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馬医者残日録

サラブレッド生産地の元大動物獣医師の日々

文章の書き方

2013-08-03 | 図書室

日頃、このような悪文・駄文を書きながら、文章の書き方をどう練習してきたか書くのは恥ずかしいが・・・・・

高校で現代国語と漢文を教わった田上先生は九州の出身で、北海道大学で学んだ先生で、好きな先生だった。

中国語にも詳しく、漢文読みではなく、中国語としての発音を含めながらの漢文の授業も楽しかった。

専門分野での著述も続けておられるようで、

「書いた原稿用紙の厚さが、ドンと置いて立つくらい書かないと一人前の知識人には成れない」

などとおっしゃっていた。

私は理系指向の高校生だったが、ずいぶん影響を受けた。

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文章の書き方の本も何冊か読んできた。

この清水幾太郎の本はいつ読んだのだったか・・・・・?

もう内容についても覚えていないのだが、

自分の中に取り込めた部分もあるだろうと思う。

「が、」で文章をつなぐことへの注意もこの本に書いてあったらしい。

、もう覚えていない;笑。

考えをどうまとめて論文にするかが書かれていたはずなので、本当はまた読み直せば良いのだろうが、今はもうその気力さえない;涙。

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この本は、大学のときに読んだ。

冒険家、探検家としても名を残した新聞記者でもあった本多勝一氏によるまさに作文技術本。

文を書く上での注意点は、この本で一番の基礎を学んだように思う。

修飾語は披修飾語の近くに置くことなどは今でも意識し続けている。

なんだか読みづらいなアと思うヒトの文章は、この本に書かれている原則からはずれていることが多いと思う。

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他にどんな文章読本を読んだか、もう覚えていない。

How to 本としてしか捉えていなかったからだろう。

しかし、どんな職業・履歴の人が書いた文章指南本だかはとても重要なポイントだろう。

たしかこの本も読んだ。

この本も新聞記者の手によるものだ。

「文体」は、新聞記事、小説、科学論文などそれぞれの分野で、目的も、好まれるポイントも異なるので、新聞記者の作文技術が普遍性を持ってどんな文章にも役立つかどうかはわからない。

私の記憶に間違いがなければ、この本では、小学校で習った「」の使い方や、句読点の打ち方と違ったことが書かれていたはずだ。

しかし、もちろんその理由も説明してあり、もっともな点もあるので、ときどきそのような使い方をしている。

獣医さんの中には、文と文章を書く上での基本がおかしな人がかなり居るので、一冊も読んだことがないなら、何か一冊、文章読本を読んでみることをお勧めする。

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クイズダービーで有名になった篠沢秀夫教授の手による文章読本も読んだことがあると記憶している。

しかし、amazonで検索してもどうやら記憶にある本とは違うようだ。

廃刊になりもう手に入らないのかもしれない。

何が書いてあったかもまったく記憶にない。

フランス文学者の文章作法は私には見習いたいところがなかったか、あるいは新鮮味がなかったのか??

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今朝は4時起きで、4時半から読み書き作業。

 


ひとりと一匹

2013-08-02 | 図書室

Photo富士丸への手紙というかたちで書かれたエッセイ。

東京の狭い部屋での大型犬との暮らしを書いたブログが大人気になった著者の書き下ろし。

ブログの読者には親しみのある内容だが、ブログそのままではなく書き直されており、

ブログを読んでいない人にも、著者や、著者を取り巻く人たちのことを知ることができる。

そして、富士丸への言葉を通して、著者のひととなりが浮かび上がってくる。

犬を飼っている人は、飼い主としての想いに共感し、胸打たれることも多いだろう。

自分が突然、家に帰れなくなっても富士丸が飢え死にしたりしないように財布に入れてあるカード。

そして、万一のときには富士丸を頼むと友人に頼んであること。

少しでも長生きしてくれ。それだけだ。と結ばれた最後。

しかし、この本の出版後、そう長くはなく富士丸は大型犬としても短い犬生を閉じた。

それを知って読めばなおのこと著者の言葉が胸にしみる。

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7月は関節鏡手術も多かった。

20頭。

飛節OCDに、腕節や球節の剥離骨折、種子骨骨折、大腿骨滑車OCD。

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7月はよく眠れた。

原稿書きや、学会発表準備や、講演準備や、シンポジウム企画や、etc.がなかったから・・・

それももう終わり。

オフシーズンのシーズンがやって来る。


またね、富士丸。

2013-07-13 | 図書室

Photo 図書館でふと見つけて借りてきた。

この犬ブログのことは知っていたが読んだことはなかった。

ミュージシャンの道もあきらめ、奥さんとも分かれ、1DKでの一人と一匹の暮らしを書きつづったブログが大人気となった著者。

しかし、その主人公は突然死んでしまう。

著者の落ち込みはあまりにひどく前後不覚になるほど酒を飲み続ける。

そのあとも容易に立ち直ろうともしない(ように私には思えた)。

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 しかし、なんと表情豊かなワンコだろう。

ハスキー顔で、しかもコリーとのハーフのせいか細面で、

しかも虹彩が青いので、すましていると愛嬌がある顔つきではない。

なのに瞳がどこを見ているかわかりやすく、寄り目になったり、横目になったり、

そして口を開けているとびっくりした顔にも見える。

部屋の中での写真では瞳孔が大きくなってとてもキュートだ。

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 その相棒を亡くして、ひどい状態だった著者も、周りの人の気遣いと、薬と、引越しと、太陽の光と、

そして時間で癒され立ち直って行く。

最後の章がさわやかだ。

はからずもペットロスのルポルタージュであり、私小説でもあるかもしれない。

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きょうは、

5歳競走馬の球節の陳旧化骨折の関節鏡手術。

黒毛和種子牛の骨髄炎と膝関節炎。どちらの病巣もドロドロ。

1歳馬の角膜浮腫。

午後は、2歳競走馬の球節の骨折の関節鏡手術。

夕方、2歳馬の肺出血の検査。

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きょうはよく晴れて、蒸し暑さもなく、さわやかな1日だった。

本州の方たちに申し訳ないような・・・・・

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優駿の門 アスミ 5

2013-06-09 | 図書室

P6094413 中央と地方競馬をまたにかけて展開される物語。

連載中の方にはhig先生?が登場するらしい。

取材では、私が競馬場へ行って手術をすることはありません。

と言ったけど、

どんな獣医師が登場するのか、ちょっと楽しみだったりする;笑。

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今日は、3歳競走馬の喉頭片麻痺のTieback&Cordectomy。

1歳馬の放牧事故の剖検。脳底骨折だった。

午後は、喉嚢真菌症の再診。

当歳馬の後膝の細菌性関節炎の関節洗浄。

当歳馬の癒着疝の開腹手術。

夜、ポニーの赤ちゃんの食道閉塞。

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優駿の門 アスミ

2013-03-19 | 図書室

Photo 先日、取材に来られたコミックを贈っていただいた。

読んでいなかったのが、残念だ。

たいへん興味深く、面白い。

私は地方競馬場の厩舎で仕事をしたことはないが、

妙に「リアル」を感じることができた。

原作が元地方競馬騎手の赤見千尋さんだからだろうか。

それでいて、早川恵子さんの絵は優しい。

主人公の騎手も、調教師も、厩務員も、活躍馬の馬主も、女性。

女性目線での競馬物語という見方もできるかもしれない。

これだけ競走馬を描き込むのはたいへんだろうなと思う。

しかも、馬の感情や思考も表現されている。

私はしばしばカルテに馬や骨や腸管の図を描くが、もちろんこんなにうまくは描けない。

描けないということは、観てないし、理解してないといういことだ。

反省。

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今日は、hysteroscopy子宮内視鏡 のあと、一日会議。