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馬医者残日録

サラブレッド生産地の元大動物獣医師の日々

黒毛和種雄子牛の臍帯膿瘍

2019-06-01 | 牛、ウシ、丑

9時に関節鏡手術。腕節骨折、それも左右両側。

10時半に腰痿のX線撮影。

併行して当歳馬の眼の検査。

その最中、黒毛和牛の子宮捻転の依頼。

午後も3頭、手術の予定が入っている・・・・・・「イイや、すぐ連れて来て」

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子宮頚管が開いていて、子牛の頭、前肢が触れたので捻って整復できた。

そのあと少し手間取ったが、経膣分娩させることができた。

子牛は胎便まみれ。

低酸素になると、子宮内で胎便をちびってしまう。

胎便の混ざった羊水を誤嚥すると肺にダメージがある。

拭いているのは、実習生のOさん。

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午後の手術は、

当歳馬の肢軸異常、球節内反。

4歳競走馬の去勢。

そして、

50日齢の黒毛雄子牛の臍の膿瘍。

抗生物質を投与していると小さくなるが、止めるとまた大きくなってきた、とのこと。

気管挿管して、吸入麻酔下で臍帯を破らないように切除・摘出した。

雄牛はペニスが臍に近いのでちょっと難しい。

おまけに、尿膜管や臍動脈、臍静脈がつながっていないか、慎重に切除しなければならない。

膿瘍を破ったら、腹腔が汚染される。

破らず、取り出せた。

ぴよんとついているのは臍静脈。

腫れているがふつうの見た目になった。

膿瘍は切開して、内部の膿を細菌培養しておく。

抗生物質感受性を知ることで、術後の抗生物質選択の指標になる。

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今年は、昆虫にも好ましい天候が続いているようだ。

手術室でもハエ叩きをしなければならない。

シラカバの若葉を食べるコガネムシ。

根を食べる幼虫の被害はもっと大きいらしい。

こんなのまで。

 

 

 


子牛の脛骨螺旋状骨折 ピースあり のプレート除去

2019-06-01 | 牛、ウシ、丑

5週間前に脛骨螺旋状骨折 ピースあり をdouble DCP 固定した黒毛和種雄子牛

経過は良好で、プレートを抜くことにして来院した。

Daily Gain (1日増体量)は良好。

近年はセリでもDGがよろしくないと値段が落ちるのだそうだ。

キャスト固定して寝起きが不自由だったりするとDGは落ちるだろう。

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外貌上、肢の変形はない。跛行もない。いたって元気。

プレートが2枚入っていると、骨癒合の状態は詳細には評価しにくい。

1枚抜いて、X線撮影してみる。

これならもう1枚も抜いて大丈夫だろう。

通常、double plates で内固定したら、step remove と言って1枚ずつ、数週間あけてplateを抜く。

しかし、手間と費用が増すので、1回で済ませられるならそうしたい。

しばらくは、この親子だけでおとなしくしてもらう。

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リンゴの花が咲いた。

ことしは2本咲いたので、またリンゴがなるかもしれない。

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夏の臨床実習の申し込みが来始めているが、セリ(セール)中は生産牧場も育成牧場も忙しくて、予定の手術も往診も暇になりがちだ。

セリを見てみてみたい、のでなければ避けた方が良いだろう。

今年は、

セレクションセール 7/16

サマーセール 8/19~22

セプテンバーセール 9/17~18

オータムセール 10/15~16

となっている。

また、建て直しの計画があるので、秋以降は宿泊施設には泊まれなくなるかもしれない。

いちおう、お知らせです。