閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

カエルのお姫さま

2009-05-26 17:27:01 | 日々
Mの展覧会は無事に終了しました。
ご来場くださったみなさま、ありがとうございました。

えーと、終わったので、この話、もう書いてもいいかな?

会期中、Mは会場に常駐ではなかったのですが、
ある日の夕方、ギャラリーを出たところで、
1匹のカエルに出会いました。
それは小柄な可愛いヒキガエルさんでした。

(ね、だから終わるまで書けなかったのです。
カエル苦手の人が来なくなっちゃうと困るので…)

場所は都内の住宅地の一角。すぐ目の前はバス通り。
時鳥さんやロクダイさんはおわかりと思いますが、
周囲に池もないし、草木の茂った古いお庭などもない。
そんなところに、なぜカエルがちょこんと座っていたのか、
それは誰にもわかりません。
(「展示を見にきたんじゃない?」とわたしが言ったら
「いや、それはないね」と、なぜかキッパリ否定するM…)

とにかく、ほっといたら車にひかれるかもしれないと思ったMは、
ギャラリーに引き返し、てごろなお弁当の空き容器をもらって
カエルを入れ、とりあえずそれを

カバンに入れまして…(おいおい…笑)

どこか適当な場所で放してやるつもりだったそうですが、
その「適当な場所」がみつからないまま、最寄駅に着いてしまい、
約束があったので、そのまま電車に乗って、知人との会合場所へ。

そこで「じつはカバンの中に…」と打ち明けたところ、
知人のひとりが「うちのそばに植物園があるから!」と
引き受けてくれたので、ひと安心して、みんなでお酒を飲みました。
ふと気づいたときには、すっかり夜もふけており、
知人はカエルのことなどケロリと忘れて帰ってしまったあと。

やむをえず、Mは宿泊先の某ホテルに向かい、
くまのパディントンみたいに何食わぬ顔でフロントを通過し、
その夜はカエルさんとご一緒にお泊まりに…(おいおいっ!)

そして翌朝早く、行き交う通勤の人々に怪しまれながら、
なおもカエルの落ち着き場所を探したMですが、
当然のことながら、都心ではどこへ行っても草むらも土もなく、
ビルの植え込みなんかでは餌もなさそうだし、と…

結局、環境省の管理下にある某有名公園にたどりつき、
「動植物持ち込み禁止」の表示の前をすりぬけ、
ずううっと奥の日本庭園の池まで行って、
放してあげることができたのでした。

ぽちゃん。

そのとたん、カエルは美しいお姫様にかわり、
「助けてくれてありがとう」

と言ったかどうかは、知りませんよ。

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