今年の北海道産業動物獣医学会の演題数は91!題。馬がたしか19題。
盛況だ。
2日間とも2会場に分かれて進行されるし、2日目の午後も発表がある。
しかし、これ以上増えると困るのかもしれない。
3会場に分けるわけのは良くないだろう。会場が分かれてしまうと聞きたい演題を聞けなくなることが増える。
会場を移る人が増えて会場が雑然とする。
会場を確保する上でも無理がある。
AAEPの年次学会は、申し込まれた演題のうち4題に1題ほどしか発表されない。選抜があるのだ。
AAEPの年次学会は毎年12月だが、発表申し込み締め切りは4月だ。選抜するためにはそれなりの時間も必要だ。
北海道獣医師会の学会で申し込まれた中から選抜するのは現実には難しいだろう。
誰が、何を基準に選ぶかも難しい。
-
北海道獣医師会の産業動物獣医学会と小動物獣医学会は盛況だからか、他の府県からの参加者、発表者もいる。
これは嬉しいような話なのだが、演題数が多すぎるとなると無制限に受け入れるわけには行かないのかもしれない。
北里大学は青森では発表してないのか?
90題も発表があるので、聴きに来るだけでも価値があるとは思う。
しかし、会場はたいてい満杯状態だ。
馬の臨床についても日本で一番演題数の多い学会かもしれない。
馬の会場はいつも席が空いているので、本州の方もどうぞ(笑)。
-
発表演題の中から地区学会長賞と北海道獣医師会長賞が選ばれるのだが、この選考方法についても議論があった。
大学からの発表も一般からの発表と同様に選考の対象とするということになっているらしい。しかし・・・
研究費をかけて、大学の人手をかけて、動物実験を含めた研究で・・・・学術的価値が高い成果がでたら・・・・
日本獣医学会で発表すればいいんじゃないの?
私は、獣医師会の学会は、獣医「師」学会、産業動物獣医学会は、産業動物「獣医師」学会だと思っている。
研究費もない、人手もない、時間もない中で研究発表する努力を評価し、奨励するべきだろう。
我田引水ですか?
-
学生の発表や、卒論でやった研究の発表もあるようだ。
多くの人が聞きたい発表なら良いが・・・・・
獣医師会の学会は会員のものだろう。
学生の練習の場ではないし、卒論発表会でもない。
-
症例報告はどうかという声もあるが・・・小動物獣医学会では一例報告がかなりを占めている。
症例報告が学術価値が低いとは言えないだろう。
Eqine Veterinary Journal は世界の獣医学術誌のなかで Veterinary Pathology についでインパクトファクターが高い雑誌だが、4頭以上の症例報告は受け付けている。
Veterinary Surgery は American College of Veterinary Surgeon の機関誌だが、1例報告も掲載される。
症例をおろそかにしては、臨床獣医学はなりたたない。
-
さきの北大や酪農大での獣医学会は、北海道獣医師会と日程を続けて開かれた。
しかし、私を含めた臨床獣医師が獣医学会を聴いた印象は、「関係ないナ」だろう。
日本獣医学会は臨床分科会でさえ臨床獣医師が興味をもてない演題ばかりだ。
それが臨床獣医学なのか?
今になって、獣医学会は会員数、学会への参加者、発表演題数の減少に悩んでいるようだが、単に日程をつなげて開いてもそうそう盛り上がりはしないだろう。
症例報告は学術レベルが低いと扱うような獣医学会なら、臨床獣医師は獣医学会には集まらないし、その必要もない。
-
改修中の畜産研修センターの屋根裏から出てきたらしい。
つわものどもが夢のあと。
この夏からまた新しい夢が集まる場になればと思う。