吉澤兄一のブログ

お江戸のど真ん中、平河町から、市井のトピックスを日記風につづりたいと思います。

スーパーPB食品売り場の見えない罪

2009年05月21日 | Weblog
 行きつけのスーパー食品売り場(品揃え)の縮図が、家庭の冷蔵庫の中だと思っていた。お客様の希望を最もよく反映した品揃えをしているのが、スーパーの食品売り場だとも思っていたが、どうも最近は様子が違うようだ。スーパーのマーチャンダイジング(品揃え)は、スーパーの都合で決めるようになったらしい。とてもお客様の生活や希望をマーチャンダイジングしているとは思えないのだ。

 むかし、スーパーのMD(品揃え)マネージャーは、まるで生活民俗学者のように商圏内のお客様の冷蔵庫や台所の探査に出向いた。他人には見せることがためらわれる冷蔵庫のなかを丁寧に観察させてもらっていた。お年寄りの世帯の生活や台所から、結婚したばかりの世帯の冷蔵庫の中まで、見せてもらっていた。

 自分たちのスーパーや店の品揃えや商品の陳列売り場が、お客様の冷蔵庫の中や生活とズレていないか、冷蔵庫のプロジェクション(反映)になっているかどうか、毎日考えていた。自分たちの食品売り場の品揃えが、お客様の希望を品揃えしているかいないかを、いつも考えていた。いまは、違う。

 スーパーの食品ショウケースを冷蔵庫代わりにしているイメージの消費者も多い。自宅の冷蔵庫の中の食品模様とスーパーのそれが似ていると思っていたからだ。いまは、違う。とてもスーパーの品揃え陳列食品と自分の冷蔵庫の中のイメージが違いすぎるからだ。最近のスーパーの食品は、プライベート・ブランド一色なのだ。自宅の冷蔵庫の中をあるスーパーのPBパッケージ品一色にすることなど、とても出来ない。

 ふつうのご家庭の冷蔵庫のなかには、約50から80ぐらいの食品があり、これがそれぞれ違った顔(メーカー、ブランド、デザイン、彩色)をしているのが、それがふつうでドアを開けたとき”ほっとして”楽しいのだが、これがあるスーパーのプライベートブランド一色になった光景は、殺風景で空おそろしい。

 スーパーの食品売り場はスーパーのもので勝手だが、PB一色の食品売り場にして、顧客消費者のいろいろな商品から得る情報や楽しみや発見を奪うことがいいのかどうか、スーパーさんに考えてほしい。スーパーのプライベートブランド戦略やその姿勢が、ただいまの消費者のスーパー離れを加速させているとは思いませんか。一番お客様の近くにいて、一番お客様の生活を考えていないスーパーの最近が、ただいまのスーパーの下降を招来しているとは思いませんか。
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