馬には古典的には息労と呼ばれる病態がある。
人の喘息に似た疾患で、咳、努力性の呼吸を示す。
発作性に悪化することもあり、季節性に重篤化することもある。
しかし、多くは慢性的に、かつ進行性に呼吸困難となり、死亡することもある。
気管や気管支の粘液の貯留、気管支の収縮、やがては気管支周囲の平滑筋の増勢や肺気腫といった肺の器質的変化が起こる。
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かつては、厩舎に閉じ込められがちだったり、重労働させられていたり、埃や刺激性のガスに曝される馬に多かった。
たとえば、馬車馬。
日中は重労働させられ、排気ガスや寒冷感作を受け、労働時間以外は狭い馬房に閉じ込められる。
カビが生えたり、埃っぽい敷料の換気の悪い馬房はアレルゲンに満ちている。
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慢性閉塞性肺疾患 COPD と呼ばれていたこともあるが、ヒト喫煙者のCOPDとは病態が異なるので、COPDではなく反復性気道閉塞 Recurrent Airway Obstruction と呼ぶことが提唱されている。
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今は、サラブレッド生産地では息労の馬を診ることは少なくなった。
放牧時間が増え、厩舎も良くなり、換気や敷料の質にも注意されるようになったからだろう。
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もし、息労の症状を示す馬がいたら、アレルゲンとの接触を減らすことをまず考えたほうが良い。
厩舎内で症状が出るなら、可能なら24時間放牧する。
それは無理なことが多いので、厩舎の換気を良くする。
敷料は牧草やワラから、埃がたたないチップや、ペーパーにする。
もちろん尿からアンモニアガスが出るようではいけない。
飼料も水で湿らせて与えるようにすれば採食時の埃の吸引を減らせる。
乾草より、ヘイキューブあるいは青草の方が埃がたちにくい。
放牧地で植物の花粉を吸い込むことで悪化する馬もいるらしい。
穂が出た草は刈ってしまう方法もある。
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努力性の呼吸は示さないが、同じ機序の病気があるとされていて、それは炎症性気道疾患 inflammatory airway disease と呼ばれている。
これはプアパフォーマンスの競走馬に気道の炎症を持っている馬がいることから認識された病態なので、競走馬の病気ととらえても良い。
炎症性気道疾患は、初期の、あるいは軽度の、反復性気道閉塞なのかもしれない。
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ってなことを、わかりやすく、しかしふざけず、横道にそれず、しかも短く書くのはたいへんだ。
こうやって思いつくままブログに書くのなら楽しいのだが・・・
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凱旋門賞は残念だった。
それでも立派な結果じゃないか。
3歳牝馬に強いのがいると斤量の点で厳しいのだろう。
生産頭数が減ってしまっているフランスから強い馬が出てくるところも面白いことだ。
多様性。かな?
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仕事が終わってからの散歩は、すっかり暗くなってからになるだろう。
朝もっとあそんでくれ?
はいはい