真夜中のドロップアウトカウボーイズ@別館
ピンク映画は観ただけ全部感想を書く、ひたすらに虚空を撃ち続ける無為。
 



 「美人捜査官 中までさはる」(2000『女痴漢捜査官3 恥情のテクニック』の2013年旧作改題版/製作・配給:新東宝映画/監督:渡邊元嗣/脚本:武田浩介/企画:福俵満/撮影:飯岡聖英/照明:伊和手健/編集:酒井正次/助監督:佐藤吏/監督助手:田中康文/撮影助手:岡宮裕/照明助手:広瀬寛巳/スチール:佐藤初太郎/録音:シネキャビン/現像:東映化学工業/出演:蒼生侑香里・山﨑信・十日市秀悦・ささきまこと・中出一漏・飯田まさと・木村崇・西藤尚《SPECIAL THANKS》・佐々木麻由子)。出演者中山﨑信と木村崇が、ポスターには山崎信と木村まさと。だから、そこでまさとが二人並ぶのは不自然だろ。
 背中から強い光を当てられた影に沈み指開きグローブを装着した蒼生侑香里が、ルポライター・桑原(飯田)の車に乗り込む。ジャンヌなるハンドルでパソコン通信を介し桑原に接近した蒼生侑香里は、体を寄せる桑原の首筋にアイスピック的な得物を突き立て刺殺する。正しくヒット・アンド・アウェイと、蒼生侑香里が桑原の車を離脱してタイトル・イン。女痴漢捜査官のマキ(蒼生)と先輩の時子(佐々木)が、時子を餌に痴漢(不明)をトッ捕まへる。前作に引き続き、実際の痴漢捜査シークエンスは序盤ここでの一幕限り。恋人の矢口(中出)が捜査中に再起不能にされて以来囮痴漢捜査に身を投じたマキを、矢口とは同期でもある時子は心配さうに見守る。矢口は闇社会の顔役・伊勢(山﨑)をリーダーに、金貸しの油谷(十日市)、カウンセラーの初山(ささき)、そして桑原の四人が強姦裏ビデオを撮影し、その過程で一人のOL(死体スチールの女が判らん)を殺害した事件を追つてゐた。桑原に続き、マキは診察を受けるフリで半年前から通院してゐた初山も絞殺。時子との出会ひ等挿んで、五百万の借金をこさへた油谷の事務所に乗り込む。マキに追ひ詰められた、油谷の携帯に伊勢から電話が入る。すると激しく狼狽した油谷は暴れて逃走、すつたもんだの末に屋上から墜落死する。最終的に明らかになるその際の伊勢の一言が、単に気をつけろである点には画期的に拍子を抜かれる。
 配役残り、昨今の宮﨑あおい似の西藤尚は、定時になると中途の作業もホッぽらかして帰る初山医院の看護婦。巨漢×スキンヘッド×黒服サングラスの木村崇は、意識を取り戻したマキに大雑把な顛末を語る警視庁の人。
 m@stervision大哥が、“現時点で本年度の日本映画ベストワン”とまで絶賛しておいでの女痴漢捜査官シリーズ第三作。リアルタイムで観てゐておかしくない筈だがまるで記憶にない―結果的にも全く覚えてゐなかつた―ゆゑ、激しく期待して小屋の敷居を跨いだものである。さうしたところが、要は小生にとつての淫行タクシーみたいなものなのか、そこまでの衝撃は感じなかつた。蒼生侑香里は頑丈な目力は買へるものの、口跡はそれなりに心許なく、アクション的にも女松田優作を思はせる、第二作「バストで御用!」のピンク映画界の工藤ちやんこと工藤翔子を、完全に凌駕してみせるほどでもない。始末する相手に一々律儀に身を任せるマキが、伊勢に対し―女痴漢捜査官に志願したのは―「こんなことされても何も感じなくなるためよ!」と叫ぶ台詞は裸映画的には殊更魅力的である反面、それならば、時子だけでなく、マキが痴漢を誘き寄せる囮となる一幕も設けておいて然るべきではなからうか。ラスボスである伊勢の、更に向かうに居るもう一人はピンクの安普請の中では容易に透けて見え、マキを首尾よく眠らせておいて、そこからガッチャガチャにブレる行動は御都合的に解せない。ハード志向の全篇に清々しく親和しない、適当な劇伴の選曲も地味に響く。同じシリアス路線に於いても「バストで御用!」の方が面白くはないかと思へぬでもなく、如何にも陽性なナベシネマ・オブ・ナベシネマといへる第一作「女痴漢捜査官 お尻で勝負!」(1998/脚本:波路遙/主演:工藤翔子)こそを女痴漢捜査官のベストと推す立場に、当サイトは与するものである。え、「とろける下半身」て何それ、4まであるの?(´・ω・`)


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コメント
 
 
 
そうです。 (XYZ)
2013-06-28 13:06:01
4迄あります。
 
 
 
>そうです。 (ドロップアウト@管理人)
2013-06-29 00:24:11
 いやいやいや、いやいやいや。じ、自リンク(;´Д`)
 
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