<3818>奈良県のレッドデータブックの花たち(239)ヘラオモダカ(箆面高) オモダカ科
[学名] Alisma canaliculatum var. canaliculatum
[奈良県のカテゴリー] 絶滅危惧種
[特徴] 浅い池沼や湿地、溝、休耕田などに生える多年草で、披針形または狹長楕円形の根生葉がヘラのような形に見えるのでこの名がある。葉身の基部は次第に細くなり葉柄に続く。
花期は7~10月で、枝を分ける花茎は高さが50センチほどになり、枝の花序にオモダカよりも小さい直径1センチほどの花弁の基部が黄色で、淡紅色を帯びる白い3弁花を開く。花は1日花で、次々に咲き散って行く。花は枝に点々とつくので、他の草に紛れて見過ごすことがある。花はオモダカと異なり、両性で、雄しべは6個が輪になってつく。雌しべは雄しべの内側の平らな花床に多数が1列に連なり、輪になる。実は痩果。
[分布] 日本全土。国外では朝鮮半島、中国、台湾、インド。
[県内分布] 奈良市、天理市、香芝市、宇陀市、東吉野村、御杖村。
[記事] 農薬やシカの食害の影響はなさそうであるが、圃場の整備や耕作放棄など自生地の環境の変化が減少要因のようである。 写真は花期のヘラオモダカ(左)と花のアップ(右)。
花は顕花植物になくてはならない機能
その花には知恵と工夫が見て取れる
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