真夜中のドロップアウトカウボーイズ@別館
ピンク映画は観ただけ全部感想を書く、ひたすらに虚空を撃ち続ける無為。
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2007年九月で消滅した旧本館より継続して使用中の掲示板です
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駄楽ひまなときブログ
行きつけのお店のブログ、下戸なのに。しかも閉めたんだけどね
ツイッタ
戯れに呟いてみたりもする
友松直之のブログ
友松直之監督のブログ、激しくエモーショナル
影への隠遁Blog
山﨑邦紀監督のブログ
To Live and Die in Tokyo
歴戦のピンクス、キルゴア二等兵氏のブログ
こびりつき映画記
サイボク氏のブログ、ピンク映画に関するエントリー多し
BATTLE BABES HC
SHIN氏のブログ、ピンク映画啓蒙運動も展開中
横浜のロマンポルノファンのブログ
そのまんまです
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自己紹介
福岡市在住のピンクス。ピンクスとは、ピンク映画愛好の士、を意味する造語である。
仮名遣ひは正仮名を使用。
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人妻浮気調査 主人では満足できない
は行
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2012年07月05日
「
人妻浮気調査 ゑぐる!
」(2001『人妻浮気調査 主人では満足できない』の2012年旧作改題版/製作・配給:新東宝映画/監督:橋口卓明/脚本:武田浩介/企画:福俵満/撮影:中尾正人/編集:酒井正次/録音:シネ・キャビン/現像:東映化学/助監督:小泉剛/監督助手:松本唯史/撮影助手:田宮健彦・原伸也/協力:鈴木ぬりえ・躰中洋蔵/出演:時任歩・佐々木ユメカ・工藤翔子・大槻修治・田崎敏路・内山一寿・樋口大輔・小泉博秀・伊藤猛)。出演者中、田崎敏路がポスターには田﨑敏路、内山一寿・樋口大輔・小泉博秀は本篇クレジットのみ。それにつけても、実に投げやりな新題ではある。
“信頼と実績の愛情調査”を謳ふ割に、後述する第一作で見せた熱意は何処吹く風。仕事に身の入らない園部興信事務所の私立探偵・園部亜門(伊藤)と、腐れ縁のホステス・宮前晶子(工藤)とが、晶子は客からの求婚もひけらかしつつ何時ものやうに乳繰り合ふ中、タイトル挿んで依頼が入る。缶コーヒーアディクトの亜門が挨拶代りに差し出す一本もけんもほろゝに断る、ポップに刺々しい豊浦真美(佐々木)の依頼は夫の浮気調査、ではなく、不倫相手である中山忠文(大槻)の妻・慶子(時任)の浮気調査。随分な話でしかないが、慶子には間男がゐる筈につきそれを突き止め、結果忠文を離婚させたいといふのである。亜門はひとまづ行動開始、怪しげな一軒家に消えた慶子は、驚く勿れアダルトビデオに出演してゐた。後日、亜門がなほも尾行を継続すると、慶子は堅気ではないと思しき望月裕(田崎)と接触、金を渡した上でホテルに入つた。事後、呆気なくトッ捕まへた亜門に、慶子は身の上を語る。かつては羽振りもよかつた忠文ではあつたが事業に失敗、家に金が入らなくなる。それゆゑの借金を、裸仕事で返してゐるとのこと。配役残り内山一寿・樋口大輔・小泉博秀は、AV撮影現場の男優部。望月の死体発見時には、道端でサッカーにも興じる。協力勢の鈴木ぬりえは同じく現場のメイク担当で、躰中洋蔵が恐らく監督。小泉剛も、半ばヒムセルフの助監督として見切れる。
第一作「
人妻家政婦 情事のあへぎ
」(2000/企画・脚本:福俵満/主演:佐々木麻由子)、第三作「探偵物語 甘く淫らな罪」(2002/脚本:五代暁子/主演:ゆき)、第四作 「
真昼の不倫妻 ~美女の快楽~
」(2003/企画・脚本:福俵満/主演:岡崎美女)と、年に一作づつ都合四作製作された私立探偵園部亜門シリーズの第二作。「甘く淫らな罪」をキチンと再見した後(のち)でなければ、最終的に確定した評は出せないが、それでも結構な自信を以て多分、兎にも角にも主演女優が木端微塵に覚束ない―松岡邦彦の「
義母尻 息子がしたい夜
」(2002/黒川幸則と共同脚本)の時には、さういふ訳でも特になかつたのだが―「真昼の不倫妻」に劣るとも勝らず、今作が一番芳しくないのではなからうか。m@stervision大哥がリアルタイムで完結させておいでのやうに、「人妻家政婦」と同じ序盤である点に関しては千歩譲つて覚えてゐないフリをするならば、望月の顔見せまではまだしも最低限纏まつてゐなくもない。ところが以降の、進展しない事態に真美が無造作に業を煮やす辺りからが完全にガッチャガチャ。望月の忠文襲撃未遂を皮切りに粗雑な道具ならぬ飛びイベントが闇雲に交錯し、展開上の方便のみに従つた真相は、自堕落に二転三転する。挙句に万事が棚から牡丹餅の如く自動口述の台詞頼みとあつては、開いた口の中もカラッカラに乾かうといふものだ。終盤の大転調の初弾、予想外の百合の狂ひ咲きには確かにインパクトもあれ、但しそれを最終盤引つ繰り返してみせるには、<
慶子に口移しで酒を飲まされた亜門が、何時も不思議と寝落ちてしまふ
>段取りを、事前に十全に納得させておいて呉れないと始まらないどころか話になるまい。忠文の死の秘密が明かされる件の、悪い冗談のやうな照明のへべれけさもあんまり。「みんな、私のこと好きだと思つてたのに」、全ての一応残酷な真実が明らかとなる段、慶子が明後日か一昨日を見ながら洩らす嘆息混じりの台詞には、そこだけ切り取ると時任歩らしい決定力が煌くやうにも見えかねないものの、それだけで相談が通るのかといへば些かならず苦しい。但し、計三回殊に―全作共通するフォーマットでもある―開巻とエピローグを占める亜門と晶子の、濡れ場込みの両義的な絡みは、「甘く淫らな罪」を一旦さて措くとシリーズ随一の安定感を誇る。
改めて観てみたところ目を疑つたのが、佐々木ユメカと絡んだ際に、際立つ時任歩の体の大きさは衝撃的。寧ろユメカが、余程小さいのかも知れないけれど。
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