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馬医者残日録

サラブレッド生産地の元大動物獣医師の日々

済州島行1

2016-09-30 | 講習会

韓国の済州大学に乞われて、馬の疝痛についての講義と実習に行って来た。

強烈な4日間だった;笑

日記として書いておきたい。

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面白いことに、韓国の馬は8割が済州島(チェジュド;Jeju)に居る。

済州島には済州馬と呼ばれる在来の馬が居たことや、火山の島で畜産以外の農業に向いていなかったことが背景にあるようだ。

韓国も獣医学教育の国際化を目指していて、済州大学は馬の病院を建築中。

ソウル大学も大動物の診療施設をすでに建設したそうだ。

韓国済州島へは千歳からは直行便はないので、仁川(インチョン)国際空港へ飛び、地下鉄やバスで金浦空港へ移動して、そこから済州島へ飛ぶ。

金浦空港の警察犬。

このラブラドールレトリバー以外にもジャーマンシェパードみたいなのや、マスチフみたいなのが働いていた。

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済州大学は総合大学で、人口60万の済州島唯一の国立大学。

大きな大学だった。

門にはEquine Symposiumの横幕が張られていた。写真撮れなかった;笑

泊めていただいた大学内のゲストハウス。

夜はウナギの焼肉?で会食。

これを薬味と一緒に葉物に包んで食べる。

韓国では当たり前にビールの焼酎割を飲むらしい

その間にショットグラスで焼酎の乾杯を繰り返す。

済州島ではとくによく飲むのだそうだ。

私は胃痛からの病み上がりだったのでこの晩は(笑)ビールだけ。

9月は胃粘膜が白くなるような手術が多く、体調を気にしながらの韓国行きだったが、かえって良かったかも;笑

 

 

 

 

             


公営競馬獣医師協会研修15年

2016-02-14 | 講習会

福島空港と千歳の便が1往復になってしまったので、研修翌日の午前中の便で北海道へ帰ってきた。

暖かい日だった。

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2000年に物江先生とオクラホマへ研修に行って、

「こういう研修を日本でもやりたいんですが」

と相談され、

2002年から始まった研修事業をお手伝いしてきた。

だからこの研修は始まって15年だそうだ。

夏に2回やったことがあるので17回。

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以下、ブログを書き始めてからの記録。備忘録として。

2007 http://blog.goo.ne.jp/equinedoc/e/7aa5c672a556fdb2cf6a52c82bbb1677

2008 http://blog.goo.ne.jp/equinedoc/e/f51e8e01c18c86e54e1764c85b24ef97

2009 http://blog.goo.ne.jp/equinedoc/e/fa94ff763fb5269ed932e5cd8026bce0

2009夏 http://blog.goo.ne.jp/equinedoc/e/a21ae8d2c6498851c86f19f6fcf610da

2010 http://blog.goo.ne.jp/equinedoc/e/b117a194b6f2664d746fc48317b80527

2010夏 http://blog.goo.ne.jp/equinedoc/e/ac74fa1817ec9f7a48f86e2bdf0d740b

2011 http://blog.goo.ne.jp/equinedoc/e/eef2ee888cfdae1d2ed79a9c8d34c273

2012 http://blog.goo.ne.jp/equinedoc/e/12106d4974277e84ce3756b5e2cd5044

2013  http://blog.goo.ne.jp/equinedoc/e/8e973dfbade9c4d3c3dfc8007fdf48ec

2014  http://blog.goo.ne.jp/equinedoc/e/8e973dfbade9c4d3c3dfc8007fdf48ec

2015  http://blog.goo.ne.jp/equinedoc/e/40cfbe712bd8c1450ebe582a3d859372

 


公営競馬獣医師協会研修2016 3日目

2016-02-13 | 講習会

3日目は講義してから開腹手術実習。

腹腔内探査のあと、結腸亜全摘をやっていただいた。

結腸亜全摘はたいへんな手技だが、やらなければ助からず、やれば助かる馬がいるのは間違いない。

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左後肢の蹄葉炎を患い、蹄が化膿し、おそらくそのせいで慢性のフレグモーネも抱えている実習馬。

左の臀筋は萎縮している。

麻酔覚醒起立には吊起帯がとても有効だった。

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午後はキャスト固定の講義と実習。

キャスト固定は骨折馬を助けるために必須の手技だが、実際には理想的なキャストをするのはなかなか難しい。

立位でキャストを巻くときに一番重要なポジションは実は肢を持っている人かもしれない。

キャストをはずすのも実はテクニックが必要。

夜も補習;笑。

キャスト材が期限を3年過ぎていて劣化していたのは残念だったが、

基本を知って、練習していただけたはず。

ちゃんとしたキャスト材ならうまく巻けることは保証します;笑

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きのう、午後は1歳馬の後膝の関節鏡手術と併行して別室でホルスタインの帝王切開。

2週間近く子宮捻転していたらしい。胎子は気腫胎、子宮内膜は変性してしまっていた。

夕方5時には帝王切開が終わった牛を伏臥させたが、6時に診たら肢を投げ出して横臥してしまっていた。

カルシウム剤と高張食塩液を投与して、ホースを口に入れて水を飲ませた。

畜主は搾乳に帰ってしまっていた。

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そこへ1歳馬の外傷の依頼。

来院して立位で処置を試みるが、毛を刈るのも危なそうだったので全身麻酔した。

ワンショット麻酔で、縫合する間、おとなしく寝ていてくれた。

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夜中、1時38分に難産の依頼で起こされた。

来院して、全身麻酔下で失位整復を試みるが進展せず。

早期胎盤剥離で胎仔が早くに死亡したことによる難産のようだった。

結局、1時間ほどやって帝王切開に切り替えた。

胎仔を取り出して、子宮を縫合したあとに様子をみたら、子宮捻転だったのか?とも思えたが、確認できず。

朝、6時半に入院厩舎へ移した。

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ウルトラマンって蹄葉炎だったんだ!?

 


公営競馬獣医師協会研修2016 2日目

2016-02-12 | 講習会

研修2日目は、膀胱結石の手術を頼まれていた。

18歳の乗馬。とても良い馬だそうだ。

膀胱結石の主な症状は、運動後の血尿。

イガイガの結石が膀胱内で動くので、運動後に膀胱粘膜から出血するのだ。

1歳馬、2歳馬、繁殖雌馬、などでも経験があるので、あまり年齢には関係ないのかもしれない。

高齢は全身麻酔や大手術のリスク要因ではある。

それで、吊起帯をつけて倒馬し、麻酔覚醒起立も吊起帯を使うことにした。

倒馬前に吊起帯を付けておけば、その馬の体にフィットさせることができるし、

馬に精神的な馴致もできる。

あくまで研修とは言えオーナーのいる患者さんだ。

そして、雄馬の膀胱結石の手術はいつもたいへんな手術になる。

ゆっくり穏やかに微笑みならが手術はできない。テンション上げる!

私が今まで扱った膀胱結石の中で一番大きいと思う。

例によって膀胱を保持しておくことが最もたいへんだった。

尿道カテーテル留置。

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午後は下顎骨折のプレート固定と、喉の手術のデモ。

切歯骨骨折のワイヤー固定などのための、オトガイ孔と眼窩下孔ブロックの確認。

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とうちゃん、かえってこない。

オラ元気ない。

食欲はないけど、食べる。

だからウンコもでる。

 

 


公営競馬獣医師協会研修2016 1日目

2016-02-11 | 講習会

雪祭りと、中国の春節と、日曜日と、スキーシーズンが重なって、

千歳空港はごったがえしていた。

保安検査場に入るのに何十分も待たされる。

それでも、日中に福島空港へ移動するのは楽。

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今年は、骨折内固定をメインのメニュウにして取り組んでいただいた。

馬の中足骨外顆骨折のラグスクリュー。

第一指骨縦骨折のラグスクリュー。

子牛の脛骨骨折のプレート固定。

大腿骨、橈骨、上腕骨へのアプローチ。

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夜は、研修室で近位指節間関節固定の続き。

もちろん一度の練習でできるようになるわけではない。

しかし、実際に自分でやってみたことがあるというのはこれから教科書や文献を読んだり、

症例報告を聞いたりするうえでも基礎になるはず。

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御歳81歳の馬医者の雄姿。

耳、頚側のおそらくsarcoid。

M&Mチームの3時間以上の努力でとてもすっきりした。

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とうちゃん、オラおいてどっかいっちゃった・・・・