1月中旬に分娩予定の馬が、その朝から流産だが、肢が4本産道へ入ってきて、頭は触らず難産だとのこと。
流産が難産になることはあるが、妊娠月齢が早いと胎仔が小さいので、月満ちた分娩より容易であることが多い。
「こんなの持ってきちゃって・・・・」
と担当の獣医さんの弁。
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枠場に入れて、リトドリンを投与して、産道潤滑剤を入れて、
うちのアラフォーの獣医さんが手を入れるが、彼はギックリ腰の療養中。
力が入らないみたいで交代。
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別の獣医さんが手を入れる。
牧場で、後肢を牽引しながら、前肢を押し込もうとしてきたらしい。
だから、もう後肢を牽引して、尾位にして出すしかないのかもしれない。
しかし、枠場でやってみても怒責が強くて前肢を押し込めない。
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それで、私に交代。
中の様子を把握して、
後肢の産科チェーンを強引に引張ってもらう。
途中でバキッと音がしたが、胎仔が出てきた。
まだ、小さい。
胎仔は最後の1ヶ月あまりで急速に大きくなる。
難産は胎位、胎勢、胎向を修正しないと出てこないが、胎仔が小さいなら別だ。
胎仔と胎盤は検査のために家畜保健衛生所へ届けてもらう。採血も忘れずに。
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今シーズンはじめての難産症例だった。
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近年は、1年中昼夜放牧されている若馬も多い。
跛行してないか、怪我してないか、風邪ひいてないか、元気は良いか、観察してやることもだいじ。
馬が受診するとき、「持っていく」というのですか?初めて見聞きするように思います。
おかぁさん馬の回復が順調でありますように。
放牧地も好きだけど、人や馬房が好きなおんまさんも多いから昼夜放牧していても、呼び集めてチェックするのも難しくはないのかも。
流星は鹿のおしりほどにめだちますが馬は毛色や流星でお互いをおおよそのところで識別することもあるのかなぁ?と思った。
この時期、晴れると冷える。
「連れて行く」「運ぶ」「受診する」いろいろな表現があると思いますが、馬が自分の意志で自分で歩いていくわけではないので難しいのですよね。英語でもgo ではなく、bring とかになります。
飼主のことも、「畜主」なのか「オーナー」なのか、今レフリーと格闘中;笑。
栗毛、四白流星、なんてのが派手ですよね。写真うつりはまた難しいです。黒鹿毛はよほどの好天でないと真っ黒に写りがち。