<3820>奈良県のレッドデータブックの花たち(240)ホザキノミミカキグサ(穂咲耳掻草) タヌキモ科
[学名] Utricularia caerulea
[奈良県のカテゴリー] 希少種
[特徴]山地や丘陵地の貧栄養の湿地に生える多年草で、食虫植物として知られる。食虫植物には葉間に獲物を閉じ込める「閉じ込め型」、粘液を出して捕る「粘着型」、葉柄が変形して袋や漏斗になり、これに獲物を落とし込んで捕る「落とし穴型」、それにタヌキモの仲間のように葉に低圧の捕虫嚢を持ち、水とともに獲物を吸い込んで捕る「吸い込み型」がある。ミミカキグサの仲間はこの「吸い込み型」の捕虫方式を採っている。
捕虫嚢がタヌキモのように水中にはなく、湿地にあるため捕虫嚢の開口部が広く、筒状に深くなって水が溜まるようになっている。葉はミリ単位のヘラ形。花期は6~9月で、高さが10~30センチの花茎を直立し、その上部に極めて小さい紅紫色の唇形花をつける。花には下唇の中央部に白い条の斑紋が入り、距が前方に突き出る特徴がある。
[分布]北海道、本州、四国、九州。国外では朝鮮半島、中国、台湾、インド、オーストラリア。
[県内分布] 奈良市、山添村、宇陀市、曽爾村。
[記事] 大和地方(奈良県域)ではミミカキグサ、ムラサキミミカキグサ、ホザキミミカキグサなどミミカキグサの仲間はみな自生するが、自生地も個体数も少ない。私はホザキノミミカキグサしか見ていない。曽爾高原のお亀池湿地で撮影したが、湿地には無暗に入れないので、望遠の接写レンズが必要である。 写真は白い花のモウセンゴケと同時に花を咲かせるホザキノミミカキグサ(下側に点々と見える)と花(右・距が垂れず、花の前方に突き出て見える)。
生きものは知恵と工夫と努力によって生きている
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