吉澤兄一のブログ

お江戸のど真ん中、平河町から、市井のトピックスを日記風につづりたいと思います。

2016(平成28)年、月々の私撰俳句。

2017年01月02日 | Weblog
一月:・室礼もあしらひも無し寝正月 ・初日影逝く人送り清かなり ・薄日さす坪庭の隅石蕗咲きぬ

二月:・豆撒きも鰯も無しや夕餉の膳 ・山深く湯樋のにほひ春隣 ・菱餅や三方もなく内裏雛

三月:・子らはしゃぐ群がる鯉に雛あられ ・チチッと鳴く頬白誘う麦の笛 ・はじめての母娘のエステ桜咲く

四月:・岩団扇群れ咲く林風さやか ・肥後豊後地震のありて春闌 ・山深き小沼や署き三槲

五月:・いのち画く若冲展や若葉燃ゆ ・里山を逆さに見つつ田植かな ・薄暑なり老々介護涙して

六月:・山頂だ汗ばむ肌にあいの風 ・大奥を偲ばす御苑や夏椿 ・内定を祝ふ家族や花柘榴

七月:・ダム守の仰ぐ青空半夏生 ・山鳥の声の哀しや旱湖 ・台風を退けて上陸ポケモンGO

八月:・ふり返る日月長し広島忌 ・落蝉をいたぶる風や欅坂 ・二百十日鎮守の森や静かなり

九月:・曼珠沙華じじばば孫子巾着田 ・秋寒しもんじゅ原発廃炉へと ・雁落ちぬ北の古沼の葦の音

十月:・海山の秋の恵みや糸魚川 ・秋時雨からくり館に子らの声 ・一人酒衣被ぎ剥くしずけさよ

十一月:・一日中探しものする秋深し ・鵯の声の高きや介護園 ・柿枝やロコモの悩み冬に入る

十二月:・冬ざるる里の家々薄灯り ・音を踏む枯葉の道や吾が生家 ・年の瀬や大火の町家糸魚川

2016年を振り返り、自分の句集から月3句を私撰した。私好みで俳句の作法のチェックもしていませんが、一年の回顧の参考にしていただければ幸甚です。
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