縦骨折だが螺旋状に亀裂が入っている。
そして、第一指骨の全長の4/5までのように見えるが、遠位部では短い斜め方向へ走る骨折線(?)も見える。
それでも、大切なのは近位関節面をしっかり内固定すること。
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近位関節面をしっかり圧迫したら、次は背側皮質をしっかり内固定する。
第一指骨の近位は皮質がとても薄い。
スクリューが圧迫する力も、皮質骨が厚い骨ほどは期待できない。
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螺旋の方向を判断して、遠位部のスクリューは掌側から背側へ向けて入れた。
これ以上遠位にはスクリューは入れるべきではないと判断した。
ある箇所から突然複雑な方向へ割れていることがあるからだ。
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そして、術後にしげしげとX線画像を高解像度モニターで眺めてみると・・・
第一指骨の遠位端まで亀裂は及んでいた(矢印)。
それも前後割れに近く、しかも関節面に斜めに入っているのでこの部分を有効にとめることはできない。
近位部から割れてきたはずだから、近位部をしっかりとめてあるので大丈夫だろう。
背掌方向のX線画像でもほとんど骨折線は見えなくなっていた。
しかし、キャストは3-4週間は巻いて置いたほうが良さそうだ。