梶哲日記

鉄鋼流通業会長の日々

義理と人情

2009年09月19日 12時32分48秒 | Weblog
皆さんは幡随院長兵衛(ばんずいいんちょうべい)と言う人をご存知でしょうか。名前の響きからそれとなく聞いたことのある方も多いと思いますが、歌舞伎や講談に登場する江戸時代初期の実在人物です。

今月末に東京鉄鋼販業売連合会で『呼び起こせ!武士道精神』のテーマで秋季講演会が行われるのですが、参加される方と話をしていました。するとその方は、幡随院長兵衛の貫いた“義理と人情”は日本の武士道に通じるものだと言うのです。

その幡随院長兵衛とは。肥前唐津藩士の子で長じて江戸に住み、神田山幡随院の僧との関係から幡随院と名乗り、主に大名旗本に奉公人を斡旋する口入れを稼業とし、任侠の走りとも江戸侠客の総元締めだったとも言われています。

戦国時代が終わり、活躍の場をなくした旗本たちの暴れ者集団である旗本奴(はたもとやっこ)の横暴に庶民たちは苦しめられ、その町人たちも同様なグループである町奴(まちやっこ)を作り対抗しました。彼らは異様な風体をしてカブキ者とも呼ばれ、長兵衛はそのリーダーでした。

強きをくじき弱きを助ける義侠心は人間だれにでもある感情です。警察も司法制度も無く人権や法治等という考えもなかった当時、自分たちを守るためには、対抗する暴力を備えるしかなかったと想像できます。

その根本には“義理と人情”があったとその方は言うのです。人間関係のしがらみや貸し借りから起こる義理と、損得を抜きにした情けや思いやりの人情の、その豊かなバランスがあったのではないかと言うのです。

その方は若い頃から人に言えない苦労をしました。そして幾度かの修羅場を体験しました。そして自分の生き方に覚悟を決めた方です。「梶さん、本当に覚悟を決めたら清々しさだけしか残らないのではないですか」と言い切ります。

義理と人情を大切にし、最後は覚悟を決める、それが大和心であり武士道である。その方の言わんとしていることは、私にも理解が出来ました。
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