風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

歌う

2006-01-24 | 風屋日記
泥雪と融雪剤で汚れまくりの大型4駆。
ツルツルの路面でゆっくり走る車を避けてワイルドな走り方。
運転しているのは怪しげなサングラスをかけた中年オヤジ。
まさかその室内に流れているのがユーミンだとは気づくめぇ。
しかもその中年オヤジは、外からの視線を気にして
あまりそれとわからないように口づさんでいる。
それが今朝の私(笑)

私は、車の中は歌う場所と心得ている。
バンドの練習曲の時もあるし
(時々ハーモニカホルダーつけて、運転しながらの練習も。
 もちろんそんなこと夜しかしないけど 笑)
あるいは懐かしい曲を何となく口づさむことも。
ユーミンの昔の曲は好きなんだ。
たまに無性に聴きたく(歌いたく)なる。
いろんなことを思い出してしんみりしながらね。

童謡歌手だった川田正子さんが亡くなった。
私は小さい頃から歌うのが好きで、
NHKの「みんなのうた」で流れる曲の他、
川田さんの歌で有名な「里の秋」や「みかんの花咲く丘」などを
家の中でよく大きな声で歌ったものだ。
幼稚園~小学校4年生ぐらいまでのこと。
みんな古い歌だけど、他の童謡とは違って、
子ども臭くなく、何となくフィーリングが合ったんだね。

「里の秋」は出征兵士のために
残して来た家族の情景を歌ったものだという。
穏やかにきれいな日本の風景を歌ったものだけど、
幼い私にもその歌の底辺に流れる悲しみや願いが感じられた。
「鐘の鳴る丘」や「みかんの花咲く丘」は
終戦直後の、貧しいけれどもささやかな幸せを明るく歌った歌。
歌っているうちに、明るく幸せな気持ちになったものだ。

今朝川田さんの訃報を新聞で知り、
ふとその頃のことを思い出したりした。
戦時中からの歌手なのに享年71歳は随分と若いが、
少女歌手として有名だった川田さん。
その当時はまだ10歳かそこらだったんだね。
Yahooニュースに載ったその顔は、まだ少女のような笑顔だった。

私の両親は37歳と29歳という、当時としては遅い結婚だった。
そのため母から教えてもらった歌は川田さんの歌のように
戦中・戦後の古い歌が中心だったように思う。
死んだ親父は、大学時代にフランス語を学んだこともあり、
「ミモザ館」や「舞踏会の手帳」などの古いフランス映画と、
古いシャンソンを教えてもらった。
シャンソンもよく歌ったね。
意味も分からず、レコードから聴こえるままにフランス語のまねをして、
「枯葉」や「ラ・メール」「パリ祭」などを歌詞も見ずに歌った。
「パパと遊ぼう」は、途中の「♪ U-WA HA HA HA」までまねして。
(フランス語はHを発音しないので、これだと「ゥワ ア ア ア」になる? 笑)
あの頃は歌っているだけで幸せな気持ちになったものだ。

うちの家内も小さい頃はとにかく歌っていたらしいけど、
女の子達と決定的に違うのは
家の外では決して歌わなかったこと。
外では体育会系だったんだよ(笑)
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10 コメント

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わたしもです。 (imuimu)
2006-01-24 16:50:37
私の母は歌がうまくはありませんが、童謡等はたくさん唄ってくれました。

題名は正確に覚えていないのですが(^^;)たくさん私も唄えます。



息子にもたくさん唄ってやったのですが基本中の基本くらいしか覚えていないようです。サッちゃんとかゾウさんとか、お手手つないでとか。

先日、おもちゃのマーチを唄ってやったら『何?それ?』と笑われました。ちょっと寂しい母でした。



ユーミン・・私は荒井由実時代が好きです。

そう言えば最近歌をうたってないな~
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>imuimuさん (風屋)
2006-01-24 17:41:41
荒井由実時代のユーミンは涙なくしては聴けないですよ(笑)

色んな胸キュンの思い出が詰まってます。

・・・って、エエ歳こいたオヤジのセリフじゃないっすね( ;^^)ヘ..



私は歌ってますよー。

バンドで、カラオケで・・・今年はまだ歌ってないか。
返信する
車内一人カラオケ (あぶさん)
2006-01-24 21:16:14
>あまりそれとわからないように口づさんでいる。



あります!あります!も~年がら年中!!

最近は“Paul Simon"のCDを懐かしく思い車内でかけているのですが。今日も“You can call me Al”のサビの部分で「ユーキャン コール ミー アーール♪」とシャウトしてましたがな



You Can Call Me アーホー
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>あぶさん (風屋)
2006-01-24 22:59:13
くれぐれも真っ昼間からシャウトはお気をつけ下さい。

対向車から見て、これほど間の抜けた姿はありませんので(笑)

私も夜、帰り道だと、思いきりスウィングしながら、

あるいは膝を叩きながらシャウトしてます。

夏など、たまに窓を開けているのも忘れて(^^;
返信する
想像しました (にっち)
2006-01-25 00:19:13
運転しながら歌っている風屋さんを想像したら、生きているって楽しいなぁ~と思わされました。

今日初めて、お腹の底から笑えたように思いました。
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>にっちさん (風屋)
2006-01-25 08:12:45
ガタイのデカい中年オヤジには似合いませんわな(笑)

でもいいんです、私が楽しけりゃ(^-^)

通勤時の車の中は1人っきりの個室ですもんね。

おまけに片道1時間ものプライベートな時間。

大事にしなきゃ(笑)
返信する
涙が出ます! (ドンママ)
2006-04-19 12:01:43
「鐘の鳴る丘」は私の亡くなった父がよく歌っていました。本当に歌の大好きな父でした。♪緑の丘の赤い屋根~と始まるのですよね。

「里の秋」は主人の母が好きで、昨年亡くなりましたが、病院のベッドで私が一人の時、危篤状態の時の義母の耳元で小さい声で歌ってあげました。その後そして親族一同誰一人欠けることなく義母を見送ることができました。ドクターは、「このようなことはまれなことであり、お母様はさぞ幸せなことだったでしょう」とおっしゃってくださいました。
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>ドンママさん (風屋)
2006-04-19 12:22:53
「歌は世につれ」って言葉がありますが、

歌の背景にはいろんな風景や思い出が詰まってますよね。

旋律やリズムだけではない、それらがないまぜになって

歌の魅力となっているのでしょう。

だから同じ歌でも人により受け取り方が違うのかなと。



「鐘の鳴る丘」に歌われている「トンガリ帽子の時計台」

のモデルは岩手県奥州市にあります。
返信する
風屋さんへ (ドンママ)
2006-04-19 13:35:58
いつの日かその場所へ行ってみたいですね。父がここのところは、こうやって歌うんだぞと教えてくれたことを思い出します。母ではかなり音はずれがきついので相手にならず、私を相手にしていたと思うのです。まっ、私も人のことは言えませんが。(笑)
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>ドンママさん (風屋)
2006-04-19 18:32:16
かつて病院だった建物だと思います。

詳しくはよくわかりませんが、

確か保存されていると思いました。

>その場所
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