかで出逢うだろうーとのんびり構えていたものの35年くらい経った今でも手に入らずじまいです。アメリカの中古レコード屋さんのカタログなんかにもあまり載っていなくて状態のよいものになるととても高価らしいのです。

ウィリス兄弟は往年のアメリカのカントリー界では花形スターで Grand Ole Opry ( 古くからある有名なカントリーミュージック ショウ ) でも長年レギュラーで活躍していたようなんですが、日本ではあまり馴染みがなくてレコードもオムニバス盤で採りあげられるくらいだったようです・・・・・この日米でのギャップの理由はよく判りません。彼等の一番の活躍時代のスターデイレコードから7~8枚くらいのLPレコードが出ていてその一部を聴いてみたもののモダンサウンドが多くて Truck Driver Song だったり Novelty Song と云われるものだったりで Cowboy Song でも歌いそうなステージでの彼等の出で立ちや楽器編成(ギター、フィドル、アコーディオン等)と落差があるんですよね。 オクラホマ出身だから当然ウェスタンスイングや カウボーイ ソングなんかも得意なはずなんですがそれがあまり前面に出ないもどかしさがあるんだと思います。

私にとっての興味は彼等が初期の Oklahoma Wranglers (以前ブログに載せています)と称していた頃や前記のウィリスブラザーズとしてのカウボーイソング アルバム「 Code Of The West 」、そして後年ジョニー・ボンド( 1915~1978年オクラホマ州出身 )と組んで CMH Records 社から出した2枚のカウボーイソングのアルバム( 以前ブログに載せています )に興味があるくらいです。 Cowboy Song や西部調の歌、Western Swing 調の曲を演る時のほうがずっと魅力的な気がしますが 時代の流行がそれを許さなかったといった方が正しいのかも知れません。

このレコードはレーベル( Capitol、Mercury、Decca、Starday など)を超えてたくさんの廉価LPレコードが出ていた不思議な Hilltop Records ( Pickwick Records とも )の1枚です。 恐らく Starday Records の原盤を使ったもののようで Starday Records 1枚目のLP「 Willis Brothers In Action (SLP-163) 」 の一部内容が入っていて西部調の曲も数曲入っているので手にした時はとても嬉しかったものです。
以下ジャケットの解説を訳したものです・・・・・・・・

「 ウィリスブラザーズのプロとしてのキャリアは1930年代のオクラホマ州 Shawnee にあったラジオ局 KGFF から始まりました・・・・そこからミズリー州 Kansas City にある KMBC ラジオ局の the Brush Creek Follies Show へと進出していったのでした。第二次世界大戦で兵役のために一時活動停止を余儀なくされたのですが、4年後にはテネシー州 Nashville ( the Country Music Capital of the World となっている )を本拠とする WSM ラジオ局の世界的に有名なカントリーミュージック ショウである Grand Ole Opry のレギュラーメンバーとして復帰したのでした。

ところで、ウィリスブラザーズは Country Music の世界で3つの ”重要な first ”を持っています。 ひとつ目は不滅の Hank Williams のバック演奏を務めたこと・・・・・ハンクが放った多くのヒット曲のバック演奏つまり ”Drifting Cowboys ”を務めたということです。2つ目はミズリー州 Springfield のアメリカ全国向けテレビショウだった Jubilee USA の最初の出演者をつとめたこと。3つ目は、通常はクラシック音楽の殿堂であるワシントン D.C.地区にある Costitution Hall にカントリーミュージックアーティストとして初めて出演した-ということです。(私見:ハンク・ウィリアムスのバック演奏の件は判りますがあとの2つの重要度は私にはわかりません)
Willis Brothers が出演するダンス集会、舞台、晩餐会、学校行事、教会行事などは常に売り切れ状態で ずば抜けたショウ能力を発揮しているといえるでしょう。 They can vary their show according to the audience and perform a wide range of ballads, novelties, instrumentals, and sacred song. さらに別の素晴らしい特徴があって 他のカントリーミュージックスターの物真似をしたりして最高潮に導くような多くのコメディパターンを持っていることです」・・・・・・・・・・以上が解説ですが、茶色文字にした原文が彼等の幅広いスタイル特徴を表わす key sentense なんだと思います。

このレコードは彼らの色々な音楽スタイルを楽しめるものになっていて、3人のコーラスを中心にしているのは当然ですが 楽器編成もホンキートンクピアノあり、バンジョー、アコーディオンありフィドルありで聴いていて楽しげな雰囲気が出ているものになっています。ブルーグラスの方で有名になっている(1)”雪の足跡 ”のほか 古謡になっている(3)”ビリー・ザ・キッド ”やテックス・リッターの歌で有名な(7)”Blood On The Saddle ”、有名なフィドル曲 ”Maiden's Prayer(乙女の祈り)”を使った(6)”Pretty Diamonds ”などです。  

今の日本では全くといっていいほど聴かれないグループでしょうが・・・・・Oklahoma Wranglers(オクラホマ ラングラーズ)と名乗っていた時代の Willis Brothers のCDがイギリスの非営利レコード会社 B.A.C.M ( British Archive of Country Music )から1枚出されているようなので後日とりあげたいと思っています。
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懐かしのカントリー&ウェスタン 180 ( カール・バトラー 1 )

2011年07月03日 | 懐かしのカントリースター
 
Carl Butler (1)

米国盤 Harmony Records HS-11185 The Great Carl Butler Sings


(1)Cry You Fool Cry (2)Your Cold Heart Told Me No (3)Kisses Don't Lie (4)I'll Go Steppin' Too (5)A Victim Of Lie (6)My Cajun Baby (7)Borrowed Love (8)You Can't Insure A House Of Dreams (9)Jealous Heart (10)If I Could Spend My Heartaches


カール・バトラー()は往年の米コロンビア カントリーの豊富なカントリー歌手群の中にあっては比較的地味な方に属する人で、一人でも あるいは細君のパール・バトラー()とのデュエットを組んで歌い始めてからもそんなに目立った活躍といった方ではなかったと思うのですが、それでも特徴である dynamite voice と呼ばれた豪快なシャウト唱法は本格的な正調カントリースタイルに合って 魅力あるものだったと思います。普通は1960(昭和)年の大ヒット曲 ” Don't Let Me Cross Over ” 1曲だけで覚えられている歌手といっていいかもわかりませんが、私の感想では私達日本人好みの曲になりそうな隠れた佳曲がたくさんあって、先の ” Don't Let Me~ ” よりもそうした曲の方が好み・・・・・になりそうなんですね。今は顧みられることのないカントリー歌手の一人だと思います。

このレコードは米コロンビアレコードの廉価レーベル Harmony Records から出されたもので、私が安いレコードをアメリカから直接買っていた頃の1枚、船便で約2~3ヶ月かかって届いた頃なのでけっこう思い入れがあります。
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懐かしのカントリー&ウェスタン ー178ー (ファーリン・ハスキー 3 )

2011年03月21日 | 懐かしのカントリースター
 Ferlin Husky (3)
米国盤 Capitol Records T-2439 Ferlin Husky Sings The Songs Of Music City, U.S.A.


(1)Lasting Love (2)My Home Town (3)Big Old Moon (4)The Race Is On( 歌:Orlo & Marvis Thompson ) (5)Marie, Mary, Patricia, Eileen (6)Money Greases The Wheels (7)Green Green Grass Of Home (想い出のグリーングラス)(8)Blue Canadian Rockies (9)It's Not Me( 歌:Marvis Thompson ) (10)What About Me (11)Sack O' Woe ( 演奏のみ ) (12)Strangers


東北~関東地方の大地震と津波のことで大揺れの日本でしたし、未曾有の人的、物的被害に音楽どころではないという気持ちが強くてブログは休止していました。九州にいて何か出来ることはないかな-と思っても節電と募金、献血くらいしか思いつきませんでした。原子力発電の損害はまだ現在進行形だし、現場で作業に当たっておられる方々のことを思うと頭が下がります。”未曾有の ”とは誰も予想もしなかったことが起こった・・・・と考えると誰れに対しても否定的なことや、マイナス思考のことは言えませんね。マスコミの中には早すぎる責任論なんかがあったりしますが 責任をいうのであれば書く方も署名入りの記事にするくらいの責任感が必要と思います・・・・・同じ土俵で戦わないと単なる風評と変わりないといえるでしょう。現在進行形の現場で頑張っておられる全ての関係者、専門家の方達に最大の信頼を寄せて黙って見守るのが一番だと思います・・・・・こういう時に外からしゃべり過ぎるのはよくないと思っています。復旧には数年以上かかることは必至で、計画停電などで不便を強いられることも初めての経験で大変なことがまだまだ続きそうですが頑張って乗り切ってほしいです。

私は原子力発電に反対ではありません・・・・・資源のない日本ではある程度仕方のないことだと思っていましたが、人間のやることに100%完全ということはない-ということを自然の猛威の前に思い知らされてみると やはり原油や原子力に頼らなくても済む代替エネルギー開発が是非とも必要だと感じます。

さて、この間に往年の名カントリー歌手ファーリン・ハスキー( 1925~2011.3.17 ミズリー州出身)が亡くなったという情報に接しました・・・・・一般的には ”Wings Of A Dove ”や ”Gone ”、ジーン・シェパードとのデュエット曲 ”A Dear John Letter ” 等のヒット曲で知られている人でした。でも彼も1970年代頃からは日本ではほとんど忘れられたような存在だったことは否めません。 昨夜 F.ハスキーの歌で初めて聴いたのは何だったかなあ-と思い出していたら 自分的には前記の曲ではなくてずっと後になって買った Hilltop というレーベルの廉価盤オムニバス LP に入っていた Western Swing 調の ”Electrified Donkey ” という曲と、綺麗なワルツ曲 ” Flowers Speak Louder Than Words ” でした・・・・歌唱力のある器用な歌手だなあと思ったものです。(写真はあるCDに載っていたものから)

今回ファーリン・ハスキーが亡くなったと知って真っ先に聴いてみたのが今日のアルバムにある ” 想い出のグリーングラス ” です・・・・・ファーリンのヒット曲というわけではありませんが ピアノと控えめなスティールギターの伴奏で歌うファーリン・ハスキーの ”想い出のグリーングラス ” にはなぜか魅かれます・・・・・rest in peace
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懐かしのカントリー&ウェスタン 165 ( ドク・ウィリアムス 1 )

2011年02月05日 | 懐かしのカントリースター
 Doc Williams (1)
米国盤 Old Homestead Records OHCS-328 ( 原盤は Wheeling Records V-1542 )

(1)Silver Bell (2)My Old Brown Coat (3)Weary Tired & Blue (4)Roses Are Blooming (5)Merry Maiden Polka (6)Hannah (7)Mary Of The Wild Moor (8)Red Wing (9)Two Little Orphans (10)The Heaven Express (11)I'm Seeking A Harbour (12)The Man In The Moon


今回はちょっと珍しい人です・・・・マニアックと言われるかも知れません、でも Country Legend です-載せておかなくちゃ。
私のブログの初期に Sacred Song として通っている 「夕日の彼方に(Beyond The Sunset)」という曲を作って歌った女性カントリー歌手 ”Beyond The Sunset Girl ” Chickie Williams (1919~2007年)という人を載せたことがあります。 その時に 御主人のドク・ウィリアムスもアメリカでは古くから名の通ったカントリー&ヒルビリー歌手でした・・・・・みたいなことを書いたのですが、その Doc Williams(1914年 オハイオ州出身 ) が(2011年)1月31日に亡くなった・・・・・と、アメリカのヒルビリーサイト ( Old Country Music 主体のホームページ ) に載っているのを見て知りました。 往年のアメリカ Country Music 界では有名であったようですが日本では全く紹介されたことはなかった人ではないか-と思います。

ハンク・ウィリアムスも歌っている ”Beyond The Sunset(夕日の彼方に)” に興味を魅かれて Chickie Williams のレコードを買ってみた時にアメリカの業者さんは同時に Doc Williams のレコードも奨めてくれたのを思い出します。 その時は内容も判らないし値段の高いレコード( Doc 自身が設立した Wheeling Records というマイナーレーベルのものでした) だったので買いませんでしたが、後年になってアメリカの草の根カントリーの雄ともいえる Old Homestead Records 社が再発売した時に初めて買ってみたのがこのレコードです( 彼のfirst album だそうです )。 垢抜けたカントリーではないですが 古いヒルビリーの香りいっぱいの( down to earth な )サウンドでした・・・・・American Country Music の奥深さを知らされるようなレコードでもありました。

1930年代から歌っている-とのことでキャリアは相当古いですが 活動の場所が Country Music のメッカ テネシー州ナッシュヴィルではなかったためでしょうか World-wide の知名度にならなかったのかも知れません・・・・・ウェスト・バージニア州を中心に南部諸州で活動。 ドク・ウィリアムスの声が渋~いカントリーボイスなので まるで ”浪曲子守唄 ”で有名な一節太郎(古っ!)がカントリー&ヒルビリーソングを歌っているみたいな感じです(汗)。 でも、唄の曲調のよいものが多くて しかもバックの演奏陣( The Border Riders というバンド)が古き良きカントリーの雰囲気を出しているのでどうしてどうしてなかなか味のあるものになっています・・・・・生ギター、スティールギター、フィドル( Country style のバイオリン )、アコーディオン、ハーモニカ、フラットマンドリンなどが曲によって入れ替わり立ち代り出てきますし・・・・・サビのコーラスが mountain music style で秀逸、細君の Chickie Williams も加わっているようです。 特に 普通のカントリーではなかなか出てこないハーモニカとアコーディオンが素晴らしい雰囲気を醸し出していて聴きもの。レコード解説によると3人の娘さんがいて Family band を組んで長年演奏ツアーをやっていた・・・・とのこと。

参考までに(1)Silver Bell は Wetern Swing のボブ・ウィルスのお気に入りのフィドル演奏曲ですが、ここではドクは唄を歌っています。(8)Red Wing は 演奏だけのことが多いのにここでも唄として歌っています。 (3)Weary Tired & Blue 、(4)Roses Are Blooming それに(7)Mary Of The Wild Moor が秀逸で きれいなヒルビリーの雰囲気が好きな人にはきっと気に入られること請け合いです。  調べてみると今では古いところから新しいものまでCDが出ているようです・・・・・タワーレコードなどでも全く見かけたことがないのでどんなところで手に入るのか不明。 
興味がわけば Wikipedia で Doc Williams と入れて検索すると載っているので見られたらよいと思います・・・・・色々な人がいて ”懐かしの ”Country Music の世界も奥が深いです・・・・・。
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懐かしのカントリー&ウェスタン -164-( ルーヴィン・ブラザーズ 2 )

2011年02月01日 | 懐かしのカントリースター
 Louvin Brothers (2)
イギリス盤 Stetson Records HAT-3057 Ira & Charlie / The Louvin Brothers

(1)Don't Let Your Sweet Love Die (2)We Cold (3)Tennessee Walts (4)Are You Teasin’ Me (5)Too Late(6)Here Today And Gone Tomorrow (7)I Wonder Where You Are Tonight (8)Have I Stayed Away Too Long (9)Nobody's Darling But Mine (10)Why Not Confess(11)Making Believe (12)Take Me Back Into Your Heart


ルーヴィン・ブラザーズの生き残りだったチャーリー・ルーヴィン(1927~2011年 アラバマ州出身 )が亡くなったんですね。以前書いたルーヴィン・ブラザーズの未発表原稿を完成させてブログに載せようとしていたところだったのでビックリしたと同時に残念な思いです・・・・・この年代の人達は高齢ですし 亡くなっていくのは仕方ないことですが・・・・。

このLPレコードは1958(昭和33)年に米国キャピトルレコード社から発売されたルーヴィン兄弟のものをイギリスの Stetson Records 社が許可を得て1980年代になって再発売したものです。同社は、廃盤になって久しくて入手しにくいレコードを原盤のまま発売してくれて好評だったレコード会社でした。アメリカは新しいものを売るのに手いっぱいという感じで Country Music 愛好者が昔の有名歌手達のレコードを渇望していてもなかなか要望に応えてくれない・・・・・といったところがあったので 同社がそこに目をつけたんでしょうけれど(?)・・・・・世界中でよく売れてアメリカのレコード会社も商売になるーと再認識したからでしょうか(?)、CD化が進んだためでしょうか-Stetson Records 社はいつの間にか立ち消えになって(?)、いま思うとカントリー”レコード ”の最後の輝き、ひと時の残り火みたいな趣きではなかったか・・・・・という感じがします。

兄のアイラ・ルーヴィン(1924~1966年 flat mandolin 担当)との絶妙のデュオには忘れがたいものが沢山あります・・・・・私はやはり初めてレコードで聴いた時の ”Alabama ” という唄が強烈に印象に残っているかなあ・・・・・単純なメロディの繰り返しなのに素朴なカントリーを聴いている-という気分にさせてくれたものです。 今日のLPには ”テネシー・ワルツ ”をはじめ ”Are You Teasing Me ”、”Too Late ”、”I Wonder Where You Are Tonight ”、”Nobody's Darling But Mine ”、”Making Believe ” といったカントリーの有名曲が入っていてルーヴィンスタイルで楽しめるものになっていることが特徴だと思います・・・・・もしCDになっていれば絶対にお奨めで、特に ”テネシー・ワルツ ”の美しさにはまいってしまいそうです。それに、アイラが弾くフラットマンドリンは音色がとてもきれいで あまり複雑なテクニックも使っていないのでマンドリンの楽器演奏を学ぶのにとても参考になるーと思います。

さて、兄のアイラが亡くなってからはチャーリーはソロとして活動をしていったようですが、私はソロ歌手としてのチャーリーは全くといっていいほど聴いたことがありませんでした。 再び興味を持ったのは Charlie Louvin & Melba Montgomery として女性カントリー歌手メルバ・モンゴメリー(1938~現在 テネシー州出身 )とのデュエットレコードに出会ってからです( Capitol Records SM-686 という再発レコード・・・写真・・・2人のデュエットアルバムは数枚あるようです )。

 欲しくて買ったレコードではなくて あるレコードバーゲンセールで(カントリーが)それしかなかったから買ったものでしたが、聴いてみたら正調スタイルのとてもよいデュエットアルバムでした・・・・・メルバ・モンゴメリーはかつて George Jones ともデュエットしていた時代もありますがそれにひけをとらない内容。ここでのチャーリーの声はちょっとレイ・プライスに似ている感じで、線の太いメルバ・モンゴメリーと不思議に合って ”We Must Have Been Out Of Our Minds ” とか ”Let's Help Each Other To Forget ” というミディアムテンポの曲などは濡れたような音色のカントリーピアノ、スティールギター、フィドルがよくて カントリーデュエットのよさに溢れていてウットリするようなものでした。チャーリーの声は年とともに渋くなっていく感じです。
ルーヴィン・ブラザーズは2001(平成13)年に Country Music Hall Of Fame に選ばれています。CDもいくつか出ているようです
(2008=平成20年11月の未掲載記事を補足したもの)
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懐かしのカントリー&ウェスタン -162-( マーガレット・ホワイティング&ジミー・ウェイクリー)

2011年01月23日 | 懐かしのカントリースター
Margaret Whiting & Jimmy Wakely
米国盤 Hilltop Records JS-6053 I'll Never Slip Around Again


(1)*I'll Never Slip Around Again (2)*When You And I Were Young Maggie Blues (3)Six Times A Week And Twice On Sunday (4)*Let's Go To Church (5)Close Your Pretty Eyes (6)My Heart Knows (7)When Love Goes Wrong (8)I Learned To Love You Too Late (9)Give Me More, More, More Of Your Kisses (10)*I Don't Want To Be Free


いつも見ているアメリカのヒルビリーサイト ( 昔のカントリー&ウェスタン専門ホーム・ページ ) を見ていたら往年の女性ポピュラー歌手マーガレット・ホワイティング(1924~2011年1月10日 ミシガン州出身)と往年のカントリー歌手ジェイムズ・オーグゥイン(1928~2011年1月19日)が亡くなったという記事が出ていました。James O'Gwynn についてはずっと以前に当ブログに載せていますがまた後日採りあげることにしたいと思います。

マーガレット・ホワイティング 戦前からのスターなので私自身はよく知りませんが、これも往年のカウボーイ & カントリー歌手だったジミー・ウェイクリー(1914~1982年アーカンソー州出身 )との一連のデュエットソングがカントリー界では知られていて(今では Very Classic Country というべきでしょう)、特に ”Slipping Around ”( 1949=昭和24年 )のデュエットヒット曲で有名だった人達です。  

このレコードは昔 私が安いレコードばかりを選択してアメリカから直接買っていた頃に向こうの業者さんが ”おまけです ”・・・・・と入れてくれた中にあった1枚です・・・・M. ホワイティングも J.ウェイクリーも写真が載っていなくてオチャラケジャケットですが内容は正真正銘のアメリカ Capitol Records 社の原盤を使った内容です。 今回マーガレット・ホワイティングの訃報を知って思い出して 倉庫のレコード棚から探し出してそれこそ貰って以来2回目に聴いてみたものです。戦後生まれの私ですから世代的に懐かしいという感慨はありませんが、古き良き時代のアメリカのポピュラー & カントリーソングという感じに溢れています。私たちの世代よりもずっと先輩方にとっては真に ”懐かしい ” といえるんでしょうきっと。

(1)I'll Never Slip Around Again はヒット曲 ” Slipping Around ”の柳の下の2匹目のどじょうをねらった曲でしょう
(2)You And I Were Young Maggie(マギー若き日の歌を)は有名なアメリカ古謡ですが、題名のあとに Blues とついていて、J、ウェイクリーが元歌を-マーガレットがブルース調の別歌を同時に歌って変わった効果を出して面白い構成になっています。(9)Give Me More, More, More Of Your Kisses はレフティ・フリッツェルの唄で有名なカントリーソング

10曲とも主にハモンドオルガンを伴奏にしたデュエットで、音楽的には古い感じですが それはそれで現代には聴かれない雰囲気でなかなかいいものです。調べてみると Margaret Whiting & Jimmy Wakely としては9曲のヒット曲があって( 下記 ) ポピュラーサイド、カントリーサイド共にヒットしたようです・・・・・このレコードでは曲名の前に*印をつけたものがその一部です・・・・・古き良き時代の曲なんでしょう。

・Slipping Around ( 1949=昭和24 )
・Weddin Bells (同)・・・・・・ハンク・ウィリアムスが歌っているものと同じです
・I'll Never Slip Around Again (同)

・Broken Down Merry Go Round ( 1950=昭和25 )
・The Gods Were Angry With Me (同)
・Let't Go To Church (Next Sunday Morning) (同)
・A Bushel And A Peck (同)

・When You And I Were Young, Maggie, Blues ( 1951=昭和26 )
・I Don't Want To Be Free (同)
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お気に入りCD -6-

2009年10月29日 | 懐かしのカントリースター

Eddie Kirk 英国盤 BACM CD D-029 Eddie Kirk  Blue Bonnet Blues
(1)An Arm Full Of Heartaches (2)Sugar Baby (3)A Petal From A Faded Rose (4)When My Castles Came Tumbling Down (5)Blue Bonnet Blues (6)Blues Stay Away From Me(with Cliffie Stone,Tennessee Ernie Ford & Merle Travis) (7)Philosophy (8)Born To Lose (9)No Tears Tomorrow (10)Candy Kisses (11)The Gods Were Angry With Me(with Tex Ritter) (12)You, Sweet Little You (13)Save The Next Waltz For Me (14)I've Lived A Lifetime With You (15)I'd Rather Hear Most Anything (16)Leetle Juan Pedro(with Tennessee Ernie Ford) (17)The Two Years We Were Married (18)Unfaithful One (19)How Do You Mend A Broken Heart (20)Promise Me


Old Country & Western ないし Classic Country が好き-とか興味がある-という人達にとってとても熱心なCDレーベルが幾つかあります。ドイツの Bear Family Records とイギリスの Jasmine Records と British Archive Of Country Music (略してB.A.C.M)はその代表的なもので現在でも精力的に昔のカントリーをCDで出してくれています。3社に共通するのはマーケットを世界中のファンに向けているということだと思います(社名の入力検索でカタログを見れますよ)。

今ではほとんど忘れられてしまったような昔のカントリー歌手の曲をCDで出すわけですから当然そういう形にしないと成り立たないのは目に見えています。本場アメリカが見向きもしなくなった古い歌手を引っぱり出してきて詳しいデータや解説を載せて販売する・・・・・・というスタイルは案外好評のようで本場アメリカもあわてて逆輸入する形でファンのニーズに応えるとか、古きカントリーの見直しをするなんてことに発展したりしているようです。 80年以上の歴史を持つカントリー・ミュージックですから若い世代だけでなくて それぞれの世代が持つ想い出のカントリー歌手がきっといるんだろうし、それに応えてくれているのがこのようなレコード会社なんでしょう。
特にドイツは熱心なファンが多いのか とても詳しい解説を載せたりしているのでそれに刺激されたのか 割合おおざっぱだった本場アメリカのレコードやCD解説もこころなしか丁寧になってきた印象もあります。
アメリカという国は ”新しさ、若さ ” を尊ぶ国なので ”古い”ものはどんどん捨て去っていく・・・・・というようなところがあるので (Country Music に関していえば)逆に他からその価値を指摘されて初めて重い腰を上げる・・・・・なんていうところがあるんだと思います。 ここに挙げたエディ・カークはC-マーケティング(京都のK岡さんという方がやっておられる)というところからレコード、CDを買い始めた時に教えていただいたイギリスの B.A.C.M 社のカタログの中から初めて買ってみたCDでした。 Tower Records とかで買いたいと思っても classic country はほとんど期待できないのが残念です。 簡単な解説が載っています・・・・・

「エディ・カークは今日では完全に忘れられています、しかし1940年代末から1950年代初めにかけて何曲かのヒット曲を出していたことで再考されてもよいだけのものがあると思います。エディ(Edward Merle Kirk)は1919(大正8)年コロラド州 Greeley にある牧場で生まれました。若い頃はいっぱしのボクサーで、18才になるまでの数年間はフライ級のアマチュア競技に出ていたといいます。プロのミュージシャンとしてのスタートは The Beverly Hill Billies に歌手兼ギター奏者として参加した時からです。1935(昭和10)年には Larry Sunbrock に雇われて国中を演奏旅行した経験があります。同じ年には National Yodeling Championship に優勝して2年間そのタイトルを保持しています。 第二次世界大戦中は海軍に在籍、除隊後はカリフォルニアに住んで KXLA 放送局の Hometown Jamboree や KFI/KTTV 局の Town Hall Party (いずれも初期の頃の西海岸で有名なカントリーミュージックショウ)のレギュラーメンバーとして活躍しました、同じ頃に幾つかの西部劇( B-western )にも出演しています。

1947(昭和22)年に Capitolレコードと契約を結んで 翌1948(昭和23)年にトップテンヒット曲となった ”The Gods Were Angry With Me” を出しましたし、1949(昭和24)年にはジョージ・モーガン作の ”Candy Kisses” を歌ってトップテンヒットに輝いてもいます。その後もシングル盤を出し続けたのですがいずれも大ヒットするまでには到りませんでした。 1953(昭和28)年までには Capitolレコードを辞めて RCAレコードに移籍し 数枚のシングル盤をレコーディングしましたが成功に到らずじまいでした。RCA レコード社を辞めてからは徐々に music business に興味を無くしはじめるようになっていきました。後年は飛行機(a passion for flying と表現)に熱中するようになったといいます。 エディ・カークは1997(平成9)年に亡くなってカリフォルニアの Riverside National Cemetry に埋葬されました。
この B.A.C.M 社のCDが発売されたことで 今まで顧(かえり)みられることのなかったこの才能豊かなカントリー歌手のことが見直されることを私達は願っています。 」・・・・・・と述べてあります。

テックス・リッター、マール・トラヴィスといった西海岸の Capitolレコード社草創期のカントリー歌手達に混じって結構名前の通った人だったようですが、先の2人がたくさんのLPレコードを出すまでになったのにエディはヒット曲があったにもかかわらず1枚のLPも出せないまま姿を消していったのでした・・・・・ということはやはり ”何かが足りなかった”・・・・・ということなんでしょう。 でもこのCDを聴くと昔のほのぼのとしたカントリーが甦ってきて-なかなかいいところがあります。トレモロを多用したスティールギターとフィドルの伴奏は真に素朴な時代のカントリーで、エディ・カークがとても歌の上手い歌手であったことがよく判ります。

有名なのは(6)Blues Stay Away From Me (8)Born To Lose (10)Candy Kisses (11)The Gods Were Angry With Me あたりですがエディが歌う ”Candy Kisses”はオリジナルのジョージ・モーガンのものに比べてとても swing していて 特に伴奏のフィドル( country style のバイオリン)のセンスのよさには舌を巻いてしまうほどです。ブルーグラスなんかでは絶対に聴かれないような弾き方で、おそらくWestern Swing 畑の人でないとこういう swinging fiddle は弾かないでしょうし なかなかの聴きものです。私は(12)You, Sweet Little You という曲がとてもメロディラインがきれいな素朴な佳曲で気に入りました。

これはエディ・カークという忘れられたカントリー歌手を顕彰するのに十分なベスト盤CDだと思います。

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お気に入りCD -5-

2009年10月26日 | 懐かしのカントリースター

Merle Haggard (2) 米国盤 MCA Records MCAD-20787  What A Friend We Have In Jesus
(1)What A Friend We Have In Jesus (2)Sing Low Sweet Chariot (3)Suppertime (4)Why Me (5)When God Comes And Gathers His Jewels (6)He Walks With Me (7)Where No One Stands Alone (8)The Old Rugged Cross (9)Softly And Tenderly (10)One Day At A Time


ひんやりする秋深い夜はカントリーファンにとって Country Song や Cowboy Song を聴くのに最適な季節です(正直いってカントリーは夏向きではない・・・・というのが私感)。 今日はマール・ハガードの Sacred song 、Gospel song を聴く。 名の通ったカントリー歌手でセイクレッドやゴスペルなど宗教的な歌を全くといっていいほど歌わない人がいます・・・・・古くは”Blue yodeler”ジミー・ロジャースがそうですし、その後はボブ・ウィルス( Western Swing の王者 )、レフティ・フリッツェル、ハンク・トンプソンなどです・・・・何だかテキサス出身者に多い感じだなあ。 
私はマール・ハガードもその部類に入る人かな(若い頃相当のワルだったようなので)・・・・・と思っていましたが、レコード時代にちゃんとその手のものを出して-”意外”-と思ったものでした。 このCDに入っている曲はどれも名の通った曲です。 音的にはとてもシンプルで、ピアノや控えめなスティールギター、時に女性コーラスをバックに マールもゆったりと・・・・というよりは神妙に歌っている感じです。(1)「友なるイエスは」が一番有名な曲、(2)(3)(8)は語りを入れたもの、特に(3)Suppertime はジム・リーヴスで有名な曲でした。(4)Why Me はクリス・クリストファーソン作の佳曲で個人的にはとても好きな曲・・・・ハンク・スノウの名唱がありますが曲がよいので誰が歌っても映える感じです。 ハンク・ウィリアムス作の(5)When God Comes And Gathers His Jewels はフィドルをいれて歌っています。
全体にかみしめるように歌うマールのスローテンポの歌がほとんどなので(2)(10)あたりはもう少し軽快に歌ってもよかったのに・・・・・と思いましたが・・・・やはり秋から冬にかけて聴くアルバムかな

コメント (2)
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