弁理士の日々

特許事務所で働く弁理士が、日常を語ります。

日銀新型オペ・事業仕分け

2009-12-05 15:15:22 | 歴史・社会
《日銀の新型オペ》
先週1週間の株価の動きは激しかったです。
先々週の週末、11月27日には日経平均株価が9100円を割り、いよいよ8千円台に突入かと懸念しました。
11月30日と12月1日午前、何とか9300円台まで戻したところで、1日の午後に日銀が臨時政策決定会合をこの日の2時から開催することが報じられ、後場に日経平均が9600円近くまで急騰するとともに、為替が円安に振れました。市場が日銀の新政策に大きな期待を寄せたことがわかります。
午後4時過ぎに日銀が発表した新たな政策(新型オペ)は、金利は政策金利と同じ0.1%で、期間は3カ月。国債や社債、コマーシャルペーパー(CP)、証貸債権など「全ての日銀適格担保」を裏づけに資金を貸し出す。供給額は10兆円程度を予定しているというものでした。
発表直後、報道される市場の反応は冷ややかでした。こんな政策では不十分だというものです。
しかし、翌日以降の日経平均株価は上昇し続けました。そしてとうとう、12月4日の終値が1万円を超えたのです。為替も円安の方向で変動しています。

こうしてふり返ってみると、今回日銀が採用した新型オペが十分か不十分かよくわかりませんが、投資家の心理を明るくさせたことは間違いないようです。日銀が政府と共通認識を持ち、断乎とした政策を表明するということが如何に大切か、よくわかりました。

《事業仕分け》
話変わって事業仕分けです。
私もテレビニュースで事業仕分けの様子を見ただけであり、ニュースはおもしろおかしいところだけピックアップしているのでしょうが、尋常でない議論であることは感じました。
政府が行う予算編成について、国民が強く関心を持つようになったということで、今回の事業仕分け、公開の場で議論を戦わせる方法が果たした役割は大きかったでしょう。30分や1時間の議論で正しい結論が出せるわけはありませんが、国民の注目を集める役割は果たしました。
今回の事業仕分けの結論を錦の御旗にして、財務省が予算編成に有効活用することでしょう。
今回の事業仕分けのようなやり方、自民党政権であれば、族議員が寄ってたかって潰しにかかり、絶対に実現することはなかったでしょう。そういう意味でも、族議員が一掃され、しがらみを断ち切って予算の議論ができるようになったわけであり、政権交代のありがたさをつくづくと感じます

事業仕分けが国民の喝采を浴びることで、民主党政権の支持率がかさ上げされ、現政権にとってはプラスでした。ただし、手法はポピュリズム政治そのものです。あくまで“お祭り”と受け止め、政治そのものは冷静に行ってほしいです。

今回の事業仕分けについて、高橋洋一氏が発言しています。高橋洋一の民主党ウォッチ「事業仕分けの限界 埋蔵金まだまだある」です。
2009/11/26 17:09
「国会法等の改正を当初の首班指名国会か今臨時国会に提出しなかった段階で、国会議員の仕分け人は何の権限もなく意見をいうだけの人だ。国家行政組織法等で権限のある財務省の走狗になるのは法的にはわかりきっている。それに、事業仕分けは素人というか国民目線で見直すものだから、何の問題もない。この意味で、今回の事業仕分けは公開性もあり概ね評価できると思う。」
「事業仕分けの限界を認識すべきだ。予算には、事業系と制度モノという2種類がある。事業系予算は、誰にもわかりやすいので、事業仕分けに適切だ。」
「制度モノは話が抽象的で事業仕分けには不向きなので、国家戦略局でじっくり専門家が議論すべきだった。」

事業系予算と制度モノ予算ですか。

そして高橋氏は、雇用保険には4兆円程度の埋蔵金があるはずとの指摘、国債整理基金特別会計には昨年度末で12兆円の基金があるとの指摘を行い、「これを使えば、国債発行額は43兆円になる。さらに、特別会計の埋蔵金や余剰金をかき集めれば、4兆円くらいはなんとかできる。となると、来年度の国債発行額は40兆円を切ることができる。」としています。
「いずれにしても、事業仕分けはそれでいいが、筆者としてはこうした制度モノに焦点をあてていきたい。」ということで、これから高橋氏が、いろいろとあぶり出してくれるようです。期待しましょう。
コメント
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