子馬がロドコッカス感染症で死んで剖検に来た。
すっかり痩せてしまっていた。
ロドコッカスは子馬に肺や腹腔内やその他いろいろなところに膿瘍を作る。
腹腔内に大きな膿瘍を作ると、治りきらず、数ヶ月経って死に至ることが多い。
左右の飛節ほかの関節も腫れていた。関節はおそらく細菌性関節炎ではなく、重症のロドコッカス感染のときに見られる、免疫介在性の非感染性関節炎だろう。
いずれにしても、このような子馬は免疫も破綻していて助かる見込みはかなり前からなかっただろうと思う。
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こういう子馬は糞便中に大量のロドコッカスRhodococcus equi 強毒株を排泄していたと思われる。
厩舎の横に作られた小パドックに入れられたりしているが、そういうパドックはRhodococcus equi強毒株で汚染されている。
来年、生まれれたばかりの子馬をそういうパドックに放してはいけない。
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いつもそのことを注意しようと思うのだが、春や夏では手遅れだし、秋では季節外れだし、出産の季節の前が良いかと思うのだが・・・・・・
冬は地面が凍って今さら新しいパドックを作ることも、パドックの土を入れ替えることもできない。
オーストラリアでは放牧地で分娩させることが多いのだそうだ。そして、放牧地で出生した子馬の方が感染症が少なかったという調査成績が報告されていたりする。
日高の1-3月にまねできるかどうかは別にして、生まれたばかりの子馬を、昨年病馬を入れていたパドックに放してはいけない。