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馬医者残日録

サラブレッド生産地の元大動物獣医師の日々

朝の流・難産

2021-02-10 | 繁殖学・産科学

朝、戻ってきたら馬運車が来ている。

出勤したら枠場に難産の馬が入っている。

3月17日予定だが、突然、分娩徴候もなく流産するところ。

前肢、頭は来ているが、後肢1本も産道へ来ている。

後肢を押し込みながら、前肢を引張って、頭が産道へちゃんと来るなら、あとは引張るしかない。

で、かなりやったが、やはり後肢が突っ張っているのか途中から出ない。

それで、前肢、頭を捻って180度回転させてひっぱったら出た。

どうして後肢が外れるのか、なんとなくわかるだろうか?

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胎仔は家畜保健衛生所へ届けてもらった。

ERVは陰性だった。

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午前中、1歳馬の飛節OCDの関節鏡手術。

昼から、新生黒毛和種子牛の脛骨骨折のプレート固定。

なんと下顎も折れていた。

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これも図書館で。

藩主に逆らい上意討ちされた一族の女たちの物語。

ミステリー仕立てになっている。

しかし、この作者のあじわいで、理屈っぽいこと。

               -

オリンピック大会委員会の会長の失言騒ぎで賑やかだ。

問題は、”失言”ではないことだろう。

そんな人が会長をしていて良いのか?

ダメだろう。

どうして辞めない?次が居ない?

アベ?

悪いことして病気を表向きにして首相を辞めたんじゃないの?

モリ・カケはどうなった?

サクラはどうなった?

アンリに金を渡したのは誰だ?

アベノマスクをまた配るのか?

 

 


今年初めての子馬は・・・・

2021-01-19 | 繁殖学・産科学

今朝は除雪しなくても良さそうだった。

午前中、飛節OCDの関節鏡手術。

そこへ子宮穿孔らしい繁殖雌馬の依頼。

例によって右子宮角。

私が思うに、

牛の腹腔の左半分を第一胃が占めているように、馬の腹腔の右側には大きな盲腸や結腸の基部がある。

それで、胎仔は後肢を右へ向けて、背中を腹底から母馬の左へ向けて子宮に入っている。

分娩が始まって産道へ向かうとき、子馬の後肢は右子宮角へはまることが多いのだ。

で、強く蹴りすぎると右子宮角を蹴り破る。

今年初めて観る子馬。

元気が良くて、よかった。

でも、まだ寒いよね~

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子宮頚管裂の再建手術

2020-04-17 | 繁殖学・産科学

難産すると子宮頚管が裂けてしまうことがある。

子宮頚管は、ひょっとこの口のように膣側へ飛び出して締まっている。

それがこの馬は、2時の方向から7時の方向まで欠損している。

こういう状態だと、受胎はするが、妊娠維持できず胎芽死や早期流産を繰り返す、ということになりやすい。

あるいは腹側の欠損だと、汚れや尿が子宮内に入りやすく、不受胎となりやすい。

診断は黄体期が行いやすい。

頚管がしっかり閉まっている状態で、裂け目や欠損を評価する。

再建手術は、術者の好みもあるが、少し頚管がゆるんだくらいがやり易いと思う。

子宮頚管を手前に引張って来易い。

支持縫合をかけておいて・・・

引張っておいて、欠損部の両側を切開する。

過剰な粘膜は切除する。

やってるところはこんな感じ。

簡単な手術ではない。

内層を縫って。

外層も縫う。

この手術には、馬の膣用の開創器が活躍する。

30万くらいした。

が、駄目になる繁殖雌馬が治せるならその価値があるだろう。

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この管内は先月2名の陽性者が出ただけだ。

が、北海道全体が特別警戒都道府県に指定され、日常が続けられるかどうか。

オラはまいにちごはんもらえるですか?

だいじょうぶ しんぱいすんな

 

 


子宮穿孔による腹膜炎の腹腔洗浄開腹手術

2020-04-13 | 繁殖学・産科学

難産で来院歴がある繁殖雌馬が、帰ってからも調子が悪く、子宮穿孔が確認された、ということで来院。

子宮に手を入れると、左子宮角の途中に穿孔部が確認できる。

分娩途中で子宮穿孔したので羊水が抜けてしまい、難産になったのだろう。

子馬は難産で来院したときには死んでいたそうだ。

子宮は2層縫合。

汚れた腹水を排液し、生理食塩液を5リットルずつ入れて抜いてを4回繰り返した。

ドレインを残して閉腹。

術後、何度か疝痛を起こしたが、2日入院してドレインから腹腔洗浄をし、退院していった。

            ー

この繁殖雌馬、開腹手術前の超音波検査では、腹水増量は明瞭ではなかった。

もっと初期だと見逃しかねないので注意が必要だ。

            ー

今年は難産や子宮穿孔は多くない。

雪が少なく、暖かい冬だったからかもしれない。

(これはこの前の症例じゃないよ、その前の症例。;笑)

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早朝散歩のブームが来たりしないのかね。

気分転換、運動不足解消、社会的距離確保、いいと思うんですけど。

田舎じゃ関係ないね。


経膣分娩が不可能な奇形の難産

2020-03-25 | 繁殖学・産科学

夜中に電話で起こされた。

が、すぐ切れた。

折り返し電話すると、帝王切開するということだったが、牧場がやはり帝王切開まではしない、と判断したとのこと。

夜中の出勤をしたら、もう諦めた馬を運び出すところだった。

後肢から産道に入ってきていて、前肢も産道へ来て、頭は触らない、とのこと。

解剖したら、尾位に見える。

しかし、前肢も産道へ向かっており・・・・

そして異常に細い。

この格好で子宮に入っていた。

首の湾曲、前肢の発達異常と変形。

後肢も形がおかしい。

19歳の繁殖雌馬だ。

もう子宮の中で正常な子馬を育てる能力がなかったのかもしれない。

その馬を帝王切開して助けて、20歳で種付けして21歳で無事分娩させられる、と期待するのは無理だろう。

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東京オリンピック2020の延期が発表された。

仕方がないことだろう。

私はそもそも東京でオリンピックをやるって、どうなの?という派だった。

(手伝って欲しいと言われ、やると決まっているならできるお手伝いはすべき、とも思っていたがそれはまた別な判断)

でも、ことここに至っては、この世界的な困難に打ち勝って、立派な大会として成功させよう!と強く願う。

東日本大震災からの復興のオリンピックというより、

人類が未曾有の困難と闘った記念のオリンピックになるだろう。

それも、来年、コロナウィルスのパンデミックがコントロールされていて東京オリンピックが開催されれば、だ。

頑張ろう!

(って言うか、できるだけ家に居よう!っていうだけだ;笑)

                ー

そして多くの人の命がかかっている。

甘く見ない方が良い。

日本はまだコントロールできているように見えるが、いつ感染爆発するかわからない。

若い人も真剣に捉えた方が良い。若い人だって重症化する可能性がある。

                ー

「アスリートファースト」という言葉も聞くが、私はこの状況では違和感を感じる。

スポーツより大事なことがある。

今は、そういう事態だ。