ベニヤ板の絵ができました!
「見ていいよ」と言われたので、すぐにアトリエに行って
見せてもらいました。
ベニヤの木目がきれいに透けて見えるように、
下地をうすく塗った上に描いてありました。
アクリル絵具は、濃いとペンキみたいに不透明になりますが、
うすく使うと透明な水彩の感じが出ます。
板が絵具をすいこむので、全体にしっとり落着いた雰囲気に
仕上がっていました。
…うん、すごく、いいじゃない!
「じいっと見ることのできる絵」が、わたしは好きです。
元気にぽんぽん飛び出してきてお喋りをするような絵は、
最初のインパクトは強くても、すぐ飽きます。
一方通行で、こちらの気持ちを受け止めてくれないからです。
一見地味でも、奥行きがあって、じいっと見ているうちに
だんだん絵の奥に入っていけるような、そういう絵が好き。
B4くらいのサイズの板に描いた片ページの絵が20枚。
その倍の見開きの絵が2枚。あと小さいカットが7枚くらい。
板を買ってきてから、1ヶ月たっていません。ということは
1日1枚くらいのペースで描いてるんだ。早いです。
「早くて丁寧」と、クリーニング店の広告みたいな本人の弁。
ダミーと絵が多少変わっていたところもあったので、
ほんのすこし、ネームを手直ししました。
ページをひらいたとき、誰でも、まず絵をぱっと見て、
それから文章を読んでいきます。「見る」と「読む」の内容に
ずれがありすぎると、もたもたした絵本になってしまいます。
そういうところを直しました。
絵の直しは、よほどのことがない限り、ありません。
Mは、来週、この絵を持って出版社に行くことになっています。
板で重いし、かさばるので、送ったら?と言いましたが、
送って万一のことがあると困るし、自分の作品はやっぱり自分で
届けたいみたいです。力持ちでないとできないお仕事ですね。
この木目が印刷でどこまできれいに出せるか、
あとは出版社と印刷所しだい、というところ。
そうそう、この絵本には、なんと〈閑猫堂〉が描いてあります!
どこにどんなふうに出てくるかは、まだ内緒。
出来上がってのお楽しみ。