2月28日付で、7名の調教師が定年引退する。明日からの2日間が調教師として最終週となる。その引退する調教師は下記のとおり。
●浅見秀一師(栗東)…代表馬はやはり【天皇賞・春】を勝ったメジロブライト、レインボーラインだろうが、僕はなぜか「ヤマニン」のイメージが強く、ヤマニンシェクルが思い出深い。【阪神JF】を勝って(2着も浅見厩舎のヤマニンアルシオン)、クラシックに臨んだが【桜花賞】3着、【オークス】5着、【秋華賞】2着と一歩届かなかった。当時は間違いなくターフの主役牝馬だった。引退後は繁殖に上がったが、子供たちのはそれほど恵まれなかった。今週は2/26に8頭、2/27に6頭、計14頭出走予定で、明日の小倉2Rに“ヤマニン”のヤマニンサルバムが出走
●古賀史生師(美浦)…代表馬はシンコウスプレンダ、ショウナンアポロンとなるのだろうが、僕も思い出深いのはやっぱりシンコウスプレンダ。今で言う二刀流で、【京成杯AH】や【エルムS】、【マリーンS】などを勝利。ショウナンアポロンも勝っているせいなのか、古賀師と言ったら【マリーンS】のイメージが強くある。今週は2/26に4頭、2/27に3頭、計7頭出走予定。
●高橋祥泰師(美浦)…代表馬は何といってもダート単距離王者サウスヴィグラス。現在の産駒の活躍をみても競馬界の歴史を作った名馬である。僕ももちろんサウスヴィグラスは思い出として大きい存在であるが、それよりより一層思い出に残っているのはタイキフォーチュン。【NHKマイルC】の勝ち馬で、柴田善臣とのコンビは印象強い。【NHKマイルC】以降は勝てず、同じ「タイキ」のタイキブリザードに負けているイメージもある。ただこの馬、マイラーながら【JP】に2回出走してる。それからもう一頭、牝馬のダイナシュガーもなんか印象に残っている。若い競馬ファンの方は、ムッシュシェクル、シクレノンジュエルの母としてのほうが印象があるかもしれないが、僕は当時この馬が牝馬1冠ぐらい獲るのでは…と思っていた。ちなみに【4歳牝馬特別】などを勝った馬だ。今週は2/26に4頭、2/27に【中山記念】のカラテを含む5頭、計9頭出走予定。
●田中清隆師(美浦)…騎手時代141勝している。野平厩舎の馬によく乗り、ブライトシンボリで【ステイヤーズS】で勝利。ただ当時はオープン特別で重賞勝利はない。調教師としては【ヴィクトリアM】を勝ったホエールチャプチャや【オークス】を勝ったレディパラソルが代表馬となる。引退後、両頭とも母としては活躍馬に恵まれていないが名牝であることに間違いない。そんなか、僕が思い出に残っているのはグルメフロンティア。この馬も現在でいう二刀流である。【中山金杯】を勝利して直行で【フェブラリーS】を勝利。競馬ファンの度肝をぬいた。田中師にとって「してやったり」だっただろう。今週は2/26に4頭、2/27に4頭、計8頭出走予定。所属馬は3月に新規開業する嘉藤厩舎に行くことになっている。
●柄崎孝師(美浦)…柄崎師といえば的場均(現調教師)とのコンビ。僕の印象深いのは〇地でありながら【皐月賞】を勝利したドクタースパート。のちに【ステイヤーズS】など長距離でも力を発揮した名馬だ。的場とのコンビで【日経新春杯】を勝ったトーワトリプルも印象に残っているな。そして的場でなく、田中剛(現調教師)鞍上で長く走ったのがゴールデンアイ。【函館記念】などを勝利した無事是名馬的な馬だったなぁ。今週は2/26に5頭、2/27に3頭、計8頭出走予定。
●藤沢和雄師(美浦)…名馬ばかり。獲得賞金順に並べると、ゼンノロブロイ、グランアレグリア、シンボリクリスエス、レイデオロ、タイキシャトル、タイキブリザード、バブルガンムフェロー、シンコウラブリィ、ダンスインザムード、マグナーテン等々。一番思い出が強いのはやっぱりタイキシャトル。【マイルCS】【スプリンターズS】【安田記念】に勝利して短距離、マイルで敵なしだった馬。そして初めてフランス【ジャック・ル・マロワ賞】に勝利した名マイラー。種牡馬となってからもメショウボーラーやレッドスパーダなどを輩出した名馬である。藤沢厩舎のGⅠ馬でないところで僕が記憶に残っているのがマチカネキンオホシ。【AJCC】【アルゼンチン共和国杯】など勝利したが、GⅠにはもう一歩届かなかった馬。GⅠで馬券良く損させてもらたなぁ。先ほど賞金獲得に名前のあったマグナーテンもG1価値のなかった馬。【毎日王冠】【AJCC】など勝っているのだから強い馬には間違いないが、セン馬ゆえに37戦走った馬だ。今週は2/26に7頭、2/27に【中山記念】に出走するコントラチェック、ゴーフォザサミット、レッドサイオンの3頭を含む5頭、計12頭出走予定。
●堀井雅広師(美浦)…代表馬は【帝王賞】【かしわ記念】など地方競馬で大活躍したボンネビルレコード、【京王杯AH】など勝ったマイネルモルゲン。僕の堀井師のイメージはやっぱり「マイネル」。特にマイネルレコルトは強く印象に残っている。【朝日杯FS】を勝利し、【皐月賞】はディープインパクトの4着、【ダービー】はディープインパクトの5着。相手が相手だけにこの結果は仕方ないが、この馬はこの後未勝利に終わった。ただ牡馬で、デイープインパクト以外で同じ年齢のGⅠ唯一勝った馬である。今週は2/26に2頭、2/27に1頭、計3頭出走予定。土曜日中山10Rに出走するチアチアクラシカには武豊が騎乗予定だが、美浦所属としては異例の多さで222回目の騎乗となる。
有終の美を飾れるか注目したい!
明日の予想。まずは中山メイン【幕張S】は7番レッドクレオスで穴狙い。前述の藤沢厩舎の馬。人気はないだろうが、愛弟子杉原が藤沢師に勝利をプレゼントする。相手は4,5,6,8,9,10番。阪神メイン【仁川S】は1番ユアヒストリー。もう少し早く出世すると思っていた馬で、ようやく軌道に乗ってきた。ハンデ差を生かせば馬券になる。相手は3,5,6,7,8,9,12番。小倉メイン【八代特別】は9番ダディーズトリップ。中京より小倉のほうがいい馬で、今の馬場も合うはず。相手は1,4,7,10,11,12番。
今週の一口馬は2頭。まずは明日の阪神9R【伊丹S】(1800mダート)に和田竜騎乗でゴールドレガシーが出走を予定している。陣営によると、「強め程度で好時計をマークして、具合は良好です。心身ともにいい感じに仕上がりました。和田竜二騎手と相談し、今回はブリンカーもメンコも外して臨みます。近走の結果から人気は下げるでしょうが、もともとの力は十分にありますし、巻き返せるはずだと期待しています」とのこと。馬券的にも大いに期待している!もう一頭は“奇跡の馬”アースライザーが小倉10R【早鞆特別】(1700mダート・混ハンデ)に丹内騎乗で出走予定。陣営は「丹内祐次ジョッキー騎乗で最終追い切り。相手が格下ということもありますが、後ろから追いかけて内につけ、悠々と先着しました。前走と比べて楽に動けたとのこと。気配も良く、馬体もシャープに映り、前走からの上積みが見込めそうですね。この路線の総決算のようなメンバーとなり、前走で先着を許した2頭を含め、フルゲート16頭のうち11頭を優先出走権所持馬が占めました。ただ、小倉ダ1700m戦の持ち時計(1.44.1)はメンバー中の最速タイですし、ハンデも据え置きの53kg。十分につけ入るスキはあると思いますし、具合の良さを生かせれば活路は開けるのではないでしょうか」とのこと。転厩したばかりでリップサービスも考えられるが、こちらも期待したい!