晴走雨読

晴耕雨読ではないが、晴れたらランニング、雨が降れば読書、きままな毎日

『4-2-3-1』

2008-07-11 21:09:28 | Weblog
 『4-2-3-1 サッカーを戦術から理解する』(杉山茂樹著 光文社新書 2008年刊)

 この本、随分と売れています。3月発売で、既に7刷です。
著者は言います。この本はサッカーの戦術の話しであり、布陣の話しである。サッカーは監督で決まります。サッカーの主役は監督です。

 これまでは、私は、どちらかと言うとサッカーを「もっと走れ、1対1で負けるな」と根性論で見ていたが、読み終わって、サッカーの見方が変わったような気がします。面白くなりました。次の、コンサの試合が楽しみです。



 そして、いくつかの鉄則がわかりました。

 「中盤を制するものが試合を制す」から「サイドを制するもが試合を制す」に変わった。サイドの攻防に注目です。中盤は360°の攻防ですが、サイドは片方がラインのため、180°を意識すればいいのです。果たして、コンサのDF,MFのサイドには攻守に長けた選手が配置されているでしょうか。

 サッカーは、野球と違って守備と攻撃の区分がありません。自陣ゴール前に引いて守ることが守備ではない。できるだけ高い位置から積極的にボールを追いかける=守備をすることで、攻撃性が保たれる。コンサの守備的FW(完全に形容矛盾)中山元気が使われる理由はこうしたことからなのでしょうか。

 トルシエが中村俊輔を使わなかった理由は、俊輔がカルト宗教の信者であったからではなく、俊輔のディフェンス能力が低いためである。それは守備において1人、人数不足を招くことになるからです。

 バックラインを高く、ゴールキーパーがスウィーパーの役を半分兼ねる必要があります。

 戦術的交替、それは、ベンチに下げる選手と異なるポジションの選手を投入する選手交替術です。これを実践するためには、複数のポジションをこなせるユーティリティプレイヤーが必要になります。

 3バックで両サイドのポジションが低くなると、実質5バックになり、そのため、後ろに人が多いので、高い位置でのプレスがかかりにくくなり、ボールを奪う位置も低くなる。相手ゴールまでの距離は遠いし、攻撃を仕掛ける人数も少ない。パスコースも少ないので、ロングボールを用いたカウンターになりがち。

 決定力不足解消の近道は、バイタルエリアを目指すのではなく、ゴールラインとペナルティエリアラインが垂直に交わる地点より内側(ペナルティエリアの最深部)に徹底的にこだわることです。

 岡田武史監督の言う「接近、展開、連続」は狭小で感覚的なフレーズであり、戦略、布陣をどう考えているのだろうか。



 単純に、3バック、4バックのどちらが良いというものではなく、もっと有機的に選手がどうエリアを意識して、自分の役割をどう意識して、どう動くか、それが問題なのだと思います。布陣と戦略が読めるようになりたいと思います。
コメント
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