病院の待合室に置いてあって読んだ。
おがわじゅりさんの、少年と馬の別れを描いた絵本。
とても優しい絵で、悲しいが温かいストーリーになっている。
少年ときずなで結ばれた乗馬。
しかし、肢を傷めて安楽殺されるしかなかった。
落ちこむ少年。
でも、新しい馬とまた乗馬を楽しむことを「ぼく」は願っているよ。
というお話。
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「白い人」が出てくる。
治せなくて、安楽殺する獣医さん。
残念。
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きのうは
3歳馬の跛行診断からスタート。
High 4 block が効いて、繋靭帯近位付着部傷害が疑われた。
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途中から並行して繁殖雌馬の蹄葉炎の深屈腱切断術。
この青草の季節。
体重オーヴァー、糖質過剰、だと馬は蹄葉炎になりかねない。
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これに並行して、肢軸異常のscrew抜去。
これは立位で。
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午後、私は血液検査業務。
43検体。
ほとんどが、「ロド」「肺炎」「発熱」「ロドチェック」
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手術室では喉頭方麻痺のTieback&cordectomy。
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私は、血液検査を終えて、子牛の剖検。
腹腔内膿瘍から、癒着による消化管閉塞を起こしていた。
これではどうしようもない。
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そのあと、1ヶ月齢の子馬の球節内反の矯正手術 single screw 。
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やれやれ、繁殖シーズンも終わったようだ。
じゃあ対面、あるいは往診して診察していたら防げたのか、そんなに質が高い診察ができているのか?そこが問われると思います。
絵本は抽象シュールですから。そして、馬の長骨骨折や脱臼もほとんどは殺処分されているのが現実ですから、反論できないです。
ペンギン坊やが主人公の海外の絵本を買ったことがあります。それに登場する獣医さんは子象を開腹手術して助けてしまう獣医さんでした。すごいですよね。
リモート診療も現役世代をクライアントに獲得する武器になりますから続ける診療所があるのではないでしょうか。
個人開業に診療分散させるためにも国策として続けるべきだと思いますね。
治せない獣医さんと表現されているならやっぱりスケープゴートだと思います。
コストパフォーマンス考えて治療を選択しないなら全責任は飼養者となる訳ですが、それでも獣医師はそこを責めるわけにもいかず、寄り添っていくしかないのかなと思います。
突き放してしまえばそれこそ薮落ちな訳でして。
損益分岐点で特筆するものがあれば症例報告できるかも知れないですね。
診たらではなくて見たらですね。数に納得です。
developmental phaseと言われるものがここにもあって、そこでとっちめないと、と言うことかと存じます。
獣医さんが悪く描かれているわけではありませんし、現実的かなとも思いますけど、われわれはそうじゃないところを目指して診療してるのでね。
子馬は見たら、ロド感染があるんじゃないか、という目で診る必要があると思っています。血検で強い炎症像があったらまず疑うべきはロド膿瘍です。その率は牧場、日齢、地域によって大きく違うのかもしれませんが。
予約お断り床屋が予約必須になってみたり。
獣医師に限らず白衣というかケーシー着るカテゴリーの仕事はスケープゴートになりがちですね。
諦めのハードルが高いほど次頑張ってね、と思ってもらえるのかもしれません。
立ち回りすねかじりになるほど藪落ちしますね。
草葉の陰も嫌いじゃないですけれど。
この時期ロド疑いで弾かれる割合はどれくらいあるのですか。
押並べてとなりそうですが。。
絵本は、読み終えても手元に置いておく人が多いからかもしれませんね。
獣医さんとしては順当なところかもしれません。活躍して助けたら別な物語になってしまいますし;笑
跛行診断のための神経ブロックは時間がかかるので、往診先ですぐにやる獣医さんは多くないかも。しかし、必須のスキルだと思います。
あまりひどくない繁殖シーズンだったと思います。それでも乗り切った印象もあります。やれやれ、です。
この本、中古でも値段が下がらず、その数が少ない。
残念な生き物という本がありますが、この場合残念なのは獣医さんの扱いですか?
局所麻酔による診断は臨床では大事な手技、スキルなのでしょね。
敗血症のおべんきょの予習をしていて気になったのは細菌培養のこと。治療にあたる医師の苦労と熱意には敬意。
過ぎてみれば、今年も見事に乗り切ってたくさん救命。お疲れさまでした。