梶哲日記

鉄鋼流通業会長の日々

言葉使いと話し方(その2)

2021年02月06日 04時34分06秒 | Weblog
アンガーマネジメントの考え方として、「怒り」を抱くことが決して悪だと捉えるものではなく、むしろ怒りを感じ上手くコントロールするのが重要だと再認識しています。言葉の使い方や話し方において、このアンガーマネジメントにヒントがあるのではないかとの、私の見解は次のようなものです。

アンガー、その怒りはおおよそ人(他者)によって引き起こされます。話し手(他者)の話し方によって、聞き手は怒りとはいかないまでも、イラついたり嫌悪を感じたりします。その違和感を、話し手は感知できるかどうかです。感知力を上げるのは、逆に話し手が聞き手となっている場合に、どれだけイライラし嫌悪を感じたかの経験が生かされるはずです。

つまり、自分自身で怒りを感じなければ、相手の心情も分からない。その怒りを押し殺さないで、鈍感より敏感に感ずることが大切です。怒ることが分かる自分がいるからこそ、相手の違和感を察知出来て、話を変えていく努力をする。相手にどう受け止めてられるかの、言葉の使い方や話し方は、ここにヒントがあると私は考えています。

『人は「感情の奴隷」だということ。それゆえ、いくらエビデンスやデータをそろえて、ロジックをどんなに積み上げても、「感情」を動かせなければ、説得はできないし、共感も得られないということです』。“世界最高の話し方”の著者である岡本純子さんは、その本の中でこのように言っています。岡本氏は、1000人以上の社長・企業幹部の話し方を変える手伝いをされてきた方です。

「感情の奴隷」とは、人は感情というものに飼われた家畜の様なものとの意味です。人間は自分の中にある感情というものに支配され、全てを決定されてしまうリスクがあるとのことです。マイナス感情の最たるものは怒りです。アンガーマネジメントとは、怒りの奴隷になってはいけない、との注意喚起です。マネジメントとして活用されている理由は、その感情を上手くコントロールしなさいとのことです。

岡本氏は相手の感情をコントロール下において、共感を得て説得させなさいと、話し方を展開しています。『コミュニケーションの語源は、ラテン語の「共有」という言葉です。一方的な話ではなく、情報の送り手と受け手の双方のやりとりであり、そこに何らかの「化学反応」が生まれたときに、はじめて人が動くわけです』と、氏は説きます。

私は前回のブログで、「言葉は話し手と聞き手と対(つい)をなす、切り離すことはできない、二つで一つの対だと私は考えます。切り離すことができないとは、聞き手の反応(良い悪い)が必ず対をなしているとのことです」、と書きました。岡本氏の「化学反応」の言葉を借りれば、良い化学反応であれば対は強固に、悪い化学反応であれば対は離反してしまいます。

例えば、家内と話す時に反応を直ぐ感じます。家内とゆっくりと話し合うのは、夕食時です。以前は私が日中あったことで伝えたい話を、家内から聞かれなくても先にしていました。最近は家内から「何か今日あった?」、となってから話すようにしています。人は聞きたい情報だけを受け入れます。相手の扉を開けるのを待たなくてはなりません。

また、私が伝えたい事柄を全部言うのではなく一旦止めて、今度は家内に「何か今日あった?」と聞くようにしています。家内が吐き出してくれれば、また家内に聞く受け皿ができるように思います。家内が話した事の関連で、上手く自分が話したい事が繋がれば、更に聞く側のキャパシティーが生じてくるように感じています。

ほとんどの人は話したがります。聞き手がしっかり受け止めてくれれば心は満たされます。会話でもそうですし人前で話すにしても、これを十分理解して、それこそ「共感」を大事にしなければなりせん。共感は自分の身内や考えを同じくする人たちの間で共有されても、その境界線を越えると、抑えきれない敵意(アンガー)に変わる可能性がありますので。

私の今回のテーマで心掛けたいことは、「聞き手と話し手の同時進行を心掛けあまり語り過ぎない」になります。もっと簡単に言えば、「常に相手の立場で話す」となります。
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