風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

惑いつつ、今を生きる

2011-10-19 | 生活の風景
風が立ち、浪が騒ぎ、
  無限の前に腕を振る。

その間、小さな紅の花が見えはするが、
  それもやがては潰れてしまふ。

風が立ち、浪が騒ぎ、
  無限のまへに腕を振る。

もう永遠に帰らないことを思つて
  酷白な嘆息するのも幾たびであらう……

私の青春はもはや堅い血管となり、
  その中を曼珠沙華と夕陽とがゆきすぎる。



これがどうならうと、あれがどうならうと、
そんなことはどうでもいいのだ。

これがどういふことであらうと、それがどういふことであらうと、
そんなことはなほさらどうだつていいのだ。

人には自恃があればよい!
その余はすべてなるまゝだ……


       (中原中也「盲目の秋」より)
コメント
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