弁理士の日々

特許事務所で働く弁理士が、日常を語ります。

伊勢崎賢治氏は何を?

2009-12-06 11:00:46 | 歴史・社会
アフガニスタン「テロとの戦い」に対する日本の参画であるインド洋上給油を、日本は止めることを決めました。そのかわりに、反政府武装勢力タリバンの元兵士の社会復帰を促すことを中心に、「早急に必要とされる約800億円の支援を行うとともに、これまでに約束した総額約20億ドル程度の支援に替えて、今後のアフガニスタンの情勢に応じて、2009年から概ね5年間で、最大約50億ドル程度までの規模の支援を行う。」という政策です(外務省)。
これだけだったら、「日本はまたも、人を出さず、カネだけ出す国になった」と侮蔑のまなざしを向けられることになると思われました。
ところが米国は、この政策にケチをつけるどころか、今のところ歓迎のコメントのみが聞こえてきます。一体どうなっているのか。

一方、テレビ番組で伊勢崎賢治氏が発言していました。
このブログの10月20日「民主党政権・特に対アフガニスタン」に書いたように、10月18日のテレビ番組では、崩壊の危機に瀕している現カルザイ政権の施政を好転させるべく、日本がやるべき方策を述べていたとともに、直前にアフガニスタンを訪問したと発言していました。
その後、10月21日「伊勢崎賢治氏の最近」に書いたように、10月15日(水)BSフジ「Prime News」「『どうする?対アフガニスタン政策~対テロ支援か?民生支援か?』ゲスト:渡部恒雄 東京財団上席研究員、伊勢崎賢治 東京外語大学大学院教授」(前編後編)という番組に出演しています。米国及びNATO軍は、アルカイーダによってアフガニスタンというイスラム国に引きずり込まれ、終わりのない消耗戦を戦わされています。米軍やNATO軍だけではこの戦いを終わらせることができない。泥沼状態です。このような中、カルザイ政権、米軍・NATO軍、タリバーンの仲に立って、相互の講和を推進しよう。そのための推進役を日本が担おうではないか、といったような話をされていました。

もし、伊勢崎賢治氏が日本政府の意を受け、水面下でこのような活動を行っているのであれば、アメリカとしても大歓迎であり、インド洋上給油の中止も受け入れるはずです。

ところが、その後も注目してきたのですが、アフガニスタンについての情報が一向に発信されません。伊勢崎氏の構想は結局鳩山政権に受け入れられなかったのだろうか。しかしそうだとしたら、アメリカの歓迎ぶりはなんだろうか、と不思議に思っていました。

本日6日、テレビのサンデーモーニングを見ていたら、コメンテーターに伊勢崎賢治氏が見えます。さて何を発言するのだろうかと注目しました。
そして発言です。

「(アフガニスタンの当事者間において)日本は中立国として認められている。
先週、(アフガニスタン)政府首脳やNATOの関係者が東京(日本だったか?)に集まり、非公式の会合が開かれた。」

えっ、東京でそんな非公式会合が開かれたなんて、私は知りませんでした。

日本が音頭を取り、水面下でカルザイ政権とタリバーン勢力との講和の動きが進んでいるのでしょうか。それも日本政府の意のもとに。そうだとしたら、大いに期待したいところです。
しかし、報道に現れなかった非公式会合について、伊勢崎氏がテレビ番組でオープンにしたというのもよくわかりません。

今後の報道に注目しましょう。

なお、再度ネット検索したら、「マル激トーク・オン・ディマンド 第448回(2009年11月07日) アフガニスタンで日本がすべきこと、やってはいけないこと」という記事が見つかりました。この中で伊勢崎賢治氏は、「日本が一番貢献できる分野は、テロとの戦いの名目でアフガンに侵攻したまま抜けられなくなっている米軍と米軍に支えられたカルザイ政権、そしてタリバンとの間の和解の推進ではないかと、伊勢崎氏は言う。依然としてアフガニスタン人の日本に対する国民感情は良好で、日本は欧米諸国に比べてアフガニスタンにいろいろ提案できる立場にある。実際今月末には、ノーベル平和賞受賞者のアハティサーリ・前フィンランド大統領を議長とするアフガン和平会議が東京で開催され、アフガン情勢の打開策が模索される予定だ。」と発言されているようです。
本日テレビ番組での「先週の非公式会合」とは、この会合を指していたのですね。この会合に対する日本政府の関与はどうなのでしょうか。
コメント
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