晴走雨読

晴耕雨読ではないが、晴れたらランニング、雨が降れば読書、きままな毎日

『労農派マルクス主義』 その2

2008-07-09 20:04:43 | Weblog
 著者の問題意識を掴むため、「はじめに」から部分引用する。

 「昨今の日本社会は、マルクスが示唆したとおりの深刻な矛盾におおわれているものの、社会主義を標榜する勢力はふるわない。」

 「一方、ヨーロッパでは労働組合はよく闘い、世界のいたるところで新自由主義に抗する運動がひろがっている。それらは資本主義のシステム自体を問題にせざるをえないから、マルクス主義の発展の豊かな土壌をなすだろう。」

 「資本主義の矛盾が激化しても、運動主体が歴史的に鍛錬されていなければ、社会は腐敗し閉塞する。日本ではこの主体が思いのほかもろく、社会変革の展望が見いせないでいる。」 
 
 「今日、ソ連社会主義の総括という重い検討課題はあるものの、見解が戦略次元で対立するほどの情勢の複雑さも、国際的環境もあるとは思えない。また左翼全体が世界にも例がないほど後退させられるなかで、社会主義の再生のための共同作業が共通の責務となっている。」



 今、私が読んでいるのは、明治社会主義の黎明期から、第一次日本共産党結成あたりまでで、「労農」発刊前位までの時代であるが、先回りして気になるのは、その後、労農の歴史がずっと進み、現代になると、労農派の一部の流れは社会主義協会に繋がっているという事実である。

 私たちは、日本社会党にも影響力を持っていた向坂逸郎代表がいつまでもソ連社会主義を擁護していた事実を覚えている。そのあたりの叙述もこの本のポイントである。
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