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馬医者残日録

サラブレッド生産地の元大動物獣医師の日々

北海道産業動物獣医学会2013

2013-09-08 | 学会

北海道獣医師大会ならびに三学会に行ってきた。

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今年は帯広畜産大学で行われた。

(十勝支部のみなさんお疲れさまでした!)

大学は私が学生だった頃よりすっかり垢抜けてきれいになっており感心した。

私が学生だった頃はエアコンが付いた部屋などひとつもなかった。

しかし、建て替えでなくリフォームされていて、構造体は変わらないので懐かしさがあった。

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P9054907産業動物獣医学会は演題数80ほど。

そのうち30台近くが馬の発表だった。

牛の発表も興味がないわけではないが、もう私は牛の繁殖とか、栄養関係の発表にはついていけなくなっている。

牛の外科の発表は聴きたかったが、完全に2会場に分かれているので聴けなかった。

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数年前からランチョンセミナーが行われていて、1日目はなんでも吸入麻酔が安全か?という講演を聴いた。

これはとても面白かった。

2日目は迷ったが、カビ毒とその吸着剤の講演を聴いた。

これも興味深かった。

シンポジウムは、野生動物について、ヒグマ、エゾシカ、ワシ、アライグマの生態、共生、駆除の話を聴いた。

まだまだ野生動物を管理するとかコントロールするなどということはできず、まだ調査が始まったところなのだなと感じた。

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今年はまじめに獣医師大会にも出た;笑。

高橋会長の挨拶によれば、北海道獣医師会は府県獣医師会の中で最も会員数が多く、

三学会を独自で開催しているのは北海道獣医師会だけなのだそうだ。

相変わらず、農水省、厚生労働省、環境省の代表としての来賓も祝辞を述べたが、後ろに張ってある「牛白血病の清浄化」にはコメントなし。

ヨーネ病検査についての厚生労働省の曲解への苦情くらい言っても良いかもしれない。

TPPはどうだ?

牛も馬も半数以上は北海道に居るというのに強引に進められている農業共済の1府県1組合化はどうだ?

獣医師会とは関係ないのか?

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2日目はほとんど馬の演題のエンデュランス競技。

勉強と刺激になったが、疲れた。

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な、とうちゃん

オラがいるうちがいいべ

マッサージしていいぞ

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学会幹事会

2013-04-24 | 学会

今日は、札幌で学会の準備のための会議。

往路復路の移動もそうだが、会議自体もなかなかに疲れる。

私が考えていることは現状からたぶん離れていて、しかし意味のあることだと思っている。

ただ、予定調和が好まれるところでは実現しない。

私はNOSAI獣医師と馬の臨床家の代表として会議に参加していると思っている。

以前にも書いたことがあるが、産業動物獣医「師」学会であり、北海道獣医「師」学会だと思っている。

しかし、北海道には3つも獣医科大学があり、それぞれの大学から代表が出ているので、実際には学会参加者の多数を占める臨床獣医師より学会幹事の多数を大学の先生が占めている。

学会。の運営としてはそれはありがたいことでもあるのだが、

もっと臨床獣医師が学会に何を望んでいるか、が基本にあって学会運営がされればもっと盛り上がるように思うのだが、なかなか・・・

臨床獣医師の皆さん、臨床獣医師に学会が重要で意義があると思うなら、そしてもっとこうしたいという意見があるなら、発言したり誰かに伝えないと、いずれ獣医師会の学会でさえ自分達の居場所ではなくなってしまうよ。

日本獣医学会のように;笑。

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オラきょうは留守番した~!

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超音波とX線画像

2012-09-10 | 学会

産業動物獣医学会の外科系、症例報告部門では、超音波診断をとりあげた発表が目立った。

超音波診断装置の性能が向上し、ポータブルタイプが普及し、やっと臨床に汎用されるようになってきたのだろう。

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X線画像は「透けて見える」画像なので、例えば肢の形はそのまま見えるので理解しやすい。

しかし、超音波画像診断では見えているのは肉眼ではまったく見えない断面なので理解しづらい。

また、X線画像はカセットやボードの大きさの画像が得られるが、超音波画像はプローブの大きさの画像しか得られないので、はるかに限局した部位しか見れない。

また、X線画像は骨標本で見られる骨を扱うことが多いので理解しやすい。しかし、超音波では軟部組織を見ようとすることが多いので、さらに臓器や腱や靭帯、関節の構造についての基礎知識が必要になる。

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獣医師でもそうなので、関係者に説明する材料としては超音波画像は説得力にかけることがしばしばある。

骨盤骨折のX線写真を見せて、「ここ折れてますよね」と言えば一目瞭然だが、

超音波画像で、「ここで骨の表面に段差がありますよね」と言ってもなかなか難しい。

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P8042664Mlxray 左は繋靭帯の近位付着部が?離骨折しているX線画像。

右は、同じ部位の超音波画像。

X線画像はどの部位かわかりやすい。

しかし、超音波画像はどこにプローブをどう当てたか説明してもらわないと獣医師でもわからないだろう。

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それでも、超音波画像診断装置の普及、コストダウン、性能向上は素晴らしいことだ。

人医療では超音波検査士という資格認定も始まっているようだ。

われわれ獣医師は・・・・まあ自分達で勉強するしかないか。

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今日は、

朝、神経症状を示して外傷も負った2歳馬が来院。

午前中は、現役競走馬の腕節の?離骨折の関節鏡手術。

球節も腫れていたのでX線撮影したら、案の定、球節にも骨片骨折があったので、そちらも関節鏡で摘出した。

Tiebackの術後1ヶ月の検査。

午後は腰萎のX線撮影。

1歳馬の上腕二頭筋の細菌性滑液嚢炎。

1歳馬の跛行診断とX線撮影。

当歳馬のLawsonia Intracelluraris感染を疑う症例の超音波検査。

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P9012794 P9012796 海辺を散歩するゴールデン。

Santa Monica に見えないのはなぜ?

笑。


北海道産業動物獣医「師」学会

2012-09-09 | 学会

北海道産業動物獣医学会に参加してきた。

前日の午後も1時からX線撮影と去勢、2時から蹄葉炎のドサンコの深屈腱切断とこなしてから出張した。

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今年は演題数と時間配分の関係で、産業動物は完全に2つの会場に分かれた。

89の演題があり、その半分45題を聴いた。

2つの会場に分けるとなると、「感染症・伝染病」関係、「乳房炎」、「繁殖」関係、「子牛」、牛の外科、牛の症例報告、そして「馬」。などのグループに分けた演題を、グループに含まれる演題の数を見ながら2会場に分けることになる。

2会場に分けること自体も考えもので、半数しか聴けなくなるし、

聴きたい演題が2会場に分かれていると、行ったり来たりしなければならなくなる。

おまけに同じ時間帯に聴きたい演題が2会場で重なっていたりするかもしれない。

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しかし、産業動物の演題も分野が細分化されてきているし、それぞれに難しくなってきているので、全部の演題を聴いても理解できないし、聴く必要もないのかもしれない。

今年は私は聴きづらい「乳房炎」や「牛の繁殖」「牛の飼養管理」などの演題を聴か(け)なかったので、集中力を保ちやすかった。

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産業動物獣医学会では参集者は、牛臨床獣医師、馬臨床獣医師、家畜保健衛生所職員、学生、大学教官、試験所・研究所職員、ということになるだろうか。

演題の2分割は、これらの人たちを大きく2つのグループに分ける作業でもあるわけだ。

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私はこの学会は産業動物獣医「師」学会だと思っている。

しかし、症例報告と馬、が主だった会場の演題で言えば、45題中19題が大学からの報告で、学生さんの発表だった。

大学からの発表でも臨床獣医師にとって興味が持てる内容だったり、診療に役立つ内容であればいっこうに構わないのだが、

詳細に調べられていても臨床的な価値に乏しい症例であったり、臨床応用できない研究レベルの内容であったりすると、臨床獣医師が貴重な時間を割いて参加している学会としてはどうなのかなと思う発表もあった。

そして、発表しているのが学生なので、質問されても自分が発表している症例や病気についての知識が不足していて討議にならない場面が見受けられた。

産業動物獣医「師」学会は卒論発表会ではない。

そして大学で研究費を使って研究成果が出たなら、それは日本獣医学会で発表すればいいのにと思う。

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一方で、今大学へ持ち込めば、ここまで検査して解析できるのだな。と感心させられる発表もあった。

海外のように大学病院が大動物診療をしていない日本にあっては、大学からの産業動物の症例報告もまた貴重かもしれない。

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そして、大動物臨床獣医師自身が自分達の症例をもっと大切にして、調べられることを調べ、治せるものを治し、記録できることを記録しておいて、自分達の手で症例報告なり調査報告すべきではないだろうか。

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P9012798 海辺では秋が始まったらしい。

アキアジの釣り人が浜に集まり始めている。

今日は久しぶりにまとまった雨が降って、涼しくなるのだろうか。

まだこの気温だと鮭も寄り付かないだろう。


日本獣医師会学術集会・年次大会2012

2012-02-05 | 学会

P2031827 日本獣医師会学術集会・年次大会に参加してきた。

「参加」と言っても、役員だったので、会場係を仰せつかり、運営する側から学会を見せていただいた。

とても貴重な経験だった。

思えば、新鮮な知識や技術を学ぶことは、かなりの部分を学会に依存しているが、それを主催する側から経験することはほとんどない。

こんなに大きな学会で、いくつもの部屋で、いくつもの発表やシンポジウムや展示が同時進行する学会はあまりない。

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東日本大震災での動物の救護についてのシンポジウムも前半を聴くことができた。

何か自分にもできることはないかと思いながら、無力感に苛まれつつ、災害の時は「獣医より重機」と感じていたが、動物に関しては獣医師ができること、やらなければならないこともあるのだな。と考え直した。

原発事故後の立ち入り禁止区域での牛の様子も、「もうちょっと何とかならないのか」と思わされた。

心情的には、繋がれたまま餓死させるより安楽殺。というのも違う気がするし、野良牛にしてしまうのがそんなに悪いことなのかという気もする。

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120204_191317 交流会(パーティ)でヨサコイを壇上で踊る来賓の先生方。

やるな~

ちょっと密度が高すぎるパーティーだったが、賑やかで良かったのかもしれない。

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授賞式。

学会はコンテストじゃない。という人もいるが、良いものが顕彰されるというのは悪いことではない。120204_132621

逆に顕彰されなかったからと言って劣っているということもない。

良いものは良い。それで良いではないか。

そして、日本の獣医臨床や獣医学ではマイナーと見られれがちな馬でも、良いものはちゃんと良いと認めてもらえるというのは有難く、嬉しいことだ。

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私は、座長をやり、症例報告をし、シンポジウムの司会をし、そして・・・・

一番不慣れな大任は会場係だった。

120205_083711こんなパソコンやマイクや計時や手元を照らすライトや・・・とても扱いきれない。

トラブルがあったらお手上げだ。

発表に動画を使うのにパソコンを持ち込む演者もいるが、そのパソコンで動作を確認していても、接続したとたんウィルスソフトが動き出してメモリを消費し、会場では動画が動かなくなることがあるそうだ。

動画を使わない発表ファイルでも、各会場で学会のメインサーバーから動作させるとサーバーがフリーズしてしまいかねないので、各会場のパソコンのデスクトップ上から動作させるのだそうだ。

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馬のシンポジウムは部屋が満杯になるほどお集まりいただいた。

つたない司会で時間の余裕もなかったが、たいへん充実し、かつ役に立つ内容だったのではないだろうか。

集まっていただいた皆さんと、講演者の先生方にあらためて感謝したい。

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やれやれ、少々疲れた。

難しい手術をしたあとに似て、酒でも飲まないと眠れない感じ。

北海道獣医師会のM先生の心労疲労は私の比ではあるまい。

本当にお疲れ様でした。