風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

縄文の魂 東北のいのち

2011-10-23 | 生活の風景
昨日
母校の創立80周年記念式典後に行われた記念講演は
大先輩である宗教学者の山折哲雄先生による
「縄文の魂 東北のいのち」と題した話。
「先程の在校生諸君の雄叫びはすごかったですねー
あんな迫力ある話ができるかどうかわかりませんが
しばらくお耳を拝借します」
と、穏やかに、優しくユーモラスに始まった講演は
平易なことばながら熱い内容だった。

東北を代表する芸術家3人を挙げての説明。
山形出身の斎藤茂吉は死と生の対極について、
青森出身の棟方志功は
「わ(私)だばゴッホになる」と宣言して家を出たとの話から
生涯誰にも師事せず
(梅原龍三郎に基礎を教わりはしたが後に否定)
最後まで孤高を通した魂の強さについて、
そして郷土の先達宮沢賢治さんについては
賢治さんの著作「農民芸術概論」の中の
「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はありえない」
という有名なことばと、
代表作「グスコーブドリの伝記」の主人公ブドリの自己犠牲と
相反する概念の考え方に生涯苦しんだ賢治さんの
そのいのちの揺らぎについて語られた。

震災の被害を被った岩手県。
早い段階で津波被災地を巡った山折先生は
悲惨な風景を背後にしつつも
いまだ息づく魂といのちの熱さを感じ思わず祈ったという。
それこそ縄文の魂・東北のいのち。

写真は昨日の岩手日報に掲載された式典についてのの全面広告。
「不撓不屈」もまた東北の魂。
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